フロリナート

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フロリナート(英:Fluorinert)は、3Mによって販売される電子機器の冷却材の製品群の商標である。絶縁体によって安定したフルオロカーボンを基にした液体であり、主に電子機器の冷却など多様な冷却用途に使用される。異なる分子構造により、用途に応じて多様な沸点で利用が可能となっている。液体での用途を企図した単相での利用法か、液体の蒸発時の気化潜熱を利用する二相での利用法がある。

2015年6月には、Green500でフロリナートを冷媒とするスーパーコンピュータが1位から3位までを独占した[1][2]

3Mの化合物の一例としてFC-72(ペルフルオロカーボン、C6F14)がある。ペルフルオロカーボンは沸点が56 °C (133 °F)なので、低温での伝熱用途に使用される。もう1つの例ではFC-75、ペルフルオロ(2-ブチル-テトラヒドロフロン)がある。これらの3Mの液体は、FC-70(ペルフルオロトリペンチルアミン)のように215 °C (419 °F)までの温度で扱える[3]

空冷では不十分な状況や、強制的なポンプでの送風が制限される状況下で使用される。

毒性[編集]

吸入した場合に適切な処置を施したり、目や皮膚への接触を避けなければ危険である場合があるが、摂取による健康への影響は予想されていない[4]

非常に高い地球温暖化係数(GWP1,000を超え10,000に迫る水準)と長期間大気圏に残留するので、フロリナート油の使用は閉鎖されたシステムで少ない量を使用すべきである[5]

SF映画『アビス』(1989年)では、実験的な液体呼吸システムで高酸素濃度のフロリナートを使用することにより、潜水者の深海潜水を可能にして俳優のエド・ハリスが液体呼吸を模擬する場面が描かれた。なお、複数の実験用ネズミが実際にフロリナートによって呼吸する場面もあるが、イギリスでは動物虐待との判断から削除されている。

関連項目[編集]

出典[編集]

外部リンク[編集]