選好

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選好(せんこう、: preference)とは、社会科学、特に経済学において使用される概念である。ミクロ経済学の一部をなす消費者行動理論や意思決定理論において、個々の経済主体の嗜好(好み)は選択肢の集合上の順序関係として定式化される。ある経済主体にとって「選択肢bが選択肢aに比べて同等以上に好ましい」ことはa ≤ bと表現され、≤はその経済主体の「選好関係」と呼ばれる[1][2]。a ≤ bかつb ≤ aが成り立つとき、選択肢aと選択肢bは無差別であるといい、a ~ bと表現される。

選好関係の合理性[編集]

消費者が合理的であるとは、以下の条件を満たすことである(以下、選択肢全体の集合をSとする)。

完備性
Sに属するすべての選択肢a, bについて、a ≤ bまたはb ≤ aが成り立つ。
これは消費者がすべての選択肢について嗜好を表明できることを意味する。
推移性
Sに属するすべての選択肢a, b, cについて、a ≤ bかつb ≤ cならば、a ≤ cが成り立つ。
これは選好関係が首尾一貫していることを意味する[3]

効用関数[編集]

効用関数(こうようかんすう、Utility functionu : S \rightarrow \textbf Rとは、選好関係を保つ、すなわちa ≤ bならばu(a) ≤ u(b)となる関数として定義される[4]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 神取道宏『ミクロ経済学の力』、日本評論社、2014年、p.11。
  2. ^ 奥野正寛編著、『ミクロ経済学』、東京大学出版会、2008年、p.25
  3. ^ 神取道宏]『ミクロ経済学の力』、日本評論社、2014年、pp.12-13。
  4. ^ 神取道宏『ミクロ経済学の力』、日本評論社、2014年、p.14。