プジョー・208

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
プジョー・208
Peugeot 208 e-HDi
Peugeot 208 e-HDi FAP 115 Stop & Start Allure – Frontansicht, 23. September 2012, Hilden.jpg
Peugeot 208 e-HDi FAP 115 Stop & Start Allure – Heckansicht, 23. September 2012, Hilden.jpg
販売期間 2012年-
デザイン Pierre Authier
乗車定員 5名
ボディタイプ 3ドア/5ドアハッチバック
エンジン 直列3気筒ガソリン:VTi 1.0-1.2L
直列4気筒ガソリン:
VTi 1.4-1.6L/THP 1.6L
直列4気筒ディーゼル(欧州のみ):
HDi 1.4L/e-HDi 1.4-1.6L
最高出力 51-115kW (70-156PS)
最大トルク 118-240Nm (12.0-24.5kg·m)
変速機 5/6速MT
5/6速セミAT
4速AT(AL4)[注 1]
駆動方式 FF
サスペンション 前: マクファーソンストラット
後: トーションビーム
全長 3,962mm
全幅 1,739mm
全高 1,460-1,470mm
ホイールベース 2,538mm
車両重量 1,070-1,200kg
最小回転半径 5.3m (Allure·GT)
5.4m (Premium·Cielo)
JC08モード燃費 19.0km/L (Allure)
15.2km/L (GT)
13.4km/L (Premium·Cielo)
先代 207
-自動車のスペック表-

プジョー・208Peugeot 208 )は、フランス自動車メーカー・プジョーが製造・販売するBセグメント小型車である。

概要[編集]

207の後継モデルで、開発コードは“A9”。“RE-GENERATION” (再生) をキャッチフレーズに、Bセグメントに於ける新しいプジョーを示す位置付けとなっている。プラットフォームPSAのPF (プラットフォーム) 1を継続して採用するためホイールベースは同じだが、4輪をさらにボディの隅へ配置、オーバーハングをフロントで75㎜、リアで10㎜短縮し全長は4m以内に収まる。トレンドに倣いダウンサイジングしているが、室内は膝前+50mm、荷室+15Lと拡大された。広範囲に渡り高張力鋼板と超高張力鋼板、新開発のアルミ製の構成部品を多用し100kg以上もの大幅な軽量化を達成している[1]

208の登場により207の販売は終了するが、新興国など一部の地域では引き続き販売される。このことは長期保有のユーザーにとっても部品確保の点で有り難いことである[2]206も207の登場後、しばらくの間、欧州を始めとして日本でも併売されていた。

デザイン[編集]

エクステリアは塊感を強調したもので、俊敏・感性に訴えかけるもの・活発・集中するエネルギー感などがキーワードとなっている[3]。フロント周りは浮いているように見える“フローティング・グリル”を採用し、206から続いていた深い切れ長のヘッドランプも変更された。ボンネットの先端に刻まれたブランドロゴの左右を通る2本のラインは、フロントウィンドウの上部からルーフへ、更にテールゲートの開口部にまで伸びるという凝ったものとなっている。サイドには強い印象を与えるシャープなラインが走り、サイドシル周辺と併せて立体感を際立たせている。リアはハッチゲート下側にボリュームを持たせており四隅へのタイヤ配置も効果的で安定感が増すと共に、リアのコンビネーションランプは3本のLEDチューブが内蔵され、特徴的な表情を見せている[1]Cd値は0.29。

インテリアは“ヘッドアップインストルメントパネル”と呼ばれるコンセプトで楕円形の小径ステアリングホイールを採用し、その上部からメーター類を視認する新しいスタイル。身長やシート高によってはメーター下部が遮られる場合もあるが、ドライバーの視線移動を最小限に抑えることで疲労軽減効果もあり、デザイン性と安全性を両立させた設計となっている[4]

中央に配置される未来的な7インチのタッチパネル式スクリーン (解像度800×480) は、ラジオ・各種計器の設定・USB接続のオーディオBluetooth ハンズフリーキットなど、グラフィックの操作はタブレット型端末のような使用感となっている。デザイナーの拘りでセミフローティングスタイルを採用し、殆どのコントロールスイッチ類はステアリングホイールやタッチスクリーンに配される[1]

メカニズム[編集]

エンジンはこれまでの4気筒に加えて、PSAが新開発したバランサーシャフト付きの3気筒エンジンが投入された。高効率化により、欧州モードでの走行1㎞当たりのCO2排出量は1.2Lでも僅か104g、1.0Lで99g、1.4L HDiでは87gとなる。ラインナップはBMWとPSAが共同開発しバルブトロニックと同様の機構を持つVTi、GTiに搭載されるTHP (Turbo High Pressure: 直噴ターボ)、HDi (High pressure Direct Injection: コモンレール式直噴ディーゼルターボ)、e-HDi [注 2]で、欧州排出ガス規制“Euro 5”に適合している。

ラインナップは、3気筒の1.0L VTi 50kW (68PS)、1.2L VTi 60kW (82PS)、4気筒の1.4L VTi 70kW (95PS)、1.6L VTi 88kW (120PS)、1.6L THP 115kW (156PS) のガソリン5種類と、4気筒の1.4 e-HDi 51kW (70PS)、1.6 HDi 68kW (92PS)、1.6 HDi 85kW (115PS) のディーゼル3種類。全グレードでESCABSカーテンエアバッグを含む6つのエアバッグを標準装備。2012年ユーロNCAPでは最高評価の5つ星を獲得している[4]

トランスミッションは5/6速MT、5速セミAT、6速セミAT[注 3]、4速AT[5][注 4]と多種多様であり搭載されるエンジンにより設定が異なる。

沿革[編集]

2012年3月、ジュネーヴ・モーターショーで発表、欧州では9月20日に計8グレードの発売が開始された。

日本仕様車[編集]

2012年11月より販売開始。先行して3ドアのGT (1.6Lターボ+6速MT)、5ドアのPremiumとCielo (共に1.6L+4速AT) の3グレードが導入され、12月より3ドアのAllure (1.2L+5速MT) を追加。
2013年7月、3ドアのGTiおよびXY (共に1.6Lターボ+6速MT)が追加されGTが事実上導入終了、同時に純正オーディオ組み込み式ナビゲーションシステムのディーラーオプションが追加となる。
2014年1月6日、一部改良によりPremiumとCieloのユニットが1.2L+5速セミATへ変更され、Allureにも同ユニットが追加される。

脚注[編集]

出典[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 日本でも過去に設定されていたが現在は南米など一部地域のみに用意される。
  2. ^ HDiのマイクロハイブリッドシステム (回生ブレーキ+アイドリングストップシステム) 搭載型。20km/h以下でエンジンが停止、運動エネルギーは回生されてバッテリーとウルトラキャパシタに蓄積する。再始動時には2.2kWへ強化された、スタータモーターと発電機能を併せ持つ“スタータ・ジェネレータ”へ大電流が供給され、僅か0.4秒でエンジンが始動する。特にバッテリーに厳しい条件となる厳冬期には有効なシステムである。システムはコンチネンタル社が開発したもので、ウルトラキャパシタはマクスウェル社製が採用される。スペックは充放電サイクル寿命が100万回、使用温度範囲は−40℃~65℃。HDiに比べて通常の市街地で5%、混雑した市街地で15%の燃料消費削減効果が謳われる。
  3. ^ 欧州向けe-HDi車のみに設定。
  4. ^ AL4と呼ばれるこのATは1997年より使用されているが、207307で大幅に改良された。初期ではATフルードが95℃で6,000時間使用可能とされていたが、ATに負担の掛かるストップ&ゴーの多い日本の使用状況が本国へ報告され、307ではATフルードの容量を増加、308以降は3年の交換が推奨となっている。オイルの通路にスラッジや鉄粉が蓄積したり、流動性が悪い状態でソレノイドバルブの不具合や汚れなどが影響すると、油圧管理が適正に行えなくなりエラーモードへと切り替わる。初期はエンジンが冷えている冷間時に発生し暖機後には収まるが、症状が悪化するとエンジンの暖気後も改善しなくなる。油温上昇に伴い電磁弁にスラッジが詰まるリスクが高くなるため、対応ATフルードを使用し早目 (理想的には1万km、長期でも3万km) の交換が推奨される。トラブルが発生するとソレノイドバルブの交換やオーバーホール、最悪の場合はトランスミッションのASSY交換となる。ショップによっては深刻なトラブルなどを予防する目的で、オイルの通路をクリーニングするリフレッシュメニューや、セミ・オーバーホールなどを実施している。

外部リンク[編集]