羽田連絡道路

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羽田連絡道路(はねだれんらくどうろ)は、羽田空港跡地地区と川崎市殿町地区を結ぶ橋及びその連絡道路のこと[1]

概要[編集]

神奈川口構想[編集]

羽田空港川崎市を結ぶ「神奈川口」は神奈川県の長年の悲願とされていた[2]。2004年2月12日、国土交通大臣、神奈川県知事、横浜市長、川崎市長を構成員とする「第1回神奈川口構想に関する協議会」が開催され、以後2006年までに4回会合を行い「神奈川口構想」について検討を進めた[3]。「神奈川口構想」は羽田空港の再拡張・国際化に合わせて多摩川にある首都高速湾岸線大師橋の間に空港に接続するまたは海底トンネルを建設し、多摩川の対岸にある川崎市側にも空港施設を設置するという構想で、いすゞ自動車川崎工場跡地の利用を想定していた。国際線旅客ターミナルビルの出国手続き施設を建設するほか、ホテル物流施設を併設し、経済的な地盤沈下が進む京浜臨海部再生の起爆剤になると考えられた。

この「神奈川口構想」に対しては、東京都大田区が強く反対したが、「アジア諸都市の国際ハブ空港競争激化の中にあって、日本の羽田空港がそれに勝ち抜くキーのひとつとしてあげられるのが、臨空関連施設やホテル他を擁する神奈川口構想の成立可否かもしれない」とする新聞記事もあった[4]

羽田連絡道路建設決定[編集]

2014年9月8日、「羽田空港周辺・京浜臨海部連携強化推進委員会」の初会合で政府は羽田空港と川崎市を直結する「連絡橋」と「海底トンネル」の新設を決定[5][6]。川崎市の15年来の悲願が実現することとなった[7]2015年5月18日に開かれた「羽田空港周辺・京浜臨海部連携強化推進委員会」の第二回会合で、羽田連絡橋などの整備場所について「川崎区の殿町地区中央部に両地区を結ぶ新たな橋梁(2車線)」と初めて明記された[7][8]2017年1月24日、川崎市と東京都が羽田連絡道路」の都市計画事業認可を取得し、事業に着手した[9]。事業総額は300億円[9]。負担額は橋梁部分の260億円は国と川崎市が折半し、川崎市は川崎市側の取り付け部の整備費約40億円を負担する[9][10]。首都高湾岸線が多摩川トンネルを通過する地下ルートであるため、本橋梁は多摩川河口から第一番目に架かる橋となる[11]。橋には幅員7.5mの2車線の車道に加え、両側に4.9m幅の歩道・自転車道がそれぞれ設けられる[11]。所要時間は開通前は対岸まで自動車で20分程度かかっていたものが、この道路の完成により、車では数分、徒歩でも10分余りで行き来できるようになる[12]。開通は2020年度予定[9]

歴史[編集]

  • 2004年2月2日、「第1回神奈川口構想に関する協議会」開催[2]
  • 2006年2月7日、「第4回神奈川口構想に関する協議会」開催[13]。神奈川口構想に関する協議会は第4回が最後の開催となった[13]
  • 2014年9月8日、羽田空港と川崎市を直結する「連絡橋」の新設を政府が決定[5][6]
  • 2015年5月18日、「羽田空港周辺・京浜臨海部連携強化推進委員会」の第2回会合が、東京都内で開かれ、多摩川の上流部、中央部、下流部の3ルート案から羽田空港跡地地区と川崎市市川崎区の殿町地区中央部に2車線の橋を新設する案に決定した[14]
  • 2017年1月24日、川崎市と東京都が「羽田連絡道路」の都市計画事業認可を取得し、事業に着手[9]
  • 2017年9月30日、起工式[10]
  • 2019年8月23日、川崎市が「羽田連絡道路」工事の進捗状況を発表し、河口付近にあった想定を超える土砂の堆積など現場の悪条件で工事が遅れていることから開通時期を2020年7月から2020年度に変更[15][16]。これにより2020年東京オリンピックパラリンピックに開通が間に合わなくなった[16]
  • 2020年度完成予定[9]

脚注[編集]

  1. ^ 川崎市:羽田連絡道路整備事業について”. www.city.kawasaki.jp. 川崎市 (2019年8月7日). 2019年9月4日閲覧。
  2. ^ a b 長年の“悲願”「羽田連絡道路」具体化 川崎市「歓迎」も課題山積”. 産経ニュース. 三栄新聞 (2014年10月16日). 2019年9月4日閲覧。
  3. ^ 航空:第1回神奈川口構想に関する協議会 - 国土交通省”. www.mlit.go.jp. 国土交通省. 2019年9月4日閲覧。
  4. ^ ハブ空港として国際競争に立ち向かうことができるかは神奈川口構想の可否次第 (asahi.com) [リンク切れ]
  5. ^ a b “長年の“悲願”「羽田連絡道路」具体化 川崎市「歓迎」も課題山積”. 産経新聞. (2014年10月16日). http://www.sankei.com/region/news/141016/rgn1410160064-n1.html 2015年9月22日閲覧。 
  6. ^ a b “政府/羽田空港〜川崎間に連絡橋と海底トンネル新設/ビジネス拠点形成後押し”. 日刊建設工業新聞. (2014年9月10日). https://www.decn.co.jp/?p=17574 2015年9月22日閲覧。 
  7. ^ a b “羽田連絡道路で推進委、中央部に橋新設へ 神奈川”. 産経新聞. (2015年5月19日). http://www.sankei.com/region/news/150519/rgn1505190071-n1.html 2015年9月22日閲覧。 
  8. ^ “羽田 - 川崎連絡道実現へ。殿町中央部に橋整備”. 神奈川新聞. (2015年5月19日). http://www.kanaloco.jp/article/97003 2015年9月22日閲覧。 
  9. ^ a b c d e f 「羽田連絡道路」事業認可 川崎と空港結ぶ 事業費300億円”. 日本経済新聞 電子版. 日本経済新聞社 (2014年1月25日). 2019年9月4日閲覧。
  10. ^ a b 羽田空港と川崎市を結ぶ連絡橋、9月末に起工式”. 日経 xTECH(クロステック). 日本経済新聞社 (2017年9月8日). 2019年9月4日閲覧。
  11. ^ a b 羽田空港と川崎市を結ぶ第一番目の橋、事業費300億円で840mに2車線確保”. マイナビニュース (2017年1月25日). 2019年9月9日閲覧。
  12. ^ 「羽田連絡道路」工事の様子 報道陣に公開”. NHKニュース. 日本放送協会 (2019年9月30日). 2019年10月22日閲覧。
  13. ^ a b 航空:第4回神奈川口構想に関する協議会 - 国土交通省”. www.mlit.go.jp. 国土交通省 (2006年2月7日). 2019年9月11日閲覧。
  14. ^ 羽田連絡道路で推進委、中央部に橋新設へ 神奈川”. 産経ニュース. 産経新聞社 (2015年5月18日). 2019年9月4日閲覧。
  15. ^ 羽田連絡道、五輪間に合わず 「想定外」の土砂堆積”. カナロコ. 神奈川新聞社 (2019年8月23日). 2019年9月4日閲覧。
  16. ^ a b 羽田連絡道路:五輪「無理」 当初見込み甘く工事遅れ 川崎市 /神奈川”. 毎日新聞. 毎日新聞社. 2019年9月4日閲覧。

関連項目[編集]