1973年のJSL

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

1973年JSL(第9回日本サッカーリーグ1部および第2回日本サッカーリーグ2部)は、1部が1973年7月20日から12月2日まで、2部が4月7日から11月4日まで行われた。

優勝は、1部が三菱重工業サッカー部、2部が永大産業サッカー部であった。

JSL1部はワールドカップ・西ドイツ大会アジア予選の為、中断期間無しの変則日程となった。シーズンは三菱重工が第2節から14連勝のリーグ記録を達成するなど、2位の日立製作所に勝ち点差5を付けての独走優勝となった。三菱はMF森孝慈が豊富な運動量で攻守に奮闘、またベテランFWの杉山隆一が負傷を抱えフル出場は叶わないものの重要な局面で得点を決め、優勝の原動力となった。

また、JSL2部では永大産業が創部2年目でのJSL1部昇格というスピード出世を果たし話題となった。

JSL1部[編集]

シーズン 1973(第9回)
優勝 三菱重工
試合数 90
ゴール数 264 (1試合平均2.93)
1試合平均
ゴール数
2.93[1]
得点王 松永章
平均観客動員 2,897人[1]
1972
1974

三菱重工古河電工との開幕戦に0-2で敗れた後、第2節から第15節にかけてJSL全シーズンを通しての連勝記録となる14連勝で独走した[2][3]。三菱は11月16日、第16節のヤンマー戦を1-1で引き分け、この試合で連勝記録は途絶えたものの、1969年以来4年ぶり2度目の優勝を決めた[2]

三菱はゲームメーカーの森孝慈がキャリアの全盛期を迎え、守備面ではGK横山謙三大仁邦彌落合弘を中心としたDF陣が堅守を築いた[2]。この年限りで引退したベテランの杉山隆一は体力面を考慮されて主に後半途中からの出場になったが、この起用方法がはまり、三菱は前半は守り切り、杉山が入った後半にゴールを奪うという形で連勝した[2]。三菱はこの後の第53回天皇杯にも優勝して2冠を達成した。

このシーズンからチーム数の増加によって試合数が56から90に増えたが、総観客動員数はむしろ下がり、前年まで6シーズン連続で5000人台を越えていた1試合平均動員数は2000人台にまで下がった[1][2]

大会概要[編集]

  • 開催期間:1973年7月20日-12月2日
  • 10チームに拡大。
  • 外国籍選手に対し登録後6か月の出場制限期間導入。

参加クラブ[編集]

成績[編集]

年間順位[編集]

順位 クラブ 勝点 勝利 引分 敗戦 得点 失点 得失差
1位 三菱重工 30 14 2 2 35 12 +23
2位 日立 25 12 1 5 35 18 +17
3位 ヤンマー 23 10 3 5 40 17 +23
4位 藤和 21 9 3 6 29 22 +7
5位 古河電工 21 9 3 6 31 27 +4
6位 新日鐵 16 7 2 9 25 26 -1
7位 トヨタ 15 5 5 8 22 31 -9
8位 東洋工業 14 4 6 8 16 28 -12
9位 日本鋼管 12 4 4 10 24 32 -8
10位 田辺製薬 3 1 1 16 7 51 -44

出典:[2]

優勝
JSL2部との入替戦

得点ランキング[編集]

順位 選手名 所属クラブ 得点数
1 日本の旗 松永章 日立 11
2 日本の旗 今村博治 ヤンマー 10
3 日本の旗 中村勤 藤和 10
4 日本の旗 釜本邦茂 ヤンマー 9
日本の旗 阿部洋夫 ヤンマー 9
6 日本の旗 大久保賢治 三菱重工 8
日本の旗 足利道夫 三菱重工 8
8 日本の旗 日高憲敬 新日鐵 7
日本の旗 望月静夫 トヨタ 7
10 日本の旗 杉山隆一 三菱重工 6
日本の旗 渡辺三男 藤和 6
日本の旗 奥寺康彦 古河電工 6
日本の旗 上橋徹 東洋工業 6
日本の旗 細岡伸三 日本鋼管 6

出典:[2]

アシストランキング[編集]

順位 選手名 所属クラブ アシスト数
1 日本の旗 釜本邦茂 ヤンマー 9
日本の旗 田辺暁男 古河電工 9
3 日本の旗 吉村大志郎 ヤンマー 8
4 日本の旗 森孝慈 三菱重工 7
日本の旗 高田一美 三菱重工 7
6 日本の旗 松永章 日立 6
日本の旗 今村博治 ヤンマー 6
8 日本の旗 小畑穣 日立 4
日本の旗 古前田充 藤和 4
日本の旗 永井良和 古河電工 4
日本の旗 草本博文 トヨタ 4

出典:[2]

表彰[編集]

選手名 所属クラブ 受賞回数
得点王 日本の旗 松永章 日立 2
アシスト王 日本の旗 釜本邦茂 ヤンマー
日本の旗 田辺暁男 古河電工
得点王 ゴールデンボール賞 日本の旗 松永章 日立 2
アシスト王 シルバーボール賞 日本の旗 釜本邦茂 ヤンマー
新人王 日本の旗 阿部洋夫 ヤンマー _
年間優秀11人賞 日本の旗 横山謙三 三菱重工 6
日本の旗 荒井公三 古河電工 2
日本の旗 大仁邦彌 三菱重工
日本の旗 山口芳忠 日立 6
日本の旗 落合弘 三菱重工 2
日本の旗 森孝慈 三菱重工 3
日本の旗 杉山隆一 三菱重工 8
ブラジルの旗 セルジオ越後 藤和
日本の旗 松永章 日立 2
日本の旗 中村勤 藤和
日本の旗 高田一美 三菱重工 2

出典:[4]

JSL2部[編集]

JSL2部大会概要[編集]

JSL2部参加クラブ[編集]

日本軽金属サッカー部は会社からの支援を打ち切られたため廃部し、羽衣クラブに移管した。

JSL2部成績[編集]

JSL2部年間順位[編集]

順位 クラブ 勝点 勝利 引分 敗戦 得点 失点 得失差
1 永大産業 26 11 4 3 51 24 +27
2 甲府クラブ 26 12 2 4 39 25 +14
3 読売クラブ 24 10 4 4 40 21 +19
4 富士通 22 9 4 5 33 28 +5
5 電電近畿 21 8 5 5 31 29 +2
6 大日電線 16 5 6 7 30 34 -4
7 京都紫光クラブ 14 5 4 9 31 35 -4
8 帝人松山 13 4 5 9 21 43 -22
9 豊田織機 9 2 5 11 20 34 -14
10 羽衣クラブ 9 3 3 12 25 48 -23

出典:[5]

JSL1部との入替戦
社会人との入替戦

JSL2部表彰[編集]

選手名 所属クラブ 備考
得点王 中村道明 永大産業 21得点
アシスト王 中村道明 永大産業 10アシスト

JSL1部・2部入替戦[編集]

参加クラブ

  • 日本鋼管(JSL1部9位)
  • 田辺製薬(JSL1部10位)
  • 永大産業(JSL2部優勝)
  • 甲府クラブ(JSL2部準優勝)
JSL1部 第1戦 第2戦 JSL2部
日本鋼管 2-1 2-2 甲府クラブ
田辺製薬  2-1 0-2 永大産業
  • 日本鋼管はJSL1部残留。田辺製薬はJSL2部降格。
  • 永大産業はJSL1部昇格。

JSL2部・社会人入替戦[編集]

参加クラブ

JSL 第1戦 第2戦 社会人
豊田織機 1-1 1-2 茨城日立
羽衣クラブ 2-2 1-2 住友金属
  • 豊田自動織機と羽衣クラブは地域リーグ降格。
  • 住友金属と茨城日立はJSL2部昇格。

出典[編集]

  1. ^ a b c 「観客動員数/総得点数」『日本サッカーリーグ全史』 259頁。
  2. ^ a b c d e f g h 「1973 第9回大会」『日本サッカーリーグ全史』 138-139頁。
  3. ^ 『日本サッカー全史』264頁。
  4. ^ 「歴代ベスト11」「歴代表彰選手」『日本サッカーリーグ全史』262-263頁。
  5. ^ 『日本サッカーリーグ全史』 218頁。

参考文献[編集]

  • 『日本サッカーリーグ全史』日本サッカーリーグ、1993

関連項目[編集]