鈴木董

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鈴木 董(すずき ただし、1947年9月 - )は、日本の歴史学者東京大学名誉教授[1]。専門は、西アジアイスラム世界の政治文化研究で、オスマン帝国を主なフィールドとする。

略歴[編集]

神奈川県生まれ[2]。1970年、東京大学法学部卒業。1972年、同大学院法学政治学研究科修士課程修了、博士課程進学。同年9月、トルコイスタンブール大学留学。1975年、帰国。1979年、東京大学博士課程中退。同年4月、日本学術振興会奨励研究員。1980年、立教大学法学部助手。1983年、東京大学東洋文化研究所助教授。1991年、同研究所教授。1982年、「オスマン・トルコ支配エリートの研究」で東京大学法学博士。2012年3月、定年退官。 2011年4月[3]から専修大学講師[4]

人物[編集]

イスラムへの評価[編集]

オスマン帝国時代のパクス・イスラミカとその根幹であるズィンミー制度については高く評価し、同時代のキリスト教社会の諸国に比して宗教的に寛容で、民族・宗教紛争やユダヤ人迫害なども極めて少なかったと賞賛している。同時に、現代においてはこのようなイスラームの絶対的優越の元での不平等の共存は、共存の論理というよりは差別の論理として受け取られるだろうとその限界も指摘している。

著書[編集]

専門書以外にも、トルコのグルメを紹介する本を2冊出版している。

単著[編集]

  • 『オスマン帝国―イスラム世界の「柔かい専制」』(講談社現代新書、1992年)
  • 『オスマン帝国の権力とエリート』(東京大学出版会、1993年)
  • 『イスラムの家からバベルの塔へ―オスマン帝国における諸民族の統合と共存』(リブロポート、1993年)
  • 『図説イスタンブール歴史散歩』(河出書房新社、1993年)
  • 『食はイスタンブールにあり―君府名物考』(NTT出版、1995年)
  • 『オスマン帝国とイスラム世界』(東京大学出版会、1997年)
  • 『オスマン帝国の解体―文化世界と国民国家』(筑摩書房<ちくま新書>、2000年/講談社学術文庫、2018年)
  • 『世界の食文化(9)トルコ』(農山漁村文化協会、2003年)
  • 『ナショナリズムとイスラム的共存』(千倉書房、2007年)
  • 『文字と組織の世界史』(山川出版社、2018年)

編著[編集]

  • 『新書イスラームの世界史(2)パクス・イスラミカの世紀』(講談社現代新書、1993年)
  • 『中東人国記』(総合法令、1994年)
  • 『暮らしがわかるアジア読本・トルコ』(河出書房新社、2000年)
  • 『オスマン帝国史の諸相』(東京大学東洋文化研究所研究報告:山川出版社、2012年)
  • 『悪の歴史 隠されてきた「悪」に焦点をあて、真実の人間像に迫る 西洋編 上+中東編』(清水書院、2017年)。全4巻

共編著[編集]

  • 田中治男木村雅昭)『フランス革命と周辺国家』(リブロポート 1992年)
  • 佐藤次高)『新書イスラームの世界史(1) 都市の文明イスラーム』(講談社現代新書 1993年)
  • 坂本勉)『新書イスラームの世界史(3) イスラーム復興はなるか』(講談社現代新書 1993年)
  • (木村崇・篠野志郎・早坂眞理)『カフカース――二つの文明が交差する境界』(彩流社 2006年)

脚注[編集]

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  1. ^ 一般ニュース”. 東京大学学内広報(No.1427). 東京大学広報室 (2012年7月25日). 2017年11月13日閲覧。
  2. ^ 『オスマン帝国とイスラム世界』著者紹介
  3. ^ 文学部 教員名簿
  4. ^ 歴史学専攻(修士課程/博士後期課程) - 専修大学

参考文献[編集]

  • 『鈴木董教授 略歴・主要著作目録』(2012年3月)hdl:2261/53022

外部リンク[編集]