テストパイロット

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フランシス・エヴァンズ (USMC) は、スピンから回復する最適の方法を調査した (1917)

テストパイロット(Test pilot)とは、新型あるいは改造型の航空機で特定の操縦を行い、その結果を測定し設計評価する飛行士である。自衛隊では試験飛行操縦士[1]と称する。

概要[編集]

テストパイロットは、軍事組織や航空機メーカーなど航空宇宙関連の民間企業に所属していることが多い。特に軍用機のテストは、平時では最も危険でやりがいのある飛行だと考えられ、つまり軍用航空の頂点に位置している。航空機メーカーではテストパイロットによるグリーンフライト[注釈 1]で不具合が無いことを確認した後に、機体の塗装や内装の取り付ける仕上げを済ませて顧客に引き渡す[2]

1950年代には、およそ1週間に1人の割合でテストパイロットが死亡していたが、1960年代以降、航空機技術の成熟、地上テストの向上、シミュレーションの導入などによって危険は急速に減少し、最近では実験機のテストを無人で行うことが多くなってきている。しかし、故意に失速させるなどの危険な飛行を繰り返すため[2]、通常のパイロットよりも危険が伴う職業である。

計測機器のチェックやデータ解析を担当する技術者はフライトテスト・エンジニアと呼ばれる。航空機には乗り込まず地上で送信されたデータを監視することもある。

資質[編集]

陽気で恐れ知らずなイメージとは裏腹に、テストパイロットの資格を得るためには次のような能力が求められる。

  • テスト計画を理解できる。
  • 非常に特殊な方法や条件で飛行を行い、テスト計画をやり遂げることができる。
  • 各テストの結果を入念な文書にすることができる。
  • 航空機に対する卓越した感覚を持ち、航空機に奇妙な挙動があればそれを正確に感じ取ることができる。
  • テスト中に航空機に起こった問題を迅速に解決することができる。
  • 同時に進行している複数の事象に対処することができる。

テストの理由や方法を理解するには操縦の技量よりも飛行計画に従う能力や、航空工学の知識を元に疑問点を説明する能力が重要である。徹底的に正確で職業的な飛行が求められ、スリル興奮を求める冒険的なパイロット達には向いていない仕事だが、アルヴィン・ジョンストンのような無謀な飛行に挑戦する者も存在した。

歴史[編集]

アメリカ空軍テストパイロット学校が使用するNF-4E

世界初の航空機パイロットであるオーヴィル・ライトは同時にライトフライヤー号のテストパイロットでもあった。

組織的な活動としてテスト飛行を始めたのは、第一次世界大戦中のイギリスロイヤル・エアクラフト・エスタブリッシュメント(RAE)である。1920年代には、イギリスの RAE やアメリカアメリカ航空諮問委員会(NACA)によりテスト飛行がさらに発展した。1950年代には、NACA は アメリカ航空宇宙局(NASA)に変わった。こうした年月を経ることで航空機の安定性や操縦性が向上し、テスト飛行はより科学的で質的な職業へと進化した。

世界最古のテストパイロット学校は、イギリスの RAF Boscombe Down にあり、現在は大英帝国テストパイロット学校 (ETPS) と呼ばれている。アメリカでは、エドワーズ空軍基地アメリカ空軍テストパイロット学校英語版 (AFTPS) が、メリーランド州パタクセント・リバー海軍航空基地アメリカ海軍テストパイロット学校英語版(USNTPS) が、カリフォルニア州モハーヴェ英語版に民間の米国テストパイロット学校英語版 (NTPS) がある。フランスのテストパイロット学校は、イストルにある EPNER (Ecole du Personnel Navigant d'Essai et de Reception/School for flight test and acceptance personnel) である。

大日本帝国陸軍では飛行実験部大日本帝国海軍では海軍航空技術廠が試験を行っていた。

自衛隊では航空自衛隊飛行開発実験団および海上自衛隊第51航空隊においてテストパイロットを養成しており、飛行開発実験団、第51航空隊および陸上自衛隊飛行実験隊がそれぞれ試験を行っている。

著名なテストパイロット[編集]

初めて音速の壁を突破したチャールズ・E・"チャック"・イェーガー少将と記録機のベルX-1

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 飛行可能状態まで組み立てた後、飛行特性や搭載機材のチェックを行うテスト飛行。これが機体の初飛行となる。リン酸クロメートでアロジン処理した機体表面が緑色であるため「Green Flight」と呼ばれる。

出典[編集]

出典[編集]

番組[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]