虚空
虚空(こくう)とは、
- 何もない空間、大空。
- 何も妨げるものがなく、すべてのものの存在する場所[1]。アーカーシャ(Ākāśa)の漢訳で、空または虚空界ともいう[2]。虚空界とは、虚空のように一切を包括し擁する、色もなく形もない本源的な真如の世界[3]。虚空はまた、説一切有部の五位七十五法のうち、無為法の一つである[4] 。空虚である。
概要
「抵抗の感ぜられない空虚な場所」と定義されるが、感覚世界を超越した実在「無為」の一種とも見なされる[5]。
- 仏教関連項目
数
虚空以降の小数の命数は書物によって異同があり、「空虚」としているものもあれば、虚・空という2つの位としているものもある。上の位は六徳、下の位は清浄(「清」「浄」の2つの位に分けている場合は「清」)である。
虚空が差し示す位は 10-20(1垓分の1)である。虚・空の2つに分けている場合は、虚が 10-20、空が 10-21 となる。
朱世傑『算学啓蒙』(値が異なり、また「虚」と「空」に分ける)や程大位『算法統宗』に見えるが、現実には使われない。
出典
- ^ Shogakukan Inc. 『大辞泉』 こ‐くう【虚空】。
- ^ 須藤隆仙 『仏教用語事典 コンパクト版』 新人物往来社、1999年、130頁。
- ^ Shogakukan Inc. 『大辞泉』 こくう‐かい【虚空界】。
- ^ 中村元『龍樹』講談社学術文庫、2002年。ISBN 4-06-159548-2。P96
- ^ 林達夫他 『世界大百科事典 11』 平凡社 、1972年、35頁。
関連項目