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PENTAX

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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ペンタックスリコーイメージング株式会社
PENTAX RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
ペンタックス ロゴ
本社
種類 株式会社
略称 ペンタックス
本社所在地 日本の旗 日本
174-8639
東京都板橋区前野町2-35-7
設立 2011年10月1日
業種 光学機器
法人番号 8011401015834 ウィキデータを編集
事業内容 電子部品光学機器レンズ関連
代表者 三浦善司(代表取締役会長)
赤羽昇(代表取締役社長)
資本金 1億円
従業員数 約1900名(子会社を含む)
外部リンク http://www.pentax.jp
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ペンタックスPENTAX)は、カメラデジタルカメラ天体望遠鏡内視鏡などのブランド名。ペンタックスリコーイメージング株式会社が製造販売するデジタルカメラ、双眼鏡、セキュリティカメラ用レンズ等光学機器、HOYA株式会社が製造販売する内視鏡、喉頭鏡、人工骨、音響・音声解析ソフトなどの医療関連製品、TIアサヒが製造販売する測量機、セイコーオプティカルプロダクツが製造販売する眼鏡レンズで使用される。またはこれら各社の事業部門の前身である日本の大手光学機器メーカーペンタックス株式会社PENTAX Corporation)、そして現在は株式会社リコーの完全子会社であり「RICOH」および「PENTAX」の双方のブランドでデジタルカメラ事業を展開するペンタックスリコーイメージング株式会社のことを指す。

概要

前身は日本の大手光学機器メーカーであった旭光学工業株式会社(あさひこうがくこうぎょう、英:Asahi Optical Co., Ltd.)である。日本初の一眼レフカメラ「アサヒフレックスI」、世界初のフラッシュ内蔵オートフォーカス一眼レフカメラ「SFX」を発売するなど、高い技術開発力を誇る。

本社は東京都(東京都板橋区前野町2-35-7)にあり、国内事業所栃木県(栃木県芳賀郡益子町大字塙858)、宮城県(宮城県栗原市築館字下宮野岡田30-2)、山形県(山形県長井市日の出町4-1)にある。

伝統的なカメラ業界のシェアではニコンキヤノンの後塵を拝するが、中判カメラではペンタックス645がロングセラー機となったり、デジタルカメラ部門では小型軽量化(レンズ交換式一眼レフにおいて世界最軽量)を実現した廉価な一眼レフ*ist DLを販売、その後もKマウントと中判645マウントのデジタル一眼レフに、最小最軽量のノンレフレックスカメラのQマウントを加えて多マウント展開するなど、ニッチ市場で特徴ある製品を出している。また過去のレンズ資産についても純正のアダプター1枚で、1957年以降に発売されたレンズは全てが利用できるなど、長く利用しているユーザーにも配慮を見せている。

ペンタックスという名称の由来は、1957年発売のカメラ「アサヒ・ペンタックス」の商品名による。この名称は、「アサヒフレックス」に、ファインダーに内蔵される光学部品「ペンタプリズム」を搭載したことによる。小笠原にある旭光学の施設で洋蘭を研究しクジャクなどを飼育していたプロテスタント教会の牧師で植物学者であった渡邊四郎が、ヘブライ語、ラテン語、ギリシャ語の権威であり、当時の社長とも懇意にしていた事がきっかけで、ヘブライ語のペンテコステをもじってペンタックスと命名したというのが、起源とされる。その後「アサヒ・ペンタックス」はカメラ本体のブランド名として使用された。1970年代後半にはレンズのブランドにもペンタックスの名が使われるようになり、カメラ本体のブランドも「ペンタックス」に変更された。

沿革

  • 1919年 - 「旭光学工業合資会社」を設立。
  • 1938年 - 「旭光学工業株式会社」に組織変更。
  • 1952年 - 日本初の35mm一眼レフカメラ「アサヒフレックスI」を開発。
  • 1954年 - 世界初の量産型独自開発クイックリターンミラー搭載の「アサヒフレックスII」を発売。
  • 1955年 - 「旭光学商事株式会社」(現・ペンタックス販売株式会社)設立。
  • 1957年 - 世界で初めてクイックリターンミラーとペンタプリズムを両方搭載した「アサヒ・ペンタックス」発売。
  • 1958年 - スプリットイメージプリズム採用の「アサヒペンタックスK」発売。
  • 1959年 - シンボルマーク採用。「アサヒペンタックスS2」発売。
  • 1960年 - フォトキナで世界初TTL測光一眼レフ アサヒペンタックス・スポットマチック発表
  • 1961年 - ペンタックスメーター開発「アサヒペンタックスS3」発売。
  • 1964年 - ロングセラーカメラ「アサヒペンタックスSP」発売。
  • 1968年 - SPからTTL露出計を除いた「アサヒペンタックスSL」発売。
  • 1969年 - 6×7cm判カメラ「アサヒペンタックス6×7」発売。
  • 1971年 - 世界初の多層膜コーティングレンズであるスーパー・マルチ・コーティング(SMC)を開発
  • 1971年 - 世界初のTTL開放測光・自動露出機構搭載「アサヒペンタックスES」発売。
  • 1973年 - ESの記憶回路をICにした「アサヒペンタックスES II」発売。
  • 1975年 - バヨネットマウント(Kマウント)を採用した「アサヒペンタックスKシリーズ」発売。
  • 1976年 - Kシリーズを小型化した「アサヒペンタックスMシリーズ」発売。
  • 1979年 - 110フィルムを使用した小型一眼レフカメラ「ペンタックスオート110」発売。
  • 1980年 - 創業60周年を記念した高級一眼レフカメラ「ペンタックスLX」発売。
  • 1981年 - 世界初のTTLオートフォーカス一眼レフカメラ「ペンタックスME-F」発売。
  • 1983年 - マルチ・モードを採用した「ペンタックスAシリーズ」発売。
  • 1984年 - 中判カメラ「ペンタックス645」発売。
  • 1985年 - マニュアル&入門機「ペンタックスPシリーズ」発売。
  • 1986年 - 世界初のズームコンパクトカメラ「ペンタックス・ズーム70」発売。
  • 1987年 - 世界初のフラッシュ内蔵オートフォーカス一眼レフカメラ「ペンタックスSFX」発売。
  • 1989年 - 6×7の名称変更タイプ「ペンタックス67」発売。
  • 1991年 - パワーズーム高級オートフォーカス一眼レフカメラ「ペンタックスZシリーズ」発売。
  • 1994年 - 創業75周年記念カメラ「ペンタックスエスピオミニ」発売。
  • 1995年 - Zシリーズをさらに進化させた「ペンタックスMZシリーズ」発売。
  • 1997年 - デジタルカメラ「ペンタックスEI-C90」発売。
  • 1997年 - 世界初のレンズ交換式AF中判一眼レフカメラ「ペンタックス645N」を発売
  • 1998年 - 67をベースにした「ペンタックス67II」発売。
  • 2000年 - ミレニアム記念のデジタルカメラ「ペンタックスEI-2000」発売。
  • 2002年 - 社名を「ペンタックス株式会社」に改称。
  • 2003年 - デジタル一眼レフカメラ「ペンタックス*istD」発売。
  • 2004年 - 眼鏡レンズ販売事業をSOPに移管、SOPに資本参加。「ペンタックスオプティオ」新シリーズ発売。
  • 2006年 - ボディ内手振れ補正機能搭載のデジタル一眼レフカメラ「ペンタックスKシリーズ」(K100D、K10D)発売。
11月30日発売のK10D(手ぶれ補正・CCDゴミ取り機能搭載、防塵・防滴ボディ)は、当初10月下旬発売予定であったが、予想を大幅に上回る発注が殺到し出荷数量確保のために発売が1ヶ月延期された。
  • 2007年 - 超音波モーター内蔵レンズに対応し、独自のゴミ除去機構を採用した「PENTAX K100D Super」と、“カメラグランプリ 2007”受賞記念特別仕様のK10D「PENTAX K10D グランプリパッケージ」発売。
  • 2008年 - スタンダードクラスのデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K200D」とミドルクラスの一眼レフカメラ「PENTAX K20D」を発売。2009年には本体並びにバッテリーグリップをチタンカラーにした「PENTAX K20D チタンカラープレミアムキット」を発売。
  • 2008年 - APS-Cサイズの撮像素子搭載デジタル一眼レフカメラとして世界最小となる「K-m」発売。2009年にカラーバリエーションモデル「K-m white」と「K-m olive」を台数限定で発売。
  • 2009年 - 金属製コンパクトボディとペンタックス初の動画撮影機能を搭載したデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-7」発売。2010年に限定1000台のカラーバリエーションモデル「K-7 Limited Silver」を発売。
  • 2009年 - カメラとしては世界初の、100タイプのカラーバリエーションモデルを展開する「PENTAX K-x」発売。Web限定でコレジャナイロボタワーレコードとのコラボ製品を限定発売。
  • 2010年 - 同社初の中判デジタル一眼レフカメラ「PENTAX 645D」を発売。2011年にボディ外装に漆塗装を施した「645D japan」を受注発売。
  • 2010年 - 同様受注生産により120パターンの色が選べる「PENTAX k-r」を発売。Web限定でコレジャナイロボやリラックマとのコラボ製品を限定発売。
  • 2010年 - K-7の機能強化版である「PENTAX K-5」を発売。2011年に限定1500台のカラーバリエーションモデル「K-5 Limited Silver」を発売。
  • 2011年 - レンズ交換式デジタルカメラで世界最小最軽量となるノンレフレックスカメラ「PENTAX Q」発売。
  • 2012年 - Kマウントを採用したレンズ交換式ノンレフレックスカメラ「PENTAX K-01」発売。

事業再編

2004年、本体およびその子会社における眼鏡レンズ販売事業を、セイコーオプティカルプロダクツ株式会社(SOP)に移管。合わせてSOPに出資比率20%の資本参加、役員1名を派遣した。
2005年10月、韓国のサムスンテックウィンと一眼レフカメラの共同開発で提携し、2006年10月、サムスン初となるデジタル一眼レフカメラGX-10を発売した[1]
ペンタックスとHOYAとの合併・経営統合
2006年12月21日、ペンタックス株式会社とHOYA株式会社との合併が発表され、2007年10月をめどにHOYAに吸収合併される形で「HOYAペンタックスHD株式会社」になる予定であった。しかしペンタックス側はカメラ事業売却の懸念により過半数の取締役が合併に反対。2007年4月9日、浦野文男社長ら推進派役員が退任し合併を白紙撤回した。
これに対しHOYAは、株式公開買付(TOB)によるペンタックスの買収・子会社化を発表した。5月11日、統合反対派の経営陣は単独での業績拡大を目指した中期経営計画を発表したが大株主の賛同を得られず株式市場の評価も低かったことから、5月22日、HOYAへTOB受諾を伝えた。これを受けHOYAは7月3日から8月6日までTOBを実施し、発行株式の90.59%を944億8200万円で取得した。ペンタックスは、8月14日HOYAの子会社になり、11月30日東証一部上場廃止となった。
子会社となった後も両社間で統合協議を進め、新社名は「HOYA株式会社」だが、「ペンタックス」ブランドは統合後も維持することで合意。2008年3月31日にHOYAを存続会社として合併、HOYA内の複数の事業部となる。1年以上に及んだ経営統合問題は、最初の計画をほぼ踏襲する形で決着することとなった。そして、HOYA体制下では国内の工場を閉鎖、測量機器事業(現TIアサヒ株式会社)を台湾儀器行に売却するなど大幅なリストラを断行して黒字化に成功した。
リコーによるデジタルカメラ事業の買収と完全子会社化
2011年7月1日、HOYAはペンタックスのうちイメージング・システム事業(デジタルカメラ・双眼鏡等の光機部門)を別会社に分離し、その別会社をリコーへ譲渡する契約をリコーと締結した[2]。同年7月29日、HOYA株式会社の100%持ち株子会社として新会社「ペンタックスイメージング株式会社」を設立。本店所在地は、PENTAX イメージング・システム事業部の所在地である板橋区前野町。なお、デジタルカメラモジュール、DVD用ピックアップレンズ、内視鏡、人工骨、音声合成ソフトウェアの事業についてはHOYAが引き続き展開する。同年10月1日この新会社の株式をリコーが買い取り、事業譲渡が完了、「ペンタックスイメージング株式会社」を「ペンタックスリコーイメージング株式会社」に社名変更するとともにリコーの完全子会社となった[3]。事業譲渡後もHOYAは残るメディカル事業(医療用内視鏡、人工骨)で、TIアサヒ株式会社は測量機器で「ペンタックス」ブランドを使用する[4]
2012年4月1日、「RICOH」および「PENTAX」の双方のブランドのコンシューマー向けカメラ事業が、ペンタックスリコーイメージング株式会社に集約された[5]

製品

製品の詳細は以下の記事を参照されたし。

カメラ製品

レンズ製品

その他

現在は他社製造でペンタックスブランドにて販売している製品を含む

受賞

  • 独自開発のクイックリターンミラー機構により、第2回科学技術庁長官賞を受賞。(1960年)
  • PENTAX super Aが、European Camera of the Year '83を受賞。
  • PENTAX Zoom70が、European Compact Camera of the Year '87-'88を受賞。
  • PENTAX Zoom90-WRが、European Zoom Camera of the Year '92-'93を受賞。
  • PENTAX Z-1が 第9回(1992年)カメラグランプリを受賞。
  • PENTAX 645Nが 第15回(1997年)カメラグランプリを受賞。
  • PENTAX K10Dがカメラグランプリ 2007を受賞[6]
  • PENTAX 645Dがカメラグランプリ 2011大賞を受賞[7]

その他

  • 熊倉一雄 - かつてアニメーションを使ったCM[8]で声を担当した。(後年のサウンドロゴ「ペンタックス、ペンタックス」の連呼でも使われたが、これはこのアニメCMを再現したものである)
  • 有村智恵 - 女子プロゴルファー。2007年よりスポンサー契約を締結している。

脚注

外部リンク