春分

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春分(しゅんぶん、: vernal equinox)は、二十四節気の第4。よく昼の長さと夜の長さがほぼ等しくなるとされるが、実際には昼の方が14分ほど長い(日本の場合。後述。)。二月中(旧暦2月内)。

現在広まっている定気法では、太陽春分点を通過した瞬間、すなわち太陽黄経が0度となったとき(黄道十二宮では白羊宮の原点に相当)で、天文学ではその瞬間であるが、ではその瞬間が属する日であり、これを春分日(しゅんぶんび)と呼ぶ。したがって、いずれの日が春分日になるかはその国・地域の時差によって1日の違いが出る。日本では3月20日または3月21日になることが多い。 平気法では冬至から1/4年(約91.31日)後で3月23日ごろ。期間としての意味もあり、この日から、次の節気の清明前日までである。

日付

定気法による春分の瞬間(世界時、UT)と、日本中国での春分日の日付は表のとおり。日本における時刻はこの表の9時間後[1][2]、中国では8時間後となり、世界時15時台の2国の日付は異なる。

日時 (UT) 日本 中国
1966年 3月21日01:53 3月21日 3月21日
1967年 3月21日07:37 3月21日 3月21日
1968年 3月20日13:22 3月20日 3月20日
1969年 3月20日19:08 3月21日 3月21日
1970年 3月21日00:56 3月21日 3月21日
1971年 3月21日06:38 3月21日 3月21日
1972年 3月20日12:21 3月20日 3月20日
1973年 3月20日18:12 3月21日 3月21日
1974年 3月21日00:07 3月21日 3月21日
1975年 3月21日05:57 3月21日 3月21日
1976年 3月20日11:50 3月20日 3月20日
1977年 3月20日17:42 3月21日 3月21日
1978年 3月20日23:34 3月21日 3月21日
1979年 3月21日05:22 3月21日 3月21日
1980年 3月20日11:10 3月20日 3月20日
1981年 3月20日17:03 3月21日 3月21日
1982年 3月20日22:56 3月21日 3月21日
1983年 3月21日04:39 3月21日 3月21日
1984年 3月20日10:24 3月20日 3月20日
1985年 3月20日16:14 3月21日 3月21日
1986年 3月20日22:03 3月21日 3月21日
1987年 3月21日03:52 3月21日 3月21日
1988年 3月20日09:39 3月20日 3月20日
1989年 3月20日15:28 3月21日 3月20日
1990年 3月20日21:19 3月21日 3月21日
1991年 3月21日03:02 3月21日 3月21日
1992年 3月20日08:48 3月20日 3月20日
1993年 3月20日14:41 3月20日 3月20日
1994年 3月20日20:28 3月21日 3月21日
1995年 3月21日02:14 3月21日 3月21日
1996年 3月20日08:03 3月20日 3月20日
1997年 3月20日13:55 3月20日 3月20日
1998年 3月20日19:55 3月21日 3月21日
1999年 3月21日01:46 3月21日 3月21日
2000年 3月20日07:35 3月20日 3月20日
2001年 3月20日13:31 3月20日 3月20日
2002年 3月20日19:16 3月21日 3月21日
2003年 3月21日01:00 3月21日 3月21日
2004年 3月20日06:49 3月20日 3月20日
2005年 3月20日12:33 3月20日 3月20日
2006年 3月20日18:26 3月21日 3月21日
2007年 3月21日00:07 3月21日 3月21日
2008年 3月20日05:48 3月20日 3月20日
2009年 3月20日11:44 3月20日 3月20日
2010年 3月20日17:32 3月21日 3月21日
2011年 3月20日23:21 3月21日 3月21日
2012年 3月20日05:14 3月20日 3月20日
2013年 3月20日11:02 3月20日 3月20日
2014年 3月20日16:57 3月21日 3月21日
2015年 3月20日22:45 3月21日 3月21日
2016年 3月20日04:30 3月20日 3月20日
2017年 3月20日10:28 3月20日 3月20日
2018年 3月20日16:15 3月21日 3月21日
2019年 3月20日21:58 3月21日 3月21日
2020年 3月20日03:49 3月20日 3月20日
2021年 3月20日09:37 3月20日 3月20日
2022年 3月20日15:33 3月21日 3月20日
2023年 3月20日21:24 3月21日 3月21日
2024年 3月20日03:06 3月20日 3月20日
2025年 3月20日09:01 3月20日 3月20日
2026年 3月20日14:45 3月20日 3月20日
2027年 3月20日20:24 3月21日 3月21日
2028年 3月20日02:16 3月20日 3月20日
2029年 3月20日08:01 3月20日 3月20日
2030年 3月20日13:51 3月20日 3月20日
2031年 3月20日19:40 3月21日 3月21日
2032年 3月20日01:21 3月20日 3月20日
2033年 3月20日07:22 3月20日 3月20日
2034年 3月20日13:16 3月20日 3月20日
2035年 3月20日19:01 3月21日 3月21日
2036年 3月20日01:01 3月20日 3月20日
2037年 3月20日06:49 3月20日 3月20日
2038年 3月20日12:39 3月20日 3月20日
2039年 3月20日18:31 3月21日 3月21日
2040年 3月20日00:10 3月20日 3月20日
2041年 3月20日06:05 3月20日 3月20日
2042年 3月20日11:52 3月20日 3月20日
2043年 3月20日17:26 3月21日 3月21日
2044年 3月19日23:19 3月20日 3月20日
2045年 3月20日05:06 3月20日 3月20日
2046年 3月20日10:56 3月20日 3月20日
2047年 3月20日16:51 3月21日 3月21日
2048年 3月19日22:32 3月20日 3月20日
2049年 3月20日04:27 3月20日 3月20日
2050年 3月20日10:18 3月20日 3月20日
2051年 3月20日15:58 3月21日 3月20日
2052年 3月19日21:54 3月20日 3月20日
2053年 3月20日03:46 3月20日 3月20日
2054年 3月20日09:33 3月20日 3月20日
2055年 3月20日15:27 3月21日 3月20日
2056年 3月19日21:09 3月20日 3月20日
2057年 3月20日03:06 3月20日 3月20日
2058年 3月20日09:03 3月20日 3月20日
2059年 3月20日14:43 3月20日 3月20日
2060年 3月19日20:37 3月20日 3月20日

グレゴリオ暦

グレゴリオ暦による17世紀から24世紀までの日本の春分は表のとおり[3][4][5]

2024年の春分は3月20日[更新]

365日からの超過分が毎年蓄積し、4年に一度閏年でリセットされる様子がわかる(春分は閏日の挿入される2月末日より後のため、4で割り切れる年が先頭)。 1924年から2091年3月20日3月21日だが、1923年までは3月22日もあり、2092年からは3月19日もある。

年を4で割った余り 確定困難な(日を跨ぐ)年
0 1 2 3 真夜中の前後10分
1600年 - 1631年 20日 20日 21日 21日
1632年 - 1663年 20日 20日 20日 21日
1664年 - 1699年 20日 20日 20日 20日 1696(19-20日),
1700年 - 1731年 20日 21日 21日 21日 1729(20-21日),
1732年 - 1763年 20日 20日 21日 21日
1764年 - 1795年 20日 20日 20日 21日 1795(20-21日),
1796年 - 1799年 20日 20日 20日 20日
1800年 - 1827年 21日 21日 21日 21日
1828年 - 1859年 20日 21日 21日 21日 1828(20-21日),
1860年 - 1891年 20日 20日 21日 21日
1892年 - 1899年 20日 20日 20日 21日 1894(20-21日),
1900年 - 1923年 21日 21日 21日 22日
1924年 - 1959年 21日 21日 21日 21日 1927(21-22日),
1960年 - 1991年 20日 21日 21日 21日
1992年 - 2023年 20日 20日 21日 21日
2024年 - 2055年 20日 20日 20日 21日
2056年 - 2091年 20日 20日 20日 20日
2092年 - 2099年 19日 20日 20日 20日
2100年 - 2123年 20日 21日 21日 21日
2124年 - 2155年 20日 20日 21日 21日
2156年 - 2187年 20日 20日 20日 21日 2187(20-21日),
2188年 - 2199年 20日 20日 20日 20日
2200年 - 2223年 21日 21日 21日 21日 2220(20-21日),
2224年 - 2255年 20日 21日 21日 21日 2253(20-21日),
2256年 - 2287年 20日 20日 21日 21日 2286(20-21日),
2288年 - 2299年 20日 20日 20日 21日
2300年 - 2319年 21日 21日 21日 22日 2319(21-22日),
2320年 - 2351年 21日 21日 21日 21日
2352年 - 2383年 20日 21日 21日 21日 2352(20-21日),
2384年 - 2399年 20日 20日 21日 21日

記念日

日本では春分の日という休日国民の祝日)となる。この日が休日となる歴史は1879年明治12年)から続いており、1948年昭和23年)に休日ニ關スル件(昭和2年勅令第25号)が廃止されるまでは春季皇霊祭という名称だった。

春分の日は、国立天文台の算出する定気法による春分日を基にして、前年の2月第1平日付の官報の公告(特殊法人等)欄で暦要項として公告される。なお、この暦要項は、閣議決定等はされず、閣議報告事項でもない[6]。天文学に基づいて年ごとに決定される国家の祝日は世界的にみても珍しい。また、この日をはさんで前後7日間が春の彼岸である。

イラン暦の元日、ノウルーズ(nawrūz)はちょうど春分の日に当たり、イランを中心に、中央アジアからアフリカまでに及ぶ広い地域で祝われる祭日である。ヨーロッパなどでも、春分をもっての開始とする。いくつかの国では休日とされる。

キリスト教復活祭の日付を算出するには、春分を基点とし、春分後最初の満月の次の日曜日を復活祭の日と定める。この算出方法をコンプトゥスという。ただし、ここでいう「春分」は暦の上での3月21日に固定されており、太陽黄経が0度の日とは必ずしも一致しない。「満月」も簡素化した計算によって求められており、天文学上の満月とは必ずしも一致しない。この算定法は第1ニカイア公会議で定められた。

昼夜の長さ

春分の日の太陽光の当たり方。春分では太陽は赤道上にあるため、天文的な位置関係からは昼夜の長さが等しくなるように思えるが、実際は違う(詳細は本文参照)。
太陽の動き

暦便覧』に「日天の中を行て昼夜とうぶんの時なり」と記されているとおり、春分では昼夜の長さが等しくなるとされる。しかし、実際には、昼の方が夜よりも長い。日本付近では、年により差があり、平均すれば昼が夜よりも約14分長い。これは、次の理由による。

大気差
大気による屈折で太陽の位置が実際より上に見えるため、太陽が上に見える角度の分、日出が早く、日没が遅くなる。屈折は太陽が地平線に近いほど大きくなる。国立天文台では、太陽が地平線付近にある時の、その角度を35分8秒と見積もっている。ここから計算される日出・日没の時間の差は約2分20秒である。
太陽の視角
太陽の上端が地平線と一致した時刻を日出あるいは日没と定義しているため。これにより、太陽の半径の分、日出が早く、日没が遅くなる。ここから計算される日出・日没の時間の差は約1分5秒である。
日周視差
太陽の距離÷地球の半径は有限なので、視差により、0.7秒日の出が遅く、0.7秒日の入りが早くなる。
春分のずれ
1日の間にも太陽の黄経は変わるため、春分が1日のいつかにより昼夜の長さに差が出る。この効果は昼夜の長さを最大で±1.1分変える。ただし平均には影響を与えない。

これらを合わせると、日出は、太陽の中心が地平線から昇るより平均3分25秒早く、日没は、太陽の中心が地平線より沈むより平均3分25秒遅くなる。したがって、春分の日の昼の長さは平均12時間7分、夜の長さは平均11時間53分である。そして、実際に昼夜の長さの差が最も小さくなる日は春分の4日程度前になる[7]

春分日には、太陽は真東から昇って真西に沈む[8]赤道上の観測者から見ると、太陽は正午に天頂を通過する。北極点または南極点の観測者から見ると、春分の太陽はちょうど地平線と重なるようにして動き、昇ることも沈むこともない。

七十二候

春分の期間の七十二候は以下のとおり。

初候
雀始巣(すずめ はじめて すくう):雀が巣を構え始める(日本)
玄鳥至(げんちょう いたる):燕が南からやって来る(中国)
次候
桜始開(さくら はじめて ひらく):桜の花が咲き始める(日本)
雷乃発声(かみなり すなわち こえを はっす):遠くで雷の音がし始める(中国)
末候
雷乃発声(らい すなわち こえを はっす):遠くで雷の音がし始める(日本)
始雷(はじめて いなびかりす):稲光が初めて光る(中国)

前後の節気

啓蟄春分清明

関連項目

脚注

  1. ^ 国立天文台 暦要項 各年版より世界時換算(1984年 - 2016年)
  2. ^ 2009年版より理論が更新されているが、「分」の精度でほとんど違いはない。
  3. ^ 現代の天体力学による位置推算のため、過去の暦の記述とは必ずしも一致しない(代わりに分単位の精度がある)。 将来の見積もりについては(主に閏秒の不確かさから)日付が前後する恐れがある(10分の誤差を見込んだが、表の末尾では恐らく不足)。
  4. ^ JPL HORIZONS Web-Interface(2015年8月22日 Ver 3.9.8)取得後 TT→UT変換
  5. ^ NASAによるΔTの解説計算式
  6. ^ 閣議案件は、首相官邸HP閣議で公表されている。
  7. ^ 国立天文台 よくある質問 「春分の日・秋分の日には、昼と夜の長さは同じになるの?」
  8. ^ 北極点及び南極点を除く。
  9. ^ 魔女の宅急便 その2』p.p.364-366に「あかね・ねのたね・たねのつぶ・つぶり・めのつぶ・つるのたね・ねこのめ・すずのめ・めめりぐさ・くさや・くさぐさ・さくやはな」と12種類すべてが明かされている(最初の6つが朝の薬ぐさ、後半6つは夜の薬ぐさ)が、全て実在しない植物である。