リアジェット

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ボンバルディア・リアジェット・ファミリー
企業形態 航空産業
設立 1960年
創業者 William Powell Lear Jr.
製品 航空機ビジネスジェット
所有者 ボンバルディア・エアロスペース
ウェブサイト Learjet
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リアジェットLearjet )はボンバルディア・エアロスペースが販売するビジネスジェットのブランド名。

発明家のビル・リア(ウィリアム・パウエル・リア・ジュニア, William Powell Lear Jr.)が1960年に前身となるスイス・アメリカン・アビエーションSwiss American Aviation Corporation )を設立、他社との合併などを歴て1988年にリアジェットLearjet )と改名した。1990年ボンバルディア・エアロスペースの傘下となり、ビジネスジェット部門のブランド『ボンバルディア・リアジェット・ファミリー』となった。

概要[編集]

リアジェットはビジネスジェットというカテゴリーの先駆者であり、ビジネスジェット機の代名詞として用いられる事もある。

創業当初から製品は6~10人乗り、航続距離は超軽量ジェット機よりも長くアメリカ本土全域やヨーロッパ諸国での地域間移動に向いたビジネスジェットに注力している。社用機やプライベート機などゼネラル・アビエーションの需要が多いが、小型輸送機連絡機として軍にも納入されている。

ビジネスジェットとして多く製造されているため中古市場でも多く流通している。特にCJ610エンジンを搭載した初期の機種は降着装置主翼が頑丈であり、就役から40年前後を経ても機体寿命を残している機体も多い。しかし古い機体は新しい航空法に適合せず燃費や騒音の問題もあるため、エンジンやアビオニクスを新基準に適合した製品に交換したアップグレード機や、ウィングレットなどのパーツ単体を販売する独立系の整備会社も存在する[1]

社史[編集]

発明家として自動車用のラジオの実用化や8トラックカートリッジテープの開発などを主導し、その後は無線方向探知機オートパイロットなどアビオニクスの開発で巨万の富を手にしていたウィリアム・リアは、1960年にスイス国内に転居しスイス・アメリカン・アビエーション・カンパニー Swiss American Aviation Companyを設立した。

当時スイスではFlug- und Fahrzeugwerke Altenrhein(FFA)が開発していた近接支援を主任務とする地上攻撃機FFA P-16が開発されていたが試作機の墜落事故等により政府が契約を打ち切り、試作機5機が製造されただけで終わっていた。これに目を付けたリアはP-16の主翼・主脚などのコンポーネントをビジネスジェット機へ転用する可能性を見出し、SAAC-23の名で開発を始めた。それと並行してビジネスジェットを製造するための機材が購入され、1962年にカンザス州ウィチタに工場を設立した。翌年に社名をリア・ジェット (Lear Jet Corporation) に変更、SAAC-23の初飛行が成功し、1964年にリアジェット 23として販売された。当時スペインに亡命中だったミハイ1世はウィリアム・リアと知り合い、テストパイロットとしてSAAC-23の開発に参加した[2]

その後もモデル 24モデル 25と高速ビジネスジェットの開発が進められた。この時期の機種はいずれもジェネラル・エレクトリックCJ610ターボジェットエンジンを搭載していた。当時のジェット旅客機に比肩する巡航性能や強力な上昇力など、高い飛行性能を有していた。また、この時期のリアジェットの機種は大型のウイングチップ燃料タンクを装備しているのが外見上の特徴である。

ウィリアム・リアは1967年にリアジェット社の経営から離れ、1969年に同社はゲイツ・アビエーションと合併した。その結果、社名はゲイツ・リアジェット (Gates Learjet Corporation) に変えられた。合併後、モデル 25のエンジンをハネウェル TFE731に換装したリアジェット26が開発され、それを改良発展させたリアジェット35を販売した。1970年代も後継機のセールスは好調であったが、エアロスペース部門の設立にともなう転換でビジネスジェットの工場が整理された。1985年スペースシャトルのエンジン部品の生産に携わったが、経営は思わしかざる状態であった。

1987年にインテグレイテッド・アクイジションが買収し、翌年に社名はリアジェット (Learjet Corporation)に変更された。

1990年にボンバルディア・エアロスペースが買収し、同社の一部門としてボンバルディア・リアジェットの名でモデル40をアップグレードさせたモデル 40XRや中型ビジネスジェットモデル60の生産と過去に販売された機体のサポートを行っている。

ボンバルディアでは長距離向けの『グローバル・ファミリー』(カナディア系)と、中距離向けの『チャレンジャー・ファミリー』に次ぐ、短距離・個人所有向けの製品と位置づけられている。

製品一覧[編集]

年は提供開始の公式年であり、初飛行はこれより1~2年早い。定員はクルーを含む最大人数(コンフィグレーションにより少なくなることがある)。

標準断面の胴体モデル[編集]

リアジェット31A(中日新聞社取材機)
  • リアジェット23: 1964~。8人乗り。1376 nmi (2550 km)。ビジネスジェットという分類のはじめての航空機とされる。FAR Part23に適合する用設計された。32機製造。
  • リアジェット24 (24A/24B/24C/24D/24E/24F): 1967~。1100nmi (2052 km、24E)。リアジェット23の派生モデル。FAR.24適合へと変更されやや大型化されている。翼端タンクの形状や客室窓の形状などに変更が見られる。各型合わせ210機製造。
  • リアジェット25 (25A/25B/25C/26/25G): 1966~。1540nmi (2853 km、25B)。リアジェット24の胴体伸延モデル。CJ610エンジン搭載の初期型機の事実上の最終型。各型合わせ311機製造。
  • リアジェット35 (35/35A): 1974~。2004 nmi (3690 km)。アメリカ軍が人員輸送機『C-21』として導入。民間型35/35A合計で675機製造。
  • リアジェット36 (36/36A): 1974~。約2500nmi (約4600km)。リアジェット35のキャビンスペースを2座席分減じて胴体内燃料タンクを増設し長距離航行可能としたバージョン。海上自衛隊は艦隊訓練支援機『U-36A』として導入している。民間型36/36A合計で60機製造。
  • リアジェット28/29: 1979~。1436nmi (2660km)。リアジェット25をベースとして新型の大面積の主翼を装備した。ジェット機ではじめてウィングレットを実用化した。主翼面積が拡張されたため運用高度限界は15,545m(51,000ft)に達する。29は28のキャビンスペースを小さくし胴体内に燃料タンクを増設して航続距離を延伸したタイプ。CJ610エンジンの騒音と高燃料消費が災いし、製造は28が5機、29は僅か2機にとどまった。
  • リアジェット31 (31/31A): 1988~。10人乗り。1455nmi (2695 km)。リアジェット35の胴体・エンジンに28の主翼を組み合わせ、失速特性を改善するデルタ・フィン装備などの改良を施したタイプ。本タイプの運用高度限界も15,544mである。31Aは31のフライトデッキ等を改良したモデル。高性能であることに加えターボファン・エンジン装備により燃料効率も良かった。31/31A合計で242機が製造された。

新世代モデル[編集]

  • リアジェット45 (45/45XR): 1997~現行。9人乗り。2120 nmi (3926km)。基本的なレイアウトはモデル31によく似ているがほぼ完全な新設計である。従来の標準胴体モデルと異なり、主翼桁を胴体下面に設置してフェアリングで整形することにより、キャビン高を最大限確保している。エンジンはTFE731-20。
  • リアジェット40 (40/40XR): 2003~現行。6人乗り。1692 nmi (3156 km)リアジェット45の胴体を0.6m短縮したモデル。
  • リアジェット70/75  : (発表2012)リアジェット40/45の改良モデル。エンジンはTFE731-40BRを搭載し、特に離陸時の性能が向上しているほか、ヘッドアップディスプレイ(HUD)「Vision Flight Deck」が装備される。

広胴モデル[編集]

  • リアジェット55 (55B/55C/ 55C/LR): 1981~。9人乗り。2582 mi (4156 km)。商用ジェット機による6つの上昇率新記録を打ち立てた(1983年)。エンジンはTFE731-3Aまたは-3AR。各型合計140機製造。
  • リアジェット60 (60/60XR): 1993~現行。2499 nmi (4628 km)。リアジェット55をベースとして胴体を約1.1mストレッチした。それまでのシリーズと異なり、CFDによる設計、統合パネルなどの電子表示・制御を大きく進めた。エンジンはリアジェットシリーズで初めてP&Wカナダ製となりPW305Aが搭載された。最高飛行高度は5万1000フィートとなっているが、現実には4万5千フィートが最高巡航飛行高度。
  • リアジェット85: (発表2007、2012~ 予定) 10人乗り。3000nmi (5556 km)以上。ETOPS取得可能な初のビジネスジェットとして開発中。

出典[編集]

  1. ^ Learjet Maintenance and Parts - Banyan Air Service - リアジェット機のメンテナンスの他、自社製ウィングレットを販売する会社
  2. ^ ASR Principele Radu al României - Mașinile Regelui, Editura Curtea Veche, București, 2012, 978-606-588-353-6

関連項目[編集]

外部リンク[編集]