ブムタン県
座標: 北緯27度45分 東経90度40分 / 北緯27.750度 東経90.667度
ブムタン県(ぶむたんけん、ゾンカ語: བུམ་ཐང་རྫོང་ཁག་、ワイリー方式:Bum-thang rzong-khag)はブータン王国北部の県。ブータン中東部の文化の中心地である[1]。古くからチベット仏教の高僧が訪れ[2]、古代の寺院や聖域の多い、深い歴史を持つ県である。
ウラ、チュメイ、タング、ブムタンの4つの谷からなるが[2]、まとめてブムタン谷と見做す事もある。「ブムタン」は「美しい平野」を意味する。
ジャンバイ・ラカン建造後に名付けられた。
経済
[編集]蕎麦や乳製品、蜂蜜、リンゴ、芋、米、綿製品を生産している。小麦粉や蕎麦の生産量が多い[1]。
言語
[編集]ブムタン県で話される言葉はブムタン語として知られる。
チベット・ビルマ語派に属し、ブータンの国語のゾンカ語に近い。ゾンカ語話者はブムタン語を理解出来る。
4つある谷はそれぞれ方言を持ち、南部のケン族地域はケン語を話す。
歴史的に、ブムタン語話者は東のクルトプ語話者や、西のヌプビ語話者、南のケン語話者との繋がりが強く、まとめて「ブムタン語族」と考える事も有る。[3][4][5][6]
南チベット語族のブロッカトゥ語は危機に瀕する言語で、ブムタン谷のドゥル村で約300人が話すのみである。[7]
ドゥル村はヤクの牧畜を行う。[8][9]
行政区画
[編集]ブムタン県は4つの村に分かれる。[10]
以下の有名な町を含む。
県議会は毎年10月中旬に開催される。
2010年7月17日、子供が通学し易くする為にタンディンダン学校が開校した。
環境
[編集]ブムタン県の殆どの地域が国の環境保護区になっている。
北側の2/3の地域(チョエコル村とタング村)はワンチュク百年国立公園に属しており、緑の回廊に囲まれている。
県南部(チュフメ村とウラ村)はフルムセングラ国立公園に属する。
[10]
[11]
ブムタン県はオグロヅルの重要な冬営地である。
観光地
[編集]- クジー・ラカン
- ジェイカー・ゾン…ジェイカー町の隣に有る。
- ジャンバイ・ラカン…7世紀にチベット帝国創始者のソンツェン・ガンポが建立したブータン最古の2つの寺の1つ。
- タムジン修道院…ブータンで最も重要なニンマ派の機関
脚注
[編集]- ^ a b “ブムタン | 日本ブータン友好協会”. 日本ブータン友好協会 | Japan-Bhutan Friendship Association (2013年2月25日). 2021年9月23日閲覧。
- ^ a b デジタル大辞泉. “ブムタンとは”. コトバンク. 2021年9月23日閲覧。
- ^ Schicklgruber, Christian (1998). Françoise Pommaret-Imaeda. ed. Bhutan: Mountain Fortress of the Gods. Shambhala. pp. 50, 53
- ^ van Driem, George (2007). “Endangered Languages of Bhutan and Sikkim: East Bodish Languages”. In Moseley, Christopher. Encyclopedia of the World's Endangered Languages. Routledge. p. 295. ISBN 0-7007-1197-X
- ^ van Driem, George (2007). Matthias Brenzinger. ed. Language diversity endangered. Trends in linguistics: Studies and monographs, Mouton Reader. 181. Walter de Gruyter. p. 312. ISBN 3-11-017050-7
- ^ “Bumthangkha”. Ethnologue Online. Dallas: SIL International (2006年). 2011年1月18日閲覧。
- ^ Moseley, Christopher (2007). Encyclopedia of the World's Endangered Languages. Curzon language family series. Psychology Press. pp. 314, 324. ISBN 0-7007-1197-X
- ^ “Brokkat”. Ethnologue Online. Dallas: SIL International (2006年). 2011年1月18日閲覧。
- ^ van Driem, George L. (1993年). “Language Policy in Bhutan” (PDF). London: SOAS. 2011年1月18日閲覧。
- ^ a b “Chiwogs in Bumthang” (PDF). Election Commission, Government of Bhutan (2011年). 2011年7月28日閲覧。
- ^ “Parks of Bhutan”. Bhutan Trust Fund for Environmental Conservation online. Bhutan Trust Fund. 2011年7月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月26日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Bumthang Dzongkhag official website
- Five year plan 2002-2007
- ウィキボヤージュには、ブムタン県に関する旅行情報があります。