レンズフィルター

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62mm UV(上)・円偏光(左)・昼色蛍光灯(右)フィルター

レンズフィルターとは、写真映像を撮影する場合や望遠鏡などで観察する際に、レンズの先端、後端、あるいは中間部分に装着して、そこを通過する光に制限を与えるカラーフィルタやその他の光学フィルターである。

光を波長偏光で透過あるいは反射により制御する。いわゆるソフト効果や光条効果などを加えるなどといったフィルタもある。

効果による分類[編集]

左側は偏光フィルターなし、右側はあり。雲のコントラストを高め、青空が強調されている。
左は偏光フィルターあり、右側はなし。葉の反射光が除去され、色が鮮やかになっている。
左は偏光フィルターなし、右側はあり。水面の反射が除去され、水の底がはっきり見えている。

偏光フィルター[編集]

偏光フィルター(PLフィルター、PL: Polarized Light)は、特定方向の直線偏光を持つ成分を強く減衰する効果があるフィルターで、表面反射による光を目立たせたり抑えたりできる。原理については「偏光」の項参照。

水面やガラスの反射による写り込みの除去、具体例としてはショーケース内の展示物撮影のようなガラス越しの撮影に使われる。また空気中の水蒸気の反射を除去するため、青空の色調あるいは樹葉・山肌・建物などのコントラストの強調に効果がある。またをはっきり写しこんだり、逆に消したりすることができる。

超広角レンズに使用すると画面の両端で効果が違って不自然になるなどということもある。

円偏光フィルター[編集]

オートフォーカス機構やTTL露出計のためにハーフミラーを使用しているカメラがある。ハーフミラーを利用するような場合に一般に多い斜めの入反射角では、直線偏光と相互に影響がある。そのため、一般の直線偏光のPLフィルターを利用すると意図しない誤差などを発生させることがあるが、「円偏光(Circular PL)フィルター」はそのような問題を回避できる。なお、ニコンF3が使用しているピンホールミラーによるハーフミラーなど、この影響が小さいハーフミラーもある。

使用法や効果は、ガラス面の反射像の低減などといった直線偏光の特性を利用した用途以外では、直線偏光の偏光フィルターと変わらない。

シャープカット(SC)フィルター[編集]

ある波長より短い波長の光をカットする。名称は「SC」+「カットする波長(nm)/10」で表示される[1]

UV(紫外線吸収)フィルター[編集]

UV (Ultra Violet)フィルターは紫外線をカットするフィルターである。無色透明と言われているが、視認できないほど極めて淡い黄色(もしくは黄灰色)を帯びていて、この極淡黄色(もしくは極淡黄灰色)が紫外線を吸収する役割を果たし、その濃さによって紫外線の吸収量が変わる。
かつての乾板やフィルムが紫外線や青色光に敏感すぎる為、遠景などが見た目よりはっきり写らない、白くぼやけて霞や霧がかかった様に写る[2]ので、極淡黄色(もしくは極淡黄灰色)の濾光器やスクリーンを用いる事で風景を鮮明に捉えていた。その後継とも言えるのがUVフィルターである。
紫外線が大気中の塵などに反射して散乱し、遠景がハッキリと写らない時にこれを使用する。装着しても色再現に影響はなく、また露出量も下がらない。レンズ保護用フィルターとして付けっぱなしにする人も居るが、埃が付着したり瑕が入る可能性がある為必要な時に装着した方が良い。
近年はレンズコーティングの技術が進んでレンズ自体が紫外線をカットするようになった事に加え、カメラのデジタル化に伴いカメラボディ内部側のCMOSセンサーの発達やローパスフィルタが搭載されたカメラの登場なども相まって、現在では本来の目的としてはあまり使われなくなって来ている。

シャープカットフィルターとしての名称はSC37(L37)[3]、SC39(L39)[4]がこれに当たる。この他にL38、L40、L41も存在する。

L37やL38そしてL39は白紙上に置いても黄色を視認する事は難しいが、L40は仄かに黄色(または黄灰色)を視認する事ができる。
L41は薄い紫色をしており、紫外線と青色光の一部を吸収する働きを持っているのでスカイライトフィルターに似ていて、UVフィルターとプロテクトフィルターを兼ねている。

スカイライトフィルター[編集]

薄い小豆色もしくは薄紫色のフィルターで、紫外線をカットし且つ青色光(菫色、藍色、紫色、青色)の一部をカットする働きを有する。通常“1A”と“1B”の2種類あり、“1B”の方が効果が強い。一般にフィルムで撮影した場合、フィルム自体が紫外線や青色光に鋭敏である為、肉眼で捉えるより紫外線による遠景の霞が強調されてしまったり、被写体が少し青みがかる「青被り」が起こる。それを補正する為のフィルターである。主に快晴時の山上や海、そして高原での屋外撮影、及び晴天時(殊に青空が清澄である時)の屋外撮影で使用する。また色温度が高く青味掛り易い曇天や日陰などでの撮影にもそれを防ぐ為に使用する場合がある。製品によって差異はあるものの、その原理は波長の内、おおよそ390 nm - 410 nm以下をカットする事にある。可視光線は380 nm - 750 nmである為、紫外線と同時に当該する波長の可視光線、つまりは青み(厳密には紫)を僅かにカットし、青空の下で撮影した被写体の「青被り」を軽減する仕組みである。

紫外線をカットすると同時に被写体のカラーバランスを整えるので、カラーフィルムが一般に普及するに伴って常用される様になったが、カメラのデジタル化に伴い使われなくなった。UVフィルターはプロテクト・フィルターの代わりに現在でも使われる事があるが、これは上記の特性からデジタルカメラに装着して撮影すると、画像が僅かに赤味を帯びる「赤被り」が起きるので代替にはならない。またフィルムでの撮影でも赤色光をより多く透過する事になるので、赤色系の部分に白飛びが発生する事がある。

白黒用コレクトフィルター[編集]

匡正フィルターとも言われ、黄色フィルターがこれに当たる。
ラッテン№6乃至9に相当し、かつてはK1、K1'1/2[5]、K2、K3などと呼称されていたが、現在はY0(輝黄色、淡黄色)[6]、Y1(中黄色)、Y2(黄色)、Y3(濃黄色)の呼称が一般的で、JIS規格Y48に相応するY2が最も用いられ、附されている数字が大きい程その持てる効果が強くなる。

かつて一般に使用されていた、色盲乾板と俗称された普通感色性の乾板は、緑や黄色、橙、赤色には鈍感である反面、紫外線や青色光(菫色、藍色、紫色、青色)には鋭敏すぎる欠点があり、青空が白く潰れる、遠景に霞や時には濃い霧が掛かった様になる、画の濃淡や明暗が不自然になるなど障碍が多かった。
そこで紫外線や青色光を感情に感じて画に霞や霧が掛かるのを防ぐ目的で使用されたのがコレクトフィルターである。
最もこの紫外線や青色光に過敏すぎる欠点は、形状が乾板からフィルムパック、ロールフィルムへと移っても、性状がオーソ(黄色までは感じ、赤や橙には不感)、オーソクロマティック(赤と橙には鈍感)、パンクロマティック(全色を感じる)へと発達しても、軽減はしても持ち続けてしまい、コレクトフィルターの重要性は変わらなかった。

UVフィルターと同じく紫外線を吸収する事でこれをカットし、同時に青色光をもカットする働きがあり、例えば青空を少し暗くする事で白雲をハッキリと写し出したり、遠景に霞や霧が掛かるのを防いで鮮明に捉える、コントラストを高める、明暗や濃淡を見た目と同じくする整色などの効果がある。
ただこれらの効果が十二分に期待できるのはY2のみで、Y0やY1は黄色が薄い為紫外線はカットできるが青色光は少しカットするだけなので、画を鮮明にする事は出来ても、コントラストや整色などの効果は不十分で、他方Y3はこれらの効果が強く不自然な画になりやすい。

UVフィルター代わりにY2を常用する例があるが、埃の付着や瑕が入るなどの問題を防ぐ意味からも、必要な時のみ装着した方が良い。

黄色フィルターには他にアエロ1號(ラッテン#3)、マイナスブルー(マイナスブリューとも。ラッテン#12)、Gフィルター(ラッテン#15)、フラバヂン(フラバジンとも。ラッテン#16)、キノリンイエロー(ラッテン#17)が存在する。
アエロ1號は淡黄色のフィルターで空中撮影に主に使用され、紫外線を吸収する働きを有している。
マイナスブルーは僅かに橙色がかった黄色のフィルターで、空中写真の撮影に主に使用され、その名の通り紫外線や青色光を吸収するので紫外線などによる霞をカットする事ができる。また満月を撮影した時に起こる「青被り」を防ぐ目的でも使用される。“コダック・エアロ・エクタクローム・インフラレッド”の指定フィルター。
Gフィルターは濃黄色もしくはクリアな黄色味がかった橙色のフィルターで、紫外線及び青色光の多くを吸収する働きを持っている。その為青空がかなり暗く写るなどコントラストが強調される。
フラバヂンはGフィルターよりもコントラスを強調する働きを有し、パンクロマティックフィルム専用フィルターである。
キノリンイエローは天体写真などに使用されるフィルターで、紫外線を透過させ紫色光を吸収する働きがある。

現在ではいずれのフィルターも一般的に使用される事は稀で、日本国内では入手が困難だが個人輸入で入手する事は可能である。

白黒用コントラスト調整フィルター[編集]

紫外線や青色光(菫色、藍色、紫色、青色、青緑色)をカットし、橙色や赤色、赤外線をより透過させることにより、寒色系を暗く、黒く、暖色系を明るく、白くしてコントラストを上げる為に使われるフィルターで、常用はされない。

橙は“O”や“YA”などで、また赤は“R”で表され、他のフィルター同様数字が大きい程その効果は強くなる。
JIS規格O56に相当するO2やYA2、R60に相当するR2が標準的に用いられる。
他に橙ならO1やYA1、YA3、赤ならR0やR1、R3が存在する。

コントラストを上げる効果がある為、数字が大きいフィルターを使うと、それだけ明暗や濃淡の差が極端になってしまうので、その性状から特殊効果フィルターと言う括りで扱われる事もある。

またYA3やR0、R1で擬似赤外線写真を撮る事が出来る他、R2やR3は赤外フィルムを使用しての赤外写真の撮影にも使用される。

白黒用整色フィルター[編集]

シャープカットフィルターではないが、似た用途なのでここで解説する。

オルソマティックの乾板やフィルムの感色性は、赤色には不感で緑色には弱い反面、普通感色性と同様紫外線や青色光には過敏すぎると言う缺点を有していた。
その為赤色が炭団のように真っ黒に、緑色が必要以上に暗く写るのに対し、遠景が靄や霞、時には霧が掛かった様になったり、寒色系の部分が白飛びしたり、コントラストが低くなってしまう事が多かった。
その後赤色には不感である問題を解決する為様々な努力が払われ、赤色や橙色に対して幾分感色性の弱いオルソクロマティックや、青色から赤色までの感色性を持たせたパンクロマティック、赤色や赤外線に対しても鋭敏な超赤感パンクロなどの乾板やフィルムが登場したが、いずれも紫外線や青色光には程度の差こそ有れ、鋭敏すぎると言う缺点を有するのは変わらなかったばかりか、パンクロマティックは赤色にも鋭敏な性状すら有し、しかもいずれにも「緑欠」と呼ばれる緑色には鈍いと言う缺点があった。

緑色フィルターはそれらを補正する目的で用いられる物で、紫外線や青色光(菫色、藍色、紫色、青色)の全て、赤色、橙色のおよそ半分を吸収し、緑色を補う性質を持っている。
淡緑色(light green)や黄緑色(PO0やX0、betaなど)、そして緑色または濃緑色(PO1やX1、Gammaなど)のフィルターを使用して紫外線や青色光をカットし、赤色や橙色を弱める事で明暗や濃淡のバランスを調節していた。

だがその後の技術の進歩も相俟って、現在のパンクロマティックフィルムは、可視光すべての領域においてほぼ等しい感色性を持たせているので、緑色フィルターが使われる機会は非常に少なくなったと言っても良い。

ただ現在において全く使われなくなった訳ではなく、白黒フィルムでポートレートを撮る時に、肌や唇の赤みを抑えて濃淡や明暗をより自然なものにしたい場合や、新緑などを瑞々しく写したい場合、青葉繁れる森林内での人物撮影などに使われ、被写体や天候などの状況に応じ、各々淡緑色、黄緑色、緑色または濃緑色のフィルターを使い分けている。

また紫外線や青色光を吸収する事によって風景をより鮮明に写す働きもあるので、黄色フィルターの代わりに常用フィルターとして使用される場合がある。その場合は淡緑色やPO0またはX0と言った黄緑色のフィルターが主に使われるが、黄色フィルターを使用した時に比べて青空がより暗く写ってしまうので注意が必要である。

赤外フィルム用フィルター[編集]

赤外フィルムは通常の光にも感光するので、フィルターなしでの撮影ではその利点が全く出ない。その為600nm以下の光をカットするSC60[7]以上の赤色フィルターを使用しなければならない。

103aE用フィルター[編集]

コダックから天体写真用に発売されていたスペクトロスコピックフィルム「103aE」は水素輝線にのみ感光させるため、640nm以下の光をカットする赤黒いSC64[8]を使用しなければならなかった。

HFグラス[編集]

水銀灯やナトリウム灯の光をカットすることである程度光害の悪影響を減らすことができる天体撮影用フィルター。

白黒用特殊効果フィルター[編集]

濃青色フィルターがこれに当たるが、黄色・緑色・橙色・赤色の各フィルターと異なり白黒フィルム専用のものは存在せず、カラー原稿の写真原版を作る際に用いられる三色分離フィルターの一つである、ラッテン#47及びそれに相応するフィルターが使用される。

このフィルターは紫外線や青色光をより多く透過させるのに対し、赤外線や赤色、橙色、黄色は吸収し、緑色などは弱めたりする働きを有している。
その為このフィルターをかけて撮影すると、青空が白く潰れる、遠景に強い霞や霧がかかる、暖色系が黒くなる、少しぼやける、コントラストが低くなる、遠近感がなくなるなどの影響が出て、画が平面的なものになってしまう。
それゆえ白黒撮影には殆ど使用されず、遠景に強い霧をかける、風景全体にぼやけた感じを出す、肌を褐色の様にするなどの特定の効果を狙う時にのみ用いられる。

色彩強調・効果用フィルター[編集]

カラーフィルム使用時に特定の色を強調する、または特定の色を加味する。

モノクロフィルム用のシャープカットフィルターをカラー用の色彩強調用フィルターとして流用したり、また幻想的な写真にするためCC-M40を使用することがある。

NDフィルターの減光により低速シャッターが可能になり、モーションブラー効果が出た例。

NDフィルター[編集]

減光フィルターで、レンズに入る光の量を一律に減少させる効果がある。NDはNeutral Densityの略で、色に対して中立という意。これを使うことで撮影の際の絞りを開いたり、シャッター速度を下げることが可能になる。明るいレンズ使用時の屋外ポートレート撮影など晴天時でも開放状態で後ろをボカして撮影する、川の流れを糸の集まりのように撮影する、人通りのある街並みを人を消して撮影するなど長時間露出による特殊効果を出して撮影する等の用途がある。NDフィルターの中には大きな照度差がある被写体を撮影する目的で中央部だけND効果が得られたり、画面片側半分だけ減光効果が得られるものもある。一般的なNDフィルターは灰色または黒色で、その濃さの度合いによりND2、ND4、ND8、ND400などがあり、さらに日食など太陽の撮影を主たる用途とした、ND10000やND100000といった高い倍率のフィルターもある。ND2であれば光量は1/2、ND400であれば1/400の光量となる。色再現に影響を与えずに減光するのが建前であるが、製品によっては色再現に影響が出るものもあり特に濃度が高いものは黄色にカブるものが多い。一般に吸収のために黒く(グレーに)見えるが、太陽撮影用などの高倍率のものでは反射能を併用しているものもあり、そういった製品では金属蒸着などで銀色に見える。

色温度変換(LB)フィルター[編集]

フィルムはデイライトタイプで通常色温度5500K程度、タングステンタイプで通常色温度3200K程度で自然な発色をするように製造されている。しかし実際の光は多様であり、例えば日の出や日没時で色温度2000〜4000K、電球やフラッドランプの光は色温度2800〜3200Kと低く赤っぽい光であるし、エレクトロニックフラッシュの光は一般に色温度6000K前後、晴天の日陰や曇天の元では色温度6500K前後と高くなり青っぽい光である。フィルムが想定している色温度より低い色温度の光の下で撮影すると赤っぽく、また高い色温度の下で撮影すると青っぽくなってしまうため、補正するために使われるのが色温度変換(Light Balancing)フィルターである。

色温度を下げるアンバー(LB-A[9])と上げるブルー(LB-B[10])がある。

例えばカタログ上で商品の色が現物と違うと困るので補正し「正しい」色にする必要もあるわけだが、例えば夕焼けのシーンで画面が赤っぽくなるのは自然なことであり補正することでその場の雰囲気を殺してしまうことになるため風景写真では必ずしも使用が推奨されるものではなく、逆に夕日にLB-Aを使用して強調することもある。

デジタルカメラビデオカメラカムコーダ)では内蔵されたホワイトバランス機能がこれらの代わりとなり、近年ではデジタルカメラの普及に伴い次第に使われなくなってきている。

色補正(CC)フィルター[編集]

色補正(Color Compensating)フィルターは適切な色状態での撮影を行なうために用いる。

シートフィルターではシアン(CC-C)、マゼンタ(CC-M)、イエロー(CC-Y)の三原色、そしてその補色であるレッド(CC-R)、グリーン(CC-G)、ブルー(CC-B)があり、それぞれ濃度が1.25、2.5、5、7.5、10、20、30、40、50等と多種が発売されている。カラーメーターでの測定結果に従ってこれらを組み合わせることであらゆる状態に対応することができる。ガラスフィルターではよく使われる色と濃度のみ発売されている。

デジタルカメラビデオカメラカムコーダ)では内蔵されたホワイトバランス機能がこれらの代わりとなり、近年ではデジタルカメラの普及に伴い次第に使われなくなってきている。

蛍光灯(FL-W)フィルター[編集]

デイライトタイプのフィルムを使用し蛍光灯下で撮影すると緑色にかぶるが、それを補正するために使用する。CCフィルターの一種で、個別のCCフィルターではCC-M30かCC-M40M、場合によってはそれにCC-10RまたはCC-R20や、CC-Y10またはCC-Y20Yを加えることで同じ効果が得られる。

蛍光灯はそのメーカー、種類、使用時間によって色が異なるため、厳密な補正にはカラーメーターとCCフィルターが必要である。

TV画面撮影用(TV-CC)フィルター[編集]

デイライトタイプのフィルムを使用しTV画面を撮影する際に使用するフィルター。

ホワイトバランス取得用フィルター[編集]

装着した状態でマニュアルホワイトバランスを取得することで、その光源下での正確なホワイトバランス状態を得ることができる。

変則反射除去(DR)フィルター[編集]

アニリン系の染料で染めた布などではある特定の波長に激しい吸収帯があり、その結果撮影したカラー画像が本来の色と異なって表現される場合があり、これを変則反射という。この現象を抑えるために開発されたのが変則反射除去フィルターであり、これはケンコーの商品名である。

ソフトフィルター[編集]

軟焦点レンズで撮ったような、少しぼやけたような効果を出すフィルター。「幻想的」といったような画像効果がある。デュート、ソフトン、フォギー等多種類がある。

  • デュート(Duto) - 無色透明のガラスに同心円状に腐食処理を施し弱いソフト効果を出すフィルター。
  • ソフトン(Softon) - 無色透明のガラスまたはプラスチックに不規則な凹凸を作ることでソフト効果を出すフィルター。
  • フォギー(Foggy) - 霧が掛かったような効果を出すフィルター。寒い時であればレンズに軽く息を吹きかけて曇らせることで代用できる。
  • 数は多くないが、軟焦点レンズと同じような光学的効果(収差)を発生させるフィルターもある

クロスフィルター[編集]

光っている部分に光条を発生させるフィルター。水面が太陽光で光っているところや、ライトアップされた夜景などを写すと、キラキラと光っている感じが強調される。単にクロスフィルターと言う場合、光条4本のものが一般的である。ケンコーでは、光条6本のものをスノークロス、光条8本のものをサニークロス、光条4本だがその角度を調整できるものをバリクロスと称している。

レンズ保護用フィルター(プロテクター)[編集]

無色透明で、前球レンズを衝撃や汚れから保護するだけの機能しか持たないフィルター(レンズプロテクター・MCプロテクター)。レンズ本体の光学性能や描写能力を低下させると一部のカメラマンからは敬遠されるが、現在市販されているものではほとんどレンズ本体の能力に影響しない。但し夜景撮影や逆光状態においてはレンズフレアなどが発生する原因となるので、現在でも外すのが妥当である。

高級モデルでは耐久性や防汚性が高くなっている。

紫外線カットフィルターやスカイライトフィルターを保護用フィルターとして代用することがあるが、スカイライトフィルターは赤っぽくなるため注意が必要である。

クローズアップレンズ[編集]

厳密にはフィルターではないが、同じ使われ方をしており、一般にフィルターの一種という扱いの場合も多いので、ここで解説する。このレンズを装着することで接写撮影が可能になる。

ただし、他のフィルター類と併用する場合、クローズアップレンズを最もレンズ本体と近い位置に装着する必要があり、またマクロレンズに比べてピントあわせに制約がある。

番号は焦点距離(≈主レンズのピントリングを無限遠とした時の撮影距離)を表しているが、メーカーにより表示方法が違うので注意が必要である。ニコンの場合No.0は1400mm、No.1は670mm、No.2は340mm、No.3Tは664.8mm、No.4Tは341mmである。ケンコーの場合No.1は1/1m=1m、No.2は1/2m=50cm、No.3は1/3m≈33cm、No.10は1/10m=10cmである。

赤外線フィルター[編集]

肉眼では感じることができない、赤外線のみを透過するフィルター。赤外線フィルムに使用する。またデジタルカメラの撮像素子は赤外線を感知する性質があり、このフィルターを利用することで変わったイメージの画像を撮影できる。機種により赤外線の感知領域が異なる他、可視光に比べ赤外線の波長が長いため、撮影は手動で調整する必要がある。

材質による分類[編集]

ガラスフィルター[編集]

ガラスにフィルター効果となる成分を混ぜ合わせ板状にしたもの。円板状にして枠に嵌めてありレンズ先端部のねじ山部分(ナット様になっている)にねじ込んではめ込む形式のものが多いが、超望遠レンズの場合は専用のホルダーを使ってスロット部にはめ込むものが多い。各カメラ・レンズメーカーが純正品として出しているほかケンコーやマルミ光機などのフィルター専門メーカーも存在する。過去には東芝も製造していた。

ゼラチンフィルター[編集]

ゼラチンアセテートなどの素材に染料などフィルター効果となる成分を混ぜ合わせ、薄いシート状にしたもの。元祖であるコダックラッテンフィルターがゼラチン製であったため、同様の方法で使用されるアセテート製の富士フィルターも「ゼラチンフィルター」と俗称される。色補正が細かくできるため、デジタルカメラ普及以前はプロが色補正のために多用した。薄いシート状であるためホルダーに何枚重ねて挟んでもケラレる危険性はほとんどない。ハサミで切って超広角レンズの後ろ玉に貼り付けたり、エレクトロニックフラッシュの発光部にセロハンテープで貼り付ける等特殊効果のための使用もできる。

耐久性が低く、特にゼラチン製フィルターは水に濡らすと形状はそのままで弾力のある柔らかいゴム状になってしまうため湿気を避ける必要がある。アセテート性フィルターは濡らしても変化は起こらない。

プラスチックフィルター[編集]

円形状のプラスチック板にフィルター効果となる成分を混ぜ合わせ、または塗布、コーティングしたもの。プラスチックは形状を変化させるのが簡単であるため、ソフトフィルター等特殊効果用フィルターにも多い。ゼラチンフィルター程ではないが傷がつきやすいので扱いには注意が必要である。

形状による分類[編集]

シートフィルター[編集]

ゼラチンフィルターやアセテートフィルターがこれに当たる。75×75mmと100×100mmの製品がある。

円形フィルター[編集]

ガラスまたはプラスチックフィルターの大多数はこの形状である。

角型フィルター[編集]

イギリスのリーフィルター(Lee Filters)、フランスのコッキン(Cokin)[11]の製品が知られている。

取り付け規格による分類[編集]

ネジ式[編集]

ほとんどのフィルターはこの形式である。丸い金属枠に嵌められており、アタッチメントネジで装着する。レンズ前端に装着する製品が多いが、超望遠レンズで前端が大口径である場合や超広角レンズでそもそも前端にフィルターが装着できない場合には後端に装着する場合もある。

バヨネット式[編集]

丸い金属枠に嵌められており、アタッチメントバヨネットで装着する。ハッセルブラッドローライコンタレックスアルパなどがそれぞれ専用の規格を持っている。またペンタックス67用レンズの一部でも採用されているほか、ニコンの超広角レンズの一部には後端に装着するバヨネット式フィルターを使用する製品がある。交換が簡単迅速であるがフィルターが高価になる場合が多く、汎用性がないため種類も限られ、また製造中止後入手が難しくなるのが欠点。これを避けるためコンタレックスやペンタックス67用レンズにはネジ式も併用可能な製品もある。

シリーズ式[編集]

丸形のガラス板のみ、またはそれが丸い金属枠に嵌められている形状。フードやホルダーに挟み込んで使用する。古い製品にのみ見られる。

差し込み式[編集]

レンズ鏡胴に横から開けられるスロットが設けられ、差し込む形で装着する。前端が大口径になってしまう超望遠レンズなどで主に採用されている。スロットへ装着するフィルターは、一般的なレンズと共用するためなどの理由で、ネジ式と同じものである場合も多い。

ホルダー式[編集]

シートフィルター、角型フィルターは専用のホルダーに入れて使用する。

購入上の注意[編集]

フィルターはレンズのアタッチメント規格に合ったものでないと装着できないので、購入するときはあらかじめ装着するレンズのアタッチメント規格を調べておく必要がある。ただし、例えばあるレンズにそれより大きい径のフィルターを装着したいような場合は「ステップアップリング」と呼ばれるアダプターをレンズとフィルターの間に挟むことで装着が可能になることもある。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 例えば560nm以下の光をカットするフィルターはSC56である。
  2. ^ Wratten#47フィルターを用いて白黒撮影すると似たような写真を撮ることができる
  3. ^ JIS記号ではL37。
  4. ^ JIS記号ではL39。
  5. ^ ラッテン№7に相当する。現在はいずれも入手がかなり困難になっている。
  6. ^ ラッテン№6乃至9のいずれにも相当しない。
  7. ^ JIS記号ではR60。
  8. ^ JIS記号ではR64。
  9. ^ ケンコーの記号ではW。
  10. ^ ケンコーの記号ではC。
  11. ^ 日本ではともにケンコーが取り扱っている。

外部リンク[編集]