土嚢

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積み重ねられた土嚢
積み重ねられた土嚢
土嚢
土嚢

土嚢(どのう)とは、袋の中に土砂を詰めて用いる土木資材のこと。適宜、土砂を詰め袋を縛り積み上げることで、水や土砂の移動を妨げることができることから水害時の応急対策や土木工事全般に用いられるほか、爆発物の処理、銃弾砲弾破片を防ぐ遮蔽物などにも用いられる。砂を詰める場合には砂嚢(さのう)ともいう。

概要[編集]

かつては袋が一般的であったが、現在ではポリエチレン製の布製が主流である。大きさは、人間が運びやすい大きさである500mm×800mm前後の大きさが主流であるが、油圧ショベルによる作製・運搬を前提とした大型の土嚢も存在する。中詰めの土砂は、災害対策用に用いる場合には土嚢同様、所要量をあらかじめストックしておく必要がある。

近年では、中詰め作業を省力化する専用の土嚢製造機が開発されている。中詰めの土砂を必要としない土嚢も開発されている。こちらは、高吸水性ポリマーを内容物としており、水をかける事によって土嚢として機能するようになっているため、軽く持ち運びが容易である。また、使用後に乾燥させれば、再び軽い状態に戻り、繰り返し使用できるといった特性をもっている。

財団法人日本消防設備安全センターにて消防防災活動用資機材として認定の土嚢袋「ドノウレンジャー」がある。吸水により膨張し、吸水前の4kgから吸水後21kg程度になる。ヒノキの間伐材・デンプンを主材料とし比重が水より重く水に沈み、早く、コンパクトで、女性や高齢者にも扱いやすく、使用後は内容物の炭と消臭土壌バイオ菌の活性化で肥料効果を促すため、環境循環型である。

軍事[編集]

機関銃手を防護する土嚢

軍隊で土嚢は非常によく使われる。どこにでもある土で耐弾性のある壁を作ることが出来る土嚢は陣地の設営に無くてはならないものである。ゆえにスコップと土嚢で陣地を作る技能は兵士が修めるべき基本的な技能である。自衛隊などの施設科は自動的に土嚢に土を詰める装置を運用している。土嚢自体を障害物とするのみならず、塹壕の側面を強化する土留に用いたりもする。

また現在では、大規模に野戦築城する際には、ヘスコ防壁が使用される。これは蛇篭と土嚢の中間的な性格のもので、端的にいえば、非常に大きな土嚢と言える。通常の土嚢よりもはるかに大きく、ホイールローダーによって一気に土砂を投入できるため、短時間で大規模な防壁を構築することができる。土嚢同様に洪水対策の土手としても利用できる。

緑化[編集]

緑化の土木資材として、生分解性プラスチックなどで編んだ土のうに芝生の種子や肥料を組み合わせた植生土のうが存在する[1]。適度な浸透性と排水性を兼ね備えており、土留や路肩の保護、水路の築造資材として用いられている。

出典[編集]

  1. ^ 植生土のう(日本植生ホームページ)

関連項目[編集]