プジョー・206

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プジョー・206Peugeot 206 )は、フランス自動車会社 プジョーが1998年から2012年まで生産していた乗用車である。

プジョー・206
概要
販売期間 1998年-2012年
ボディ
乗車定員 5名
(CC、RCは4名)
ボディタイプ 2ドアオープン
3/5ドアハッチバック
5ドアステーションワゴン
4ドアセダン(日本未導入)
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン 直列4気筒:1.4L/1.6L/2.0L
最高出力 55kW(74PS)-130kW(177PS)
最大トルク 12.2kg·m-20.6kg·m(120N·m-202N·m)
変速機 5速MT/4速AT
前:マクファーソンストラット
後:トレーリングアーム
前:マクファーソンストラット
後:トレーリングアーム
車両寸法
ホイールベース 2,440mm
全長 3,810mm-4,030mm
全幅 1,670mm-1,675mm
全高 1,380mm-1,475mm
車両重量 1,000kg-1,210kg
その他
最小回転半径 4.9m
タイヤサイズ 165/70R13-205/40R17
系譜
先代 プジョー・205
後継 プジョー・207
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概要

205の後継車として、1998年9月のパリサロンで発表された。デザインはそれまでのピニンファリーナではなく社内デザインチームが手掛けており、当モデル以降のデザインは社内で手掛けるようになっている。
日本ではお洒落なイメージの定着と手頃な価格で大ヒットしプジョー・ジャポンの屋台骨を支えるモデルとなり、2000年に同社の年間販売台数は1万台を超えた。
同車をベースとするWRC206は、WRC (世界ラリー選手権) で2000年以降3年連続優勝をおさめるなどモータースポーツでも活躍した。

右ハンドル仕様はイギリス・コヴェントリー近郊のライトン(Ryton)工場で生産されていた。同工場は1979年にクライスラー・ヨーロッパから買収したものであったが、後継モデルへの移行を機として2007年1月に閉鎖、生産は東欧に移管された。

その後は後継車となる207208が発売されるが、廉価モデルを中心として2012年まで併売が続けられた。

日本における歴史

  • 1999年5月 - 1.4LSOHCエンジンの「XT(3/5ドア)」、1.6LSOHCエンジンの「XS(3ドア)」「XTプレミアム(5ドア)」が導入開始。全車右ハンドル+5速MTの組み合わせで1.4Lのみ4速ATの設定があった。
    • 6月 - 3ドア・2.0L・5速MTのスポーツモデル「S16」を発売。
  • 2001年2月 - 1.6LエンジンをSOHCからDOHCに変更し4速ATを追加。同時に熱線反射フロントガラス、運転席シートリフター、後席中央ヘッドレスト&3点式シートベルトなどを全モデルへ標準化。
    • 4月 - 「206CC」発売。当初は1.6L+4速ATのみの設定。
  • 2002年5月 - 206CCにスポーツモデル「S16」を追加。
    • 9月 - 専用ボディカラー「タイブレーク・グリーン」にグリーンとタンの2トーンレザー内装、パノラミックルーフ等の豪華装備を備えた5ドアの上級グレード「206ローラン・ギャロス」を400台で限定発売。
    • 10月 - 「206SW」発売。日本では「XS」と「S16」の2グレードを設定。
  • 2003年1月 - 「XT」と入れ替えにエントリーグレードの「Style」を追加。
    • 8月 - 「Style」のフロントバンパーを形状変更し一部内外装が上級グレードと統一される。
    • 10月 - WRCのイメージを踏襲する3ドアのスポーティモデル「206RC」を追加。日本では左ハンドルのみの設定。
  • 2005年4月 - 「XTプレミアム」と入れ替えにXS同様の外観と大型グラスルーフを備えた5ドアの「Cielo」を新設。グレード名のCielo(シエロ)はフランス語で「空」を意味しており開放感を表す。
  • 2007年3月 - 後継車となる207の日本導入開始や長期のユーロ高などの要因が重なり輸入中止。在庫が無くなり次第販売終了となる。

ボディバリエーション

  • 206CC

オープンボディ版。電動開閉式のハードトップとしたもので、日本での価格設定は300万円以下の戦略的な価格設定となっていた。開発にはフランスの自動車車体メーカー、ユーリエ社が全面協力した。"CC" は、"Coupé Cabriolet" (クーペカブリオレ) の略であるが、"Coup de Coeur" (ハートに一目惚れ) という隠れた意味も持つ。仕様上では4人乗りだが後部シートは狭く、実用上は2人が適している。

  • 206SW

ステーションワゴン版。"SW"とは"Sport Wagon" (スポーツワゴン) の略とも"Station Wagon" (ステーションワゴン) の略とも、様々なイメージを持ってもらうことを狙って付けられた名称である。リアドアが専用設計でドアノブがピラーに内蔵されている。

  • 206SD(日本未導入)

2006年初頭に追加されたイラン・コードロ社との共同開発による4ドアセダンモデル。同社のイラン工場にて生産され西欧や地中海諸国へも輸出されていた。 ハッチバックに対しリアオーバーハングを大幅に引き伸ばしたことからトランクルームが拡大されている。

  • 206+(または207他)

2008年にプジョーのブラジル法人が半ば独自開発した206のビッグマイナーチェンジ版で、CCを除く全ボディタイプが用意される。
内外装を207と共通の意匠へ変更しサスペンションとギアボックスを道路事情に合わせ改良したモデルであり、207をヨーロッパから輸入しないブラジルではこのモデルを「207 Brasil」という名称で販売する計画であった。だが、すぐに'Brasil'は外され単なる「207」として販売したためにメディアや市場から多くの批判を受けた。
アルゼンチンウルグアイなど一部地域では207CCが輸入販売されるため「207 Compact」を名乗り、同市場ではSWに相当するモデルの設定がない。
2013年初頭よりブラジル工場にて208の現地生産が開始されたため、南米仕様車は2014モデルから大幅にラインナップ縮小を行い段階的に廃止されていく予定である。

欧州(左ハンドル諸国のみ)では大型化された207の販売不振と低価格設定のダチア車をルーマニアから輸入販売しているルノーへの対抗策などからフランスにおいて同車を「206+」として生産し2009年から2012年まで販売していた。

東南アジアでは2010年からナザ社が206のダッシュボードを持つ右ハンドル仕様の4ドアセダンを「207 Sedan」として現地生産しインドネシアタイブルネイスリランカなどへも輸出していたが、2013年に208の輸入販売を開始し生産終了となった[1]

脚注

  1. ^ 同時に数年ぶりに復活した206の右ハンドル仕様が事実上消滅となる

外部リンク