マイアミ・バイス (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
マイアミ・バイス
Miami Vice
監督 マイケル・マン
脚本 マイケル・マン
製作 マイケル・マン
ピーター・ジャン・ブルージ
製作総指揮 アンソニー・ヤーコヴィック
出演者 コリン・ファレル
ジェイミー・フォックス
コン・リー
音楽 ジョン・マーフィ
撮影 ディオン・ビーブ
編集 ウィリアム・ゴールデンバーグ
ポール・ルベル
配給 アメリカ合衆国の旗 ユニバーサル
日本の旗 UIP
公開 アメリカ合衆国の旗 2006年7月28日
日本の旗 2006年9月2日
上映時間 132分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $135,000,000[1]
興行収入 $63,450,470[1] アメリカ合衆国の旗
$163,777,560[1] 世界の旗
テンプレートを表示

マイアミ・バイス』(Miami Vice)は、2006年アメリカ映画1984年から1989年にかけてアメリカ合衆国で制作された『特捜刑事マイアミ・バイス』の映画版。

監督はマイケル・マンテレビシリーズ時に、自ら脚本や製作総指揮などを担当していたことが監督起用となった理由とされている。

ストーリー[編集]

マイアミデイド警察特捜課(バイス)に所属しているソニー・クロケットとリカルド・タブスの2人が使っている情報屋アロンゾの家族が殺され、アロンゾ自身も自殺するという事件が発生。それと同時に、FBIの潜入捜査官3名が潜入捜査中に殺害される。

合衆国司法機関の合同捜査の情報が漏洩している可能性があると判断したFBIのフジマは、未だ麻薬組織に面が割れていないクロケットとタブスに、麻薬の売人であるホセ・イエロと接触するよう要請する。クロケットたちは運び屋のアジトを襲撃してボートを破壊し、新しい運び屋として自分たちをホセ・イエロに紹介するよう情報屋ニコラスに脅しをかける。

ニコラスは面会を取り次ぎ、2人はハイチに飛んでホセ・イエロと接触するが、ホセ・イエロは麻薬取引の単なる仲介人で、その背後にはFBIでさえ存在に気付かなかったモントーヤという黒幕がいることを突き止める。モントーヤの指示でコロンビアからマイアミへの麻薬密輸を実行したクロケットとタブスは次の仕事を引き受け、更なる潜入捜査を試みる。

一方でクロケットはモントーヤの愛人であるイザベラに興味を持ち個人的に接近するが、互いに惹かれ合い愛し合ってしまう。

出演[編集]

役名 俳優 日本語吹き替え
ソフト版 テレビ東京版
ジェームズ・ソニー・クロケット コリン・ファレル 松本保典 堀内賢雄
リカルド・タブス ジェイミー・フォックス 天田益男 小山力也
イザベラ コン・リー 安藤麻吹 深見梨加
トゥルーディー・ジョプリン ナオミ・ハリス 高乃麗 岡本麻弥
ジーナ・ナバーロ・カラブリーゼ エリザベス・ロドリゲス 浅野まゆみ 芝原チヤコ
マイケル・スワイテク[2] ドメニク・ランバルドッツィ 山野井仁 三宅健太
ラリー・ジート ジャスティン・セロー 阪口周平
マーティン・キャステロ バリー・シャバカ・ヘンリー 楠見尚己 石田圭祐
ホセ・イエロ ジョン・オーティス 村治学 家中宏
ジーザス・モントーヤ ルイス・トサル 石塚運昇 磯部勉
アロンゾ・スティーブンス ジョン・ホークス
ニコラス エディ・マーサン 鈴木勝美
ジョン・フジマ キアラン・ハインズ 牛山茂 菅生隆之
アイヴァン(FBI) パシャ・D・リチニコフ
コールマン トム・タウウェルズ 廣田行生
アーリアンブラザーズ(厚い胸をした方) フランキー・J・アリソン 山野井仁 宗矢樹頼
アーリアンブラザーズ トニー・カラン 小形満

 テレビ東京版:初回放送2008年12月4日『木曜洋画劇場

その他:青山穣園部好徳笹森亜希紗川じゅん

使用銃器[編集]

使用機材[編集]

• MTI(Marine Technology Inc) 39RP[3]

クロケットが潜入捜査用に貸与されているスピードボート。

全長39フィートのカタマラン(双胴)艇に、575馬力のマーキュリーレーシング製エンジンを2基搭載、ブラボーショップ社製ギアボックス 通称B-Maxシステムを介して最高速度は時速190キロに達する。モデル名の39は全長を表し、RはRace、PはPresureの略である。

劇中に登場する39RPは、MTI社の40シリーズをベースにこの映画のために特別発注された。市販モデルとの大きな違いは撮影機材の架台やケーブルなどが増設されていることである。

ディレクターズカット版DVD[4](日本未発売)のオープニングで見られるパワーボートレースでは、キャノピーとエアインテークが取り付けられている。

撮影終了後はシルバー色に再塗装され2008年にオークションで売却された。全く異なるカラーリングになったが、舷側に描かれていたチームMOJOのロゴはデザインを変えながらも継承されている[5]


• Donzi Marin 38ZR 

フロリダ沖の貨物船から麻薬を運ぶために使用するスピードボート。

全長38.8フィート。8.2L、V型8気筒、525馬力のマーキュリー・マークルーザー製エンジンを2基搭載。最高速度は時速140キロ。


• アダム・エアクラフト・インダストリー A-500 Adam Aircraft Industries A-500

コロンビアからフロリダ半島への麻薬密輸に使用するユニークな形状の航空機。タブスの台詞では、機体が炭素繊維複合材のためレーダーに映りにくいとされる。テレビシリーズではパワーボートとフェラーリを華麗に操るソニー・クロケットの独壇場になりがちだったが、映画では相棒のリカルド・タブスにアダムA-500を操縦させて両者に花を持たせる形となった。

映画のロケ地であるドミニカ共和国へのフライトは同機にとっての初の国際便となった。ドミニカ共和国では同じ時期に「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」の撮影が行われており、双方に出演しているナオミ・ハリスはアメリカ本土との往来に度々このA-500を使用したそうである。

アダム社は事業拡大の好機になると期待したが、結果的に7機が生産され、納入数は5機にとどまった。同社は2008年に破産を申請し、トライトン・エアロスペース社に買収された。そのトライトン・エアロスペース社も現在は廃業していると思われる。


• フェラーリF430スパイダー F1マチック  Ferrari F430 Spider F1

ソニー・クロケットといえばフェラーリ、テレビシリーズからの伝統である。潜入捜査用に警察から貸与されている車両でクロケットの私物ではない。高速道路でマフラーエンドから青い炎を排出するシーンは実走行により撮影されたもので、CGエフェクトやカスタマイズによる演出効果ではないとされる[6]

エピソード[編集]

ハリケーン・カトリーナがアメリカを襲った際、マンは本作の撮影中だったが、ハリケーンの影響でセットに被害が出て当初の予定よりも制作費が膨れ上がり、2億ドルもかかってしまった。

• 撮影はフロリダ州マイアミの他、サント・ドミンゴ(ドミニカ共和国)、モンテビデオ(ウルグアイ)、シウダー・デル・エステ(パラグアイ)などで行なわれた。

• サント・ドミンゴ(ドミニカ共和国)の撮影現場のすぐ近くで発砲事件が発生した[7]。地元の警察官と撮影現場を警護するためドミニカ軍から派遣された警備員が口論を起こし、若い警備員が拳銃を発砲。1発が偶然居合わせた地元住人の脇腹に命中し負傷した。俳優や撮影クルーはホテルの3階にいたので被害はなかったが、報復を恐れたマイケル・マンらは直ちに撮影を終わらせ撤収した。

ジェイミー・フォックスは「Ray/レイ」で2004年のアカデミー主演男優賞を獲得したが、本作の撮影は既に始まっていたためコリン・ファレルよりも出演料が少なかった。フォックスはこの件について露骨に不満を表し、ドミニカ共和国への移動にはプライベートジェットを要求し、パワーボートや飛行機に乗る撮影を嫌がった。サント・ドミンゴの発砲事件のあとはアメリカ国外での撮影を拒否したため、ウルグアイで予定していたエンディングシーンの撮影が出来なくなり、そのためマイケル・マンは映画のエンディングを大きく改変することになった[7]。フォックスの出演シーンが追加され、公開時期によってはエンドクレジットのジェイミー・フォックスとコリン・ファレルの順序が入れ替えられている地域もあった。

• テレビシリーズからの主要メンバーの一人であるスタンリー”スターン”・スワイテクは、映画ではマイケル・スワイテクに変更された[2]

ディレクターズカット[編集]

2008年に”Unrated Director's Edition”のDVDとブルーレイが発売された。合計26ヶ所の変更箇所があり[4]、劇場版132分に対して139分に延長されている。大きな違いはオープニングの約3分間のパワーボートレースと、イエロと接触した直後にトルーディに謎の人物から花束が贈られ警告を促すシーンの2つが追加された点で、その他はイザベラの母親の職業が通訳から外科医に替わっているなどセリフや映像の変更等に留まっている。

日本では「マイアミ・バイス〔ディレクターズカット版〕」のタイトルでWOWOWで放送された。日本未発売ソフトのため、字幕付きが見られるのはこの放送のみである。

出典[編集]

  1. ^ a b c Miami Vice (2006)”. Box Office Mojo. 2010年8月7日閲覧。
  2. ^ a b Michael Switek” (英語). Miami Vice Wiki. 2019年11月14日閲覧。
  3. ^ Crockett's MTI 40” (英語). Miami Vice Wiki. 2019年11月8日閲覧。
  4. ^ a b Wurm, Gerald. “Unrated Directors Cut”. www.movie-censorship.com. 2019年11月8日閲覧。
  5. ^ 'MIAMI VICE MOVIE BOAT' Barrett-Jackson Auction Company” (英語). www.barrett-jackson.com. 2019年11月8日閲覧。
  6. ^ Crockett's F430” (英語). Miami Vice Wiki. 2019年11月14日閲覧。
  7. ^ a b Masters, Kim (2006年7月13日). “different ending of Miami Vice.” (英語). Slate Magazine. 2019年11月8日閲覧。

外部リンク[編集]