蛇篭

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蛇篭により補強された橋の土台。

蛇篭(じゃかご:a gabion)、あるいは蛇籠とは、鉄線などを用いかごを作り、砕石を詰め込んだもの。河川工事の護岸などに使用される。

概要[編集]

蛇篭とは、災害復旧及び河川改修の現場で選択される各種工法のうちの一つで、めっき鉄線など使用した金網製のかご状構造物の内部に、自然石、砕石などを中詰めして、河川工事に使用する伝統的工法である。

古来「じゃかご」は竹を材料として、亀甲型網目の円形のかごを編み使用していたが、技術の進歩に伴い、手編み製法から機械編み製法に、また材料も竹からめっき鉄線へと変わり、その形態も工法に順応して多岐にわたっている。

江戸時代には牛枠類とともに代表的な治水構造物として用いられ、製の蛇籠が作られた。

語源[編集]

蛇篭の名称は、その形態がに似ているところから名づけられたものである。あるいは、昔から河には蛇の伝説がつきものであったため、それに由来しているという説もある。

江戸時代から編纂されていた国語辞書「倭訓栞」(わくんのしおり)に、「じゃかごとは蛇の形に似た石籠である」とあるように、元来蛇篭は円筒形のものに限られていた。

種類[編集]

円筒型じゃかご
屈撓性に富み、最も古くから使用されている。のり覆や水制、排水などに使用。
ふとんかご(角形じゃかご)
簡易構造のため作業性に富み、最も広く大量に使用されている。根固め、床止め、土留に使用。
異形じゃかご
だるまかご・縦菱ふとんかご・横菱ふとんかご・異形ふとんかご・間詰めかご・扁平かご(楕円かご)・自在かご(自由かご)・巻止かご・筍かご・三角かご・なみがたかご(さざなみかご)・扇かご・かまぼこかごなど

用途[編集]

河川海岸治山などの土木事業で、それぞれの形状や特性を生かし、護岸、根固め、水制、床止め、耐震、擁壁、排水といった様々な目的で用いられる。近年、防災性だけでなく、「多自然型川づくり」が要望されるようになり、多様な生物の生息空間(ビオトープ)作りに役立っている。

緑化を目的とした蛇篭もある。「二重ふとん篭」は、パネル式ふとん篭の内側に内張りネット、植生シートなどをあてがい、現地発生土を詰めて、自然の回復、保全を促進させる。また、“めっき篭枠”“篭枠”と呼ばれるふとん篭に比べて高強度・高耐久性のふとん篭が施工性とライフサイクルコストの向上を謳って工事品質の向上に一役買っている。

構成と組み立て方[編集]

蛇篭は枠線と金網から構成され、金網はめっき鉄線で編む菱形金網とする。 円筒形じゃかごは、胴網・ふた・丸輪・閉じ線で構成されており、胴網を広げ、丸輪を押入し、両端にふた網を取り付けて完成。角形じゃかごは、丸輪ではなく中枠、骨線を押入する。

ちょうちん蛇篭
組み立て不要。工場で組み立てた後、ちょうちんをたたむように、折りたたんだ完成品の状態で工場から出荷され、現場で引き伸ばすだけで石詰めできるため、緊急災害復旧工事の備蓄用として適しているものもある。
パネル式ふとん篭
組み立てが簡単。工場で金網に枠を取り付け、パネル状にしたものを折りたたんで出荷、現場でパネルを起こして、結合コイルで立方体に組み立てるため、組み立て手間の削減につながるものもある。

問題と対策[編集]

蛇篭は、中詰め材の流出や目詰まり、ずれ落ち、金網の破損や変形、生態系や景観への悪影響などの問題が発生する可能性があるが、蛇篭本体や周辺環境の定期的な点検、技術の進展に伴う製品の改良によって、これらの問題に対処している。

構造計算と安定計算により耐久性・安全性を高め、背面からの外力に一層強靭な抵抗を持たせるために太径の鉄筋を使うことで強度を増し、さらにメッキも厚メッキにするなど耐食性・耐候性の強化もされている。その結果、従来の仮設、応急措置としての工法から、永久化工法としての使用が可能となった。また、使用するめっき鉄線は、山地や海岸での設置に対し腐食しにくいものが求められるが、同時に長年設置していても自然環境を汚染することがないようなものが考えられている。自然な景観を創りだすために、間伐材を金網の保護部材に使用したものや、建設資材リサイクル法により再生利用されるコンクリート塊(ガラ)などを中詰め材として利用しているものもある。さらに、従来崩落の危険がある場所や、高所・狭所での施工は困難であったが、専用のパネルカゴに石詰めをし、専用の吊り具で吊り上げ設置場所に移動する、吊りタイプパネルカゴの開発によって、そういった場所での作業も可能となった。

参考文献[編集]

  • 共同組合 日本じゃかご協会『―伝統的工法―じゃかご工法の手引と解説』2001年5月
  • 瀬戸内金網商工(株)『セトウチの多自然カゴSERIES』
  • 大信工業(株)『製品カタログ』

関連項目[編集]