鍵 (1959年の映画)

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Odd Obsession
監督 市川崑
脚本 長谷部慶治
和田夏十
市川崑
原作 谷崎潤一郎
製作 永田雅一
企画 藤井浩明
出演者 京マチ子
中村鴈治郎
音楽 芥川也寸志
撮影 宮川一夫
照明 伊藤幸夫
編集 中静達治
製作会社 大映東京撮影所
配給 日本の旗 大映
フィンランドの旗 ワーナー・ブラザーズ・フィンランド
公開 日本の旗 1959年6月23日
フランスの旗 1960年5月
フィンランドの旗 1960年10月14日
アメリカ合衆国の旗 1961年5月12日
デンマークの旗 1961年12月4日
上映時間 107分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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』(かぎ)は、谷崎潤一郎同名の小説(1956年発表)を原作として、1959年(昭和34年)に市川崑が監督し、大映東京撮影所が製作、大映が配給して公開した日本の長篇劇映画である[1][2][3][4]。当時の「映画倫理管理委員会」(新映倫、現在の映画倫理委員会)は同作を成人映画に指定し、18歳未満の鑑賞を制限した[1]

略歴・概要

谷崎潤一郎が1956年(昭和31年)に中央公論社(現在の中央公論新社)から上梓した、小説『[5]の最初の映画化である[3]。本作のあと、4作がリメイクされている[3]

第33回キネマ旬報日本映画ベストテンでは、本作に次いで市川が監督し、同年11月3日に公開された『野火』が第2位を受賞したとともに、本作は第9位を受賞した[4]第10回ブルーリボン賞では、市川が監督賞を受賞している[4]。翌1960年(昭和35年)5月に開催された第13回カンヌ国際映画祭のコンペティションに出品され、審査員賞ミケランジェロ・アントニオーニ監督の『情事』と同時受賞を勝ち取った[4]第17回ゴールデングローブ賞では、外国語映画賞を受賞している[4]

2012年(平成24年)6月現在、東京国立近代美術館フィルムセンターが上映用プリントを所蔵しているほか[2]角川エンタテインメント(のちに吸収されて現在の角川書店)が2007年(平成19年)9月28日にDVDを発売しており、鑑賞可能な作品である。

作品データ

スタッフ

キャスト

あらすじ

以下は映画のあらすじである[1]。小説のあらすじとは異なる。

古美術鑑定家の剣持(中村鴈治郎)は、京都市内にある大学病院に通い、ある注射をしている。同病院のインターンの木村(仲代達矢)を娘の敏子(叶順子)の婿にしたいと考えている。妻の郁子は、夫を嫌っていた。ある夜、木村が剣持の家を訪問し、大いに飲んで楽しんだ。酔って浴室で眠ってしまった裸体の郁子を、木村に手伝わせて寝室に運ぶ剣持。妻の診療を頼む、と言って剣持は姿を消す。そんなことが繰り返されるなか、敏子は現場を目撃してしまう。敏子もすでに木村と関係を持っていたのであった。母と木村が関係を持っていること、それを父も知っていること。敏子は家を出て、下宿することにした。

剣持は、木村と敏子を呼び出し、婚約の段取りを整えようとする。深夜、剣持は倒れた。郁子は木村を呼び出し、女中部屋で抱き合った。郁子は木村に、敏子と結婚して、ここで開業すればいいと言う。間もなく剣持は死んだ。

剣持の葬儀が終わり、骨董品の数々は古美術商がすべてさらっていき、家もすでに抵当に入っていたことを知る。敏子は、農薬を郁子の紅茶に入れた。効かない。それは、お手伝いのはな(北林谷栄)が色盲のため、中身を入れ替えていたのだった。はなは主人に不実な母子および木村を毒殺するべくサラダへ農薬をかけた。三人はバタバタと死んでいった。 事後、はなは自首するが、刑事たちは老人ボケと思い込んで彼女の自白に取り合わなかった。

受賞歴

リメイク

脚注

  1. ^ a b c d 、日本映画情報システム、文化庁、2012年6月21日閲覧。
  2. ^ a b 東京国立近代美術館フィルムセンター、2012年6月21日閲覧。
  3. ^ a b c 日本映画データベース、2012年6月21日閲覧。
  4. ^ a b c d e Odd Obsession インターネット・ムービー・データベース (英語), 2012年6月21日閲覧。
  5. ^ 谷崎潤一郎 鍵国立国会図書館、2012年6月21日閲覧。
  6. ^ 本編では「熊田朝」と表記されている。

参考文献

  • 『文学と映画の間 - 「鍵」演出前記』、市川崑、『芸術新潮』第10巻5号所収、新潮社、1959年5月
  • 『映画「鍵」が出来るまで』、市川崑、『映画評論』第16巻8号所収、新映画、1959年7月

関連項目

外部リンク

受賞
先代
カンヌ国際映画祭 審査員賞
1960年
情事』と同時受賞
次代
該当作なし
(1961年 - 1967年)
Z』(1968年)