電子工作の歴史

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この項では、ホビー分野の電子工作の歴史(History of hobby electronics in Japan)について記述する。

主な年表[編集]

戦前[編集]

1940年代[編集]

1950年代[編集]

  • 1951年
  • 1952年7月29日
    • 日本でアマチュア無線が再開される。第二次大戦中から戦後にかけて無線の使用が禁止されていたが、この日再開された(アマチュア無線の日)。その後、次第にアマチュア無線が活発になり無線局数を増やした。
  • 1953年 - 『科学と模型』休刊。
  • 1954年
    • 5月 - 『CQ ham radio』、日本アマチュア無線連盟からCQ出版に譲渡され月刊雑誌となる。
    • 米国のテキサス・インスツルメンツ社がシリコントランジスタを開発(世界初のトランジスタラジオ)[1]
  • 1955年
  • 1958年
    • 米国のジェネラル・エレクトリック社によりシリコン制御整流器の商業生産が始まる[1]
  • 1959年
    • この頃、米国でメサ・トランジスタによる集積回路が開発される[1]

1960年代[編集]

1970年代[編集]

  • 1970年代 - アマチュア無線がブームになったと記録されている。
  • 1970年4月26日 - FM東海、民間放送局「エフエム東京」に。
  • 1971年 - ラックスキット社設立。音響機器の組立キットを供給する。(1971-1980)
  • 1972年 - 学習研究社と電子ブロック機器製造が業務提携。
  • 1973年BCLブームにより各社より受信機、ラジカセの発売ラッシュとなる。『初歩のラジオ』等雑誌に製作記事も多く「ラジオ少年」が多く出た。
  • 1974年CB無線が流行するが違法局も多くTVI等により摘発が相次いだ。
    • アマチュア無線への乗換組が多くなり、中学高校の無線部が相次いででき自作の受信機、無線機等を競って作られた。また、一部の中学で技術(男子のみ)にてラジオキットの製作も指導された。
    • ケンクラフト(TRIO、旧春日無線で現ケンウッドのキットブランド)からSSBトランシーバーQS500等のキットも出た。
  • 1975年
    • 1月 - アマチュア無線家の大久保忠(JH1FCZ)が個人雑誌『THE Fancy Crazy Zippy』(原則として月刊)創刊。ヘンテナなどの記事を掲載。
    • 日本のアマチュア無線局数がアメリカを抜いて世界一になった。
  • 1970年代後半
    • Nゲージ鉄道模型が日本で広まりはじめる。レイアウトとよばれる、鉄道風景のジオラマの製作や車両運行のためのエレクトロニクス工作が行われはじめた。
    • 電子楽器関連の記事の増加。ミュージックシンセサイザーや電気楽器用のエフェクターなどの製作を扱う記事が、電子工作系の雑誌のみならず音楽雑誌などでも掲載されるようになる。
    • オーディオ機器の製作。
    • 『子供の科学』では、シングルトーン式 ラジコン送受信機の製作記事も連載。
    • マイコン雑誌が現れ後にパソコン雑誌へとつながる。
  • 1976年
  • 1977年
  • 1978年

1980年代[編集]

  • 1980年代 - パソコンの黎明時代。
    • 8ビットパソコンの全盛時代となった。初期のパソコンは現在のようなアプリケーションがなく、プログラムを作ることが中心だった。マイコンの分野はハードウェアの工作からプログラムの作成へと比重が移った。
    • MIDI規格の制定により、リットーミュージック社の書籍などでMIDIインターフェースの製作記事などが登場する(シンセサイザーを用いた電子音楽自体は、遡る事2年前の1978年に、イエロー・マジック・オーケストラがムーブメントを起こしていた)。
    • トランジスタ技術誌によるCP/Mマイコンの製作記事及び単行本化。
  • 1980年
  • 1982年 - 『CQジュニア』No.8をもって休刊。
  • 1980年代後半 - デジタルオーディオ関連の製作記事の登場。CDの登場にともない規格化されたデジタルオーディオインターフェースが制定されたことから、これらを扱う製作記事がエレクトロニクスライフ誌、トランジスタ技術誌などで発表された。
  • マイコンを使った電子工作キット。
  • 1984年
    • 5月 - 『無線と実験』が『MJ無線と実験』に改題。
    • 6月 - 『模型とラジオ』休刊。
    • 9月 - 『RAM』休刊。
  • 1985年
    • 1月 - 『初歩のラジオ』が『SR初歩のラジオ』に改題。
    • 4月 - 『電波科学』が『エレクトロニクスライフ』に改題。
  • 1986年 - 電子ブロックの全シリーズが生産終了。
  • 1987年10月 - 雑誌『アクションバンド』(マガジンランド)創刊。

1990年代[編集]

  • 1990年代 - ロボコンの開始に伴うロボット工作の一般化
  • 1991年4月 - 『SR初歩のラジオ』が『SRハムガイド』に再改題。
  • 1992年5月 - 『SRハムガイド』休刊。
  • 1990年代後半
    • パソコンの自作が活発になる。部品の規格化が進み、部品の流通も活発になったことでパソコンの自作が容易になった。CPUを限界性能まで動かすオーバークロックが流行った。
    • インターネットの普及により個人がウェブサイトで電子工作のノウハウを開示し始める。サイトや後にブログなどで電子工作のノウハウを開示する例が増加し、掲示板の設置によってコミュニティが形成される。ここから発展して部品の共同購入、キットの配布などを個人ベースでおこなうケースが増加した。
    • FlashROM内蔵型ワンチップマイコンの普及。H8、PIC、AVRなどのワンチップマイコンの登場により劇的に開発コストが下がったことから製作記事が増加する。
  • 1995年4月 - 『月刊マイコン』休刊。
  • 1996年4月 - 『エレクトロニクスライフ』が『パソコンライフ』に再改題。
  • 1997年3月 - 『パソコンライフ』休刊。
  • 1998年12月 - 雑誌『ロボコンマガジン』(オーム社)創刊。
  • 1999年
    • 4月 - 『ラジオの製作』月刊誌として終了。年3回ムック化を予定。
    • 7月 - ムック『ラジオの製作SPECIAL』発行。以後続刊せず。

2000年代[編集]

  • 2000年代 - 二足歩行ロボット工作の一般化。既存の旋盤、フライス盤などにサーボモーターと制御基板を追加してCNC化する試みの流行。
  • 2000年5月 - 雑誌『オーディオクラフトマガジン』(誠文堂新光社)創刊。
  • 2001年
    • 1月 - 『THE Fancy Crazy Zippy』No.300をもって休刊。
    • 『オーディオクラフトマガジン』休刊。
    • 『ロッキンf』立東社倒産により休刊。
  • 2002年
    • 復刻版電子ブロックEX(学習研究社)発売。
    • ムック『おとなの工作読本』(誠文堂新光社)創刊。
    • 『ロッキンf』晋遊舎より復刊。
  • 2003年4月 - ムック『大人の科学マガジン』(学習研究社)創刊。
  • 2004年1月 - FCZ研究所がキット開発と販売を中止。既存キットの販売は大阪のクラブ、キャリブレーションに委託。また、ウェブマガジン『CirQ』(原則として隔月刊)創刊。
  • 2005年
  • 2006年 - アポロ・コミュニケーション倒産。
  • 2007年
    • 1月 - 雑誌『エレキジャック』(CQ出版)創刊。
    • 10月
      • 有限会社FCZ研究所解散。FCZ研究所は大久保忠の個人活動に移行。
      • 『ロッキンf』がジャックアップに移動、『WE ROCK』に改題。
  • 2008年7月 - ムック『電子工作マガジン』(電波新聞社)創刊。内容構成は『ラジオの製作』のそれを継承。
  • 2020年7月 - FCZ研究所主宰・大久保忠が死去。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h 高橋雄造、「電気技術史小年表」『電気学会誌』 1997年 117巻 1号 p.45-48, doi:10.1541/ieejjournal.117.45, 電気学会。
  2. ^ 例えば、茨木, 悟、小林, 良夫、海老沢, 徹、斎藤, 正之『アマチュア用通信形受信機の製作(電波科学シリーズ)』日本放送出版協会、1962年12月10日、282頁。doi:10.11501/2497944NCID BA73299974 など。

関連項目[編集]

関連雑誌[編集]