ポール・バーグ
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ポール・バーグ(Paul Berg, 1926年6月30日 - )は、アメリカ人の生化学者で、スタンフォード大学名誉教授。
ニューヨークブルックリンに東欧系ユダヤ人移民の家庭に生まれる。1943年にアブラハム・リンカーン高校を卒業し、学士は1948年にペンシルベニア州立大学から、博士は1952年にケース・ウェスタン・リザーブ大学から得た。1980年度のノーベル化学賞を、フレデリック・サンガー、ウォルター・ギルバートのチームとともに受賞した。この3人は、核酸の初期の研究に多大な貢献をしたことで知られている。
大学院時代には、代謝中間体を研究するのに放射性同位体を用いた実験を行った。炭素や窒素の同位体を用いた実験によって、食物がどのような過程を経て細胞構成物になるのかが明らかにした。彼の博士論文のテーマは、ギ酸、ホルムアルデヒド、メタノールを、完全に還元された状態であるメチル基としてメチオニンに変換する研究だった。彼はまた、葉酸やビタミンB12の補酵素が機能を持っていることを最初に証明した1人でもあった。
彼は代謝生化学を専門とし、スタンフォード大学の教授となった。現在は組み換えDNAやHIV-1ウイルスの研究を行っている。
彼はまた、1975年に開催されたアシロマ会議の主催者の1人である。この会議の前には、リスクを評価できるようになるまで組み替えDNAの研究を自主的に自粛するように要請されていたが、この会議で潜在的な危険性の評価とバイオテクノロジー研究のガイドラインの作成がなされた。これは予防原則がうまく働いた初期の例といえる。