ショウナンナデシコ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ショウナンナデシコ
2022年かしわ記念
欧字表記 Shonan Nadeshiko[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 栗毛[1]
生誕 2017年2月6日(7歳)[1]
抹消日 2023年2月24日
オルフェーヴル[1]
ショウナンマオ[1]
母の父 ダイワメジャー[1]
生国 日本の旗 日本北海道日高町[2]
生産者 天羽牧場[1]
馬主 国本哲秀[1]
調教師 須貝尚介栗東[1]
競走成績
生涯成績 27戦9勝[1]
中央:18戦5勝
地方:9戦4勝
獲得賞金 2億8714万9000円[1]
中央:9124万9000円
地方:1億9590万円
勝ち鞍
JpnI かしわ記念 2022年
JpnII エンプレス杯 2022年
JpnIII マリーンカップ 2022年
JpnIII スパーキングLC 2022年
テンプレートを表示

ショウナンナデシコ(欧字名:Shonan Nadeshiko2017年2月6日 - )は、日本競走馬[1]。主な勝ち鞍は2022年かしわ記念エンプレス杯マリーンカップスパーキングレディーカップ

馬名の意味は、冠名撫子

戦績[編集]

2歳(2019年)[編集]

2019年9月29日の2歳新馬阪神ダート1800m)でデビュー。逃げて上り最速を叩き出し、後続に7馬身差をつけて初戦を勝利で飾る。デビュー2戦目のもちの木賞は1番人気に推されたが4着に敗れた。

3歳(2020年)[編集]

3歳初戦、3歳1勝クラスは7着と惨敗。続くネモフィラ賞は先行し、勝ち馬に1馬身1/4差の2着に粘った。次走、君子蘭賞では芝を使われ6着、ダートに戻した3歳1勝クラスでリネンファッション以下に3馬身差をつけて2勝目を手にした。昇級初戦、青竜ステークスは0.2秒差の4着に入る。次走、3歳以上2勝クラスで1.8倍の1番人気となったが、3着に敗れた。その後は休養を取り5か月後、11月の西湖特別で復帰し6着に敗れた。

4歳(2021年)[編集]

4歳初戦、4歳以上2勝クラスで3着に入るが、続く矢作川特別、4歳以上2勝クラスと2戦続けて勝ち馬から1秒以上離された9着に敗れる。その後、3歳以上2勝クラスで後続を6馬身離す快勝で3勝目を挙げた。3か月後、JRAアニバーサリーステークスで5着に入ると、続く西脇ステークスで前を行くキタノインディをクビ差捕らえて1着、オープン昇級を果たした。昇級初戦、カノープスステークスは3番手から、直線でグレートタイム、ヒロイックテイルの間を突き抜け、1馬身半抜け出して連勝でオープン初勝利を挙げた[3]。次走、ベテルギウスステークスは3番手につけたが逃げるアイオライトを捕まえられず2馬身半差の2着となった。

5歳(2022年)[編集]

5歳初戦、初の重賞挑戦となったTCK女王盃はいったん先頭に立ち、テオレーマにクビ差差し切られるも2着と好走。2回目の重賞挑戦となったエンプレス杯は好位のインでレースを進め、逃げ粘るサルサディオーネに1馬身半差をつけ優勝。重賞初勝利を飾った[4]

続いて4月13日に行われたJpnIIIマリーンカップに出走。道中は2番手でレースを進め、逃げる1番人気サルサディオーネを直線で交わすとどんどん差を開いていき、最後はこれに8馬身差をつけ優勝した[5]

次走に、5月5日に行われたJpnIかしわ記念を選択、単勝4.1倍の2番人気に推され[6]出走した。レースでは最内1枠1番に入り、好スタートからハナを奪い切って半馬身差のリードを保ち向正面を通過、3コーナーで並びかけられるも、4コーナーで加速し1馬身ほどのリードで直線に突入。ソリストサンダーの猛追を凌ぎ切り1と1/2馬身差をつけ1着で入線、重賞3連勝、自身のGI級競走初制覇となった。牝馬によるかしわ記念制覇は1990年のフジノダンサー以来となり、中央・地方交流重賞となって[注 1]からは初めて[7]。オルフェーヴル産駒としても地方GI初制覇となった。

7月6日に行われたスパーキングレディーカップ (JpnIII) に出走。単勝オッズ1.3倍の圧倒的1番人気に推された。レースでは2番手に付け直線で先頭に立って押し切り、追い込んだ3番人気レディバグにクビ差をつけ優勝。重賞4連勝とした[8]

5歳秋初戦として10月6日に行われたレディスプレリュード (JpnII) に出走。ここでも単勝オッズ1.4倍と圧倒的な支持を受ける。レースでは押し出されるような形でハナに立つ。最後の直線では一度は2番人気プリティーチャンスを抜かすも差し返され、4番人気テリオスベルにも差され3着に敗れた[9]

11月3日に盛岡競馬場で行われたJBCレディスクラシック(JpnI)に出走。単勝オッズ1.7倍の1番人気で迎えたレースでは、スタートを決めて内目の3番手を追走。最後の直線では内を突くも伸びきれずに3歳馬のヴァレーデラルナグランブリッジに次ぐ3着に敗れた[10]

続く11月30日のクイーン賞(JpnIII)では、トップハンデとなる57.5kgを背負う。レースでは2着のグランブリッジから7馬身離された3着に敗れた[11]

12月29日に大井競馬場で行われた東京大賞典(GI)に、横山武史を新たに鞍上に迎え出走。レースでは好発を決めてハナを切ったが、直線で後退しウシュバテソーロから1秒3差の6着に敗れた[12]

6歳(2023年)[編集]

6歳初戦として、東京競馬場で行われたフェブラリーステークス(GI)に出走。7番人気で迎えたレースでは前走同様に逃げの手を打つも、直前で後退し自身初の2桁着順となる15着に敗れた。このレースがラストランとなり、2月24日付けでJRA競走馬登録を抹消された。競走馬引退後は生まれ故郷である北海道日高町の天羽牧場で繁殖牝馬となる[13][14]

競走成績[編集]

以下の内容は、JBISサーチ[15]およびnetkeiba.com[16]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上がり3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2019.09.29 阪神 2歳新馬 ダ1800m(良) 16 4 8 015.50(6人) 01着 R1:54.3(37.6) -1.2 0岩田望来 51 (アカボシ) 460
0000.11.16 京都 もちの木賞 1勝 ダ1800m(良) 10 1 1 003.60(1人) 04着 R1:53.3(37.7) -0.3 0岩田望来 54 レーヌブランシュ 460
2020.01.06 京都 3歳1勝クラス ダ1800m(良) 9 6 6 002.70(1人) 07着 R1:55.3(38.1) -1.7 0川田将雅 54 ヴォルスト 468
0000.01.19 小倉 ネモフィラ賞 1勝 ダ1700m(重) 7 4 4 005.00(3人) 02着 R1:45.6(38.3) -0.2 0西村淳也 54 ミヤジコクオウ 470
0000.03.28 阪神 君子蘭賞 1勝 芝1800m(稍) 12 8 11 013.10(6人) 06着 R1:48.8(34.9) -0.7 0浜中俊 54 ボンオムトゥック 470
0000.04.11 阪神 3歳1勝クラス ダ1800m(良) 14 7 11 007.70(4人) 01着 R1:52.7(37.7) -0.5 0岩田望来 53 (リネンファッション) 474
0000.05.17 東京 青竜S OP ダ1600m(良) 15 8 14 019.90(6人) 04着 R1:36.4(37.0) -0.2 0石橋脩 54 デュードヴァン 468
0000.06.13 阪神 3歳上2勝クラス ダ1800m(不) 12 3 3 001.80(1人) 03着 R1:51.9(36.6) -0.3 0岩田望来 51 ダイアナブライト 470
0000.11.21 東京 西湖特別 2勝 ダ1600m(良) 16 5 10 003.40(1人) 06着 R1:38.1(38.5) -1.2 0石橋脩 54 テオレーマ 458
2021.02.27 阪神 4歳上2勝クラス ダ1800m(良) 12 2 2 002.40(1人) 03着 R1:55.3(36.0) -0.2 0岩田望来 54 ラヴォアドゥース 488
0000.03.20 中京 矢作川特別 2勝 ダ1800m(良) 16 8 16 004.50(2人) 09着 R1:54.8(39.2) -1.1 0幸英明 54 ダノングリスター 486
0000.04.04 阪神 4歳上2勝クラス ダ1800m(良) 15 1 1 003.80(1人) 09着 R1:54.3(40.2) -1.7 0吉田隼人 55 ルコントブルー 484
0000.06.12 中京 3歳上2勝クラス ダ1800m(良) 13 5 6 005.60(4人) 01着 R1:52.4(36.8) -1.0 0松山弘平 55 (ピクシーメイデン) 478
0000.09.20 中京 JRAアニバーサリーS 3勝 ダ1800m(良) 16 7 14 005.40(3人) 05着 R1:51.5(37.4) -0.3 0吉田隼人 55 トランスナショナル 480
0000.10.30 阪神 西脇S 3勝 ダ1800m(良) 16 2 4 009.70(3人) 01着 R1:52.4(36.8) -0.1 0藤岡康太 55 (キタノインディ) 480
0000.11.28 阪神 カノープスS OP ダ2000m(良) 16 3 5 005.60(2人) 01着 R2:05.0(36.7) -0.3 0吉田隼人 52 (グレートタイム) 480
0000.12.28 阪神 ベテルギウスS L ダ1800m(良) 16 7 13 002.60(1人) 02着 R1:52.1(37.1) -0.4 0吉田隼人 55 アイオライト 482
2022.01.26 大井 TCK女王盃 JpnIII ダ1800m(良) 12 5 5 005.30(4人) 02着 R1:54.2(37.4) -0.0 0吉田隼人 55 テオレーマ 482
0000.03.02 川崎 エンプレス杯 JpnII ダ2100m(良) 13 4 4 002.10(1人) 01着 R2:15.7(38.5) -0.3 0吉田隼人 55 サルサディオーネ 480
0000.04.13 船橋 マリーンC JpnIII ダ1600m(良) 13 8 13 002.80(2人) 01着 R1:41.3(38.5) -1.7 0吉田隼人 57 (サルサディオーネ) 479
0000.05.05 船橋 かしわ記念 JpnI ダ1600m(稍) 14 1 1 004.10(2人) 01着 R1:38.9(38.4) -0.3 0吉田隼人 55 ソリストサンダー 484
0000.07.06 川崎 スパーキングLC JpnIII ダ1600m(良) 10 8 10 001.30(1人) 01着 R1:41.1(39.4) -0.1 0吉田隼人 58 レディバグ 480
0000.10.06 大井 Lプレリュード JpnII ダ1800m(重) 12 2 2 001.40(1人) 03着 R1:51.9(37.3) -0.2 0吉田隼人 57 プリティーチャンス 478
0000.11.03 盛岡 JBCLクラシック JpnI ダ1800m(良) 11 2 2 001.70(1人) 03着 R1:50.3(36.5) -0.2 0吉田隼人 55 ヴァレーデラルナ 474
0000.11.30 船橋 クイーン賞 JpnIII ダ1800m(稍) 14 5 7 002.20(1人) 03着 R1:56.3(42.5) -1.9 0吉田隼人 57.5 テリオスベル 480
0000.12.29 大井 東京大賞典 GI ダ2000m(良) 14 5 8 015.00(5人) 06着 R2:06.3(39.2) -1.3 0横山武史 55 ウシュバテソーロ 484
2023.02.19 東京 フェブラリーS GI ダ1600m(良) 16 5 9 029.10(7人) 15着 R1:38.8(39.7) -3.2 0横山武史 56 レモンポップ 490

血統表[編集]

ショウナンナデシコ血統(*印は海外産の日本輸入馬) (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系/ヘイロー系
[§ 2]

オルフェーヴル
2008 栗毛
父の父
ステイゴールド
1994 黒鹿毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ゴールデンサッシュ *ディクタス
ダイナサッシュ
父の母
オリエンタルアート
1997 栗毛
メジロマックイーン メジロティターン
メジロオーロラ
エレクトロアート *ノーザンテースト
*グランマスティーヴンス

ショウナンマオ
2009 鹿毛
ダイワメジャー
2001 栗毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
スカーレットブーケ *ノーザンテースト
*スカーレットインク
母の母
*ショウナンハピネス
1995 黒鹿毛
Kris S. Roberto
Sharp Queen
Rambling Barb Cormorant
Bouncy Barb
母系(F-No.) ショウナンハピネス(CAN)系(FN:8-c) [§ 3]
5代内の近親交配 サンデーサイレンス 3×3、ノーザンテースト 5・4×4、Hail to Reason 5×5・5 [§ 4]
出典
  1. ^ [17]
  2. ^ [18][19]
  3. ^ [17]
  4. ^ [17][19]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ かしわ記念は、ダートグレードの格付け制度開始前年の1996年から交流重賞として行われている

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n ショウナンナデシコ”. JBISサーチ. 2023年2月19日閲覧。
  2. ^ ショウナンナデシコ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2023年2月19日閲覧。
  3. ^ “【阪神11R・カノープスS】ショウナンナデシコが連勝でオープン初V”. スポーツ報知. (2021年11月28日). https://hochi.news/articles/20211128-OHT1T51136.html 2022年3月8日閲覧。 
  4. ^ “【川崎・エンプレス杯結果】ショウナンナデシコが抜け出して重賞初V | 競馬ニュース”. netkeiba.com. https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=200353 2022年3月8日閲覧。 
  5. ^ “【船橋・マリーンC結果】ショウナンナデシコが8馬身差の圧勝劇で重賞連勝”. netkeiba.com (株式会社ネットドリーマーズ). https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=201985 2022年4月16日閲覧。 
  6. ^ かしわ記念(Jpn1) 出馬表 | 2022年5月5日 船橋11R 地方競馬レース情報”. netkeiba.com. 2022年5月5日閲覧。
  7. ^ “【かしわ記念】ショウナンナデシコG1初挑戦V 交流重賞となってから牝馬Vは史上初”. 日刊スポーツ. (2022年5月6日). https://www.nikkansports.com/keiba/news/202205050001389.html 2022年5月7日閲覧。 
  8. ^ “【川崎・スパーキングレディーC結果】ショウナンナデシコが押し切って重賞4連勝”. https://news.sp.netkeiba.com/?pid=news_view&no=204910 2022年11月30日閲覧。 
  9. ^ “【レディスプレリュード】1番人気のショウナンナデシコはまさかの3着 吉田隼人騎手「差し返されたのは予定外」”. https://news.sp.netkeiba.com/?pid=news_view&no=209147 2022年11月30日閲覧。 
  10. ^ “【JBCレディスクラシック】断然人気ショウナンナデシコは3着 吉田隼人騎手「勝ち切れず残念」”. https://news.sp.netkeiba.com/?pid=news_view&no=212023 2022年11月30日閲覧。 
  11. ^ “【船橋・クイーン賞結果】テリオスベルが重賞初V、江田照男騎手は18年ぶりのDG勝利”. 株式会社ネットドリーマーズ. https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=214921 2023年2月19日閲覧。 
  12. ^ “【東京大賞典】紅一点のショウナンナデシコ、逃げて6着 横山武史騎手「作戦はゲートを出て決めた」”. 株式会社ネットドリーマーズ. https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=218332 2023年2月20日閲覧。 
  13. ^ ショウナンナデシコが競走馬登録抹消”. 日本中央競馬会 (2023年2月24日). 2023年2月24日閲覧。
  14. ^ 交流重賞4勝のショウナンナデシコが引退 生まれ故郷の天羽牧場で繁殖入り - 東スポ競馬 2023年2月24日
  15. ^ 競走成績:全競走成績|ショウナンナデシコ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年2月19日閲覧。
  16. ^ ショウナンナデシコの競走成績”. netkeiba.com. Net Dreamers Co., Ltd.. 2023年2月19日閲覧。
  17. ^ a b c 血統情報:5代血統表|ショウナンナデシコ”. JBISサーチ. 2022年3月2日閲覧。
  18. ^ ショウナンナデシコ - Shonan Nadeshiko - 競走馬データベース”. 競馬ラボ. 2022年3月5日閲覧。
  19. ^ a b ショウナンナデシコの血統表 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2022年3月2日閲覧。

外部リンク[編集]