シャ・ナ・ナ
シャ・ナ・ナ Sha Na Na | |
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出身地 | ニューヨーク、コロンビア大学 |
ジャンル | ロックンロール、ポップ・ミュージック |
活動期間 | 1968年 - 現在 |
公式サイト | www.shanana.com |
メンバー |
ドナルド "ドニー" ヨーク ジョン "ジョッコ" マルセリーノ *"スクリーミン" スコット・サイモン ジーン・ジャラミロ ジム "ビリー" ウォルドビリング ポール "ポーリー" キンバロウ "ダウンタウン" マイケル・ブラウン |
シャ・ナ・ナ (Sha Na Na) は1969年から活動しているアメリカのロックンロール・ポップスグループ。発表曲のほとんどがカバーであるため、カバーバンドに近い存在である。ニューヨークのストリート出身と称し[1]、金ラメ、スペーススーツ、レザー、ポンパドゥール・ヘアというルックス、オールディーズ・ナンバーやその流れをくむオールドスタイルのロックンロール、ドゥーワップなどをレパートリーにした歌とダンスで、1960年代の終わりに1950年代のストリート・カルチャーをよみがえらせた。日本においてもオールディーズ、フィフティーズを語る際には欠かせない存在であり、クールス、シャネルズ(後のラッツ&スター)などが彼らからの影響を公言している。
オープニングのバンド紹介では「Ladies and greasers (grease balls,) from the streets of New York, greased and ready to kick your ((bloody) ass(es), Sha-Na-Na!」(とその変形)が決まり文句で映画『グリース』以前からGrease(ポマードで固めたヘアー)をバンドのキーワードとしてきた。
また定番曲の"Rock'n'roll is here to stay"の演奏を始める前の口上(決めゼリフ)は、"I've got (just) one thing to say to you, fucking hippies. That is rock'n'roll is here to stay."であり、60年代後半の「型にはまらない、ドラッグを受け入れた崩壊的な」事を良しとするヒッピー文化に対し自由奔放ながらも調和や規律、節度を持った50年代ー60年代前半若者文化の尊重(回帰)を象徴している。
品行方正なバンドのキャラクターでドラッグとは無縁の印象があるが、1971年に参加したリードギタリストChris Donald (Vinnie Taylor)は1974年にヘロインのオーバードーズで死去している。[2]
キャリア
コロンビア大学在学中にア・カペラグループキングズメン (Kingsmen) として発足したが、太平洋岸北西部を拠点に活動していた同名グループがいたため、グループ名をシャ・ナ・ナ (Sha Na Na) に改名。ベース・ボーカリスト[3]のロバート・レオナードを中心にヒッピー・ムーヴメント真盛りの1969年に活動を開始した。デビュー時点で12人という大所帯での初期のステージングは、金ラメに身を包んだ3人のフロントマンが歌とダンスを担当、残りの9人はグリーサー(Greaser)・ルック(袖をまくったTシャツ、革ジャン、タンクトップ等)でステージに上がった。
ウッドストック・フェスティバルではジミ・ヘンドリックスに先行してステージを務めた。映画『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』に収められた約90秒の出演シーンで全米規模の知名度を獲得すると同時に、1971年から上演されているミュージカル『グリース』やテレビ番組『ハッピー・デイズ』、1962年の設定ではあるが時代背景の近い映画『アメリカン・グラフィティ』などとともにフィフティーズ・リバイバルにひと役買った[4]。
1975年11月、日本初公演(渋谷公会堂)の前座を宇崎竜童率いるダウン・タウン・ブギウギ・バンドが務めた。 同年「スモーキン・ブギ」(Smokin' Boogie)をシングルでリリース(カーマ・スートラ・レコード、日本コロムビア)。歌詞は英語だが内容はほぼ日本語の直訳になっている。ただし文化の違いから、”喫茶店”を”Soda shop"、”ショートピース”を”Camel”としている。カップリング(B面)はシャ・ナ・ナオリジナルで"We're Still Smoking."歌詞は”We're still smokin’"と"タバコ吸ってるよ、タバコ吸ってるよ”のみ。ダウン・タウン・ブギウギ・バンドに対し”日本にもブギを演奏できるバンドがある事を知った”とコメントしている。
現在もオリジナル・メンバーのドナルド "ドニー" ヨーク、ジョン "ジョッコ" マルセリーノ、ウッドストック・フェスティバル直後に加入した"スクリーミン" スコット・サイモンを中心にツアーを行っている。
テレビシリーズ
1977年から1981年まで、ピエール・コセットが企画し、LBSコミュニケーションが配給したシンジケート番組『シャ・ナ・ナ』でホストを務めた。
番組は彼らの演奏(1950年から60年代のヒット・ナンバー)を柱にコント、「タフ・ガイズ」と題されたロケなどで構成された。オープニングはコンサート・シーンから始まり、ゲスト・アーティストとともに数曲演奏しながらバックが街中やアイスクリーム・パーラーなど様々な場所に変わる、という演出が施された。
ゲストにはJames Brown、Ramones、Little Richard、Bo Diddley、Chubby Checkerなど豪華な顔ぶれが出演した。
日本においてはキャロルのラストライブの編集ビデオの中でクールスメンバーが、「(キャロルは)シャナナなんかに比べればまだまだだけど」と言っていたほど、シャナナを「オールディーズを復活させた正統派ロックンロールバンド」と認識する人がいた一方、本国アメリカでは、オールディーズを歌う子供向けコメディーバンド」というイメージも強くあった。これはTV番組の演出が影響していたということと、放映以前から彼らのステージパフォーマンスがアメリカ人にとっては少々子供染みて映ったと考えられる。中でもベースボーカルのJon Bauman (Bowzer)は子供からの人気も高かった。
映画
- 『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』1970年 ("At the Hop")
- 1978年には映画『グリース』にジョニー・カジノ&ザ・ギャンブラーズ役で出演、劇中で「ハウンド・ドッグ」ほか6曲を演奏し、サウンドトラックにも収録された。劇中でダニー役のジョン・トラボルタが歌った「サンディ」は、作曲家ルイス・セント・ルイスと"スクリーミン" スコット・サイモンとの共作。
DVD
- 『Woodstock Diaries』[5] - 1994年TV放映後DVD化。("Duke of Earl")
- 『ウッドストック〜40周年記念ボックスセット(DVD)』[6] - 2009年。("Get a job", "At the Hop", "Get a job (reprise)")
メンバー
※ "bass Vocal"はベースギター&ボーカルではなく低音を担当するVo
オリジナル・メンバー
- ドナルド "ドニー" ヨーク (1968 - ) - Vo
- ジョン "ジョッコ" マルセリーノ (1969 - ) - Ds
- アラン・クーパー (1968 - 1970, 1971) - bass Vocal
- ロバート・レオナード (1968 - 1970) - Vo
- フレデリック "デニス" グリーン(別名デニー) (1968 - 1984) - Vo 2015年9月5日死去
- ヘンリー・グロス (1969 - 1970) - G
- ジョー・ウィトキン (1968 - 1970) - P
- スコット・パウエル(別名キャプテン・アウトレイジャス、トニー・サンティーニ) (1968 - 1981) - Vo
- エリオット "ジーノ" カーン (1968 - 1973) - Rhythm G
- リチャード・ジョッフェ (1968 - 1973) - Vo
- デイヴィッド・ギャレット (1968 - 1970) - Vo
- ブルース "ゾロアスター" クラーク(別名ブルーノ)(1969-1973) - B
現在のメンバー
- ドナルド "ドニー" ヨーク
- ジョン "ジョッコ" マルセリーノ
- "スクリーミン" スコット・サイモン (1970 - ) - P
- ジーン・ジャラミロ (1990 - ) - G
- ジム "ビリー" ウォルドビリング (1990 - ) - G
- ポール "ポーリー" キンバロウ (2002 - ) - Ds
- "ダウンタウン" マイケル・ブラウン (2005 - ) - Sax, Vo
過去在籍したメンバー
- グローヴァー・ケンブル (1970) - Vo
- ラリー・パッカー (1970) - G
- ジョン "バウザー" バウマン (1970 - 1983) - bass Vocal
- レニー・ベイカー (1970 - 1999) - Sax, Vo 2016年2月24日死去
- ビリー・シュウォルツ (1971) - G
- クリス・ドナルド(別名ヴィニー・テイラー)(1971 - 1974) - Lead G 1974年4月17日死去
- ジョニー "キッド" コンタード (1971 - 1983) - Vo
- デイヴィッド "チコ" ライアン (1973 - 1998) - B 1998年7月26日死去
- エリオット・ランドール(別名エンリコ・ロンゾーニ)(1974 - 1975) - Lead G
- ダニー・マクブライド(別名ダーティ・ダン)(1975 - 1980) - Lead G 2009年7月23日死去
- グレン・ジョーダン(別名ギター・グレン)(1980 - 1986) - G
- カル・デイヴィッド(別名カジュアル・カル) (1984) - bass Vocal
- ガエリン・バリー(別名ティト・マンボ)(1984 - 1988) - bass Vocal
- ドラ・ピアソン (1984 - 1988) - 初の女性Vo
- ジミー "ジューン" ハン (1987)
- ブライアン・カミング(別名マイティ・ジョー)(1987-1989) - G
- パメラ・デイ (1989 - 1991) - 2代目女性Vo
- ロブ・マッケンジー (1990 - 2001) - G
- リサ・サンステッド (1993 - 1995) - 3代目女性Vo
- ジョージ・スラピック (1999 - 2000) - Ds
- フランキー・アデル (1999 - 2005) - Sax, Vo
- バズ・キャンベル (2002 - 2006) - G
- レジー "レオン" バティス (1989 - 2010) - bass Vocal 2010年10月8日死去
- ジョージ・レオナード - 振付
ディスコグラフィ
- Woodstock Festival サウンドトラック [1969] (シャ ナ ナ演奏の“At the Hop”収録) (後のリリースでは、“Duke Of Ear”、“Book Of Love”、“Teen Angel”、“Get A Job”などが含まれる。実際の演奏は12曲と考えられている。)
- Rock And Roll Is Here to Stay [1969] (1973年の再リリースではジャケットの絵が替えられた)
- Payday / Portnoy (シングル) [1970] ... または Payday / Payday (Promo SINGLE) ... または Payday / Young Love (日本版 シングル)
- Sha Na Na [1971] (A面はニューヨーク州コロンビア大学でのライブレコーディング。)
- The Night Is Still Young [1972] *版によっては収録されていない曲もある*
- EDDIE AND THE EVERGREENS - In The Still Of The Night / In The Still Of The Night (アルバム 'The Night Is Still Young' からの収録) (シングル) [1972]
- Live in Belgium, With Francis Bay & His Orchestra [1972] (非公式版)
- Live in Central Park, New York City, NY (ラジオ放送) [1972] (非公式版)
- Live in Winterland, San Francisco, CA [1973] (非公式版)
- The Golden Age of Rock ’N’ Roll [1973] (二枚組LP, 2, 3, 4面は1972年後半と思われるライブ音源。)
- Sha Na Na Live in Germany (TV: Musikladen), 1973 (DVD, CD+VCD)
- From The Streets Of New York (ライブ) [1973]
- Hot Sox [1974]
- Maybe I'm Old Fashioned / Stroll All Night (LONGER VERSION) (シングル) [1974]
- Sha Na Now [1975]
- THE SHA-NA-NETTS - (Just Like) Romeo And Juliet (No Lead Vocals) / FLINT-NIKS - The Flint-Nik Rock (シングル) [1975]
- Rock’n Roll Graffiti - ライブインジャパン' [1975]
- スモーキン・ブギ (Smokin' Boogie) [1975](シングル)(ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの楽曲の英語詞によるカバー)
- Grease サウンドトラック [1978] (シャ ナ ナの演奏6曲を収納)
- Rockin’ In The 80’s [1980]
- Silly Songs (1981)
- Live in Long Island, N.Y. [1983] (非公式版)
- The song WRESTLING TONIGHT (1985) 1983年公開の映画"Grunt!"で使用の曲。
- Yeah, Yeah, Yeah [1985] 再編集版。 (カセット) 二曲の未収録曲を収録: Da Doo Ron Ron and Mr. Bass Man.
- Rockin' And A Rollin' [1986] 再編集版 (CD) 未収録曲: My Prayerを収録。
- Rock’n’Roll Concert & Party [1987] (VHS)
- 34th & VINE (1990) [8曲]
- Havin' An Oldies Party With Sha Na Na [1991] 再編集版。未収録曲;ビキニスタイルのお嬢さん を収録。
- The Sha Na Na 25th Anniversary Collection [1993] (20曲収録。内8曲は1990年のアルバムに収録。)
- Live in Concert (80年代後半から90年代前半) [199?] (CD1枚、2カセット、またはDVD1枚)
- 20 Classics Of Rock 'N' Roll (90年代中頃) (再編集版。カセット。以前にリリースされた数曲を含む。)
- Rock ‘N’ Roll Dance Party (1996から20曲; 1998から16曲)
- Then He Kissed Me (with Conny) [1999], 日本 (CONNYとの共演盤。)
- Live in Japan (with Conny) [2000], ライブ盤。1999年11月日本での収録。
- Rockin’ Christmas [2002] (2003年に再リリース。ジャケット変更と一曲追加。)
- One More Saturday Night [2006]
- Blue Moo: 17 Jukebox Hits From Way Back Never - オムニバス。(本とCD) シャ・ナ・ナによる曲(GORILLA SONG)を収録 [2008]
- 40th Anniversary - Collector's Edition (少なくとも過去にリリースされていない曲6曲を含む) [2009]
- Rockin' Christmas: The Classic Christmas Collection (新しいクリスマスソング6曲を含む) [2011]
- Grease High School Hop - 25 Dance Songs Of The '50s & 60s (再編集版) (デジタルリリース) [2013]
- Grease High School Hop KARAOKE - 50年代~60年代の曲10曲のカラオケ版 (デジタルリリース) [2013]
脚注
- ^ “Danny McBride: Guitarist with rock'n' roll revivalists Sha Na Na”. The Independent. (2010年4月10日)
- ^ Jay, Stanley. Avoiding Traps: Showing Youth the Path to Life’s Success (Bloomington, Indiana: iUniverse, 2009), p. 145.
- ^ ベースギター&ボーカルではなく低音を担当するVo
- ^ "The Nifty Fifties", Life Magazine, June 16, 1972 (stating Sha Na Na "more or less set off the '50s kick").
- ^ “Woodstock Diaries”. 2013年12月22日閲覧。
- ^ “Woodstock: 40 Years On: Back to Yasgur's Farm”. 2013年12月22日閲覧。
関連項目
外部リンク
- www.shanana.com - 公式サイト
- Chico Ryan website
- Bowzer's Rock n' Roll Party
- シャ・ナ・ナ - IMDb(英語)
- AllMusic
- [1] Lennie Baker performs