秘密結社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
世界的な秘密結社フリーメイソンのシンボルマーク。コンパスと定規が、かつてこの組織が石工職人のギルドであったことを物語る。

秘密結社(ひみつけっしゃ)とは、一般に、政府など公の機関以外であって、メンバーがその一員であることを隠しておかなくてはならない、あるいはその結社の存在そのものを隠しているクラブ団体を言い、通常は入社儀式等の非公開の儀式を伴う組織である。

概要[編集]

秘密結社とは、結社の存在そのものが構成員により秘匿される、又は、結社の存在は公になっていても、その構成員であることが、組織や構成員自身の許諾によらないで、第三者等により公開されることが禁じられている組織、あるいは、結社の活動目的や活動内容を構成員以外の第三者等に公開することが禁じられている組織で、政府など公の機関でないものをいう。

フリーメイソンのように、存在は元より連絡先を公開している結社もある。しかし、その場合も構成員の公募を行わず、非公開の通過儀礼符牒などを構成員が持つ場合は、秘密結社に該当するとされる。

その性格から、政治的秘密結社と宗教的秘密結社に大別されるが、両方の要素を持つ場合もあるし、数は少ないが、どちらにも属さないものもあり、単なる親睦団体である結社も存在する。特定の職人同士や、特定の職種の商業者同士が自分達の技術の漏洩を防いだり、利権を守るために結成する職能・商業組合的な秘密結社も歴史的に多い。

メンバーは主義、職業、趣味、嗜好などなんらかの要素を共通して有する。また、秘密の主義、信仰などを有している場合もある。結社への入会に際しては、一定の厳しい制限が設けられていることが多い。

秘密結社はしばしば、議会を通してではなく直接行動によって既成の政治権力・社会秩序の転覆および再編成を目的とする反体制組織のことを指し、議会や選挙による承認を必要としないという考えに立脚するものと見なされたり、フィクションに描かれる傾向にある。社会的に好ましくないと考えられている習慣、嗜好、活動を行っていたり、体制によって禁じられた活動をおこなっているものもある。またグループをあえて秘密結社的にすることを愉しむたぐいの結社もまま見られる。基本的には秘密結社は犯罪的、暴力的活動それ自体を目的とする組織ではなく、むしろ、それらの活動を禁止していることが多い。秘密結社は組織の性格上、存在の秘密を保持することが重要であり、犯罪活動は秘密の保持を危うくするからである。一般的な犯罪活動を目的とするものは単にマフィアギャングとして区別される。ただし、前述のように、活動目的そのものが、体制によって禁じられているなど、活動地域における現行法の規定で犯罪行為に当たる団体も存在するし、また、組織の維持や秘密保持のために犯罪行為を犯す場合もあり、犯罪行為と無縁ではない結社もある。

日本での法的規定及び、日本での秘密結社[編集]

古来より日本では任侠や鉱山夫など、特殊技能を有する職人などは、師弟関係を親子に凝するなどといった、擬似的な家族関係を主体にし、独自の法や儀式(親子杯など)、挨拶法(仁義を切るなど)を持ち、事実上秘密結社として機能していた。しかし近代では職能的な「結社」は労働組合などにその役割を取られ、任侠の集団である暴力団の儀式・制裁の一部にその名残を残すのみである。何らかの秘密を持ち、非公開の儀式を持つという意味では暴力団も秘密結社に類似しており、暴力団対策法等数多くの法律で規制されている。

大日本帝国憲法下、治安警察法により政治的な活動をする集団は届け出の義務があったため、村の青年会のようなものが一時的に政治的な活動をした場合でも無届けのものは全て秘密結社として取り締まりの対象となった。また、届出制とはいえ内務大臣権限でいつでも結社を禁止することができ、たとえば社会主義共産主義の結社は即日禁止されるのが常であった。そのため、共産党は結成当初から非合法であったので秘密結社であった。また神職・軍人は政治活動を禁じられていたため、昭和初期の大量の国家主義的な活動者のグループは秘密結社にあたる。しかし、当時の宗教団体への法制度は国による認可制・教師資格制だったが、公式な神職(教師)が参加しない新宗教の団体も、届出を出して許可を得ており秘密結社にはあたらなかった。学校教員・生徒の政治的集会への参加は1880年4月5日の太政官達により集会条例第7条に基づいて禁止されていた。大日本帝国憲法第29条にも結社の自由は名目上は認められていたからである。ちなみに、フリーメイソンは、日本人を入会させないことを条件に黙認されていた(しかし太平洋戦争開戦で禁止された)。

日本国憲法では結社の自由が保障されており、法的に秘密結社とされるものはない。ただし、公務員には結社への参加制限があり、厳しく法によって規制されている。したがって公務員が法を破って結社を創った場合には実質的には「秘密結社」となる。

代表的な秘密結社[編集]

実際は秘密結社ではないが、秘密結社と噂されているもの、秘密結社との世評のあるもの(秘密結社と呼ばれるものの、存在自体が有名すぎて秘密とはいえないもの、また逆に名前は広く知られているが、存在が確認されていないもの)を含む。


参考文献[編集]

関連項目[編集]