狼なんか怖くない (石野真子の曲)

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狼なんか怖くない
石野真子シングル
リリース
ジャンル アイドル歌謡曲
時間
レーベル ビクター音楽産業
チャート最高順位
石野真子 シングル 年表
狼なんか怖くない
1978年
わたしの首領1978年
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狼なんか怖くない(おおかみなんかこわくない)は、石野真子のデビュー・シングル。1978年3月25日発売。発売元はビクター音楽産業(現:JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)

解説[編集]

日本テレビ系のオーディション番組『スター誕生!』に合格して芸能界デビューした石野真子の最初のシングル・レコード。作詞者は、『スター誕生!』の審査員を務めた阿久悠。阿久は、ピンク・レディーへは「S・O・S(1976年11月発売)」の中で「男はなのよ、気を付けなさい」と書いたのに対し、石野には「あなたがなら、怖くない」と歌わせており、2つの作品は対照的なものだった。

他のアイドルとは違う売り方を、と考えた阿久悠吉田拓郎に作曲を依頼[2]。吉田は当時、“アイドル好き”とされていたが[3]、ビクターの担当者から作曲依頼を受けた際、すぐにはOKをしなかった[4]。ある日スタッフによるセッティングで二人は六本木のバーで初めて会った。明るい性格で素直な「芦屋育ちのお嬢さん」に興味を持ち作曲依頼を引き受けることにした吉田は、その席で「僕はこういうの(アイドルへのデビュー曲の提供)は初めてで、あんまり自信が無いんですが、まあー二人で頑張りましょう!」と挨拶をした[5]。以下、レコーディング時におけるエピソードは「#レコーディング」参照のこと。

シングル・ジャケット写真は篠山紀信による撮影。この写真について石野は、「赤坂のおしゃれな公園での撮影で、スタイリストさんも付いてくれたのですが、田舎から出てきたばっかりで、洗練されてなくて、出来上がったジャケット写真を見ると、なんか眠たそうで「ホニョー」っとした顔していて、「アーア」って思いました。せっかく、あんな有名なカメラマンに撮っていただいたのに、ホントにがっくりでした。」と後にコメント[6]

歌詞に出てくる「あなたも狼にー」のところで、“狼のよう”に見える形を右手で作ってみせる振り付けが有名。振り付けは土居甫によるもので、顔のアップでテレビに映ることが多いのでフィンガーアクションにしたもの。後年、日本テレビ系音楽番組『速報!歌の大辞テン』のランキングでチャートインした際にVTR出演し、その手の形について、「これはよく見ると、なんですね」と話した。2004年、EX系『特捜戦隊デカレンジャー』に白鳥スワン役でレギュラー出演した際には、44話の作中に、敵方の作戦で「宇宙警察なんか怖くないキャンペーン」があり、その説明シーンでメイン敵キャラであるアブレラがさりげなく狼の手の振りをしてみせたが、この曲を映像付きで見ていない限り理解不能なギャグであった。ほか、2008年10月25日放送のフジテレビドラマRoom Of King』内では、石野が本楽曲を口ずさむシーンが登場している。

デビュー丸30年を迎えた2008年3月25日には、原宿クエストホールでライヴを開催した。開演前には囲み会見に応じ、この曲のメロディーを電話越しに初めて聴いた時に感激した思い出話等を披露している(上記の、「狼じゃなく狐に見える」という話も話題に上がっていた)。

古書や、昔の雑誌を売る店が並ぶ神田神保町のとある店では、デビュー当時にレコード屋の店頭などに飾られていた当楽曲の宣伝用巨大ポップ(本人写真入り)がレア商品として売られており、販売価格が数十万するとテレビで放送された[7]

オリコンチャート上においては、石野自身『春ラ!ラ!ラ!』『ジュリーがライバル』に続く3番目のヒット・ソングとなった[1]

2008年3月26日に発売された歌手デビュー30周年記念CD-BOXMako Pack -Premium- 30th Anniversary Special Edition』に、シングルEPA・B面曲が共に最新デジタル・リマスタリング音源で収録された。

レコーディング[編集]

作曲者の吉田拓郎が六本木のバーで初対面した時の“石野真子”は「本当にこの人デビューするんですか?」と思うほど太っていた。しかし不思議な芸能界は3ヶ月後(レコーディングの時)には見違えるように変身させてきた[8]

レコーディングの当日、吉田拓郎は徹夜で石野に付き添う。「狼なんか怖くない」は音程の上がり下がりが難しく、「レコーディングに8時間もかかった」と後に石野はコメントしている[9]キャンディーズも同様に吉田拓郎の曲は難しいとコメントしている。キャンディーズの場合は吉田自身がファンであり、「やさしい悪魔」など、わざと難しい楽曲を提供して長時間のレコーディングに付き添えるようにしたらしいというのが有名。

デビューに賭けたスタッフらは、8時間のレコーディング中「唄えば唄うほど歌が上手くなる」と石野を励まし続け[10]、レコーディングが終了すると大歓声が上がった。石野はこの記念すべきデビュー作品がレコードになった時の気持ちを、「きっと夢を見ていて、今に転んだらパッと目が覚めるんじゃないかと信じられなかった。どうしても自分が歌っていると思えない」とコメントしている[11]

収録曲[編集]

  1. 狼なんか怖くない (3:11)
  2. ひとり娘 (3:12)

関連作品[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b オリコンランキング情報サービス「you大樹」
  2. ^ 石野はフォークソングが好きで、吉田拓郎のファンであったという。
  3. ^ 過去に浅田美代子木之内みどりキャンディーズ女性アイドルに楽曲提供をしていた。
  4. ^ 全く会ったことのない人のデビュー曲を担当するのは吉田にとって初経験であったという背景がある。
  5. ^ 文化放送『吉田拓郎のセイ!ヤング』内で回顧、石野真子ゲスト出演、1978年8月。
  6. ^ 2009年4月 YOMIURI ONLINEの掲載記事
  7. ^ これは、テレビ朝日バラエティくりぃむナントカ』において、スタジオに運ばれたレアモノグッズを出演者たちが価格の高い順に当てる、というコーナーで紹介された際の価格(2007年放送)。
  8. ^ 吉田拓郎著、エッセイ「ふたたび自分の事は棚に上げて」、p121より。
  9. ^ 日刊スポーツ、2008年3月26日、p17
  10. ^ 1978年10月臨時増刊『近代映画』
  11. ^ 1978年10月臨時増刊『近代映画』