マジック:ザ・ギャザリング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Naro16 (会話 | 投稿記録) による 2012年5月9日 (水) 09:39個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎拡張セット)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

マジック:ザ・ギャザリングのプレイ風景。

マジック:ザ・ギャザリング (Magic: The Gathering) は、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社製のトレーディングカードゲーム日本における代理店は、日本語版が発売された1995年からはホビージャパン2004年以降は旧タカラ2006年以降はタカラトミーである。

概要

1993年に発売された世界初のトレーディングカードゲームであり、このゲームによってトレーディングカードゲーム(TCG)というジャンルが生まれた。公式にはマジックM:tGのように略され、他にもギャザなどと呼ばれる。

メインデザイナーのリチャード・ガーフィールドは、このゲームを作ったヒントがボードゲームのコズミック・エンカウンターにあると話している。コズミック・エンカウンターの基本的なルールは簡潔なもので、そのままでは単調な展開にしかならない。しかし各プレイヤーはプレイ開始時点に“特殊能力”を与えられており、時には基本ルールを逸脱するような特殊ルールが適用される。これによってゲームの展開やバランスはプレイごとに大きく変化する。

マジック:ザ・ギャザリングを初めとするTCGにおいては、一定の制限内で好きなようにカードを組み合わせたデッキ(山札)を各プレイヤーが用意する。さらに、多くのカードが原則を破る特殊ルールを持っている。これにより、コズミック・エンカウンター以上に多彩かつダイナミックな展開が実現された。

このゲームは発売されてから短期間の内に驚異的な人気を得て、TRPG関連の新興零細メーカーに過ぎなかったウィザーズ・オブ・ザ・コースト社を一気に成長させた。そしてその人気に触発されて多くのメーカーが次々とTCGを発売した結果、僅か数年でTCGがゲームの一ジャンルとして確立したのである。人気は他のゲームジャンル・漫画にも影響を与えた。ポケットモンスター遊☆戯☆王はこのゲームの影響を強く受けている。

大会形式も確立されており、世界中でトーナメントが開かれている。世界中からトッププレイヤーが集結して開催されるプロツアーや世界選手権を目指し、生活をマジックに捧げてまで世界を相手に競う若者も多い。初めの頃は日本勢は優勝どころかベスト8すら高い壁であり、良くてベスト16前後を行ったり来たりする程度であったが、2001年のプロツアー東京にて藤田剛史が日本人初のベスト8入り(準優勝)を果たしたのを皮切りに、日本人がどんどん世界の舞台に進出していった。そしてついに2004年プロツアー神戸で黒田正城が初めて日本人初のプロツアー王者に輝く。2005年シーズンでは世界選手権個人戦を森勝洋が制し、日本人初の世界王者となった。同時に国別対抗トーナメントでも日本代表が優勝し、プレイヤー・オブ・ジ・イヤー(年間MVP)を津村健志が獲得したことで、日本が三冠を達成した。また2006年世界選手権では国別対抗トーナメントこそ準優勝と三冠は逃すものの、世界選手権個人戦優勝(三原槙仁)、プレイヤー・オブ・ザ・イヤー(八十岡翔太)と2つのタイトルを連続で日本に持ち帰ることとなった。

基本的な遊び方

  1. 対戦は多人数で可能だが、最もメジャーな対戦方式は1対1であり、公式戦でも多くが1対1で行われる。
  2. 双方のプレイヤーは、各々20点のライフと、60枚(ルールによっては40枚)以上のカードで構成されたデッキを持つ。
  3. 双方のプレイヤーが各々の手番(ターンと呼ぶ)を交互に実行することでゲームを進める。
  4. 各々のプレイヤーは、ターンの進行手順に従い自分のカードを使用し、定められた方法で(基本的には自分のターンに)相手を攻撃する。
  5. 攻撃を受けた際、自分の場のカードにより防ぎきれなかった(または、あえて防がなかった)攻撃は、その点数分のダメージをプレイヤーのライフから減らす。
  6. 以上を繰り返し、ライフポイントが0になるか、山札を引けなくなったプレイヤーは敗北となる。カードの効果により敗北する場合もある。また、完全なロック(行動制限)状態になるなど、明らかに勝ち目がないと判断したプレイヤーは投了を宣言することもできる。

細かいルールとジャッジ

言葉や能力の定義を厳密に定めた総合ルール (Comprehensive Rules, CR) と呼ばれるものがある。これだけで一冊の本にできるだけの情報量があるうえ、日々ルールに矛盾や問題点などがないか検討され改定され続けている。また、そのルールの理解度や大会運営の能力に応じてレベル1~5までのジャッジ資格が設けられており、大会の規模に応じて相応のレベルを持つジャッジの監督が必要である。大会全体を統括するジャッジは特に「ヘッドジャッジ」と呼ばれ、その大会におけるルール裁定の最終的な決定権をもつ。日本国内の都道府県選手権などの規模の大会のヘッドジャッジはレベル2が普通だが、日本人にもレベル3保有者が数人おり、海外で開催される大規模な大会には多くの場合日本人ジャッジが参加している。

なお、基本ルールはタカラトミーの日本語版公式ページ(ページ下部の外部リンク参照)で詳しく解説されている。

カードの種類

マジックのカードは、大きく土地 (Land) カード呪文 (Spell) カードに分けられる。呪文 (Spell) カードは、使用形態の違いによりさらに細分化され、また効果は色(マナ)ごとにある程度偏りがあり、その色の特色が出るようになっている。

各種類のカードに定められたルール上の原則はカードの効果によって無視されることがある。例えば、通常自分のターンごとに手札から出せる土地カードは1枚までとなっているが、この制限を破るカードもある。

土地 (Land) カード
マジックにおいて他のカードを使うために必要なマナという魔法力を生み出すカード。
土地はタップ(場札を使用すること)することで、呪文カードを使うために必要なマナを生成することができる。
つまり、自分が場に出している土地の枚数で、各ターンに使える呪文の質や量が決まることになる。
※場札は自分のターンが来るたびに再びアンタップ状態(未使用状態)となる。また、余ったマナを次のターンに持ち越すことはできない。
自分のターンごとに1枚の土地カードを(手札にあれば)出すことができるため、基本的にゲームが進むごとにより強力、大量に呪文が使用できるようになっていく。
平地のマナを生成するための基本土地と、それ以外の用途がある特殊地形カードがある。
呪文 (Spell) カード
土地以外のカード。
自分のターンに、土地から生み出されるマナを支払うことにより手札から使用することができる。マナさえ余っていれば、何枚でも使用してもよい。
各呪文カードはに色分けされている。色はそれぞれ《平地》《島》《沼》《山》《森》の5種類の土地に対応しており、対応する土地から出るマナが必要となる。
また、を持たないアーティファクトカード(少数ながら、色を持つアーティファクト・カードもある)や、複数の色を持つ多色(マルチカラー)カード、複数の色で使える混成(ハイブリッド)カード、カードの左右が独立した別々の色や効果を持っていて、状況に応じて使い分ける分割(スプリット)カードなども存在する。
呪文カードは、クリーチャーアーティファクトエンチャントソーサリーインスタントプレインズウォーカー部族に分類される。複数のタイプを持つカードもある。
クリーチャー (Creature) カード(生物の意)
モンスターや人物などを表したカード。
使用すると場札となり、戦闘での攻撃やブロック(迎撃)に使用できる。
アーティファクト (Artifact) カード(人工物の意)
魔法の道具を表したカード。通常を持たない。
使用すると場札となり、様々な効果を発揮する。
ゴーレムなど、アーティファクトでありながらクリーチャーでもあるカードも存在する(アーティファクト・クリーチャー)。
エンチャント (Enchant) カード(呪い、加護の意)
持続的に続く魔法を表したカード。中国語版では「結界」と訳される。
使用すると場札となり、様々な効果を発揮する。
ゲーム全体に影響を及ぼす全体エンチャント(俗称)と、場札やプレイヤーに掛かるオーラ・エンチャントの2種類に分けられる。
ソーサリー (Sorcery) カード(魔法の意)
プレイヤーが直接詠唱する魔法を表したカード。
使用後は場札にならずに捨て札となる。
インスタント (Instant) カード(即時の意)
プレイヤーが直接詠唱する魔法を表したカード。
使用後は場札にならずに捨て札となる。
他のカードとは違い、クリーチャーの戦闘中や、相手のターンでも使うことができる。その代わり、単体での性能はソーサリーに劣る。
対戦相手の呪文や行動に対抗して使うのが最も一般的な使い方である。
部族 (Tribal) カード
拡張セット、ローウィン(正確にはその前のセット、未来予知)から登場したタイプのカード。
特定のクリーチャー・タイプに属する非クリーチャー・カードで、たとえば「部族インスタント - ゴブリン」などがある。
それ単体では特に意味がない。が、「部族インスタント - ゴブリン」はゴブリンとしても扱われ、「ゴブリン・カード1枚を対象とし、それをあなたの手札に戻す」といった効果の影響を受ける。
プレイするときのルールは「部族」の後に併記されたカード・タイプのものに従う。(部族インスタントならインスタントとしてプレイする)
プレインズウォーカー (Planeswalker) カード(次元を渡り歩く者の意)
拡張セット、ローウィンから登場したタイプのカード。
プレイヤーの友軍。使用すると場札となり、プレイヤーの指示により忠誠度を消費して強力な能力を発動できる。
プレイヤーは対戦相手と相手のプレインズウォーカーのどちらを狙って攻撃や呪文を仕掛けてもよい。
自分のプレインズウォーカーへの攻撃も、自分への攻撃と同様に自軍のクリーチャーを使ってブロック(迎撃)することができる。
プレインズウォーカーはダメージを受けると忠誠度が減っていき、忠誠度が0になると捨て札になる。
プレインズウォーカーの能力の中には、使用することで忠誠度が上がるものもある。忠誠度には上限はない。
なお、プレインズウォーカーという概念はマジックの世界設定の根幹をなすものである。これについては後述する。

呪文カードの色

呪文カードは色(属性)ごとに特徴が異なり、どの色を主体にデッキを組むかで戦法に大きな違いが出てくる。また、どの色にも、友好色敵対色が設定されている。それぞれの色は友好色を支援したり、敵対色の行動を阻害する傾向にある。ただし、ルール自体には友好色や敵対色についての特別の規定はない。

マジックのカードの裏面の模様は、どの色がどの色と友好関係(敵対関係)にあるかを図案化したものになっている。しかし、最近発表されているセットでは敵対色・友好色の関係は薄くなりつつある。それを示すかのように、敵対色の行動を持続的に阻害するタイプのカードが減り、代わりに一時的に阻害するタイプのカードに変わりつつある。

以下に、ルールの詳細に立ち入らない範囲で各色の特徴の一部を述べる。

白は太陽のシンボルマークで表される。対応する土地は平地である。
正義・法・秩序・共同を体現する。理性的な青や生命を重んじる緑を友好色に持ち時には対立する両者の仲裁に入る。無秩序を好む赤と堕落を好む黒に敵対する。
この色の呪文は、ダメージを軽減するなど防御に優れている。小型クリーチャーには兵士や騎士が多く、コストに比して優秀なものが多い。また大型のクリーチャーには天使などが存在する。全体としては攻撃面が弱い傾向にあるが、均質化され無駄の無いスペックは時として驚異的な攻撃力を持つ。また、中には《神の怒り》(場のクリーチャーを敵味方問わず、すべて捨て札にする)、《ハルマゲドン》(場の土地を敵味方問わず、全て捨て札にする)など、神の力を体現する(平等化する)かのような強力なカードも存在する。全体的な傾向として、率直だが小回りが利かない欠点がある。
青は水のシンボルマークで表される。対応する土地は島である。
思考・狡猾・知識・文明を司る。秩序を重んじる白と、陰謀が得意な黒を友好色とし時には対立する両者の仲裁に入る。支配を拒む赤や統制を拒む緑と敵対する。
この色の呪文は、カードを手札に戻す、カードを引く、相手の呪文を妨害する、相手のターンを飛ばす、ルールを一時的に変更する、相手のカードのコントロールを一時的に奪うなど、トリッキーなものが多い。頭脳戦を楽しめる色であるが故にプレイングやルールの熟知などの高度な技術が求められ、比較的上級者向けの色ともいわれる。その分クリーチャーの性能は他の色に比べて劣るが(特に小型のもの。大型のものもデメリットが大きい傾向にある)、空を飛ぶなど特殊能力に優れた物も多い。人魚(マーフォーク)などの水中の生き物、鳥などの空の生き物、姿を変化させるものが多い。
黒は髑髏のシンボルマークで表される。対応する土地は沼である。
死・恐怖・堕落・邪悪を武器とする。狡猾な青と、破壊的な赤を友好色とし時には対立する両者の仲裁に入る。清廉を尊ぶ白や生命を尊ぶ緑と敵対する。
この色の呪文は、クリーチャーを倒したり相手の手札やライフを消耗させること、墓地のカードを利用することを得意とする。クリーチャーには、ゾンビ吸血鬼デーモンなどがある。恐怖、死、腐敗を表現しており、強力な爆発力を持つ分、多くの代償(たとえば、自分のライフ)を必要とするリスキーなカードもある。クリーチャー除去に関しては申し分ないがアーティファクトやエンチャントは破壊できない。
赤は炎のシンボルマークで表される。対応する土地は山である。
混沌・無秩序・衝動・憤怒を糧とする。強さを好む黒と、文明を嫌う緑を友好色とし時には対立する両者の仲裁に入る。論理的な青や保守的な白と敵対する。
この色の呪文は、直接的な攻撃力・ダメージ呪文に優れている。クリーチャーには、ゴブリンやオーガなどの亜人や、ドラゴンなどの攻撃力の高いものが多い。赤は炎や大地、混沌を表現しており、中にはギャンブル要素が強いカードもある。クリーチャーやアーティファクトや土地など、形あるものを破壊するのは得意だが、エンチャントは破壊できない。
日本国外には「デッドガイ レッド」という赤単色のみを使用するサークルが存在する。
緑は木のシンボルマークで表される。対応する土地は森である。
生命・自然・共同・大地を源とする。本能に忠実な赤と、共存を重んじる白を友好色とし時には対立する両者の仲裁に入る。文明を司る青や死を司る黒と敵対する。
この色の呪文は、クリーチャーの質・量ともに豊富で、クリーチャーを支援するカードやマナを生み出すカードが多い。クリーチャーは、類人猿などの森の動物やエルフなどが多い。また、ビーストなどの巨大クリーチャーも多数存在する。大地の恵み、癒し、成長を表現する一方で、《ハリケーン》など自然の猛威を表現するカードもある。作為を嫌うがゆえにアーティファクトやエンチャントを破壊するカードも豊富だが、逆にクリーチャー除去は苦手。

このように各色にはそれぞれ得手不得手があるが、通常は一つのデッキに全ての色のカードを入れることはあまりない。もしそうしたら、手札の色と場の土地が対応せず、カードをプレイできなくなる「事故」が発生しやすくなるからである。5色のマナを容易にそろえられる環境が整っていない限り5色で組むことはまずない。ただし、中には5色すべてのマナを必要とするカードや、5色デッキを推奨するようなエキスパンションも存在する。

一方でデッキの色を一色に統一すれば「事故」が起きなくなり、大量のマナが必要な強力なカードを早く使うことができる。しかし、色ごとに一長一短があるので弱点ができやすい。たとえば、黒には一度設置されたエンチャント、アーティファクトを除去する方法がない。緑には飛行を持つクリーチャーがほとんどいないなどである。通常は2~3色を合わせて極端な弱点がないようにデッキを作成するのがよいとされる。

また、アーティファクト単(茶単、銀単)と呼ばれる無色メインのデッキも存在する。

特殊カード

一般的なゲームで使用されるカードとは別に「定形外のマジックのカード」と呼ばれる特殊なカードが存在する。

ヴァンガード (Vanguard) (指導者の意)
ヴァンガードルールでのみ使用されるカードで、通常のパックには入っていない。
後述のストーリーの登場人物たちの名を持つカードで、設定としてはそのキャラクターの力を借りることができるということである。この設定は後のプレインズウォーカー・カードに引き継がれた。通常のカードより一回り大きい。ゲーム開始前1枚だけ提示することができ、初期ライフ及び初期手札の数と手札上限枚数に変化が起こるほか、ヴァンガード・カードに記載された能力をいつでも自由に使用できる。
次元 (Plain)
次元マジックルールでのみ使用されるカードで、通常のパックには入っていない。
ストーリーの舞台の名を持つカードである。次元マジックでは各プレイヤーが一定枚数の次元カードを用意し、ゲーム開始時に無作為に一枚が適用される。プレイヤーは自分のターンにさいころを振ることができ、目によって新たな次元カードに置き換わる。
計略 (Scheme)
多人数戦のアーチエネミー戦を行うときに使用されるカードで、通常のパックには入っていない。
アーチエネミー戦は一対多数で行われる多人数戦である。プレイヤーは魔王とその他のプレイヤーの2つのチームに分かれて戦う。
魔王は通常のデッキに加えて20枚以上の計略カードから作られた計略デッキを用意する。魔王はゲームの開始時に計略デッキの一番上のカードをめくって、計略を実行中にさせる。効果が切れたら特に表記がない限り、計略デッキの一番下に置く。

用語

マナ (Mana)
土地から生み出される“魔法の”エネルギー。
の色があるマナと、無色のマナがある。すべての色のマナは、無色としても使うことができる。
呪文カードやカードの能力を使うために必要。
スタック (Stack)
使用を宣言された呪文が処理を待つ領域。
ある呪文に対抗して別の呪文を使った場合、2つの呪文はスタックに置かれ、後から使用されたほうの効果が先に処理される。
コンピューター用語のスタックも参照の事。
ライブラリー (Library)
ゲーム中での残りの山札のことを指す。ライブラリーが残り0枚の状態のことをライブラリーアウトと呼び、この状態の時にカードを引かなくてはならないタイミングが来てしまった場合、負けとなる。
ただし、普通にゲームで遊んでいてライブラリーアウトになることはほとんどない。ライブラリーアウトを恐れてデッキ枚数を多くするよりも、なるべくデッキ枚数を少なくして切り札を引く確率を上げたほうがいい。
墓地 (Graveyard)
捨て札置き場のこと。
パーマネント (Permanent)
場札のこと。クリーチャー・カードなどは、それを手札からプレイする時は呪文扱いとなり(召喚しているイメージ)、使用後場に置かれるとパーマネントとなる。
トークン (Token)
他のカードの効果によって生み出された、カードでない場札のことをトークンという。トークンは場以外の領域(手札など)には存在できず、場を離れてしまった場合、消滅する。
オーナー (Owner)
カードの持ち主のこと。呪文や能力の効果により相手から奪ったカードでも、そのカードが場を離れる際(あるいはゲームが終了した際)にはオーナーに返さなくてはならない。
伝説の (Legendary) カード
ストーリー上、特に重要な登場人物や地名などを表したカードには「伝説の」という特殊タイプが追記される。また、旧デザインのエキスパンションのクリーチャーにはこれと同じ意味を持つ「レジェンド」というクリーチャー・タイプが存在する。
複数の同名の「伝説の」という特殊タイプを持つカードが場札になっている場合、対消滅してしまう(両方とも捨て札になる)という特別ルール(レジェンド・ルール)がある。
その代わりにカード単体での効果は強力なものが多い。
なお、プレインズウォーカー・カードに対してもプレインズウォーカー・ルールというほぼ同じ内容のルールが適用される。
氷雪 (Snow) カード
拡張パック、アイスエイジコールドスナップでは氷雪土地が登場する。氷雪パーマネントから発生したマナは、一部の氷雪クリーチャーの能力などを使用するために使うことができる。ちなみにマジックにおけるは前述の5色のみであり、新たな色(雪色)が追加されたわけではない。
なお、リミテッド戦においては、氷雪土地カードは基本土地カードと違ってパックからしか入手できない。基本土地カードは別に支給される。

ストーリー・ライン

一部のカードには、ゲームそのものには影響を及ぼさない、雰囲気付けのための文章(フレーバー・テキスト)が書かれていることがある。聖書シェイクスピアなどの古典作品からの引用もあるが、大部分はオリジナルのものであり、その一行一行に物語がこめられている。初心者プレイヤーにフレイバーテキストから物語を想像してほしいという意図がある。

かつてはその物語をつなげて解釈するのはプレイヤーにまかされていたが、最近ではエキスパンションごとに小説が出版されている。

物語の大筋は、古典的なファンタジーと英雄譚である。基本的に物語はドミニアという多元宇宙空間で繰り広げられ、その中には多くの次元と繋がる多元宇宙の(ストーリー的な意味でも)中心であり豊富なマナを持つ「ドミナリア」、邪悪な機械文明に支配され堕落と疫病の蔓延する「ファイレクシア」、ファイレクシアの前線基地として人工的に作られた次元「ラース」、生物を含めあらゆる物が金属からなる「ミラディン」、万物に宿る「神」を崇める人々が暮らす日本風の次元「神河」などの様々な世界が存在する。それらの次元を部隊として、プレインズウォーカー(次元を渡る者 の意)と呼ばれる魔術師たちが激闘を繰り広げる。

また、昔のセットには、アラビアンナイト三国志演義を題材にしたものも存在する。

定期的に発売される基本セットにはストーリーはなく、今までの物語のダイジェスト版といった位置づけである。

発表されたシリーズ

各セットの枚数は、絵違いの同カードも異なる種類としてカウントしてある。

基本セット

アルファ (Alpha Edition) (1993年8月発売/全295種類)
世界初のトレーディングカードゲームとなったセット。6か月で売る予定だった100万枚が、わずか6週間で売り切れてしまった。また他のセットと、カードの形が少し違う。この時期はゲームとしての調整が十分になされておらず、パワー9をはじめとする一部の超強力カードと、その他多くの弱いカードの両極端というバランスの良くないセットだった。
ベータ (Beta Edition) (1993年10月発売/全302種類)
アルファにカード7枚(入れ忘れていた2枚と、イラスト違いの基本土地5枚)を追加して発売。アルファとベータを合わせて「リミテッド・エディション」 (Limited Edition) と呼ぶ。
アンリミテッド (Unlimited Edition) (1993年11月発売/全302種類)
第2版とも呼ばれるが、カード表の色が一部異なるのみで、カード内容はベータと同じ。異なるのは枠の色が黒から白になったこと。黒枠のカードは限定品を意味しており、上級エキスパンションやその言語で初めて発売される基本セットは黒枠で発売される。
リバイズド (Revised Edition) (1994年4月発売/全306種類)
第3版。それまでに発売された拡張セットと併せて「基本」に相応しいカードのみを取捨選択、初めてカード内容の入れ替えを行った。日本に輸入され始める。
第4版(1995年4月発売/全378種類)
邦訳された最初の版。初めて日本語カードが登場。日本語版の初版(限定版)は黒枠だったために海外からのプレイヤーに人気が高く、トレードの対象となった。後に白枠版(限定解除版)がリリースされるが、印刷量は黒枠のそれより少なくなっている。
クロニクル(1995年9月発売/全125種類)
第4版の一部として発売。それまでに発売された拡張セットから、人気の高いカードを第4版に追加する形で発売された。再録対象セットはアラビアンナイト、アンティキティ、レジェンド、ザ・ダーク。こちらも日本語版は黒枠。
第5版(1997年3月発売/全449種類)
一部のカードのイラストが変わる。収録されているカードが最も多い。
第6版:クラシック(1999年4月発売/全350種類)
発売時、大きくルールが変わった。特に煩雑なルールや誤解を招きやすいルールについて、大幅に簡便化された。日本語版ではカード名の書体が変更された。基本セットにエキスパンションシンボルが付き、レアリティが判別できるようになった。また基本セットのカードにコレクターナンバーが付いたのもこのセットからである。初版の黒枠版が存在する。
第7版(2001年4月発売/全350種類)
全カードのイラストが変更された。基本セットでは初めて黒枠のフォイルカードが同梱されるようになった。ブースター1パックに1枚土地が同梱されるようになった。
第8版(2003年7月発売/全357種類)
カードのデザインが一新された。またマジック10周年を記念して過去に登場した全ての拡張セットや入門セットから最低でも1枚は再録する方針を採った。そして第8版からは再録されるカードの1部やイラストなどをユーザーが選ぶ企画がスタートした。
第9版(2005年7月発売/全359種類)
クリーチャー・タイプやエンチャント呪文の表記が大きく変更された。このセットからロシア語版が発売されるようになった。初の基本セットであるためロシア語版は黒枠となっている。事実上白枠で発売された最後のセットである。
第10版(2007年7月発売/全383種類)
伝説のクリーチャー・カードが初めて再録された。2008年のマジック生誕15周年を記念して黒枠で印刷された。
基本セット2010 (M10) (2009年7月発売/全249種類)
名称が「第○版」から「基本セット(発売年の翌年)」という名称になり、基本セットの発売間隔が約2年から1年に変更された。このセット以降、基本セットも黒枠で発売されることとなる。
このセットの発売から、同時マリガンやマナバーンの廃止等、マジックの基本的なルールがいくつか変更された。
また、ローウィンブロックで初登場したプレインズウォーカー・カードが収録されている。
基本セット2011(M11)(2010年7月発売/全249種類)
基本セット2010と同様に約半数が新規カードである。また若干ルール変更が行われた。
基本セット2012(M12)(2011年7月発売/全249種類)
一部の能力がキーワード能力として制定された。また、ごく一部のルールがよりイメージに則した表現へと変更された。


拡張セット

セット名 (原題) (発売時期/入っているカードの種類数(基本土地を含む))
解説
アラビアンナイト (Arabian Nights) (1993年12月発売/全92種類)
アラビアンナイトを基にした、ラバイア (Rabiah) と呼ばれる次元が舞台。
アンティキティ (Antiquities) (1994年3月発売/全100種類)
後のプレインズウォーカー、ウルザとミシュラがドミナリアで繰り広げた“兄弟戦争”がテーマ。アーティファクト関連のカードが多い。時代はAR0~64年。
レジェンド (Legends) (1994年6月発売/全310種類)
初めて伝説のカードが登場したセット。
ザ・ダーク (The Dark) (1994年8月発売/全119種類)
兄弟戦争の後に訪れた暗黒時代がテーマ。時代はAR300年頃。墓地(捨て札)を利用するカードが多い。また、通常のカードセットとは逆に、アーティストが描いたイラストを元に効果や能力を設定したカードが多いのも特徴。
フォールンエンパイア (Fallen Empires) (1994年11月発売/全187種類)
暗黒時代と同時期に起きた南方のサーペイディア諸帝国の滅亡を描いたセット。時代はAR170年頃。
ホームランド (Homelands) (1995年10月発売/全140種類)
次元ウルグローサを舞台にしたセット。時代はAR3800~4130年。強力なセットではないが、感動的な背景ストーリーは人気が高い。
アイスエイジ (Ice Age) (1995年6月発売/全383種類)
基本セットなしでも遊べる最初の独立(スタンドアローン)型拡張セット。ドミナリアの氷河期が舞台。時代はAR450~2930年頃。
アライアンス (Alliances) (1996年6月発売/全144種類)
氷河期末期の各勢力が同盟し合っていた頃のドミナリアが舞台のセット。時代はAR2950年頃。
コールドスナップ (Coldsnap) (2006年7月21日発売/全155種類)
アライアンスのその後を描いたセット。アイスエイジ・アライアンスとの共通性に乏しいホームランドに代わるセットとして、アライアンスから10年後に発売された。
ミラージュ (Mirage) (1996年10月発売/全350種類)
南方の世界が舞台。時代はAR4150~4196年。2番目の独立型拡張セット。以降、独立型拡張セット1つ+小型拡張セット2つを、共通する1つのテーマを持つ「ブロック」とみなし、1年周期で発売する形式が確立。このセットから邦訳されるようになった。
ビジョンズ (Visions) (1997年3月発売/全167種類)
南方の大陸、ジャムーラで起こった戦乱が題材になっている。時代はAR4150~4196年。
ウェザーライト (Weatherlight) (1997年6月発売/全167種類)
今まで登場したドミナリアの各地域をめぐるセット。アポカリプスまで続くウェザーライト・サーガの序章でもある。時代はAR4204年。
テンペスト (Tempest) (1997年10月発売/全350種類)
ウェザーライト号が人工次元ラースへ突入する話が題材になっている。時代はAR4205年。
ストロングホールド (Stronghold) (1998年2月発売/全143種類)
ウェザーライト号一行のラースでの戦いがテーマ。時代はAR4205年。史上初の5色のカード、“スリヴァーの女王”が登場した。
エクソダス (Exodus) (1998年6月発売/全143種類)
ウェザーライト号のラース脱出が題材。時代はAR4205年。金銀黒、という3色のエキスパンションシンボルでレアリティが判別できるようになり、コレクター・ナンバーが付くようになった。
ウルザズ・サーガ (Urza's Saga) (1998年10月発売/全350種類)
その名通り兄弟戦争後のウルザの半生をつづった「ウルザブロック」の第1弾。時代はAR65~3346年。全エキスパンション中でも特に強力な部類に入り、禁止カードが続出した。日本語版の字体が唐風隷書体になった。
ウルザズ・レガシー (Urza's Legacy) (1999年2月発売/全143種類)
「ウルザブロック」第2弾。時代はAR3346~3360年。一定の割合でプレミアムカードが封入されるようになったのはこのセットから。
ウルザズ・デスティニー (Urza's Destiny) (1999年6月発売/全143種類)
「ウルザブロック」完結編である第3弾。時代はAR3360~4179年。クリーチャー表記が“~の召喚”から“クリーチャー-~”に変更された。
禁止カードが多いエキスパンションとして有名。
メルカディアン・マスクス (Mercadian Masques) (1999年10月発売/全350種類)
ラースを脱したウェザーライト号が訪れたメルカディア地方が舞台。時代はAR4205年。スペルシェイパーが登場。
ネメシス (Nemesis) (2000年2月発売/全143種類)
ウェザーライト号が脱出した後のラースが舞台。時代はAR4205年。
プロフェシー (Prophecy) (2000年6月発売/全143種類)
ウェザーライト号がラースに向かった頃から脱出した頃のドミナリアが舞台。時代はAR4205年。
インベイジョン (Invasion) (2000年10月4日発売/全350種類)
ファイレクシア軍によるドミナリア侵攻が始まり、ドミナリアではそれに対抗するために連合軍が結成される。時代はAR4205年。このブロックからセットごとのコンセプトが明確に示されるようになった。インベイジョン・ブロックでは異色間の連携がコンセプトとなる。多色呪文や自分が持つ土地の種類を参照するカードが登場し、多色化の時代を迎えた。
プレーンシフト (Planeshift) (2001年2月7日発売/全143種類)
ファイレクシア軍が、自分達が住む世界「ラース」を「ドミナリア」に衝突させる次元被覆計画を発動。時代はAR4205年。場に出る時に自分の場札を次元の挟間に巻き込み、手札に戻す「開門」能力や、追加で別の色のマナを支払うと追加効果が得られるカードが登場。
アポカリプス (Apocalypse) (2001年6月6日発売/全143種類)
敵対色がテーマとなり、久しぶりに敵対色の多色呪文が登場。ウェザーライト・サーガもここで一旦終焉を迎える。時代はAR4205年。
オデッセイ (Odyssey) (2001年10月1日発売/全350種類)
アポカリプスから約100年後のドミナリアが舞台。「フラッシュバック」呪文や「スレッショルド」など、墓地のカードを活用するシステムが数多く登場。
トーメント (Torment) (2002年2月1日発売/全143種類)
黒のカードが極めて多く、白と緑のカードが極端に少ないエキスパンション。
ジャッジメント (Judgment) (2002年5月24日発売/全143種類)
トーメントとは逆に白と緑のカードが多く、黒のカードが少ないエキスパンション。
オンスロート (Onslaught) (2002年10月5日発売/全350種類)
これまでにないほどクリーチャー・タイプを意識したエキスパンション。また裏向きで登場する「変異」クリーチャーも登場。
レギオン (Legions) (2003年2月1日発売/全145種類)
クリーチャーしか入っていないエキスパンション。誘発型能力によりインスタント呪文のような効果を発揮するクリーチャーが多い。フォイルカードの封入率が1/100から1/70に変更された。翻訳文体が口語風に小変更された。
スカージ (Scourge) (2003年5月24日発売/全143種類)
ドラゴンなど、コストが高い呪文に関するカードを多く収録。またヴィンテージ環境を荒らした「ストーム」呪文も登場。これ以降、舞台はドミナリアを離れる。
ミラディン (Mirrodin) (2003年10月3日発売/全306種類)
金属生命体とアーティファクトが棲む金属世界、ミラディンが舞台。カードのレイアウトが大幅に変更され、クリーチャーの種族等も再分類された。パッケージのロゴが英字から片仮名に変更。
アーティファクトがテーマのセットで、非常に多くのアーティファクト・カードが収録された。そうでないカードもほとんどがアーティファクトに関連する効果を持つ。
史上最多の禁止カードを生み出したエキスパンションでもある。
ダークスティール (Darksteel) (2004年2月6日発売/全165種類)
ダークスティールという金属で作られた「破壊されない」アーティファクトが登場。
フィフス・ドーン (Fifth Dawn) (2004年6月4日発売/全165種類)
緑の太陽の封印が解け、ミラディンに五つの人工太陽が揃った。五色デッキで使うことを推奨するカードが多い。
神河物語 (Champions of Kamigawa) (2004年10月1日発売/全306種類)
神と人とが調和する『もののけ姫』のような中世風の世界、神河が舞台。開発部も「多くの日本の映画を参考にさせてもらった」と明言しており、その中に『もののけ姫』の名前も挙がっていた。
テーマは「伝説」。事実、数多くのレジェンド・(伝説の)クリーチャーが封入され、レジェンド・ルールの変更が行われた。多くのカードが日本の民間伝承を元に作られており、「神」の名を冠したクリーチャーが多いのも特徴。新能力として「武士道」「転生」「反転」「連繋(秘儀)」が登場した。
神河謀叛 (Betrayers of Kamigawa) (2005年2月4日発売/全165種類)
浪人梅澤敏郎達の活躍によって、神々が人々に牙を剥いた原因が明らかになる。神河の最高神「大口縄(オオカガチ)」の卵が、不老不死の力を欲する人間によって奪われた事がその発端だった。
新能力「忍術」を持つ忍者カードが登場。また神河物語に引き続きスピリット(八百万の神)カードも多く登場した。
神河救済 (Saviors of Kamigawa) (2005年6月3日発売/全165種類)
自分の場札を手札に戻す能力や、手札の枚数を参照するカードが多数登場。
ラヴニカ:ギルドの都 (Ravnica: City of Guilds) (2005年10月7日発売/全306種類)
10のギルドが支配する、世界全体が都市に覆われたラヴニカが舞台。
2色の組み合わせによる多色がテーマで、このセットでは緑白、青黒、赤白、黒緑のカードを収録。残りの組み合わせは次の2つのセットで登場。マジックの大会においてはインベイジョン以来となる多色時代が訪れた。
またこのセットでは、新しい多色カードの形式として混成カードが初登場した。緑白の混成カードは緑と白の両方の属性を持ち、緑のデッキでも白のデッキでも使う事ができる。
ギルドパクト (Guildpact) (2006年2月3日発売/全165種類)
青赤、赤緑、白黒のカードを収録。4色カード、ネフィリムも登場。
ディセンション (Dissension)(2006年5月5日発売/全180種類)
白青、黒赤、緑青のカードを収録。このブロックのおかげで対抗色の組み合わせでも簡単にデッキが組めるようになった。
時のらせん(タイム・スパイラル) (Time Spiral) (2006年10月6日発売/全301種類)
長年にわたるプレインズウォーカー(プレイヤーも含む)たちの魔法乱用の影響を受け、ついに時空が歪み始めてしまったドミナリアが舞台。テーマである「時間」に関する新能力(待機、刹那)や、過去に登場したことがあるキーワード能力が再登場したり、過去のストーリーに登場しながらも今までカード化されなかった人物がカード化された。あまりにキーワード能力が多いので初心者が手をつけるには少々厄介な側面もある。
また、過去からのタイムシフト・カードが1パックにつき1枚同封されている。
次元の混乱(プレナー・カオス) (Planar Chaos) (2007年2月2日発売/全165種類)
多元世界の混乱は止まらず、ドミナリア自体が、異なる歴史をたどった別のドミナリア(パラレルワールド)と融合してしまう。
属性の得意分野から外れた能力を持つカードが多く、「もう一つのマジック」という感覚で楽しむことができる。
未来予知(フューチャー・サイト) (Future Sight) (2007年5月4日発売/全180種類)
ドミナリアの各所で“可能性の未来”が顕現し始めた。次元崩壊の進行をくい止めるために多くのプレインズウォーカーが命を落とす。
テーマは「未来」。今後発売予定のセットで登場する(かもしれない)新しい能力や、まだ見ぬ世界の地名を冠したカードが登場。
タイムシフト (Time Shifted) (時のらせん、次元の混乱、未来予知に同封)
時のらせんでは、アルファ~スカージまでに登場したを収録。時のらせん1パックにつき1枚封入されている。カード・デザインも昔のものを再現。レアリティを表すエキスパンションシンボルの色は紫。全121種類。
次元の混乱では、かつて登場したカードを別の色に属するカードとして復刻した、新タイムシフトカードを収録。新タイムシフトは1パックにコモン3枚、アンコモンかレアが1枚入っており、カードデザインも従来のものとは異なる。パック全体としては1枚のレア、2枚のアンコモン、8枚のコモン、4枚の新タイムシフトカードを収録。全45種類。次元の混乱の全165種類に含まれる。
未来予知では、今後発売予定のセットで扱う(扱うかもしれない)新しい能力を持ったカードが登場。カードデザインも従来のものとは大分異なる。全81種類。未来予知の全180種類に含まれ、他のカードと同じ頻度で入っている。
ローウィン (Lorwyn) (2007年10月12日発売/全301種類)
エルフやゴブリン、マーフォークなど、多彩な種族が住むおとぎ話のような世界、ローウィン。特定のクリーチャー・タイプに属する「部族」カードや、「プレインズウォーカー」カードが収録された。ローウィン・ブロックと次のブロックはカードセットが2つしか出ない。
新カードとして、プレインズウォーカー・カードが登場。チャンドラ・ナラージェイス・ベレレンなど、今後のエキスパンションの主要登場人物となる予定の5人がカード化された。
モーニングタイド (Morningtide) (2008年2月1日発売/全150種類)
ローウィンの命運を賭け、はぐれエルフのライズたちが活躍する。ローウィンとは違い、種族ではなく職業系のクリーチャー・タイプに焦点が当たっている。レアリティ配分がやや変則的で、次のセットの発売時期やカード種類数の関係からカード種類数も少なめ。
シャドウムーア (Shadowmoor) (2008年5月2日発売/全301種類)
メルヘンチックなローウィンとは対照的に、ゴシックホラー調のセット。
邪悪なオーロラの影響により、闇の世界へと変貌してしまったローウィンが舞台。ほとんどの生き物は世界がローウィンだった頃の記憶を失い、永遠の夜の下を駆けずり回っている。
今までのセットの裏返しがテーマ。今度は「部族」ではなく「色」に焦点が当たっている。また、今までのセットで見られたような多色カードが存在せず、代わりに混成カードが多く存在する。タップ・シンボルの裏返しである“アンタップ・シンボル”が初登場した。
イーブンタイド (Eventide) (2008年7月15日発売/全180種類)
シャドウムーアの闇はますます深くなり、さらに奇怪な怪物たちが次々と出現していく。対抗色(敵対色)の組み合わせの混成カードが多く存在。
シャドウムーア・ブロックは混成カードの可能性を追求したブロックで、“二色デッキか単色デッキで”高い効果を発揮できるカードが多い。
アラーラの断片 (Shards of Alara) (2008年10月3日発売/全249種類)
数千年前に5つの“断片”に分かれてしまったアラーラ次元群が舞台。バント、エスパー、グリクシス、ジャンド、そしてナヤ……それぞれ2つの“色”が欠如した5つの世界が織りなす、新たな物語が幕を開ける。「多色」がテーマであり、3色の組み合わせを推奨している。
プレイヤーやコレクターなどからの意見を受けて、製品の販売形態が大きく変わる。
このシリーズから、今までの「テーマデッキ」の代わりに「エントリーセット」が同時発売され、入門セットの役割も兼ねるようになる。
また、コモン、アンコモン、レアに続く新たなレア度として、「神話レア(Mythic Rare)」が登場する。8パックに1つの確率で、レアと置き換わる形で入っている(ただし、神話レアは種類が少ない分レアよりも多く印刷されるので、実際の希少価値はレアの2倍程度となる)。単に強いカードが神話レアに分類されるわけではなく、MtG世界の物語において重要な役割を占める人物や魔法などのカードが神話レアに分類される。
セットに含まれるカードの種類が従来よりも大幅に減っている。これは前の2年間であまりにも多くのカードを出しすぎた反動と思われる。
コンフラックス (Conflux) (2009年2月6日発売/全145種類)
5つに分かれていた断片が再び融合したアラーラの世界が舞台。
今までの断片のテーマに沿ったカードや複数の断片をハイブリッドしたようなカードの他、自分がどれだけの種類の基本土地を持っているかを参照する「版図」と呼ばれる能力がインベイジョン・ブロック以来再登場した。
アラーラ再誕 (Alara Reborn) (2009年4月30日発売/全145種類)
すべてのカードが多色(金色)という異色のセット。ラヴニカブロックやシャドウムーアブロックに引き続き混成マナを持つカードが収録、新キーワード能力として「続唱」が登場した。
ゼンディカー (Zendikar) (2009年10月2日発売/全249種類)
地殻変動が絶えない次元、ゼンディカーが舞台。種族を超えて同盟者達が協力し、ゼンディカーの財宝を求めて冒険する。探検・冒険といったコンセプトから、「探索」カードや、同盟者達を待ち構える罠カードが登場する。
土地がテーマであり、オンスロートブロックにあったフェッチランドの対抗色版が登場したり、新キーワード能力として「上陸」が登場した。また、インベイジョンブロックで初登場した「キッカー」が再登場している。
初回生産分のブースターパックには、今では絶版となっており古いエキスパンションセットに収録されていた強力で貴重なカードが、非常に低い確率で同梱されていた。これらのカードはゼンディカー世界に眠る古の財宝に見立てて「トレジャーカード」と呼ばれている。この情報はWoCの公式文章上でも発表されており、都市伝説ではない。それによればトレジャー・カードは再版ではなく、製作会社が市場に出回っていたコレクター的な価値が高いカードを買い取ったものである。
ワールドウェイク (Worldwake) (2010年2月5日発売/全145種類)
舞台は同じくゼンディカー。クリーチャーに変化する土地や、キッカーを拡張した「多重キッカー」という能力が登場した。
エルドラージ覚醒 (Rise of the Eldrazi) (2010年4月23日発売/全248種類)
ゼンディカーの遺跡に封印されていた多元宇宙の旧神、エルドラージが復活した後のゼンディカーが舞台。
重いコストと派手な効果、能力を持つ無色の種族「エルドラージ」と、生け贄に捧げる事でエルドラージの多大な召喚コストを支払うためのマナに変化する「落とし子」が登場した。また、RPGのように段階的に強くなる「レベルアップ・クリーチャー」も登場した。新キーワード能力として「Lvアップ」「族霊鎧」「反復」が登場した。
ゼンディカーの拡張セットとして作られたが、カード収録枚数はゼンディカーと同じで、基本土地カードも新イラストのものが描きおろされ、新たな時代が急激に始まったことを強調している。
ミラディンの傷跡(Scars of Mirrodin)  (2010年10月1日発売/全249種類)
ファイレクシアの残党によるミラディン世界の侵略が描かれる。システム、世界観ともにミラディン・ブロックを引き継ぎ、アーティファクト・カードやそれに関するカードが多い。
新メカニズムとして、一定数のアーティファクトをコントロールしていると発動する「金属術」(ミラディン陣営)、通常の方法では治療不可能なダメージを与える「感染」(ファイレクシア陣営)や、毒カウンターなどを増加させる「増殖」(ファイレクイア陣営)という能力が登場した。ミラディン・ブロックから多くのカードが再録されており、キーワード能力の「刻印」(ミラディン陣営)も復刻している。
基本土地カード以外のほとんどのカードの文章欄に、陣営を表すシンボルが透かし状に記されている。
ミラディン包囲戦(Mirrodin Besieged)  (2011年2月4日発売/全155種類)
ミラディン陣営とファイレクシア陣営の戦いが本格化。ミラディンの地下深くでは、ミラディンの創造主である銀のゴーレム、カーンの洗脳がファイレクシア軍により進められる。新キーワード能力として「喊声」(ミラディン陣営)や「生体武器」(ファイレクシア陣営)が登場した。
新たなるファイレクシア(New Phyrexia) (2011年5月13日発売/全249種類)
ミラディンの戦いはファイレクシア陣営の勝利に終わった。ミラディンの住民達は次々に捉えられ、ファイレクシアの生物として改造されてゆく。
新メカニズムとして、「ファイレクシア・マナ・シンボル」が登場した。システム的には混成マナ・シンボルと似ていて、色マナかライフのいずれかで支払う事ができる。
イニストラード(Innistrad)  (2011年9月30日発売/全264種類)
闇の隆盛(Dark Ascension)  (2012年2月3日発売/全158種類)
アヴァシンの帰還(Avacyn Restored) (2012年5月4日発売/全244種類)

入門セット

  • ポータル
  • ポータル・セカンドエイジ
  • ポータル三国志
  • スターター (Starter)
  • スターター2000

その他

  • ルネッサンス (Renaissance)
  • アングルード (Unglued) ジョークカードのセット。「カードを破る」「歌を歌う」などと、これまでのセットでは想像もつかないような効果のカードが多数。
  • アンヒンジド (Unhinged) ジョークカードのセット。アングルードの続編。
  • マルチバースギフトセット (Multiverse)
  • アンソロジー・ギフトボックス (Anthologies)
  • バトルロイヤル・ギフトボックス (Battle Royal)
  • ビートダウン・ギフトボックス (Beatdown)
  • デッキマスター・ギフトボックス (Deckmasters)
  • デュエルデッキ・エルフ vs.ゴブリン (Elves vs. Goblins)
  • デュエルデッキ・ジェイス vs.チャンドラ (Jace vs. Chandra)
  • デュエルデッキ・ディヴァイン vs. デモニック (Divine vs. Demonic)
  • デュエルデッキ・ガラク vs. リリアナ (Garruk vs. Liliana)
  • デュエルデッキ・ファイレクシア vs. ドミナリア連合軍 (Phyrexia vs. Coalition)
  • デュエルデッキ・エルズペス vs. テゼレット (Elspeth vs. Tezzeret)
  • デュエルデッキ・ナイト vs. ドラゴン (Knights vs. Dragons)
  • From the Vault: Dragons
  • From the Vault: Exiled
  • From the Vaul: Relics

なおデュエルデッキ・ジェイス vs.チャンドラ (Jace vs. Chandra)は後に日本語版が登場し、電撃マ王で「マジック:ザ・ギャザリング 燃え尽きぬ炎」を連載している日森よしの描き下ろしのカードが封入されている。

認定トーナメント・イベント

DCI(ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が設立した、Magicをはじめとするゲームの国際公式競技組織)が認定しているトーナメントを認定トーナメントと呼ぶ。主催者(コーディネイター)と参加者8名以上がいればどこでも開催可能(事前申請が必要)。認定トーナメントの開催情報はタカラトミーの公式ページ(下記)で確認できる。

以下で挙げるイベントは、日本で行われている認定トーナメントの中でも特に個別名称が付けられているイベントである。

プロフェッショナル・レベル

プロツアー(Pro Tour、以下PT)
後述。日本では年に1回のペースで、過去に東京大阪横浜神戸名古屋で開催された。
世界選手権 (Worlds)
PTの年間最終戦であり、マジックの世界王者を決める大会。多数のフォーマットが5日間かけて行われる。1999年2005年には日本横浜で、2010年幕張で開催された。
インビテーショナル (Invitational)
いわゆる招待試合。様々なカテゴリに分かれ投票し選出された16人がElectronic Entertainment Expo開催中に行う。他では見られないフォーマットを採用され、優勝者ではオリジナルカードを実際に出せる権利を得る。

エキスパート・レベル

国別選手権 (Nationals)
各国で年に1回開かれる、マジックの国別王者を決める招待制トーナメント。数日(日本では前日トライアル含む4日)かけて行われる。上位4名が世界選手権の参加資格を得られ、3名が「国内代表」として世界選手権・国別対抗チーム戦に参加できる。
地区選手権 (Regionals)
国別選手権の出場権をかけて行われるトーナメント。上位入賞者に国別選手権の出場権が与えられる。
プロツアー予選(Qualifier、以下PTQ)
PTの参加資格をかけたトーナメント。毎大会の優勝者にはPTの参加資格が与えられる。各地で開催される。
グランプリ(Grand Prix、以下GP)
誰でも参加できる大規模なトーナメント。参加者は大抵200人以上を数え、過去には1600人以上を数えたこともある。賞金総額2万5,000ドル、優勝賞金2,400ドル。PTのステップも兼ねており、上位16名がPTの切符を得られる。世界各地で開催されており、日本では年2~3回前後開催される。

アドバンスド・レベル

グランプリトライアル(以下GPT)
GPでのBye(不戦勝)をかけたトーナメント。毎大会の優勝者には該当GPでの3Byeが与えられる。なお、ByeはDCIレーティング上位やプロポイント(後述)保有者にも与えられる。
The Finals(全日本構築形式最強王座決定戦)
年末に日本でのみ行われる招待制トーナメント。賞金総額100万円(2005年度)をかけて2日間で行われる。
The Limits(限定戦最強王座決定戦)
2006年からThe Finalsの併設イベントとして行われる招待制トーナメント。賞金総額50万円。各地のショップで行う「店舗予選」システムを取り入れており、店舗予選上位者は「地区予選」の参加資格を得られ、各地区予選上位1~2名(計16名)が本戦の参加資格を得る。

スターター・レベル

都道府県選手権 (Champs)
毎年10月に、日本の各都道府県や世界の各州で同日(一部翌日)に開催されるトーナメント。優勝者には記念の盾が、ベスト8には記念のプレイマットが贈られる。アメリカやフランスでは2006年から3月6月にも開催されることとなった。
プレリリーストーナメント
新製品の発売を記念して、公式発売前に製品を楽しめるイベント。全国の地区ごとに開催され、参加者には記念のプレリリースカードが配布される。縮小版として、各地のショップで開催されるプレリリースパーティがある。
フライデーナイト・マジック (FNM)
金曜日の夜に開催される店舗内トーナメント。参加者の中で4名が特製カードが貰える。
ジュニアトーナメント
中学生以下限定のトーナメント。参加賞として特製プレミアムカードがプレゼントされるほか、年に一度、ジュニア日本一を決める「ジュニア日本選手権」の予選を兼ねている。
アリーナ・リーグ
初心者用の店舗内リーグ。全国のショップで開催されている。

プロツアー

マジックにおける最高峰のイベントであり、年4回、世界の主要都市を舞台に開催されている招待制トーナメント。3日間(世界選手権は4日間)かけて行われる。賞金総額24万ドル、優勝賞金4万ドル。

前回PT上位入賞者、DCIレーティング上位、プロポイント(後述)一定数以上、PTQ優勝者、GP上位入賞者など、トッププレイヤーしか参加できない。参加者には開催地までの往復航空機チケットが支給され、決勝ラウンドはネット配信で世界中に生放送されるなど、他のトーナメントとは大きくかけ離れたまさに「プロ」のイベント。

世界中からトッププレイヤーが集結し、大変な盛り上がりを見せる。会場では参加プレイヤーのために「プロラウンジ」が開設され、無料で飲食し放題、ビデオ見放題、ビリヤードし放題などの多大な優遇を受けられる。

また、大会会場では参加資格を持たないプレイヤーのためにも様々なイベントが開催される。マジックのトーナメント形体はこのPTを頂点として運営されており、多彩な魅力を合わせ持つPTに参加することは、多くのマジックプレイヤーの憧れである。

プロポイント
PTでの成績により獲得できるポイント。グランプリ上位入賞などでも獲得することができる。
一度もPTに参加したことのないプレイヤーを「アマチュア」とし、GPやPTQでは個別にアマチュア賞を設けている。
プレイヤーは獲得プロポイントを競い、年間で最もポイントを獲得したプレイヤーは「プレイヤー・オブ・ザ・イヤー」に選出される。
日本人では過去に津村健志(2005年)、八十岡翔太(2006年)、斎藤友晴(2007年)、中村修平(2008年)、渡辺雄也(2009年)の5名が選出されている。
プロプレイヤーズ・クラブ
プロプレイヤーの特典。プロポイントの獲得した数に応じ8段階のレベルが設定され、国内選手権やPTの予選免除や、航空券や参加報酬、ホテルの宿泊が支給される。
マスターズ
2年間だけ行われていたプロツアーよりも厳しい招待制のトーナメント。プロツアーと併設して行われており、32人(チーム戦は8チーム)の純粋な勝ち抜きトーナメントで行われていた。出場だけで2,000ドルがもらえ、優勝賞金は2万5,000ドル。出場資格はプロポイント、レーティング上位、前の同一形式のマスターズ勝者、前の同一形式のプロツアー勝者、直前のゲートウェイ(出場資格はプロポイント7ポイント以上)の勝者2名。参加人数に対しあまりにも高額な優勝賞金や参加賞金のため、本来の目的であるプロツアーよりもこちらの方が肩入れされることが増えたため廃止され、その賞金は年間プロポイントによるボーナスを経て、現在のプロプレイヤーズクラブの優遇として還元されている。

認定トーナメントルール

 マジックにはフォーマットと呼ばれる幾つかのトーナメント方式があり、使えるカードセット等が異なる。 「構築戦」は決められたカードセットを使い、事前にデッキを構築するもの。 「限定戦」はブースターパックをあけてその場でデッキを組む方式である。「エターナル」は構築に似ているが使えるカードセットに制限がない。

マジックの対戦は基本的に1対1で行われるが、多人数戦や団体戦に関するルールも存在し、認定トーナメントに於いても多人数戦や団体戦が行われている。 「多人数戦」は複数のプレイヤーと同時に対戦するルールで、事前にチームを組むものと、特にチームは組んでいないが席次によって敵味方を区別するものとがある(後者は非公式フォーマットのみ)。 「団体戦」は事前にチームを組み、チーム同士で個人戦や多人数戦を行うもの。なおチーム戦における限定戦では、個々のプレイヤーが獲得したパックやカードをチーム内で自由に分配して良い。

デッキタイプ

マジックに限らずトレーディングカードゲームでは、様々な種類のカードを組み合わせて自分のデッキを構築するが、その「デッキの組み方の定石」というものがいくつか存在する。

マジックの大会では基本的に、これまで発売されてきたすべてのカードが使用できるわけではない。例えば最もポピュラーな形式である「スタンダード」では、概ね最近1~2年の間に発売されたカードのなかから自分のデッキを構築することになる。
どのプレイヤーも勝利を狙ってくる大会では、その時期ごとに確実に「流行り」のデッキタイプがいくつか存在するのが常であり、どういったデッキが流行しているかを見極めることも、勝利のための重要な要素といえる。マジックの世界ではこれをメタゲームと呼ぶ。
そのルール下であまりにも強力なデッキタイプが存在する場合、そのデッキは「トップメタ」とされ、徹底的に対策が練られたり、ゲームバランスを崩すほど深刻な事態を呈している場合は特定のカードが大会において使用禁止になる場合もある。したがって、マジックにおいては絶対的な最強というものは存在し得ない。

以下に、代表的なデッキタイプの区分を示す。

ビートダウン (Beatdown/Aggro)
クリーチャー・カードを中心に構成したデッキタイプ。クリーチャーによる直接攻撃で相手のライフを0にして勝つことを目的としている。
小型クリーチャーを主体とした場合は「ウィニー (Weenie)」、赤の火力と緑の中型~大型クリーチャーを使う場合は「ステロイド (Steroid) 」、小型クリーチャーに青の“打ち消し”呪文を加えた場合は「クロック・パーミッション (Clock Permission)」、エルフやゴブリンなど、特定のクリーチャータイプにテーマを絞って構成された場合は「部族 (Tribe)」と呼ばれる。
デッキの構造がシンプルな場合が多く、力押しでゲームを進められることから、初心者でも使いやすいデッキタイプといえる。
コントロール (Control)
すぐにライフを狙いにいくのではなく、相手の行動を阻害し、場を制圧することを重視するデッキタイプ。
全体的な傾向としては長期戦向けで、デッキの組み方から戦略のノウハウまで使い手の技量が要求される上級者向けのデッキといえる。
特に青の“打ち消し”呪文を使うデッキは「パーミッション(Permission)」と呼ばれる。
コンボ (Combo)
複数のカードを組み合わせて相手を撃破したり、手詰まりにさせることを目的にしたデッキタイプ。中には、1ターンキル(初手1ターン目で対戦相手を倒すこと)や0ターンキル(自分のターンが来る前に対戦相手を倒すこと)が可能なデッキもある。
ロック (Lock)
コンボやコントロールから派生したデッキタイプ。相手プレイヤーの行動を禁止、制限するカードを中核としたデッキ。
青の“打ち消し”や白のダメージ軽減などで相手の動きを縛る物から、土地を破壊・タップ状態に制限する、手札に制限を与えるなどで相手を機能不全に陥らせる。
勝利手段も、相手のライフをゼロにするものだけではなく、デッキを全て消耗させるものや、特殊勝利条件カードを使うものなどバリエーションに富む。
バーン(Burn)
赤の直接ダメージを与えるカードを中心としたデッキタイプ。クリーチャーを一切投入しないノンクリーチャータイプも珍しくない。
性質上、攻撃一辺倒にも見えるが、デッキ構築から適切なクリーチャーの排除や火力配分など複雑な状況判断も必要になるプレイヤーの技量が問われるデッキでもある。
土地破壊 (Land Destruction)
マジックにおいて最も重要なカードである土地を除去することに狙いを定めたデッキタイプ。
序盤から土地を除去することで相手の行動を封じ、態勢を立て直すまでの間に一気に勝負を決めるデッキと、戦況が有利になったところで土地を除去し、相手の反撃を封じるデッキとの2タイプに分かれ、前者はポンザ (Ponza)、後者は中核となるカードの名前からゲドン(ハルマゲドン)、ワイルドファイアなどと呼ばれる。
手札破壊 (Hand Destruction/Hypnotizer)
黒の相手の手札を捨てさせるカードを中心に組んだデッキタイプ。相手の行動を封じ、態勢を立て直すまでの間に一気に勝負を決める。
その性質上、重要なカードを捨てさせられると弱いコンボデッキやロックデッキに対して強く、ウィニーやバーンに対しては弱い。

マジックを取り扱った作品

デュエルファイター刃
1997年から2003年にかけて、RPGマガジンとその後身であるゲームぎゃざに連載されていた中村哲也作の漫画。主人公竜ヶ崎刃らがバーチャル空間の仮想闘技場でゲームを繰り広げる。
デュエル・マスターズ
1999年から『月刊コロコロコミック』で連載されている松本しげのぶ作の漫画。主人公切札勝舞がカードを通して成長する姿を描く。2002年以降は、派生カードゲームである「デュエル・マスターズ」を題材にした漫画へ路線変更された。
マジック:ザ・レジェンド
1999年、『ハイパーコロコロ』に掲載された小野敏洋作の読み切り漫画。ドミナリアが舞台となっている。
MAGIC URZA & MISHRA
2000年に『コミックGOTTA』で連載されていた小野敏洋作の漫画。背景ストーリー小説『The Brothers' War』を漫画化したもの。ウルザとミシュラの兄弟戦争が描かれる。
スターライト・ウィザード
日本語版の発売元がホビージャパンだった頃に、ホビージャパンのマジック公式ページに連載されていた漫画。作者は高木律。現在は、ホビージャパンのマジック公式ページが消滅したため見ることができない。
スターライト・マナバーン
『スターライト・ウィザード』の続編。はじめはマジック専門雑誌「マナバーン」に連載されていたが、マナバーンの休刊に伴い、ゲームぎゃざでの連載に移行。さらにホビージャパンのホームページ内に移行して完結。ホームページ連載分はスターライト・ウィザード同様、現在は消滅して見ることができない。
マジック:ザ・ギャザリング 燃え尽きぬ炎
2010年4月号から2011年6月号まで電撃マ王で連載された漫画。背景ストーリー小説『The Purifying Fire』の内容を踏まえた作品。漫画日森よしの、脚本村山吉隆、原作ウィザーズ・オブ・ザ・コースト

コンピュータゲーム移植作品

Windows95版
コンピュータゲームにおける最初のウィザーズ・オブ・ザ・コースト公認作品。1997年発売(英語版はMICRO PROSE社、日本語移植版はメディアクエスト)。オンライン未対応。
カードはアンリミテッド、リバイズド、第4版およびオリジナルカード12種を収録、ルールは第5版を採用。いわゆる構築戦を行う「デュエル」と、ロールプレイング風ゲーム「シャンダラー」の、2種類のゲームモードを搭載。当時の未訳カードもゲーム内では全て日本語化されている。
後に第4版以前のエキスパンションを収録した拡張セットや、オンライン対応版も発売された。
ドリームキャスト版
第6版のカード&ルールを採用した移植作品。ドリームキャスト版オリジナルカード10枚がこの作品に収録されている。舞台は辺境のプレーン「セレスタ」にて青年戦士タイラーが侵略者から土地を奪還する物語。
2001年発売、開発元はアルファ・システム、発売はセガ。
当初はオンライン対戦も考慮したうえで作られていたが、諸般の事情によりオンライン機能は削除された。(インプレス DCゲームレビュー 「MAGIC:The Gathering」
Xbox Live Arcade版
Magic: The Gathering - Duels of the Planeswalkersとして2009年6月17日に配信開始、英語版で価格は800MSP

関連人物

外部リンク

Template:Link GA Template:Link GA