QT延長症候群

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QT延長症候群(-えんちょうしょうこうぐん,long QT syndrome; LQTS)は、心臓の収縮後の再分極の遅延がおき、心室頻拍(Torsades de Pointes:TDP、心室性不整脈の一種)のリスクを増大させる心臓疾患である。これらの症状は、動悸失神心室細動による突然死につながる可能性がある。症状は、条件のサブタイプに応じて、様々な刺激によって誘発される。心臓に器質的疾患を持たないにもかかわらず、心電図上でQT時間の延長を認める病態である。QT時間が0.46秒以上、またはRR間隔で補正したQTc時間では0.44秒以上である場合を指す。Torsades de pointes(TdP)と呼ばれる心室頻拍を惹起することがある。より簡略にはT波の終点がRRの中点を越えていれば明らかにQTの延長とする。この方法はスクリーニング診察時に用いることがある。

精密には、QT時間は、RR間隔で補正する必要(Bazett 式のQTc = QT/Root(RR)、Heggliu. Holzman 式 QT = 0.39(RootRR) ± 0.04 sec)がある。


分類[編集]

  • 先天性QT延長症候群...Romano-Ward症候群、Jervell and Lange-Nielsen症候群(先天性聾を伴う)など。
    • Naチャンネル、Kチャンネルの遺伝子に変異を認めることがある。ブルガダ型心電図の原因遺伝子と、 Cross している場合が多い。
  • 後天性QT延長症候群...電解質異常、薬剤性など。よくある例としては抗ヒスタミン薬マクロライドの併用など。

問診・検査[編集]

基準項目 点数
心電図所見 QT(QTc)時間の延長 QTc≧480msec 3
460~479msec 2
450~459msec(男性) 1
運動負荷後4分のQTc ≧480msec 1
Torsade de pointes 2
T波交互脈(交代性T波) 1
結節性T波(Notched T波, 3誘導以上) 1
徐脈 0.5
臨床症状 失神 ストレスに伴う失神発作 2
ストレスに伴わない失神発作 1
先天性聾 0.5
家族歴 確実なLQTの家族歴 1
30歳未満での突然死の家族歴 0.5

LQTSと診断:点数合計≧ 4点、 疑診:2~3点
LQTSの可能性が低い ≦1点[2]

治療[編集]

先天性QT延長症候群では、β-ブロッカーを第一選択薬とする(交感神経興奮が心室頻拍を誘発すると考えられているため)。またカテコールアミン分泌を誘発しないよう運動制限もあわせて行われる。

脚注[編集]

  1. ^ http://www.udatsu.vs1.jp/lqt-drug.htm 外部リンク:負荷試験の意義
  2. ^ Schwartz PJ et al. Diagnostic criteria for the long QT syndrome. An update. Ciruculation. 1993;88:782-4.