猿の惑星

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猿の惑星さるのわくせい仏語:La Planète des singes、英語:Planet of the Apes)は、フランスの小説家ピエール・ブール小説及び、それを原作とする1968年に公開されたアメリカ映画[1]、及び1973年に放映されたアメリカのテレビドラマである。1973年までに公開された続編の映画4作、1975年のテレビアニメ版1作もここで扱う。2001年にリ・イマジネーション版として公開された映画については、『PLANET OF THE APES/猿の惑星』を参照。

それまでに例をみないストーリー展開と人間社会への辛辣な風刺をこめた作風は現在においても高く評価されており、また、その精巧な猿の特殊メイク技術は、当時のレベルからは飛び抜けたもので、この作品の影響によってアカデミー賞にメイクアップ部門が設立された[2]

目次

[編集] 書籍

[編集] 猿の惑星(PLANET OF THE APES)

  • 発表年:1963年
  • 著者:ピエール・ブール

[編集] 映画 

[編集] 猿の惑星(PLANET OF THE APES)

ストーリー:宇宙飛行士のテイラー達は、自動操縦での帰還中、ある惑星に不時着した。そこはなんと、人間が猿に支配された惑星だった。
  • 原作の結末は、映画版におけるハリウッド的・視覚に訴えるものと異なり、さらにもうひと捻りしたものになっている。映画のストーリーは脚本家のマイケル・ウィルソンロッド・サーリングが脚色したものてある。
  • テイラーが猿たちから理不尽な扱いを受ける描写は、脚本家のマイケル・ウィルソンが共産主義者と見做されたために赤狩りの対象になった経験が反映されている(補足:マイケル・ウィルソンはピエール・ブール原作の映画版・戦場にかける橋の脚本も担当していた。また共産主義者であるチェ・ゲバラを題材にした映画・『革命戦士ゲバラ!』の脚本も担当している)。
  • 作品中に登場する“裁判”については進化論裁判(モンキー裁判)を参照。
  • 最大の伏線、アイロニーは“猿が英語を話す”こと。ただし、原作では猿の星は「惑星ソロール」であり、言葉もソロールの言葉である。

[編集] 続・猿の惑星(BENEATH THE PLANET OF THE APES)

ストーリー:テイラーを追って、ブレントも未来の地球へとたどり着いた。廃墟のニューヨークで、コバルト爆弾を信仰するミュータント化した人類と禁断の地にまで勢力を伸ばそうとする猿類との、最後の戦争が始まった。テイラーとブレントは地球を救おうとするが、ザイアスの言葉に絶望したテイラーによってコバルト爆弾が爆発、地球は破壊された。
劇中、禁断の地に出発するゴリラ達の前を、プラカードを持ったチンパンジー達が「戦争反対」を主張して立ちふさがったために排除されるシーンがある。これは、当時のベトナム戦争反戦運動に対する政府の対応を風刺した描写である。

[編集] 新・猿の惑星(ESCAPE FROM THE PLANET OF THE APES)

ストーリー:ミュータント人類と猿類との戦争は、地球の消滅で幕を閉じた。ジーラらはその直前に宇宙船で脱出したが、たどり着いたのは1973年の地球であった。最初は猿を好意的に受け入れた米国社会だったが、地球の未来が「猿による人間の支配」であることが判明し、動揺が広がる。
  • 猿を乗せた宇宙船が到着したことを報じる世界各地のテレビのシーンでは日本の一般家庭が登場するが、その描写は実際の日本と乖離したものになっている(全員着物を着ており、女児が茶筅髷を結っている)。

[編集] 猿の惑星・征服(CONQUEST OF THE PLANET OF THE APES)

ストーリー:コーネリアスの語ったとおり、疫病によりイヌ・ネコは死滅し、サルが第一位のペットとなった。1991年、日々深まる奴隷としての扱いに、コーネリアスの息子シーザーをリーダーについにサルは反乱を起こす。

[編集] 最後の猿の惑星(BATTLE FOR THE PLANET OF THE APES)

ストーリー:人類と猿類との戦争はついに核戦争に発展した。2003年、ジーラとコーネリアスの記録から地球の未来を知ったシーザー達と穏健派の猿人間は人類との共存の道を選択するが、タカ派のゴリラの将軍・アルドーは人類を敵視する。そんななか、ミュータント化した人類が攻撃を仕掛け、曲がりなりにも共存していた人類はそれを理由に拘束される(註-人類はシーザーの村で猿人間と共存していた者と、廃墟と化した都市の地下でミュータント化したものの両方いる)。しかし、アルドーが猿の掟を破ったことが判明する。

[編集] テレビドラマ

[編集] Planet of the Apes

1974年CBSで放送された。全14話。en:Planet of the Apes (TV series)
一話完結。舞台は、猿の(支配する)惑星。年代は、テイラー出現(オリジナル版『猿の惑星』)の約10年後。
映画版との最大の違いは、人間が言葉を喋れる事、奴隷だけでは無い事(猿の方が上位ではあるが、映画版よりは待遇差が小さい)。
  • 例えば、「脱走」していない人間であれば、「旅」も許されている。また、謙れば意見を述べる事も許される。
  • 職人が存在する(人間の)
  • 人間が馬に乗る事は許されていないが、領主(猿)が目こぼしする事もある。
主人公は、チンパンジーのゲイラン(ロディ・マクドウォール。吹き替えは植木等)。
3人の宇宙飛行士の乗った機体が不時着(1名は、その時に死亡する)。ヴァードン(ロン・ハーパー。吹き替えは羽佐間道夫)とバーク(ジェームズ・ノートン。吹き替えは井上真樹夫)は捕らえられ、処刑されかけるが、理解者となったゲイランと逃亡。過去の地球に戻る方法を探し、猿の世界を旅する。
ゴリラのウルコー将軍(マーク・レナード。吹き替えは小林清志)が敵として登場、一行(1匹と2人)を追跡、あるいは遭遇する。
ナレーターは大木民夫
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[編集] テレビアニメ

[編集] Return to the Planet of the Apes

1975年20世紀フォックステレビジョンによって製作された。全13話。en:Return to the Planet of the Apes
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[編集] 登場人物

猿の惑星:(オリジナル)、続・猿の惑星:、新・猿の惑星:、猿の惑星・征服:、最後の猿の惑星:

[編集] 人間

「猿の惑星」の人間は、原始人を思わせる毛皮でできた服を着ている。言葉を一切しゃべれず、文字通りの「獣」と化している。動物同様の扱いで、去勢ロボトミーをはじめとした脳外科手術被検体など実験用動物になる事もある。また、「野生」の人間をハンティングする「人間狩り」も猿(主にゴリラ)達の間で趣味として存在している。

テイラー(チャールトン・ヘストン)オ・続(吹き替え:納谷悟郎
宇宙飛行士。厭世的で偏屈な性格から宇宙飛行に参加した。オリジナルのエンディングで絶望的な台詞を叫んでいたが、続では立ち直っている。ミュータント化した人間達から惑星を守るべく行動していたが、最終的に惑星を滅亡させる事になる。
ブレント(ジェームズ・フランシスカス)続
宇宙飛行士でニューヨーク出身。テイラーの宇宙船を追って打ち上げられた宇宙船の生存者。当初、船長ともう一人無事であったが二名は死亡した。テイラーと別れた後のノヴァに会い、テイラーと再会してミュータント化した人間達から惑星を守るべく行動していたが、猿の軍勢に呆気なく殺害される。
ノヴァ(リンダ・ハリソン)オ・続
退化した人間女性の一人。テイラーに気に入られ、ノヴァの名前をつけられ行動をともにする。続の後半で「テイラー」と一言だけつぶやいた直後に猿の軍勢の銃撃で死亡した。
ルイス・ディクソン博士(ブラッドフォード・ディルマン)新
生物学者。ジーラとコーネリアスに対して終始好意的。
スティービー・ブラントン博士(ナタリー・トランディー)新
生物学者。ディクソン同様ジーラとコーネリアスに対して好意的。
アルマンド(リカルド・モンタルバン)新・征
コーネリアスとジーラに理解を示す、サーカスの団長をしている人間。コーネリアス夫妻から後のシーザーを託されて匿う。両親の死亡後はサーカスでシーザーを育てていたが、興行の宣伝のために訪れたニューヨークでふとしたことから管理派に目をつけられ……。
オットー・ハスライン博士(エリック・ブレーデン)新
大統領の側近。当初ジーラとコーネリアスに好意的だったが、ジーラから地球の終末を聞き出し、2人とその子どもの抹殺を企む。
フレッグ(ドン・マレー)征
人間が猿を奴隷同然に扱っていた時代のニューヨーク白人知事。その後シーザー達猿の反乱によって失脚した。
マクドナルド(兄)(ハリー・ローズ)征
猿管理局に勤務する黒人。猿が奴隷化される事に批判的で、猿の権利をそれなりに肯定していた。その為、管理派の知事に目を付けられる。
コルプ()征・最
「征服」では知事の側近として人間に歯向かう猿の処罰をしていた。核戦争を生き残り、廃墟と化した都市の地下部でミュータントと化した人間を指揮してシーザーの村へと侵攻した。
マクドナルド(弟)(オースティン・ストーカー)最
征服に登場したマクドナルドの弟でシーザーの良き理解者。猿と共存する人間の代表者としてシーザーと行動を共にする。

[編集]

[編集] チンパンジー

チンパンジーは、緑色の背広と茶色のズボンを履いている。ジーラのように、進歩的な発想を持つ者もいる。

コーネリアス(ロディ・マクドウォール)オ・新、(デイヴィッド・ワトソン)続
考古学者で、猿の時代以前にいた者のことを研究している。人間に対して懐疑的だが、婚約者のジーラと共にテイラーを匿い味方になる。テイラーと禁断の地の果てに同行したが、結局猿社会に戻り、ブレントにも同様に保護を与える。ジーラと共に宇宙船に乗り、惑星の破滅から免れたが過去の地球で射殺された。
ジーラ(キム・ハンター)オ・続・新
生物学者で、いかにして人間を猿に近づけるかを研究している。そのため非常に進歩的な思想で、保守的なオランウータンや好戦的なゴリラから目の敵にされている。コーネリアスよりも人間よりの考え方で、テイラー、ブレントにも理解を示す。結婚してコーネリアスの子を出産したが、過去の地球で射殺された。
マイロ博士(サル・ミネオ)新
天才的な頭脳を持ち、猿の中で一人だけ宇宙船の操縦方法を理解できた。コーネリアスとジーラと共に宇宙船に乗って惑星の破滅から免れたが、着いた星が過去の地球であることをコーネリアスに話した直後、動物園の「ただの」ゴリラに絞め殺されてしまった。
シーザー(ロディ・マクドウォール)新・征・最
コーネリアスとジーラの長男。当初両親から「マイロ」と言う名前を付けられていたが、両親が死亡した為に本人は知る由も無く、人間から差し出された辞書をランダムに指差してシーザーと名付けられた。猿の中で唯一人語を理解し、話すことができる。統率力と行動力に溢れ、理知的で穏健な思考の持ち主。マクドナルドやコルプからカエサルと同じ名前であることを揶揄されている。
リサ(ナタリー・トランディ)征・最
シーザーの妻。シーザーを支え、人間と猿の調和社会を築こうとするも、タカ派のアルドーや別の場所で生き残ったコルプ達人間の侵略の間で翻弄される。
コーネリアス(ボビー・ポーター)最
シーザーの長男。両親やヴァージル、マクドナルド(弟)の教育で指導者にふさわしく成長しつつあったが、木の上からゴリラの反乱集会を盗み聞きしたところを見つかってしまい、アルドー将軍に枝を剣で切られ転落、死亡する。

[編集] オランウータン

オランウータンは、オレンジ色のスーツを着ている。頑固で保守的な種族。

ザイアス博士(モーリス・エバンス)オ・続
保守的な指導者層の一人であったが、禁断の地が人間の文明跡である事を知っていた。その為に様々な隠蔽工作をするが、テイラーの行動力の前に頓挫。続編では急速に力をつけたウルサス将軍を排除する事が出来なかった。
ヴァージル(ポ-ル・ウィリアムズ)最
博識なオランウータン。シーザーの良き補佐役として活躍するが、オランウータンの為か腕っ節は強くない。
マンデマス(ルー・エアーズ)最
銃火器の番をしている頑固一徹なオランウータン。(相手がシーザーでも)良識的な者にしか武器を貸さない信念の持ち主であったが、アルドー将軍の実力行使で武器を奪われる結果になる。

[編集] ゴリラ

ゴリラは、全員軍人として描かれている。革製の黒いベストを着ており、常に棍棒とリボルバー式拳銃を携行している。「オ」では黒いライフル、「続」ではM1ガーランドM3短機関銃によく似た銃、さらに石製の大砲で武装していた。

ウルサス将軍(ジェームス・グレゴリー)続
『猿は猿を殺してはならない』の掟を守る好戦的な指導者。猿社会に起こり始めていた飢餓問題の解決策を、禁断の地の侵略に求めようとする。禁断の地に進軍し、ミュータント化した人間を悉く殺戮する。
アルドー将軍(クロード・エイキンス)最
ゴリラ達の指導者。核戦争後の猿が人間を支配する関係ではなく共存して暮らすことに納得がいかず反乱を企てようとするが、シーザーの息子コーネリアスに聴かれたため『猿は猿を殺してはならない』の掟を破り殺害。後にそのことが発覚しシーザーによって粛清された。

[編集] 脚注

  1. ^ 手塚治虫は第一作に比して第二作以降を高く評価しなかった(『決定版 スペース・SF映画の本』(徳間書店、1978)座談会)。
  2. ^ TV初放映の際、荻昌弘が特殊メイクを自ら体験する映像が紹介された。

[編集] 補足

『新・猿の惑星』、『猿の惑星(TVシリーズ)』は、ハヤカワ文庫より翻訳(ノベライズ)版が出版されていた。これらは、一部の固有名詞(個人名、地名など)が、吹き替え版と異なっている(例えば、マイロ博士とミロ博士、ウルコー将軍とアーコ将軍)。

[編集] 関連事項