セレン化水素
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セレン化水素 | |
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hydrogen selenide | |
別称 Hydroselenic acid selane selenium hydride | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 7783-07-5 |
PubChem | 533 |
ChemSpider | 518 |
国連/北米番号 | 2202 |
KEGG | C01528 |
RTECS番号 | X1050000 |
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特性 | |
化学式 | H2Se |
モル質量 | 80.98 g/mol |
外観 | 無色の気体 |
密度 | 3.553 g/cm3 |
融点 |
-65.73 °C (207.42 K) |
沸点 |
-41.25 °C (231.9 K) |
水への溶解度 | 0.70 g/100 mL |
溶解度 | CS2、ホスゲンに可溶 |
酸解離定数 pKa | 3.89 |
構造 | |
分子の形 | 折れ線形 |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | ICSC 0284 |
EU分類 | 強い可燃性 (F+) 有毒 (T) 環境への危険性 (N) |
EU Index | 034-002-00-8 |
NFPA 704 | |
Rフレーズ | R23/25 R33 R50/53 |
Sフレーズ | S1/2 S20/21 S28 S45 S60 S61 |
引火点 | 可燃性気体 |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | 水 硫化水素 テルル化水素 ポロニウム化水素 |
その他の陽イオン | セレン化ナトリウム セレン化銀(I) |
関連物質 | アルシン |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
セレン化水素(セレンかすいそ、英: hydrogen selenide)は、化学式が H2Se で表されるセレンと水素の化合物で、カルコゲンの水素化合物(カルコゲン化水素)の一つ。セレンの酸化数は-2。爆発範囲は8.84 - 62.4 vol%。
生成
[編集]セレン化アルミニウムなどのセレンと金属の化合物に水または希塩酸を反応させると、水の場合酸化アルミニウム、希塩酸の場合塩化アルミニウムとともに生成する[1]。
また、セレンの蒸気と水素を直接反応させることでも生成できる[1][2]。
化学的性質
[編集]ニンニクのような臭気があり、毒性がある[3][4]。高圧ガス保安法で規定された特殊高圧ガスで、毒物に指定されている。硫化水素に性質が似ている。
水溶液(セレン化水素酸)中では、セレン化物イオン (Se2-) と水素イオンに電離しやすい。そのため酸性を示す。
刺激性が強いので、取り扱いには注意を要する。
大気中に放出されると、対流圏の場合3〜6時間で半減すると計算されている[5]。
その他
[編集]- IUPAC組織名:セラン
用途
[編集]有機セレン化合物の合成に用いられる。また、半導体の製造の際にも用いられる[4]。
脚注
[編集]- ^ a b 『Experimental chemistry lectures, 第 9 巻』Nihon Kagakkai、1958年、17頁。
- ^ 奥原 哲 (1959-06). “トリアゾ水素酸及びセレン化水素の製法”. 論集 6 (1): 54-57.
- ^ “水素化セレニウム H2Se 毒物(セレン化合物及びこれを含有する製剤)” (PDF). 滋賀県. 2022年5月28日閲覧。
- ^ a b “セレン及びその化合物”. 化学物質ファクトシート 2012年版/セレン及びその化合物. 環境省. 2022年5月28日閲覧。
- ^ “化学物質の初期リスク評価書 No. 128 セレン及びその化合物” (PDF). 製品評価技術基盤機構. p. 20 (2008年11月). 2013年6月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月28日閲覧。