「人工心臓」の版間の差分
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補助人工心臓は、心臓の働きの一部を助けるもので、内科的治療抵抗性の重症心不全症例には、心臓移植までの生命を維持するために必要である。 |
補助人工心臓は、心臓の働きの一部を助けるもので、内科的治療抵抗性の重症心不全症例には、心臓移植までの生命を維持するために必要である。 |
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現在は「体外設置型」と「体内埋込型」に大別される。 |
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2014年7月6日 (日) 10:49時点における版
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人工心臓(じんこうしんぞう)とは心臓の機能の代用するために用いられる人工臓器である。
国際的に見て、日本の医療機器の承認には制度上諸外国で承認された機器との時間的なラグが生じるが(デバイス・ラグ)、特に人工心臓では、承認の遅れにより本来ならば助かるはずの患者の生命が失われることもありうるので、学会等でも日本の承認の遅れの問題は大きな問題として取り上げられている[1]。
種類
人工心臓には、心臓を切除して埋め込まれる「全置換型人工心臓」と、心臓の機能の一部を補う「補助人工心臓」の2種類が存在する。
全置換型人工心臓
全置換型人工心臓としては、ロバート・ジャーヴィックによる空気圧駆動型のJarvik-7が1982年にアメリカで臨床応用されたが、脳卒中などの合併症で使われなくなった。2000年代に入り、米アビオメド社が開発した電磁駆動のアビオコアが臨床使用されるようになったが、これは余命がわずかであることが判明している患者に対し、数ヶ月延命させることを目的としたものであった。現在アビオコアの使用は倫理的な問題から中断している。
症例数から計算すると、補助人工心臓だけで救命できる症例数のほうが多く、全置換型人工心臓は開発しても採算が取れないと言う試算もあることから、現在は開発プロジェクト自体が多くない。その中において、東京大学の研究チーム[2]は、デザイナーの川崎和男氏とともに全置換型を目指して共同開発を進めている[3]。
従来の人工心臓は、拍動を再現することが必要だと考えられていたために複雑な構造が必要だったが、近年では簡単な構造の無拍動型の人工心臓が実績を上げつつあり、各国の研究チームが開発を競っている[4]。
補助人工心臓
補助人工心臓は、心臓の働きの一部を助けるもので、内科的治療抵抗性の重症心不全症例には、心臓移植までの生命を維持するために必要である。 現在は「体外設置型」と「体内埋込型」に大別される。
- 体内埋込型:日本で使用できる機器は以下の通り。
2012年には東北大学の研究チームが、磁気を利用することで電源をワイヤレス化した、完全に埋め込める人工心臓用のポンプを開発したと発表した[5]。完全に埋め込み出来るサイズではあるが、人間の心臓とほぼ同等の流量と圧力を実現しており、動物実験でも動作が確認されている。ワイヤレス技術を担当する石山和志らのグループは、カプセル内視鏡を磁気で移動させる技術などを開発しており、その技術が導入されている。研究チームではこのポンプを利用した、完全埋め込み型の補助人工心臓の開発を目指している。
人工心筋
心臓のポンプ機能を補うためには、「ポンプそのもの」を作成する必要はないという考え方がある。心臓は自己の筋肉で動作させなくとも、外部から押さえる・握る(いわゆる心臓マッサージ)だけでも、血液を循環させるポンプとして十分に機能する[独自研究?]。メカニカルに心臓をマッサージする人工心筋や、再生医療による再生心筋シートの開発も試みられている[要出典]。