キープ (城)

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キープの例

キープ(英:Keep)またはドンジョン(仏:Donjon)は、中世ヨーロッパで中心となる建造物のこと。日本語では日本の城天守との性質の類似性から天守と訳される。類似するものに「ベルクフリート」というドイツの城郭建築もあるが、高さの割に狭く、監視塔程度にしか使われていなかった[1]

歴史[編集]

10世紀ごろに見られたノルマン人によるモット・アンド・ベイリー式城郭の中枢部のモット(人工の丘、土塁)の頂上に木造の方形建築の塔として築かれたことに始まり、11世紀には城塞の石造化が進み、その過程で最も早くに石造となったのがキープであった。12世紀末頃まで正方形であったが、イングランド王のリチャード1世が、ガイヤール城に多角形平面のキープを築いて以降、多角形平面や円形が現れるようになった。[1]

構造[編集]

平時には城主の居館としても機能した。キープの形態によってことなり、一概に当てはめることはできないが、一例としては地下階に当たる部分にダンジョンと呼ばれる牢獄、第1階に当たる部分に出入り口があり橋や階段を架けて出入りした。内部は管理空間となっている。第2階に当たる部分に広間、第3階に居住空間という具合に各階ごとに機能が異なっていた。最上階または屋上には、胸壁やバルティザンと呼ばれる監視用の小規模な塔、複数の狭間などの防御施設を備え、攻撃するための空間として造られた。[1]

脚注[編集]

  1. ^ a b c J・E・カウフマン、H・W・カウフマン共著 中島智章訳『中世ヨーロッパの城塞』マール社 2012年

関連項目[編集]