バットマン アーカム・アサイラム

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バットマン アーカム・アサイラム』(Batman: Arkham Asylum)はRocksteady Studiosが開発し、EIDOSが発売したゲームソフト。DCコミックが刊行している人気コミック『バットマン』のゲーム作品。PS3版とXbox 360版が北米では2009年8月25日に、ヨーロッパでは8月28日に発売された。その後Microsoft Windows版が北米では9月18日に、ヨーロッパでは9月15日に発売された。

日本では2010年1月14日に、PS3版とXbox 360版がスクウェア・エニックスより発売された。 PS3ではジョーカーチャレンジがプレイできる

概要

バットマンシリーズに登場する、凶悪犯罪者達を収監する「アーカム・アサイラム(アーカム精神病院)」を舞台にしたアクションゲーム。原作では、登場するヴィラン(敵役)の大半はここに収監されるため、当ゲームでも多数の代表的なヴィランが登場する。シナリオはアニメシリーズ『バットマン』でもシナリオを執筆し、同作品でエミー賞にも輝いたポール・ディニが書いている。 また、バットマンとジョーカー、ハーレー・クィンの声も同作で担当したケヴィン・コンロイマーク・ハミル、アーリーン・ソーキンが務めている。

「今までで最も高い評価を得たスーパーヒーローゲーム」としてギネス・ワールド・レコーズに登録された。

また、続編のゲームとして「バットマン アーカム・シティ」が発売中である。

ゲームシステム

基本システムは敵と戦闘を繰り広げながら、様々な特殊ツールを使って道を切り開いていくというもの。バットマンは原作同様、どんな凶悪犯が相手でも決して殺さないという主義を貫いており、一般的なTPSのように銃器で遠くから相手を倒すといったことはできない。戦闘では多人数の敵と真正面から殴りあうだけではなく、銃で武装していたり人質を取っている相手にはステルスゲームのように気づかれず忍び寄って倒したり、特殊な効果を持った装備や地の利を利用して1人1人排除する必要があったりと、状況によって様々な戦略が求められる。敵を倒していけば経験値を得ることができ、その経験値を一定以上貯めればバットマンの身体能力を強化することができる。その経験値を多く得るためにも、連続技を決めるなどの工夫が必要となってくる。

ストーリーを進めていけば、バットマンがコミックで使うような特殊ツールの種類が増えていき、今まで行けなかった場所に行くなどの新しいアクションができるようになる。この特殊ツールも経験値を貯めることでアップグレードすることが可能。

捜査モード

バットマンのスーツに装備された特殊装置。人や建物をレントゲン写真のように透視することが可能で、これを使うことによって壁の向こう側の敵の動きを確認することができ、他にもその人物の精神状態や武装の有無まで知ることができる。また、建物に仕掛けられた装置を発見することや、指紋や血痕などの残された痕跡を辿ることもできるため、使用する機会は実に多い。

ガジェット(装備)

 バットラング
原作でもお馴染みの専用ブーメラン。直接ダメージよりは、敵を怯ませたり一時的に昏倒させる用途がメイン。
アップグレードにより、複数枚を投擲するマルチ・バットラング、特殊な音波で敵をおびき寄せるソニック・バットラングなどに進化する。
 グラップルガン
 高圧ガスでワイヤーを打ち出す登攀用装備。原作の様に高所の移動に使用する他にも、アップグレードによって解禁されるアタッチメント「バットクロー」を装備する事で、
 高所にある金網や敵を引きずり落とす事が可能になる。
 爆破ジェル
 ゲル状の液体爆薬。起爆装置を兼ねた専用スプレーから吹きつけ、硬化後に起爆が可能になる。
 構造的に弱い壁や床を破壊したり、壁の裏側から起爆して敵を破片に巻き込むブービートラップ的用途など、汎用性は高い。
 暗号シーケンサー
 島の至る所で進行を阻む、セキュリティゲートを解除する為の装備。コントローラーの二本のアナログスティックでゲート端末の周波数を割り出し、
 強制的に同調させる事で解除(見た目的には破壊だが)する。
 ラインランチャー
 壁と壁の間にワイヤーを張り、電動ウインチで空中を移動するための装備。600kgまでの荷重に対応している。
 1989年の『バットマン』に登場した装備と同等の物と思われる。

ヴィークル(乗物)

 バットモービル
 言わずと知れたバットマン専用車。今回は90年代の映画版バットマンを思わせる、ロングノーズのスーパーカー風スタイルを踏襲したデザインで登場する。
 バットウィング
 同じくバットマン専用飛行機。バットマンからの指令によりバットケイブから自動操縦で飛来する。垂直離着陸が可能。

ストーリー

ゴッサム・シティを守る闇の騎士バットマンは凶悪犯ジョーカーを捕縛し、数々の凶悪犯を収容している精神病院アーカム・アサイラムへ連行する。いつもと違い、大人しく連行されるジョーカーに違和感を覚えるバットマン。その不安は現実となり、アーカムへと連行されたジョーカーは隙を見て逃げ出してしまう。そして、事前に潜入させておいた部下のハーレー・クィンと共にアーカムを占拠し、収容されていた凶悪犯たちを次々と開放し、医師や警備員たちを人質に取り立てこもってしまう。ジョーカーの真の目的とは一体何なのか、そこには恐るべき企みが隠されていた。

登場人物

バットマンサイド

バットマン / ブルース・ウェイン
声 - ケヴィン・コンロイキンバリー・ブルックス(幼少期)
ゴッサムの平和を守る闇の騎士。その正体は街有数の大富豪。占拠されたアーカムを解放するために戦う。
ジェームズ・ゴードン
声 - トム・ケイン
ゴッサム市警の本部長であり、バットマンの協力者。バットマン同様にアーカムに閉じ込められてしまう。
オラクル / バーバラ・ゴードン
声 - キンバリー・ブルックス
ゴードン本部長の娘で、元バットガール。ジョーカーによって下半身不随にされてしまった後も、バットマンを通信などでサポートしている。

ヴィラン

ジョーカー
声 - マーク・ハミル
バットマンの宿敵。道化師の様に真っ白な素肌と常に笑っている表情が特徴的な犯罪界の道化王子。本名を含めた素性は一切知られていない。今回はある目的のためにアーカムを占拠する。
ハーレー・クィン / ハーリーン・クインゼル
声 - アーリーン・ソーキン
ジョーカーの情婦。元はアーカムに勤める精神科医だったが、ジョーカーの治療に任命されたことが切欠で、犯罪に手を染めるようになった。ジョーカーに心酔しており、認められるためならどんなことでもする。しかし、彼の気まぐれで殺されそうになった時もある。
キラークロック / ウェイロン・ジョーンズ
声 - スティーヴン・ブルーム
稀な皮膚病によりワニの鱗のような皮膚を持った生まれた犯罪者。人間に憎悪を抱く野蛮な気質の持ち主で、その体は徐々に爬虫類化が進み、人間性を失いつつある。牢に入りきらない程の巨体のためか、アーカムでは迷路にような古い下水道に幽閉されており、職員たちは其処をキラークロックの巣と呼んでいる。
研ぎ澄まされた感覚と素早い反射神経を持ち、水の中を自由に泳ぐこともできる。レーザーで削られた鋭い歯と怪力が武器で、厚く丈夫な皮膚はいかなる攻撃も受け付けない。
ミスター・ザズー / ヴィクター・ザズー
声 - ダニー・ジェイコブズ
無差別に人を殺し、あたかも生きているようなポーズを取らせる殺人鬼。人を殺す度に証として自身の体に傷をつけており、バットマン用にも特別な場所を確保している。これといった特殊能力は無いが、必ず人質を取っているため、迂闊に攻撃できない。
スケアクロウ / ジョナサン・クレイン
声 - ディーノ・アンドラデ
名前の通り案山子のような服装をしている犯罪者。かつてはゴッサム大学の心理学教授だったが、恐怖症に関する研究で行き過ぎた実験を行ったため、解雇された。他人を恐怖に陥れることに執着しており、相手の恐怖症を引き起こし、幻覚をみせる特殊なガスを使った恐怖犯罪を行う。バットマンにとって精神的に最も手強い相手である。
ベイン
声 - フレッド・タタショア
孤島にある国家、サンタ・プリスカの刑務所内で産まれた男。自分の存在価値を証明するため、バットマンのいるゴッサムにやって来た。かつては、バットマン背骨を折り、一時的に引退に追い込んだこともある。
幼少の頃から刑務所の劣悪な環境の中で育ってきたため、異常な集中力と鉄の意思を持つ。また、軍の行った筋肉を増強させる劇薬「ベノム」の人体実験により、強靭な肉体を得ている。
ポイズン・アイビー / パメラ・リリアン・アイズリー
声 - タシア・ヴァレンザ
人体実験によって肉体が植物化している犯罪者。植物を偏愛し、人類を世界から亡くすことで植物を守ろうとする。体には血液の代わりにクロロフィルが流れており、これにより植物の成長を促し、意のままに操る。また、毒素を用いて、相手を毒殺したり、天然フェロモンで男を誘惑・統制することができるが、バットマンには一切効果がない。
リドラー / エドワード・ニグマ
声 - ウォーリー・ウィンガート
犯罪の手掛かりをリドル(なぞなぞ)として残し、相手との知恵比べを楽しむ犯罪者。注目願望の持ち主で、自分の計画を何度も阻んだバットマンに対抗意識を燃やしている。
今回はバットマンの通信をハッキングして、彼に知恵比べを挑んでくる。
クレイフェイス / バジル・カルロ
声 - トム・ケイン(ゴードン、シャープ)、ドウェイン・R・シェパード・Sr(キャッシュ)
元は落ちぶれたホラー映画俳優。かつて自分が演じた映画の悪役「クレイフェイス」の仮面を着け、殺人を繰り返していた。後に同じく「クレイフェイス」と名乗っていた複数の犯罪者のエキスを注射したことで、彼らの特殊能力(自在に姿形を変える、触れた人間を溶かす、バラバラになっても再生するなど)を得ることに成功した。
直接対峙することはなく、セキュリティコントロール室にある強化ガラスの牢に閉じ込められている。脱獄するため、ゴードンやシャープ、キャッシュの姿でバットマンを欺こうとしている。

その他

クインシー・シャープ
声 - トム・ケイン
ゴッサムの元凶を正すために人生を捧げるアーカムの現刑務所長。アーカムの浄化に全力で取り組んでいるが、囚人を軽蔑しており、彼らを治療することには関心を持たない卑劣な性格の持ち主。
政治的野望を持ち、次期市長選の選挙運動の一環としてアーカムにより厳しいセキュリティーと実験研究の導入を推進している。どうやら彼にも秘密があるようだが・・・。
 次回作では、ゴッサム市長に就任し、ゴッサムのスラム街を壁で隔て、巨大刑務所に変えてしまう。
ペネロペ・ヤング
声 - クリー・サマー
アーカムに勤務する女性精神科医。優秀な医師なのだが、患者を利用した危険な研究を行っているらしい。
フランク・ボールズ
声 - ダニー・ジェイコブズ
アーカムに勤務する警備員。裏でジョーカーと繋がっており、今回の事件で彼の手助けをする。アルコール中毒のため、勤務中にも関わらず、酒を飲んで行動している。「最強の警備員」を自負しているが、仲間からは嫌われているようである。
アーロン・キャッシュ
声 - ドウェイン・R・シェパード・Sr
アーカムに勤務する警備員。長年警備の仕事をしてきたベテランで、周囲からも尊敬されており、何度かバットマンの手助けをする。アーカムで起きた暴動でキラークロックに激しく痛めつけられたため、数多くの囚人の中でクロックを唯一恐れている。その際、左手を喰われており、鉤爪の義手をしている。
ジャック・ライダー
声 - ジェームズ・ホラン
ゴッサムの放送局に勤めるニュースキャスター。TVやラジオなどを通して、今回の一連の事件を報道している。
コミックやアニメシリーズでは、クリーパーという狂人ヒーローに変身する人物。
トーマス&マーサ・ウェイン
声 - ケヴィン・コンロイ、タシア・ヴァレンザ
バットマンことブルースの両親。彼が幼少の頃、目の前で強盗によって殺害された。この体験が彼をバットマンの活動に向かわせることになる。
アマデウス・アーカム
声 - トム・ケイン
アーカムの創設者。アーカム初の囚人にして自身の妻子を殺した男を治療中の事故に見せかけ殺害してしまう。それからは彼自身も正気を失い、施設の地下に収容された。その後、自らの爪と血で呪法陣を描いて狂死したため、敷地内には彼の墓がある。

外部リンク

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