鳴沙山

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敦煌の鳴沙山
敦煌の鳴沙山の前には月牙泉

鳴沙山(めいさざん、中国語: 鸣沙山)は中国甘粛省敦煌の有名な観光地・月牙泉のそばにある砂山で、風が吹くと「砂が鳴く」ような音を出すことで知られている。これに習って鳴沙山という名称の地は他にもあり、また同様な現象は日本など他国でも「鳴き砂」として知られている。

砂が鳴く現象

砂が鳴くような音をたてる現象は、物理的には長い年月を経て、砂粒の表面がきわめてよく洗浄され,微粉状の物質が付着していないことであるといわれる。[1]

敦煌の鳴沙山

中国甘粛省敦煌の市街区から南へ5kmには有名な観光地「月牙泉」があり、そこの砂山は東西の長さは約40km、南北の幅は約20kmの広大なもので(クムタグ砂漠の一部)、もともとは「神沙山」と呼ばれていたが、風が吹くと音を立てるので「鳴沙山」と呼ばれるようになった。晴れた日に風が吹いて砂が流れると「管弦や兵馬が打ち鳴らす太鼓や銅鑼の音のように聞こえる」とも言われ、古来『史記』に「天気がいいときは音楽を奏でているようだ」という記述が記載されている。[2]

月牙泉・鳴沙山地区は中国の観光地等級最高のAAAAAに指定されている。ここをラクダに乗って回る観光活動も行われている。[3]

中国の他の鳴き砂

鳴沙山に似た現象は世界的には「鳴き砂」として知られ、敦煌の鳴沙山はハミ市伊州区の鳴沙山などと共に「中国四大鳴沙山」とも呼ばれる。また、新疆ウイグル自治区昌吉回族自治州モリ・カザフ自治県の鳴沙山(木垒县鸣沙山)などもある。

似た現象は中国以外にも

日本にも砂山または砂浜が「砂が鳴く」のような音を出す現象は伝えられていて、宮城県気仙沼市大島の十八鳴浜(くぐなりはま)(九+九=十八)、牡鹿半島の鳴浜(ならはま)や十八成浜、能登半島の泣き浜(ごめきはま)、丹後半島の琴引浜、島根県邇摩郡の琴ヶ浜などの名称に残っている。

参照項目

脚注