プロトン化水素分子、H
3+ は水素原子核3個と電子2個からなる+1の電荷を持ったカチオンである。星間空間や水素ガスの放電中に、多量に存在する。星間空間は密度の比較的大きなところでも、地球上に比べて低圧(およそ10–15気圧以下)であり、他の分子との衝突頻度が少ないことからこのような反応性の高いイオンでもある程度の量が存在することができる。星間空間ではこの分子が他の多くの分子生成にとって出発分子であり、星間空間の化学において最も重要な役割を担っているといえる。また、H
3+ は分子中にある2つの電子が共に価電子であり、最も単純な三原子カチオンでもある。
ジョン・ドルトン(1766年–1844年)は、イギリスの化学者、物理学者ならびに気象学者である。原子説を提唱したことで知られる。また、自分自身と親族の色覚を研究し、自らが先天色覚異常であることを発見したことによって、ドルトニズムの語源となった。
カンバーランド州イーグルスフィールドでクェーカー教徒の一家に生まれる。機織りの息子であり、地元の小学校で初等教育を受けたが、そこの教師が1778年に引退すると、12歳にして教師となった。15歳のとき兄と共に近くのケンダルでクェーカー教徒の学校を運営した。1790年ごろ法律家か医師になることを志したが、当時のイングランドでは非国教徒は大学に入学できなかったため親族に反対され、1793年までケンダルに留まり、その後マンチェスターに引っ越した。