小野川温泉
小野川温泉 | |
---|---|
温泉情報 | |
所在地 | 山形県米沢市小野川町 |
座標 | 北緯37度52分47秒 東経140度3分16秒 / 北緯37.87972度 東経140.05444度座標: 北緯37度52分47秒 東経140度3分16秒 / 北緯37.87972度 東経140.05444度 |
交通 | JR米沢駅よりバスで約30分 |
泉質 | 含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉 |
泉温(摂氏) | 4号源泉 80℃・5号源泉 35度 |
湧出量 | 毎分1300リットル[1] |
宿泊施設数 | 13[2] |
外部リンク | 小野川温泉観光協議会 |
小野川温泉(おのがわおんせん)は、山形県米沢市小野川町(旧国出羽国、明治以降は羽前国)にある温泉。地元以外にはあまり知られていない温泉地であったが、小野小町に由来するといわれる美人湯を核に活性化を進めている。
泉質
- 高温泉であるが、pHは中性に近く、ラジウム含有量が多い(現在は少ない)のが特徴。
2008年(平成20年)12月に掘削した5号源泉は、泉温が35度と低い。それまで使用していた4号源泉が80度と高温だったため、入浴施設では水を足したり熱交換するなど、温度管理が難しかった。しかし、35度の源泉と併用することにより、源泉100 %かけ流しの浴槽が増え、温度管理も容易になった。その中で4号源泉のみを提供する施設がいくつかあり、4号源泉のみの湯船と4号と5号源泉と併用した湯船を比較すると 4号源泉のみを提供しているケースが温泉成分が濃いと言われている。
メタケイ酸の含有量が多く、美人の湯として化粧水が販売されている[1]。
温泉街
足湯、飲泉所近辺では、無料で利用可能な公衆無線LANもあり、その利用可能エリアは温泉街全体へ広がりつつある(現在はパスワードがかけられている)。
毎年6月から7月には温泉街でほたる祭りが開催され[1]、大勢の人で賑わう。ほたる祭りの期間の前半はゲンジボタル、後半はヘイケボタルが観賞できる[3]。
温泉街には「尼湯」と「滝湯」の2つの共同浴場が、温泉街の外れのほたる公園には有料の露天風呂(かつては無料だった)が存在する。
また、温泉街の中心に位置する尼湯の後方にある高台に小野小町が祀ったとされる薬師如来像(秘仏)を安置した薬師堂がある他、小野川温泉を眼下に望む位置に湯殿山由来の甲子大黒天を祀る甲子大黒天本山がある。
温泉街の南東には、冬季に小野川温泉スキー場が営業している[4]。
温泉街の北西に位置する小野川郵便局近くの水田では田んぼアートが行われ、生育期から稲刈りの時期にかけて丘の上の展望台から眺めることができる。第1回の2006年は小野小町で、以降戦国武将などが描かれた[5]。
2015年11月には、小野川源泉協同組合と山形大学、アネスト岩田との共同で温泉の熱を活用した温泉熱発電施設が竣工し、約10年間の実証実験が行われている。低沸点の熱媒体を使用したバイナリーサイクルと呼ばれる発電方式で、蒸気の冷却には雪が活用される[6][7]。
2019年には温泉街有志の働きかけにより、株式会社エンバウンドが展開する温泉むすめのキャラクター「小野川小町」が誕生した[8]。動物好きで、よく猫を愛でたりほたるの鑑賞をする自然派という設定で[2]、担当声優の村上奈津実とともに、米沢市の「おしょうしな観光大使[注釈 1]」に就任している[9]。小野小町が休んだとの言い伝えがある、「小町の休み石」の案内看板の掛け替え費用を募るクラウドファンディングでは目標額を大きく上回る支援を集め[2]、2020年9月に看板と、薬師堂の絵馬掛けが設置された[10]。2021年4月からは、NECの空間音響MR技術を採用した専用端末による、謎解き要素のあるサウンドアトラクション「魔法のイヤホン」がサービスを開始した[11][12]。
-
県道234号を右に入ると温泉街に通じる
-
旅館や土産物店が立ち並ぶ、温泉街の中心部
-
「小町の休み石」
-
足湯と飲泉場
-
大樽川沿いにあるほたる公園。園内には露天風呂「小町の湯」もある
-
甲子大黒天本山の丘から眺める、小野川温泉街
-
田んぼアート。2021年は温泉むすめの「小野川小町」が描かれた[13]
-
温泉熱発電プラント
-
尼湯の雪景色
歴史
開湯は、836年(承和3年)、小野小町が父の行方を訪ねて京都から東北に向かう途中、病に倒れた際に偶然発見したとされることによる。温泉名もこれに由来する。
戦国時代には、1589年(天正17年)伊達政宗が湯治したと伝えられている。また、政宗の父伊達輝宗もこの温泉地に定宿を持っていた。
米沢市郊外にあり一般的には知名度が低かったが、旅館の若手が中心となり地域がまとまり、湯めぐりなどのシステムの導入、「そぞろ歩きお休み処」の整備を図った。さらに、東日本旅客鉄道や大手旅行代理店とのタイアップにより旅行商品の造成に漕ぎつけた。こうした活性化策が功を奏し、「そぞろ歩きのできる温泉街」として、山形県外でも次第に知られるようになってきた。なお、一連の活性化運動は黒川温泉の影響が大きく、黒川と似たような立地、経済条件だったことからそれに倣って再興策が進められた。
アクセス
キャンペーン等
にゃん小町という小野小町と招き猫をもとに岡野亜記がデザインした温泉街のマスコットキャラクターがある。
夢ぐり手形(独楽) - 購入すると、各宿のお風呂に入ることができ、使用後の独楽は、「独楽の里つたや」にて無料で色付け体験ができた。2020年からは、スマートフォンでQRコードを読み込む非接触型に改められた[14]。
YouTubeの「エガちゃんねる」にて2021年、町ぐるみでお笑い芸人江頭2:50を騙すドッキリ企画『誰も江頭を知らない街』が実施された。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c “美人の湯にほたる舞う小野川温泉”. 山形県庁 (2020年9月28日). 2022年1月2日閲覧。
- ^ a b c “小野川温泉とファンをつなぐ看板へ。温泉むすめを描いたデザインにリニューアルしたい!”. 読売新聞クラウドファンディング. 2022年1月2日閲覧。
- ^ “小野川ホタル公園”. 山形県公式観光サイト. 2022年1月2日閲覧。
- ^ 小野川温泉スキー場(NPO法人おのがわ)
- ^ 米沢市田んぼアート(米沢市役所産業部農政課)
- ^ "本学等の共同研究で小野川温泉街に温泉発電所が開所しました" (Press release). 山形大学. 17 November 2015. 2022年1月2日閲覧。
- ^ “挑む、山形創生 第2部「雪」(7)新ビジネス”. 山形新聞. (2016年2月23日). オリジナルの2019年9月2日時点におけるアーカイブ。 2022年1月2日閲覧。
- ^ “「小野川小町」に会いに来て♪ 米沢・新キャラクター誕生、観光大使に”. 山形新聞. (2019年10月2日). オリジナルの2019年12月30日時点におけるアーカイブ。 2022年1月2日閲覧。
- ^ “おしょうしな観光大使”. 米沢市役所産業部観光課. 2022年1月2日閲覧。
- ^ “山形)「小野川小町」絵馬に看板に 米沢・小野川温泉”. 朝日新聞. (2020年9月7日). オリジナルの2021年1月10日時点におけるアーカイブ。 2022年1月2日閲覧。
- ^ “エンバウンド、「温泉むすめ」を使ったサウンドアトラクションを山形県米沢市で提供”. オタク産業通信. (2021年4月14日) 2022年1月2日閲覧。
- ^ "山形県米沢市の小野川温泉で「小野川小町と魔法のイヤホン」がスタート! アフターコロナ時代、持続可能な地域観光の振興へ" (Press release). SSMRビジネス推進コンソーシアム. 9 April 2021. 2022年1月2日閲覧。
- ^ “5色鮮やか「小野川小町」 米沢で田んぼアート”. 河北新報. (2021年7月16日). オリジナルの2021年7月17日時点におけるアーカイブ。 2022年1月2日閲覧。
- ^ “非接触型、スマホで湯めぐり 米沢・小野川温泉”. 朝日新聞. (2021年2月22日). オリジナルの2021年4月19日時点におけるアーカイブ。 2022年1月2日閲覧。
外部リンク
- 小野川温泉観光協議会
- 小野川源泉協同組合 - ウェイバックマシン(2021年6月16日アーカイブ分)
- 温泉王国やまがた:美人の湯にほたる舞う小野川温泉 - 山形県