野火 (小説)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
野火
小説:野火
著者 大岡昇平
出版社 創元社
掲載誌 展望
映画:野火
監督 市川崑
制作 大映
封切日 1959年11月
上映時間 105分
テンプレート - ノート

野火』(のび)は、大岡昇平小説1951年に『展望』に発表、翌年に創元社から刊行された。作者のフィリピンでの戦争体験を基にする。死の直前における人間の極地を描いた、戦争文学の代表作。第3回(昭和26年度)読売文学賞・小説賞を受賞している[1]

題名の「野火」とは、春の初めに野原の枯れ草を焼く火のことである。

1959年市川崑2015年公開予定で塚本晋也がそれぞれ映画化している。

あらすじ[編集]

太平洋戦争末期の日本の劣勢が固まりつつある中でのフィリピン戦線が舞台である。 主人公田村は肺病のために部隊を追われ、野戦病院からは食糧不足のために入院を拒否される。現地のフィリピン人は既に日本軍を抗戦相手と見なす。この状況下、米軍の砲撃によって陣地は崩壊し、全ての他者から排せられた田村は熱帯の山野へと飢えの迷走を始める。 律しがたい生への執着と絶対的な孤独の中で、田村にはかつて棄てた神への関心が再び芽生える。しかし彼の目の当たりにする、自己の孤独、殺人、人肉食への欲求、そして同胞を狩って生き延びようとするかつての戦友達という現実は、ことごとく彼の望みを絶ち切る。 ついに「この世は神の怒りの跡にすぎない」と断じることに追い込まれた田村は「狂人」と化していく。

映画[編集]

1959年版[編集]

野火
監督 市川崑
脚本 和田夏十
原作 大岡昇平
製作 永田雅一
出演者 船越英二
ミッキー・カーチス
滝沢修
音楽 芥川也寸志
撮影 小林節雄
編集 中静達治
配給 大映
公開 日本の旗 1959年11月3日
上映時間 105分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

1959年には大映で映画化された。角川エンタテインメントからDVDが発売されている。

人肉を食う場面は、映画では「栄養失調で歯が抜け、食べられなかった」という処理が行われた。これは、映画の持つ表現の直接性を考慮し、観客に「食べなくてよかった」と感じさせるための変更である。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

2015年版[編集]

2015年公開予定の日本映画。監督・脚本・製作などに加え主演する塚本晋也は、構想に20年を費やした。製作には出資者が集まらず、自主製作映画としての公開ながら、2014年7月開催の第71回ヴェネツィア国際映画祭メインコンペティション部門に正式出品の予定[2]

キャスト(2015年版)[編集]

スタッフ(2015年版)[編集]

  • 原作:大岡昇平『野火』(新潮文庫
  • 監督・脚本・編集・撮影・製作:塚本晋也
  • 配給:海獣シアター

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]