マッド・ドッグス&イングリッシュメン

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マッド・ドッグス&イングリッシュメン
ジョー・コッカーライブ・アルバム
リリース 1970年
録音 1970年3月27日 - 28日 ニューヨーク フィルモア・イースト
ジャンル ロックブルースロックスワンプ・ロック
時間 1時間16分11秒
レーベル A&Mレコード
プロデュース デニー・コーデル、レオン・ラッセル
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 2位(アメリカ[1]
  • 9位(オランダ[2]
  • 16位(イギリス[3]
  • 20位(ノルウェー[4]
  • 50位(日本[5]
ジョー・コッカー 年表
Joe Cocker!
(1969年)
Mad Dogs & Englishmen
(1970年)
Joe Cocker
(1972年)
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マッド・ドッグス&イングリッシュメン』(Mad Dogs & Englishmen)は、イングランドの歌手ジョー・コッカー1970年に録音・発表した、自身のキャリアにおいて初のライブ・アルバム。2枚組のLPレコードとして発売され、後のCDでは1枚にまとめられた。本作の録音・発表から35周年に当たる2005年には、多くのボーナス・トラックを追加したCD2枚組のデラックス・エディション盤が発売された[6]

背景[編集]

ジョー・コッカーが1970年3月から5月にかけて行ったアメリカ・ツアーには、グリース・バンドのメンバーであるクリス・ステイントンに加えて、本作をプロデュースしたレオン・ラッセルの人脈のアメリカ人ミュージシャンが多数参加した。その中には、この年にデレク・アンド・ザ・ドミノスのメンバーとなるカール・レイドルジム・ゴードン、翌1971年に初のソロ・アルバムを発表するリタ・クーリッジ、後にジョン・レノンジョージ・ハリスン等のレコーディングに参加するジム・ケルトナー、後にローリング・ストーンズのサポート・メンバーとなるボビー・キーズもいた。本作のプロデューサーの1人であるデニー・コーデルは、ドラマー3人を起用する案に反対して、ラッセルに「1人で十分」と言ったが、ラッセルはそれに対して「2人に『来るな』なんて言えるのかい?」と反論したというエピソードがある[7]

3月13日からリハーサルが始められ、3月17日のリハーサルではシングル用の「あの娘のレター」「スペース・キャプテン」が録音された[8]。そして、コッカーらは3月19日にデトロイトへ向かい、翌日に初日の公演を行った[8]

本作には、ニューヨークフィルモア・イーストで行われた公演が収録された。ローリング・ストーンズの「ホンキー・トンク・ウィメン」やボブ・ディランの「北国の少女」等、コッカーの前2作のスタジオ・アルバムでは取り上げられていないカヴァー曲も含まれており、また、コッカーの歌唱に加えて、リタ・クーリッジがリード・ボーカルを担当したデラニー&ボニーのカヴァー「スーパースター」も収録。

反響[編集]

コッカーの母国イギリスでは、自身初となる全英アルバムチャート入りを果たし、最高16位に達した[3]。アメリカのBillboard 200では自身初となるトップ10入りを果たし、『ビルボード』誌のR&Bアルバム・チャートでは23位に達した[1]。オランダのアルバム・チャートでは、1971年10月に2週間トップ10入りした[2]

本作をリリースしたA&Mレコードの設立者の1人であるジェリー・モスは、後に本作に関して「まれに見るレコードで、我々が出してきたレコードの中でも特に偉大なものの1つ」と語っている[7]

デラックス・エディション盤[編集]

2005年に発売されたCD2枚組のデラックス・エディション盤には、ライブ音源8曲(コッカー以外のメンバーがリード・ボーカルを担当したものの含む)と、スタジオ録音の4曲が追加され、曲順も変更された。ライブ音源のうちクローディア・レニアが歌った「レット・イット・ビー」のカヴァーは、レオン・ラッセルとレニアが連名で発表したシングル「バラード・オブ・マッド・ドッグス&イングリッシュメン」(1971年)のB面曲であった[9]。ディスク2の最後の4曲がスタジオ録音による音源で、「あの娘のレター」と「スペース・キャプテン」は、これまで未発表だったステレオ・ミックスのヴァージョンが収録された[10]

収録曲[編集]

オリジナル盤[編集]

  1. イントロダクション - Introduction - 0:43
  2. ホンキー・トンク・ウィメン - Honky Tonk Women (Mick Jagger, Keith Richards) - 3:47
  3. イントロダクション - Introduction - 0:17
  4. スティックス・アンド・ストーンズ - Sticks and Stones (Titus Turner, Henry Glover) - 2:37
  5. クライ・ミー・ア・リヴァー - Cry Me a River (Arthur Hamilton) - 4:00
  6. バード・オン・ザ・ワイアー - Bird on the Wire (Leonard Cohen) - 6:34
  7. フィーリン・オールライト - Feelin' Alright (Dave Mason) - 5:47
  8. スーパースター - Superstar (Leon Russell, Bonnie Bramlett) - 5:02
  9. イントロダクション - Introduction - 0:16
  10. レッツ・ゴー・ゲット・ストーンド - Let's Go Get Stoned (Valerie Simpson, Nickolas Ashford, Joseph Armstead) - 7:30
  11. ブルー・メドレー - Blue Medley - 12:46
    1. アイル・ドラウン・イン・マイ・オウン・ティアーズ - I'll Drown in My Own Tears (Henry Glover)
    2. 僕のベイビーに何か - When Something Is Wrong with My Baby (Isaac Hayes, David Porter)
    3. アイヴ・ビーン・ラヴィング・ユー・トゥー・ロング - I've Been Loving You Too Long (Otis Redding, Jerry Butler)
  12. イントロダクション - Introduction - 0:21
  13. 北国の少女 - Girl from the North Country (Bob Dylan) - 2:32
  14. ギヴ・ピース・ア・チャンス - Give Peace a Chance (L. Russell, B. Bramlett) - 4:24
  15. イントロダクション - Introduction - 0:41
  16. シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドウ - She Came in Thru the Bathroom Window (John Lennon, Paul McCartney) - 3:01
  17. スペース・キャプテン - Space Captain (Matthew Moore) - 5:15
  18. あの娘のレター - The Letter (Wayne Carson Thompson) - 4:46
  19. デルタ・レディ - Delta Lady (L. Russell) - 5:40

2005年デラックス・エディション盤[編集]

※は2005年盤に追加収録された音源。

ディスク1[編集]

  1. ホンキー・トンク・ウィメン - Honky Tonk Women (Mick Jagger, Keith Richards) - 4:57
  2. シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドウ - She Came in Thru the Bathroom Window (John Lennon, Paul McCartney) - 3:18
  3. ザ・ウェイト - The Weight (Robbie Robertson) - 5:57(※)
  4. スティックス・アンド・ストーンズ - Sticks and Stones (Titus Turner, Henry Glover) - 2:46
  5. バード・オン・ア・ワイアー - Bird on a Wire (Leonard Cohen) - 6:31
  6. クライ・ミー・ア・リヴァー - Cry Me a River (Arthur Hamilton) - 4:05
  7. スーパースター - Superstar (Leon Russell, Bonnie Bramlett) - 4:59
  8. フィーリン・オールライト - Feelin' Alright (Dave Mason) - 5:47
  9. サムシング - Something (George Harrison) - 5:33(※)
  10. ダーリン・ビー・ホーム・スーン - Darling Be Home Soon (John Sebastian) - 5:48(※)
  11. レット・イット・ビー - Let It Be (J. Lennon, P. McCartney) - 3:40(※)
  12. ファーザー・オン・アップ・ザ・ロード - Further on Up the Road (Don Robey, Joe Veasey) - 4:00(※)

ディスク2[編集]

  1. レッツ・ゴー・ゲット・ストーンド - Let's Go Get Stoned (Valerie Simpson, Nickolas Ashford, Joseph Armstead) - 8:04
  2. スペース・キャプテン - Space Captain (Matthew Moore) - 5:19
  3. ハミングバード - Hummingbird (L. Russell) - 4:07(※)
  4. ディキシー・ララバイ - Dixie Lullaby (L. Russell, Chris Stainton) - 2:57(※)
  5. あの娘のレター - The Letter (Wayne Carson Thompson) - 4:31
  6. デルタ・レディ - Delta Lady (L. Russell) - 7:02
  7. ギヴ・ピース・ア・チャンス - Give Peace a Chance (L. Russell, B. Bramlett) - 4:45
  8. オールド・タイム・ブルース・メドレー - Blue Medley - 12:36
    1. アイル・ドラウン・イン・マイ・オウン・ティアーズ - I'll Drown in My Own Tears (Henry Glover)
    2. 僕のベイビーに何か - When Something Is Wrong with My Baby (Isaac Hayes, David Porter)
    3. アイヴ・ビーン・ラヴィング・ユー・トゥー・ロング - I've Been Loving You Too Long (Otis Redding, Jerry Butler)
  9. ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ(心の友) - With a Little Help from My Friends (J. Lennon, P. McCartney) - 8:38(※)
  10. 北国の少女 - Girl from the North Country (Bob Dylan) - 2:43
  11. ウォーム・アップ・ジャム インクルーディング アンダー・マイ・サム - Warm-Up Jam (Including Under My Thumb) (M. Jagger, K. Richards) - 5:43(※)
  12. あの娘のレター(シングル・ヴァージョン/未発表ステレオ・ミックス) - The Letter (Studio Single Version) (W. C. Thompson) - 4:11(※)
  13. スペース・キャプテン(シングル・ヴァージョン/未発表ステレオ・ミックス) - Space Captain (Studio Single Version) (M. Moore) - 4:31(※)
  14. バラード・オブ・マッド・ドッグス&イングリッシュメン - The Ballad of Mad Dogs & Englishmen (L. Russell) - 4:00(※)

参加ミュージシャン[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b Joe Cocker - Awards : AllMusic
  2. ^ a b dutchcharts.nl - Joe Cocker - Mad Dogs And Englishmen
  3. ^ a b ChartArchive - Joe Cocker
  4. ^ norwegiancharts.com - Joe Cocker - Mad Dogs And Englishmen
  5. ^ 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』(オリジナルコンフィデンス/1990年/ISBN 4-87131-025-6)p.170
  6. ^ Amazon.com: Mad Dogs & Englishmen (Dix): Joe Cocker: Music
  7. ^ a b 1999年ヨーロッパ盤再発CD(A&M Records/490 449-2)英文ライナーノーツ(J. P. Bean、1999年)
  8. ^ a b 1999年ヨーロッパ盤再発CD(A&M Records/490 449-2)英文ライナーノーツ内「THE MAD DOG DIARY」(John Mendelsohn)
  9. ^ Leon Russell / Claudia Lennear - The Ballad Of Mad Dogs & Englishmen at Discogs
  10. ^ マッド・ドッグス&イングリッシュメン+12<デラックス・エディション> |ジョー・コッカー|Listen Japan