福渡温泉

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福渡温泉
温泉情報
所在地 栃木県那須塩原市塩原
座標 北緯36度57分51.7秒 東経139度50分16.3秒 / 北緯36.964361度 東経139.837861度 / 36.964361; 139.837861座標: 北緯36度57分51.7秒 東経139度50分16.3秒 / 北緯36.964361度 東経139.837861度 / 36.964361; 139.837861
交通 鉄道:宇都宮線西那須野駅野岩鉄道上三依塩原温泉口駅から路線バス
車:東北自動車道西那須野塩原ICより国道400号へ約20分
泉質 塩化物泉炭酸水素塩泉単純温泉
泉温(摂氏 40 - 50 °C
宿泊施設数 8
外部リンク 塩原温泉旅館組合
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福渡温泉(ふくわたおんせん)は、栃木県那須塩原市(旧国下野国)にある塩原温泉郷の一つの温泉国道400号を渓谷沿いに上り現れる塩原十一湯の2番目の温泉で、温泉宿が8軒ある。文豪たちに愛された渓谷美が美しい場所である。

泉質

  • 塩化物泉・炭酸水素塩泉・単純温泉[1]
  • 源泉温度:40 - 50℃

効能

  • きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚弱児童

※注 : 効能はその効果を万人に保証するものではない 

温泉街

大網温泉から箒川の上流約2kmほどに位置し、左岸に古くからの温泉街が広がる[2]。右岸の下流寄りにキャンプ場コテージテニスコートなどを備えた塩原グリーンビレッジがある。国道400号は、温泉街の中では上下線が離れた位置を通り、福渡橋で右岸西側の丘陵地に渡る。塩原街道の旧道は左岸に沿って直進する。塩原温泉旅館組合加盟の温泉宿が6軒あり、塩原グリーンビレッジと右岸西側丘陵地の大江戸温泉物語かもしか荘、かんぽの宿塩原[注釈 1]も福渡エリアに含まれるが[3]、かんぽの宿は塩の湯温泉からの引き湯を利用している[4]

福渡橋からは塩原渓谷の名所の一つ「天狗岩」の全貌を見ることができる[2]。橋の近くの福渡温泉神社は1445年に創建、1888年に現在地に遷宮され、1995年に那須塩原市の有形文化財に指定されている[5]。橋を渡った先の天皇の間記念公園には、塩原御用邸の建物が移築されている。

温泉街から箒川を渡った対岸には、岩の湯、不動の湯という2つの露天風呂が存在するが、不動の湯は、AV撮影が行われたことにより、岩の湯は、落石の危険性から現在閉鎖中である。岩の湯は、落石防止工事が行われ再び入浴できる日が来ることを望み、その際は清掃協力金を支払うことで入浴できる。  

歴史

当地にある老舗和泉屋旅館は1536年天文5年)創業の歴史を持つ[6]横山大観竹久夢二野口雨情らが泊った別館は、展示施設「文学亭」として活用されていた[7][注釈 2]

1884年(明治17年)に塩原街道を整備した栃木県令の三島通庸は、福渡に別荘を構えた。1902年(明治35年)にこの地を訪れた当時の皇太子[注釈 3]は感銘を受け、三島の子爵により皇室に献上され塩原御用邸となった[9]戦後厚生省に移管し、1948年7月15日に中途視覚障害者更生施設国立塩原光明寮が開設された[10][注釈 4]

1937年(昭和12年)に省営バス[注釈 5]が開通し、古町温泉塩原温泉駅が開業するまでは、古町・畑下門前とともに塩原温泉郷の中心であった。 1949年2月25日、福渡大火に見舞われ多くの旅館が焼失する。1944年8月から1948年3月まで塩原に疎開していた浮世絵師川瀬巴水は、大火の5日後には預かった見舞金を携えて火事見舞いに訪れた[12]

1962年、塩原開発により屋外スケートリンク「塩原スケートセンター」開業。スケート場の営業は2002年に終了し、跡地は塩原グリーンビレッジのオートキャンプサイトなどになっている[13]

交通

脚注

注釈

  1. ^ マイステイズ・ホテルグループにより運営されている。
  2. ^ 和泉屋旅館は2020年に破産した[8]
  3. ^ のちの大正天皇
  4. ^ のちに国立塩原視力障害センターに改称。2013年廃止[11]
  5. ^ のちの国鉄バス、現在のジェイアールバス関東

出典

  1. ^ 塩原温泉11湯 福渡”. 那須塩原市役所塩原支所 産業観光建設課 (2021年11月30日). 2022-04-nenn29閲覧。
  2. ^ a b 角川書店編 編『角川日本地名大辞典 9 栃木県』角川書店、1984年、784頁。 
  3. ^ 塩原温泉宿泊施設・プラン一覧”. 塩原温泉旅館組合. 2022年4月24日閲覧。
  4. ^ お風呂のご案内(かんぽの宿塩原)
  5. ^ 文化財一覧 福渡温泉神社(本殿)”. 那須塩原市役所教育部 生涯学習課 (2021年11月30日). 2022年4月29日閲覧。
  6. ^ 【477年目の春】3月8日創業記念日”. 和泉屋旅館ブログ (2012年3月1日). 2022年4月29日閲覧。
  7. ^ ようこそ和泉屋へ - ウェイバックマシン(2019年12月7日アーカイブ分)
  8. ^ (株)和泉屋(栃木)/旅館・ホテル”. データ・マックス (2020年4月9日). 2022年4月29日閲覧。
  9. ^ 塩原御用邸(那須塩原市商工会
  10. ^ 国立更生援護施設の現状” (PDF). 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 (2008年10月3日). 2022年4月29日閲覧。
  11. ^ “視力障害センター跡地 「旧御用邸 用地取得を進めて」那須塩原市民、市長に要望書提出 栃木”. 産経新聞. (2017年8月22日). https://www.sankei.com/article/20170822-FEDO2ORRYJMPNL6TTQ4GEZAC4A/ 2022年4月29日閲覧。 
  12. ^ 川瀬巴水 学芸員コラム第4回 川瀬巴水と塩原(後編)”. 大田区立郷土博物館 (2022年3月1日). 2022年4月29日閲覧。
  13. ^ 二十歳の原点ノート 塩原町”. 高野悦子二十歳の原点」案内. 2022年4月29日閲覧。
  14. ^ 一般路線バス 那須塩原~西那須野~塩原温泉”. ジェイアールバス関東 (2022年4月1日). 2022年4月29日閲覧。
  15. ^ ゆ~バス 塩原・上三依線” (PDF). 那須塩原市役所 (2022年4月1日). 2022年4月29日閲覧。

外部リンク