猿の惑星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Romaeda (会話 | 投稿記録) による 2012年3月21日 (水) 14:16個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎影響を受けた作品)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

猿の惑星
La Planète des singes
著者 ピエール・ブール
訳者 大久保輝臣
発行日 フランスの旗 1963年
日本の旗 1968年7月12日
発行元 フランスの旗 Livre de Poche
日本の旗 東京創元社
ジャンル サイエンス・フィクション
フランスの旗 フランス
言語 フランス語
形態 文庫判
ページ数 243
公式サイト www.tsogen.co.jp
コード ISBN 978-4-488-63201-4
ウィキポータル 文学
[ ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

猿の惑星』(さるのわくせい、La Planète des singes、アメリカ:Planet of the Apes、イギリス:Monkey Planet)は、フランス小説家ピエール・ブールによるSF小説。同名の映画版とともに知られる。

それまでに類をみないストーリー展開と人間社会への辛辣な風刺をこめた作風は今なお高く評価されている。ブールが仏領インドシナにて現地の有色人種を使役していたところ、同じ有色人種である日本人の率いる軍の捕虜となった「立場の逆転」の経験を基に描かれたという説もある[1]。しかし、実際にはブールを捕虜にしたのはヴィシー政権下のフランス軍である[2]。またその結末は、ロッド・サーリングによって書かれた映画版におけるハリウッド的で視覚に訴えるものと異なり、さらにもうひと捻りしたものになっている。

ストーリー

太陽系の調査がほぼ達成された近未来、人類初の恒星間飛行が行なわれることになった。目的地は地球から300光年先のベテルギウス。宇宙船内で2年間、実際の時間で300年を経て3人の宇宙飛行士が到着した惑星は、猿(類人猿)が人間を狩る星であった。

映画版と異なり、猿には手足が6本あり、英語ではなく独自の言語を話している。また、結末は二重オチになっている。

日本語訳

翻案

20世紀フォックスは、『猿の惑星』の直接的な映画化を2度製作している。1つめは1968年に公開された『猿の惑星』で、フォックスはその後1970年代に『続・猿の惑星』から『最後の猿の惑星』まで同作の続編を計4本公開した。2つめは2001年に公開された『PLANET OF THE APES/猿の惑星』で、こちらの方がより原作に忠実なものとなっている。さらに2011年、フォックスは『猿の惑星』(征服)から着想を得た新たな物語として『猿の惑星: 創世記』を公開した。

映画以外のメディアにおける『猿の惑星』の翻案としては、1974年に放送されたフォックス製作のテレビドラマや、その翌年に放送されたアニメシリーズがあり、さらに、これらに付随してノベライズやコミカライズが多数発表されている。

影響を受けた作品

これらの他にもさまざまなオマージュパロディ作品が存在すると考えられる。

  • ゴジラ対メカゴジラ』、『メカゴジラの逆襲』 - 本シリーズ同様、サルの顔をしたブラックホール第三惑星人が登場。
  • SFドラマ 猿の軍団』 - 同時期に円谷プロダクションが制作したテレビ特撮番組で、タイトルや設定に多大な影響を受けている。
  • 宇宙戦士バルディオス』 - ロボットアニメだが、広川和之によれば、物語の謎は本作のアイデアを使用している。
  • 『猿の惑星は地球』 - クロムモリブデンによる舞台演劇作品。『猿の惑星』のDVDパッケージには結末が描かれており、それはすなわちネタバレである、という点をモチーフにした作品。
  • サルヂエ』 - 司会者は猿の惑星からやって来たサルという設定で、特殊メイクや衣装も本シリーズに登場するオランウータンを意識している。
  • クレヨンしんちゃん』 - テレビスペシャルで「犬の惑星」「続・犬の惑星」というパロディが放送された。
  • 天才バカボン』 - 「ブタの惑星」というシナリオがある。
  • スペクトルマン』- 敵役が宇宙猿人ゴリとラー。ゴリは科学者、ラーは軍人。共に惑星E出身。放送開始当時のタイトルは『宇宙猿人ゴリ』だった。
  • 星のカービィ (アニメ)』 - 第43話「ヒツジたちの反逆」が本作のパロディである。

参考文献

  1. ^ 町山智浩『〈映画の見方〉がわかる本』洋泉社、2002年8月1日、78頁。ISBN 978-4-89691-660-7 
  2. ^ Wikipediaフランス語版のピエール・ブールの項(fr:Pierre Boulle)を参照。日本語版にはフランス語版や英語版等にない日本軍の捕虜説も掲載されている。