的場文男

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的場文男

園田競馬場遠征(2010年2月18日)での的場
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 福岡県大川市
生年月日 (1956-09-07) 1956年9月7日(67歳)
血液型 A型
騎手情報
所属団体 大井競馬場
所属厩舎 庄子連兵
東京都騎手会
勝負服 赤・胴白星散らし
初免許年 1973年
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的場 文男(まとば ふみお、1956年9月7日 - )は、大井競馬場東京都騎手会所属の騎手。「大井の帝王」の愛称で親しまれ、地方競馬全国リーディングを2回(2002年、2003年)、大井競馬リーディングを21回(1983年、1985年-2004年)獲得し、多くの重賞タイトルを手中に収めている。

大井競馬場所属騎手の的場直之は甥、佐賀競馬の元調教師的場信弘は兄(直之の父)にあたる。日本中央競馬会(JRA)所属の元騎手で現調教師の的場均、その息子でJRA所属騎手の的場勇人らとは同姓だが血縁関係はない。

来歴

先に騎手をしていた兄に影響され[1]騎手を志す。

多くの名騎手を輩出した大井の調教師の小暮嘉久の門下の最後の直弟子である。中学時代に兄からの伝で浦和競馬場の厩舎を見学した帰路、羽田発の飛行機の待ち時間を利用して大井競馬場を見学した際に小暮に勧誘されたことにより、1971年に騎手見習として小暮の厩舎に入り[1]、中学卒業後に地方競馬教養センターの第20期長期騎手候補生となる[1]

小暮一門の兄弟弟子は数多く、赤間清松高橋三郎辻野豊瀧澤勝のほか、一時期厩舎に籍を置いた松浦備も兄弟子の一人である。さらに辿れば、小暮は戦前から群馬地区で活躍し、名調教師としてその名を残した塩野七郎の一門であるが、この塩野から広がる流れは現在の南関東公営競馬でも浦和や大井などで人数の多い主流人脈の一つである。

1973年に騎手デビュー。同期に森下博山崎尋美石川綱夫、大井から宇都宮へ移籍した野木英文らがいる。デビュー時は小暮厩舎に所属、2005年5月末まで長沼正義厩舎所属であったが長沼の引退に伴い移籍。松浦備厩舎を経て、2008年6月16日から庄子連兵厩舎に所属していたが、2012年11月25日付で東京都騎手会所属(中央で言うところのフリー)となった[2]

戦歴

主な重賞勝ち鞍

[7]

各年成績

西暦 騎乗数 1着数 勝率
1973年 20 2 .100
1974年 200 24 .120
1975年 248 35 .141
1976年 185 13 .070
1977年 295 53 .179
1978年 374 65 .173
1979年 413 50 .121
1980年 497 84 .169
1981年 523 78 .133
1982年 583 95 .162
1983年 658 129 .196
1984年 506 91 .179
1985年 570 116 .203
1986年 629 148 .235
1987年 634 146 .230
1998年 653 155 .237
1989年 577 153 .237
1990年 547 131 .239
1991年 549 163 .296
1992年 597 149 .249
1993年 607 140 .230
1994年 611 129 .211
1995年 815 151 .185
1996年 865 150 .203
1997年 743 151 .203
1998年 968 181 .186
1999年 1161 237 .204
2000年 1321 285 .215
2001年 1580 348 .220
2002年 1660 363 .218
2003年 1716 335 .195
2004年 1773 350 .197
2005年 1360 258 .190
2006年 1745 267 .153
2007年 1252 203 .162
2008年 1634 264 .162
2009年 1357 208 .152
2010年 1358 198 .146
2011年 1176 141 .120
2012年 1243 155 .125
2013年 1219 149 .122
通算 35422 6543 .184
  • 数字は全て地方競馬での数字に限る。
  • 勝利数の太字は地方競馬全国リーディング。

人物

  • レースの序盤から先頭集団に取り付いて、人馬一体となった力強い走りで押し切るという騎乗スタイルである。
  • 好きな食べ物はカレー。これにちなんで、かつて大井競馬場で販売された「的場弁当」にはカレーピラフが入っていた。
  • インタビューの際は筑後弁でしゃべる。
  • 無類の愛妻家。

エピソード

的場と東京ダービー

アラブダービーは通算3勝しているが、東京ダービーには2015年までに34回挑戦[8][9]して2着は9回[8][10]あるものの、出走時無敗の成績で単勝1.1倍の1番人気に支持された馬に騎乗しながら大出遅れを喫する(1993年、ブルーファミリー)などの不運もあって未勝利であり、「大井の七不思議の一つ」とまで言われている。ダービーに出走できなかったものまで含めると、3冠第1弾の羽田盃を圧勝しながらも故障したマルゼンアデイアル(1985年)、ナイキジャガー(1996年)、単勝元返し(1.0倍)の支持を受けた羽田盃で故障、予後不良になったベルモントドリーム(2000年)などの例もある。

的場騎乗の東京ダービー2着馬

中央競馬への参戦

中央競馬では通算4勝。ガルダン(1987年)、ジョージモナーク1990年)、ハシルショウグン(1993年)でジャパンカップへの参戦歴がある。前哨戦のオールカマーでも自ら手綱をとり、3頭とも2着に導いている(ガルダンは後に中央競馬に移籍)。

その後、中央・地方の交流が盛んになり、石崎隆之(船橋)、内田博幸(当時:大井)、戸崎圭太(大井)のように南関東から中央競馬へ積極的に参戦する騎手も出現したが、的場が中央へ参戦する機会は滅多にない。これは、的場が「大井競馬こそが一番の競馬場」と自負しているためと言われている。

2009年には、阪神競馬場で行われるワールドスーパージョッキーズシリーズの地方競馬代表騎手として参戦。最下位に終わったものの、ジャパンカップダートでボンネビルレコードに騎乗した。

高知競馬場の招待競走

2002年から2004年までの3年間、高知競馬場黒船賞(毎年3月)の前日に「的場文男騎手招待チャレンジカップ」が行われた。もともとは「佐々木竹見騎手招待チャレンジカップ」として行われていたが、2001年に佐々木竹見が引退し、同じ南関東で活躍している的場に白羽の矢が立ったもの。2レースを行い、着順をポイント化し、その合計により優勝を争った。2005年も開催を予定していたが、落馬事故による怪我の具合から開催までの復帰が難しいと判断され中止となり、以来この競走は行われていない。

その他

脚注

  1. ^ a b c 地方競馬全国協会ハロン』1994年1月号 p.26「おめでとう的場文男騎手2000勝」
  2. ^ “【大井】現役最多勝の的場 東京都騎手会所属に”. スポーツニッポン. (2012年11月21日). http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2012/11/21/kiji/K20121121004599540.html 2012年12月18日閲覧。 
  3. ^ a b c 斎藤修 (2010年7月9日). “的場文男騎手、通算6000勝の感謝”. web Furlong 2010. 地方競馬全国協会. 2015年7月14日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h 的場文男騎手6500勝達成記念!!”. 東京シティ競馬 : TOKYO CITY KEIBA. 2015年7月13日閲覧。
  5. ^ 的場文男騎手 地方通算 6,000勝 達成! - TCK
  6. ^ “的場文男騎手(大井) 最高齢重賞勝利を達成”. 地方競馬全国協会. (2015年5月7日). http://www.keiba.go.jp/topics/2015/0507.html 2015年7月5日閲覧。 
  7. ^ 的場 文男 - ジョッキー重賞勝利 - データ集”. 東京シティ競馬 : TOKYO CITY KEIBA. 2015年7月14日閲覧。
  8. ^ a b “的場文またも悲願ならず/東京ダービー” (日本語). 日刊スポーツ. (2011年6月9日). http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20110609-787659.html 2011年6月9日閲覧。 
  9. ^ 成績・払戻金(第58回 東京ダービー(SI))”. nankankeiba,com (2012年6月6日). 2013年1月29日閲覧。
  10. ^ “【東京ダービー】伏兵9番人気ラッキープリンスが優勝”. 東スポWeb. (2015年6月3日). http://www.tokyo-sports.co.jp/race/horse/407293/ 2015年6月4日閲覧。 
  11. ^ 的場文男騎手5,000勝達成記念 表彰式(TOKYO CITY KEIBA、2006年3月19日)

戦績の出典

  • デビューから2002年まで:「的場文男騎手(大井)地方競馬通算4000勝達成!」地方競馬全国協会『Furlong』2003年2月号、4頁。
  • 2003年以降:keiba.go.jp, 騎手リーディング情報(2014年8月27日閲覧)。

外部リンク