フェレット (装甲車)
イスラエルの博物館に展示されているフェレットMk 2 | |
基礎データ | |
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全長 | 3.7 m |
全幅 | 1.91 m |
全高 | 1.88 m |
重量 | 3.7 t |
乗員数 | 2 名 |
装甲・武装 | |
装甲 | mm |
主武装 |
7.62mmL4ブレン もしくはL7 GPMGx1 |
副武装 | 派生型を参照 |
機動力 | |
速度 | 93 km/h |
エンジン |
ロールス・ロイス B60 6気筒ガソリンエンジン 130 hp |
懸架・駆動 | 4x4 |
行動距離 | 306 km |
出力重量比 | 35.1 hp/t |
フェレット装甲車(Ferret armoured car)は、イギリス軍が偵察用に設計した装輪装甲車(偵察戦闘車)であり、一般にはフェレット偵察車(Ferret Scout car)と呼ばれる。フェレット装甲車はイギリスのデイムラー社が1952年から1971年にかけて4,409両を製造し、イギリス以外にもフランスやイギリス連邦加盟国で広く使用された。
開発
フェレット装甲車は、イギリス陸軍が第二次世界大戦中に広く使用していたダイムラー偵察車の後継車両として、1949年に設計された。
フェレット装甲車の設計と形状は前任のダイムラー偵察車との共通点が多いが、フェレット装甲車はダイムラー偵察車よりも戦闘区画が広く小さな機関銃付の砲塔を装備している。
概要
車体は鋼鉄製のモノコック構造で、車体はほぼ密閉されている。4つの車輪はフラットタイヤである。砲塔は全ての車両に装備されているわけではない。標準武装は1挺の7.62mm口径ブレン軽機関銃L4(後にL7 GPMGに更新)のみであるが、イギリス軍の車両は左右に3つずつ発煙弾発射装置を追加装備している。
この車両は高速かつ小型であるうえに、頑丈な車体構造と不整地走破能力の高さ故に偵察任務にうってつけの車両である。フェレット装甲車はイギリス陸軍での運用期間は短かったが、その他のイギリス連邦加盟国で広く使用され、現在でも多数が現役である。小型軽量であることと安価(10,000 USドルから)で入手できるため、軍用以外でも、個人コレクターが所有していることも多い。
派生型
フェレット装甲車には、砲塔が存在しなかったりヴィジラント対戦車ミサイルを搭載したりしている派生型が存在する。
- Mk 1(FV701)
- 砲塔の無いオープントップタイプで、連絡・伝令任務に使用される車両。
- Mk 1/1
- Mk 1よりも重装甲で、車体天井部分も装甲でふさがれている。
- Mk 1/2
- 天井を高くし、上部にブレン軽機関銃を搭載(後にL7に換装)した派生型。乗員は3名。
- Mk 2
- FV603 サラセン装甲兵員輸送車の砲塔を搭載した型の初期型。
- Mk 2/1~5
- 装甲強化の小改良が施された型。
- Mk 2/6(FV703)
- Mk 2/7(FV701)
- ヴィジラント対戦車ミサイルの退役に伴い、Mk 2/6からミサイル発射器を撤去した型。
- Mk 4(FV711)
- Mk 2のサスペンションを強化し、浮き式の遮蔽版(Flotation screen)を設けた型。
- Mk 5(FV712)
- Mk 4の改良型で、幅広薄型の砲塔にスウィングファイア対戦車ミサイル発射器とL7汎用機関銃を搭載した型
実戦投入
第二次世界大戦後に開発された車両であるため、朝鮮戦争へ参加した可能性はある。1956年のスエズ動乱にも投入された。1993年のソマリア内戦へのPKO任務にも、ネパールがフェレット装甲車を派遣している。
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砂漠用迷彩が施されたフェレットMk 1/2。