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パスコ (航空測量)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
株式会社パスコ
PASCO CORPORATION
種類 株式会社
機関設計 監査役会設置会社[1]
市場情報
東証スタンダード 9232
1962年12月13日上場
本社所在地 日本の旗 日本
153-0064
東京都目黒区下目黒一丁目7番1号
北緯35度37分46.9秒 東経139度42分55.2秒 / 北緯35.629694度 東経139.715333度 / 35.629694; 139.715333座標: 北緯35度37分46.9秒 東経139度42分55.2秒 / 北緯35.629694度 東経139.715333度 / 35.629694; 139.715333
設立 1949年7月15日
(創業:1953年10月27日 パシフィック航空測量株式会社)
業種 空運業
法人番号 5013201004656 ウィキデータを編集
事業内容 国内外の空間情報を収集や加工、空間情報サービスの提供
代表者 代表取締役 社長執行役員 高橋 識光
資本金 87億58百万円
(2024年3月31日現在)[2]
発行済株式総数 14,418,025株
(2024年3月31日現在)[2]
売上高 連結: 607億4百万円
単独: 553億79百万円
(2024年3月期)[2]
営業利益 連結: 53億6百万円
単独: 43億76百万円
(2024年3月期)[2]
経常利益 連結: 54億33百万円
単独: 45億94百万円
(2024年3月期)[2]
純利益 連結: 50億92百万円
単独: 43億54百万円
(2024年3月期)[2]
純資産 連結: 328億72百万円
単独: 266億31百万円
(2024年3月31日現在)[2]
総資産 連結: 741億21百万円
単独: 665億61百万円
(2024年3月31日現在)[2]
従業員数 連結: 2,838人
単独: 2,340人
(2024年3月31日現在)[2]
決算期 3月31日
会計監査人 有限責任あずさ監査法人[2]
主要株主 セコム株式会社 75%
ISフロンティアパートナーズ株式会社 19.66%
(2024年10月28日現在)
主要子会社 #関係会社参照
外部リンク https://www.pasco.co.jp/
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株式会社パスコ: PASCO CORPORATION[3])は、東京都目黒区下目黒に本社を置く航空測量空間情報事業、または建設コンサルタント事業を行う大手企業である。航空測量及び地理空間情報サービスでは国内最大手。

概要

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測量・計測の国内最大手であり、測量から得られた地形・地図データ(空間情報)を、その他の業務と連携させる空間情報サービスの開発・提供に強みをもつ。 納入例として、官公庁・自治体における都市計画・固定資産評価・道路管理・水道管理等の業務支援ならびに各種システム・サービス提供のほか、エリアマーケティングやロジスティクス分野における効率化などのサービス提供などがある。 1999年セコムの傘下に入る。

現在、子会社を含めたパスコグループ全体でみると、航空写真測量では世界トップレベル。また航空運送事業以外の空運業としては唯一の東証上場企業である。

なお、同じ読みである「パスコ(Pasco)」ブランドを持つ製パン業者である敷島製パンとは無関係である[4]。 国や地方自治体など公共関連発注案件の納期が3月末に集中し、その入金が4・5月になることから、決算期の3月末時点では売掛金と借入金の額が増加する季節変動要因が大きい特徴がある。

主な事業部門

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国内民間部門
市場分析や出店計画策定のためのエリアマーケティングサービス(MarketPlanner:マーケットプランナー、商圏大勝)や、物流分野効率化(LogiSTAR:ロジスター)、移動態の管理を行うロジスティックスソリューション(PLS:PASCO Location Service)などのソリューションを提供。このほか、企業の危機管理を支援する災害リスク情報サービス(DR-Info:ディーアールインフォ)ためのBCP(事業継続計画)策定支援や、災害発生時の徒歩帰宅・出勤を支援する帰宅支援マップサービスを提供。
国内公共部門
航空機による写真撮影から、航空写真データや地図を作り出し、地方公共団体、国や都道府県向けに事業を展開。また、これらの空間情報を活用した固定資産管理・評価、都市計画、道路管理、上下水管理などの業務支援アプリケーションを総合行政ネットワーク(LGWAN)で提供するほか、住民とのコミュニケーションツールとして地図を使ったWeb型情報公開サービス「わが街ガイド」も提供している。このほか、環境調査、文化財、災害対策などの事業も展開。
海外際部門
世界各国(ベルギー、アメリカ、タイ、フィリピン、インドネシア、中国など)のグループ会社を拠点に世界に空間情報サービスを提供。環境・災害モニタリングから国土基本図作成、各種アプリケーションの提供のほか、空間情報コンサルティング、人材育成、技術支援も行う。排出権取引が世界で注目される中、人工衛星や航空機と現地調査を組み合わせて、地球上の森林資源の把握や二酸化炭素吸収量の算出に取り組む。

沿革

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  • 1953年 (昭和28年)、パシフイック航空測量株式会社として創業
  • 1960年 (昭和35年)、航空機使用事業免許取得
  • 1962年 (昭和37年)、東京証券取引所市場第二部に上場
  • 1974年 (昭和49年)、東京証券取引所市場第一部に上場
  • 1981年 (昭和56年)、米国のESRI社の地理情報システム(GIS)基本ソフトの販売開始
  • 1983年 (昭和58年)、商号を「株式会社パスコ」に変更
  • 1985年 (昭和60年)、株式会社GIS北海道を設立(現・連結子会社)
  • 1986年 (昭和61年)、株式会社GIS関東を設立(現・連結子会社)
  • 1989年 (昭和64年)、フィリピンにPASCO Philippines Corporationを設立(現・連結子会社)
  • 1992年 (平成4年)、国立天文台野辺山宇宙電波観測所の電波ヘリオグラフの精密測量実施
  • 1997年 (平成9年)、山梨県リニアモーターカー実験線のGPS基準点測量、精密測量を実施
  • 1998年 (平成10年)、全庁型GIS パッケージソフト「PasCAL」 の販売を開始
  • 1999年 (平成11年)
  • 2000年 (平成12年)、航空写真測量のフルデジタル化技術を導入
  • 2002年 (平成14年)
  • 2003年 (平成15年)
    • 環境マネジメントシステム(EMS):ISO 14001[JISQ 14001]」の認証取得
    • タイにPASCO (Thailand) Co., Ltd.を設立(現・連結子会社)
    • 配送計画支援システム「LogiSTAR」の販売を開始
    • エリアマーケティングシステム「MarketPlanner」のサービス開始
  • 2004年 (平成16年)、デジタル画像自動処理システムの稼動開始
  • 2005年 (平成17年)
    • ドイツのInfoterra GmbH(現・Airbus Defence and Space GmbH)と衛星利用に関するパートナー契約を締結し、合成開口レーダ(SAR)衛星「TerraSAR-X」の撮影データ国内独占販売権を取得
    • 「帰宅支援マップサービス」開始
    • 「プライバシーマーク[個人情報保護マネジメントシステム(PMS)]:[JISQ 15001]」の認定取得
  • 2006年 (平成18年)、インドネシアのPT. Nusantara Secom InfoTechがグループ入り(現・連結子会社)
  • 2007年 (平成19年)
    • 人工衛星データ受信局(沖縄地球局)を設置
    • 合成開口レーダ(SAR)衛星「TerraSAR-X」の運用とサービスを開始
  • 2010年 (平成22年)
    • MMS(モービルマッピングシステム)高精度情報センター設立
    • 東日本総合計画株式会社がグループ入り(現・連結子会社)
  • 2011年 (平成23年)
    • GISクラウドサービス「PasCAL for LGWAN」の提供を開始
    • フランスのSpot Image S.A.,(現・Airbus DS Geo S.A.)と超高解像度光学衛星「Pléiades」のダイレクトアクセスサービス契約を締結し、撮影データの国内販売権を取得
  • 2014年 (平成26年)
    • 災害リスク情報サービス「DR-Info」提供開始
    • 陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)撮影データの配布開始
    • フランスのAirbus DS Geo S.A.と中分解能光学衛星「SPOTシリーズ」撮影データの国内総代理店契約を締結
    • 株式会社サテライトイメージマーケティングがグループ入り(現・連結子会社)
  • 2016年(平成28年)
  • 2017年(平成29年)
  • 2018年(平成30年)
  • 2019年(令和元年)
  • 2020年(令和2年)
    • 「スマート農業」普及のため、東京農業大学および東京情報大学と包括連携協定を締結
    • 物流ソリューションで株式会社モノフルと業務提携
    • 応用地質株式会社とリスク情報プラットフォーム構築の検討を開始
    • 空間情報事業分野におけるAI(人工知能)人材の育成に特化した独自の教育プログラムを東京大学エドテック連携研究機構と共同で開発、九州大学と連携した「G空間情報技術を活用した地域防災システム」の研究と社会実装で、内閣府の「第4回宇宙開発利用大賞 環境大臣賞」を受賞
    • AIで解析する「衛星を活用した森林変化情報サービス」を開始
    • 長年にわたる海外の国土開発への協力に対し、小沢海外功労賞を受賞
    • 地域のバイオマス資源循環と経済循環を生み出す「夢プロジェクトさくま」に参画
    • 米スカイライン・ソフトウェア・システムズ社と戦略的パートナーシップ提携に向けた覚書を締結
    • 道路計測車両システム「Real Dimension」の運用を開始
    • 国土交通省が全国約50都市で取り組む「まちづくりの DX」事業に参画
  • 2021年(令和3年)
    • 2019年度、2020年度大規模自然災害等の被災地域支援活動に対し、環境大臣賞を受賞
    • 衛星データサービス企画株式会社に出資
    • 東京都目黒区下目黒に本社を移転
    • セコムグループの一員として「SBT」認定を取得、「RE100」に加盟
    • セコム株式会社と自律飛行ドローンを活用した公共インフラ巡回監視の実証実験に着手
    • 米Vexcel Imaging社(ベクセル社)と日本国内における航空写真データの整備に関する契約を締結
    • 不動産ソリューション「LandManager Realestate(LMR)売買版」のサービスを開始
    • 業界の垣根を超えた13社共同で「防災コンソーシアム(CORE)」を発足
    • 港湾 DX と洋上風力発電の調査・計画を支援するため海洋における空間情報の計測体制を強化
  • 2022年(令和4年)
    • 株式会社奥村組株式会社ビーイング3社共同で「5 次元施工シミュレーションシステム」を開発
    • 地理空間情報の世界的なコミュニティGeoawesomenessから「世界の地理空間関連企業トップ100 社」に選出
    • 東京証券取引所の新市場区分「スタンダード市場」に移行
    • 米スカイライン・ソフトウェア・システムズ社と販売代理店契約を締結、 3 次元ビジュアライゼーションソフトウェアの販売を開始
    • 次世代の物流ソリューション「LogiSTAR Geospatial LINKS」のサービスを開始
    • 防犯カメラ等の映像から浸水状況を即時把握するAI解析モデルを開発
    • 経済産業省が選定する「DX認定事業者」に認定
  • 2023年(令和5年)
  • 2024年(令和6年)
    • 9月6日から10月22日までセコム伊藤忠商事傘下のISフロンティアパートナーズが株式公開買付け(TOB)を実施し両社の株式所有割合が94.66%となった。両社の手続き後、本企業の株式は上場を廃止する[7]

関係会社

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連結子会社(2023年3月31日時点)

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関連会社

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関連項目

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脚注

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  1. ^ 組織図 - 株式会社パスコ
  2. ^ a b c d e f g h i j 株式会社パスコ『第76期(2023年4月1日 - 2024年3月31日)有価証券報告書』(レポート)2024年6月21日。 
  3. ^ 株式会社パスコ 定款 第1章第1条
  4. ^ ただし、本社がある目黒区には敷島製パンのイーストカンパニー(東京支社)も所在する。
  5. ^ 「ダイナミックマップ基盤企画株式会社」設立のお知らせ”. 2016年5月19日閲覧。
  6. ^ ダイナミックマップ基盤企画株式会社への出資について”. 2017年6月13日閲覧。
  7. ^ 株式会社パスコ株式(証券コード9232)に対する公開買付けの結果に関するお知らせ(2024年10月23日適時開示)」 伊藤忠商事株式会社(24/10/28閲覧)

外部リンク

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