サバイバル (漫画)
サバイバル | |
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ジャンル | SF漫画 |
漫画 | |
原作・原案など | さいとう・たかを |
作画 | 同上/さいとう・プロダクション |
出版社 | 小学館 リイド社 |
掲載誌 | 週刊少年サンデー |
レーベル | 少年サンデーコミックス SPコミックス 他 |
発表期間 | 1976年 - 1978年 |
巻数 | 全22巻(小学館版) 全6巻(リイド社ワイド版) 全10巻(リイド社文庫版) 全20巻(リイド社廉価版) |
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『サバイバル』は、さいとう・たかをによる日本の漫画。1976年から1978年にかけて『週刊少年サンデー』(小学館)にて連載された。話数カウントは「DANGER-」(デンジャー)(リイド社廉価版では「MIRACRE-」、ANOTHER STORYの廉価版では「ACCIDENT-」)。
概要
突如発生した世界的な地殻変動による巨大地震に遭遇して生き残った少年・鈴木サトルが、過酷きわまる環境で生き抜こうとする姿を描く。さいとう・たかをが描く少年漫画の代表作の1つであり、NHK-FMでラジオドラマ化(2011年1月24日 - 2月4日)もされている。
2000年には週刊少年サンデーに「20世紀最大の読み切りシリーズ」の1作として続編『サバイバル2000』(脚本:七月鏡一)が掲載された。
2007年にリイド社の少年漫画雑誌『月刊少年ファング』で『サバイバルNEO』(作画:岡田鯛)としてリメイク連載が始まるが、雑誌の休刊により第1回のみで打ち切りとなる。その後、2008年に『コミック乱 別冊昭和』(リイド社)にて再リメイク版として設定やストーリーを改めて再開されるが、雑誌の休刊により第3回で打ち切りとなる。
あらすじ
洞窟を探検していた鈴木サトルとその友人たちは、突然の大地震に襲われる。サトルだけは何とか洞窟から抜け出して助かったが、外は信じられない光景と化していた。
陸続きだったはずの土地はほとんどが大地震により水没し、周囲を全て海に囲まれた島になっていた。一緒に行動をしていた友人たちはいうまでもなく、誰も居ないその島へ残されてしまったサトルは、生き延びるために様々な知識や技術を身につけ、やがて海を越えて変わり果てた世界へ旅立つ。そして、行方不明の家族を探す長い旅が始まった。
登場人物
- 鈴木サトル
- 本編の主人公の中学生。友人と一緒に洞窟を探検中に世界規模の大地震に襲われる。大地震により変わり果てた日本を目の当たりにするが、それでも文明の壊れた世界の中を家族の行方を求めて旅に出る。最初は、文明人特有の食物の好き嫌いや甘えなどが目立つが、幾多の生死の境をくぐり抜けることにより「少年」からたくましい「男」に成長していく。
- 物語開始当初のナレーションでは「サトル」では無く「少年」とのみ表記され、彼本人が名乗るまで本名は明記されていなかった。
- 人物
- 地震前の趣味は切手収集の当初はどこにでもいる中学生だったが、地震前に周りの人物から生活の知恵や地震後のサバイバル生活での実体験などから、生きる上で様々な知識を見につけて生活している。また、感情が豊かで泣くことも多いが様々な経験を積んでいく内に強い精神力も身につける。
- 初登場時は13歳で、地震1ヶ月後に14歳になっており、物語で数年過ごしている。
- 家族は、地震前に父(鈴木信一郎)・母・姉(恵)と住んでいた。辰野と出会った時点でサトルが「父が42歳、母が40歳。姉さんは、17歳で母より背が高い」と言っている。田舎には祖母が住んでおり、年寄りの知恵で腹痛などに効くとされるクマノイやしもやけに効くとされるユキノシタなどをサトルに教えた。
- 最初期は鶏肉が大の苦手だったが、大地震から程なくして克服している。
- アキコに恋愛感情を持っていることに気づき、相思相愛になったがそのアキコは直後に亡くなる。
- 食生活
- 地震発生前は好き嫌いが多かったが、被災を通してそれがなくなったばかりか、ミミズでさえも強引に食すほどの悪食になってまで生き抜いて行く。
- 島で生活していた頃は、原始人のような生活で手製の弓、やりなどで熊やカモシカを狩って食糧にしていた。また、アキコと協力して釣りで魚を釣ったり、鳥を捕まえたり、貝を捕って食べていた。当初は生魚を食べられなかったが、しばらくした後に克服。野菜類の乏しい生活環境下で、貴重な栄養源を確保していた。
- 野草やキノコを食べて食べられるかどうか、また薬草についても殆ど知識がなかったためそれぞれ手当たり次第に口に入れた。もちろん毒キノコや毒草に体調を崩すこともあったが、このおかげで食糧や薬草の知識が身についた。
- 島を出て別の陸地に行ってからも他の動物は勿論、毛虫などの虫やカタツムリを食べたり、デパートで本を読んで屋上で野菜などを育てるなどした。
- その他
- 創作するのが得意で木や葉などを使って家を建てたり、家族に会う一心でハンググライダーをポスターを見てあり合わせの材料で作り、断崖絶壁を一発勝負で飛んだこともある。
- 陸地を出てから男から車の運転を教わり、アマチュア無線を使って志賀老人と通信する。
- 地震後の島での生活でネズミに大事な食料を盗み食いされる被害に合っていた頃にはフライデーと名付けたネズミを食べてくれるフクロウの相棒ができるが、数日後に獰猛なネズミたちに命を奪われてしまった。他にも小犬のシロ(後述)や脱獄犯罪者達に食われて命を落とすインコと旅を共にしている。
- アキコ
- 洞窟の周辺が水没した後、向かいの島からやってきた若い女性。サトルが震災後、初めて出会った人間である。友人たちとS高原の湖畔で過ごしていた時に大地震に見舞われた。サバイバル生活に疎く、文明人の感性を捨てられずにサトルを悩ませる。そのため、食糧を狙うネズミに餌を与えて被害を大きくしたり、動物を殺して肉を手に入れるサトルに対し「動物を殺してかわいそう」と言ったり、魚を食べるとアレルギーが出るので食べられないなど、慣れないサバイバル生活に疲れ病気にかかり、また、地震で生き別れになった俊夫という彼氏を想うあまり精神的に病んでしまう。最後は正気を取り戻しサトルと結ばれるが、翌朝サトルの目覚める前に息を引き取る。
- ミミズが苦手なため、釣りの時はサトルにエサ用のミミズを釣り針につけてもらっていた。また、食料が乏しく長期間に渡って魚を食べる食生活に馴染めず、魚を食べるとじんま疹の症状が出るようになった。
- 意外と手先は器用で、以前父親が作ったのをマネてかすみ網を作ったり、試行錯誤を繰り返して土器を作るなどサバイバル生活に役立っていた。
- フライデー
- 雪で翼が濡れてしまい飛べなくなったところをサトルに食料として捕獲されてしまったフクロウ。
- 洞窟で暮らすサトルを悩ませていたネズミを食べてくれたことから、サトルに気に入られる。しかし、数日後、サトルが出かけた昼間にネズミの大群に殺される。
- シロ
- ロバートとウィリアムがサンプルとして富士樹海で捕まえた子犬。名付け親はサトルである。ロバートとウィリアム亡き後、奇妙な運命からサトルと行動を共にすることになる。
- 当初は自分で餌を捕まえる事もできなかった上、見当違いな行動を起こしてサトルを困らせるなど、サトルに「1人分食い扶持が増えた」と愚痴をこぼさせるペットのような存在だった。しかし、極限のサバイバル状況を少年と共に過ごして試練をかいくぐり、動物特有の野生の感を磨き上げることによって、少年の評価する「ペット」から「一人前の野生の動物」にたくましく成長し、素早い野うさぎを捕まえたり、荒くれた猪におくびもせず対等に闘えるまでになった。そうして旅を続けるにつれ、サトルと種族の枠を超え絶対の信頼を築いたが、ふとした事からサトルとはぐれてしまう。
- サトルと離れ離れになった後、生きるために野犬の群れに加わっていたが、群れのボスから目を付けられ、執拗に攻撃を受けるようになる。しかし、サトルとの生活の中で成長したシロは、群れのボスを間一髪で倒すことに成功し、一躍群れのボスの地位に立つこととなる。
- その後、サトルを襲撃した野犬の群れのボスとして、サトルと再会を果たす。この頃には、もはやシロが子犬の頃の面影を残さないほど、雄々しく成長するだけの歳月が過ぎていたため、対面してもお互いの事が判らなくなっていた。仲間を殺したサトルを倒すため、群れのボスとして一対一の決闘を挑み、あと一歩でサトルを殺せるというところまで追い詰めたが、間近で彼と対峙した事で相手がサトルである事に気付き、戦うことを止めた。そして、群れのボスの地位を降りることと引き換えに、サトルを怒り狂う群れの攻撃から守り抜いた後、つがいのメスと子供を連れ、別れを言うかのように遠吠えをして、感涙するサトルの前から去っていった。
- シロの母犬
- シロと一緒に行動していたシロの母犬。首輪をしており、かつて飼い犬であった。首輪を見たサトルは自分がかつて飼っていた「サリー」と言う名前の犬の首輪と同じなのでないかと、この犬は「サリー」ではないかと見ていた。最後は崖から落ちて死に、烏に啄まれていた。
- 男
- サトルが壊滅した東京で出会った男。サトルが震災後、2番目に出会った人間である。本名不明のためナレーションで「男」と呼ばれている。洞窟の中にいたため、東京の状況を知らなかったサトルに災害の経緯を教え、自動車の運転を教える。粗暴で猜疑心が強く、本人の回想から大地震の後、生き残った人々を次々と殺し、その人々の所持している金や宝石などを奪っていたことが分かる。また、サトルに対しても主従関係を求め、自分の指示に従わなかったり少しでも不穏な動きを見せると猟銃で威嚇し、食事を作らせるなどこき使う。最終的には東京を襲った地震に巻き込まれて命を落とす。
- トラ
- 壊滅した東京で食料となる獲物を求めて徘徊していたトラ。震災で動物園の檻が壊れ、逃げ出したものと見られる。壊滅した東京でサトルを獲物として付け狙い襲う。銃に対して恐れており、サトルが武器として持った鉄パイプが銃に見えた為、一時退却し、その後、サトルを襲うも猟銃を持つ男がサトルを助けに来た時も、銃で攻撃され逃げた。最後は空腹で餓死した。
- 志賀老人
- サトルが壊滅した東京で出会った老人。サトルが震災後、3番目に出会った人間である。失明しており、文明の崩壊に絶望して自殺をはかる。しかし、サトルに助けられ献身的な介護を受けて気力と体力が徐々に回復する。最終的には『男』の手によって瀕死の傷を負い、息を引き取るが、死に間際に絶望のままの死から希望を与えてくれたサトルに感謝の言葉を述べる。
- ロバート
- サトルが富士山に向かう途中で出会った米国軍人。壊滅状態になった日本を調査するためにペンタゴンから派遣された。実は将兵の数が足りず、非常召集されたただの一般人の学生である。アメリカではグレースという彼女がいたが震災で失ったようである。日本語を話すことが出来、それ故に日本調査に駆り出された。厭々調査に来ており、ロープを切断してサトルともどもウィリアムを殺そうともした。ウィリアムの死後はサトルと行動を共にし、生活を共にする中で彼と絆を結ぶ。しかし、一時的に目が見えなくなったサトルを置いていき、野犬(シロの親)に襲われ倒れる。その後、サトルが現れるまで生きており、うつ伏せに倒れ熱中症になっていた。しかし、仰向けになってサトルが水をとってくる間に、烏に啄まれ死亡。
- ウィリアム
- サトルが富士山に向かう途中で出会った米国軍人。ロバートの上官で英語しか話せない。サトルが逸れた後もロバートと共に調査を続けたが、火山弾が直撃して、苦しみのあまり自ら汚染されていると調査したはずの川水を飲んで死亡。サトルがロバートと合流した際には既に死骸は埋葬されていた。
- マリ親子
- 少女マリとその父親。他の人々と共に集落を築いていたがバッタの襲来で畑が全滅、さらに病気で次々と仲間が動けなくなり、自ら殺してもらい集落を捨て出て行った。マリの父親も病気で動けなくなった為、嫌がるマリを無理やり連れて行かせて父親は集落に残るが、マリは父親の元へ戻って来てしまう。サトルが来た時、マリは父親を殺しに来たと思いサトルを追い出そうとしていた。サトルと一時心を通わすも、壊滅した世界で絶望しかないと悟った父親は娘の将来を思い、無理心中する形で共に飛び降り自殺した。
- インコ
- サトルが旅の途中で一時、一緒に行動する事となったセキセイインコ。空腹だったサトルがセキセイインコの巣がある木からインコの卵と雛を食料として幾つか食す。そして腹を満たしたサトルだが、怪我した1羽のインコを見つけ食わずに助けた為、サトルの肩に乗り、サトルと一緒に行動する事となった。山中でサトルが大量のサツマイモが入った袋を見つけて取りに行こうとした時、その場所に毒性の硫黄臭が充満している事を本能的に察して、サトルに危険だと言う事を知らせた。最後は脱獄犯罪者のメンバーに捕獲され焼き鳥となって食われた。
- 脱獄犯罪者メンバー
- ご隠居を筆頭に行動している、ボスの ゲン(仲間からゲン兄貴と呼ばれている)ら9人の大人達。いずれも大地震で崩壊した刑務所から脱獄した犯罪者である。刑務所に逆戻りになることを防ぐため、またゲンが配下の者にでかい態度を取り続けるためにも、余計なことを言うサトルを始末しようとする。この時点で警察という機関は既に消滅していたが、彼らは大地震の後ひたすら潜伏していたためそのことを知らなかった。
- ボスのゲンは最後、ご隠居から奪った銃でサトルとご隠居を撃とうとするが、ゲンが引き金を引いた時、銃が爆破してゲンは死んだ。その銃はご隠居が自分の寝どころで長い期間、土の中に埋めて隠していた為、錆び付いて使えるか分からなかった。
- ご隠居
- 脱獄犯罪者メンバーの最年長者。ゲンたちに捕まって危害を加えられそうになったサトルを匿った。犯罪者だがサトルのこれまでの生活や見てきたことに耳を傾け、サトルがご隠居にも黙ってこの場を逃げ出そうとした時も仲間には嘘をついて庇った。サトルを崖から突き落とそうとした犯罪者メンバー1人が誤って崖から落ち死んだ時、犯罪者達から責められると思い、サトルと逃げ出そうと決意した。土の中に埋めて隠していた銃を持ち出し逃げるが、追いかけてきた犯罪者達に捕まる。また元々病気も患っていた為、最後は病死してしまう。
- 辰野
- 元プロ野球チーム「イーグルス」のピッチャー。プロ初勝利と完封をかけマウンドに立つが、悲願達成まであと1球というところで、巨大地震によりその夢が消えてしまう。その後何とか生きながらえ、仲間と共に村を作り1年掛かりで荒れ果てた大地を開墾していたが、当時流行していたインフルエンザに似たウィルスにより仲間全てを失う。1人になってしまったものの、その強い精神力から仲間の遺志を受け継ぎ、畑を耕し大根やジャガイモを育てていたところにサトルが訪れる。
- プロ野球で鍛え上げられたどんな逆境にも負けない精神力、ウィルスにも負けない体力、敵をも快く受け入れた包容力と、劇中ではサバイバル生活に最も適応力のある人物として描かれている。サトルをもってして「俺に兄貴がいたらと想像したらまさに辰野さんこそ理想」と言わしめたほどである。
- 東京流民メンバー
- 東京からやってきた生き残りの30人の大所帯。辰野が開墾した畑の作物を盗み、さらに後日畑を手に入れようと勝手な交渉を作り出し、それに辰野が応じなかったため畑を手に入れるため辰野とサトルを襲撃した。しかし、辰野の仲間達がかかった悪性のウィルスにかかり全滅してしまった。
- 小見山晴彦
- 廃墟化したトンネルで助手の瀬川と共に暮らしていた地球物理学者の博士。かつてはT地震研究所長で、地震予知連絡会議の会員でもあり、大地震の地殻大変動を6ヶ月も前に予知していた。しかし、その説があまりにも規模が大き過ぎた為、学界からも信用されず、週刊誌などでも笑いもののネタにされ、本人も自分が予知した地震の規模が計算上あまりにも大きかった為、驚きとショックで錯乱していた。サトルの家族と出会っており、足を怪我していたところ、杖代わりにと、ピッケルを貰っていた。
- 瀬川
- 小見山の助手。博士の面倒をずっと見ており、トンネルではナメクジや蝙蝠、シイタケなどを食していた。瀬川いわく廃墟化したトンネルには260日間住んでいる。
- カー公
- サトルがロープウェイ乗り場で出会った人懐こいカラス。当初サトルに邪魔扱いされるもサトルがハングライダー造りをしている時、サトルの側に近付き見守っていた。またサトルも次第に馴れ餌を与えていた。サトルがハングライダーで飛んだ際、一緒に飛んでいた。
- 和夫、祖父(松じい)
- サトルが辿り着いた、村の少年とその祖父。村付近の野山でウサギ狩りをしていたところ、サトルと出会って友人となり村に連れて来た。祖父は弓矢作りの名人で、サトルも精密さに驚いていた。
- 火守りじい
- 和夫が住む村の住民。山火事が起きた時、向かい火で火を消そうとしたり、種火の達人である。
- さつき、神主
- 和夫が住む村の娘とその父親である神社の神主。娘のさつきは父親の神主により、無理矢理、大地震を予言した生き神様とされ、村人達から崇められていた。村に辿り着いたサトルを神主は災いをもたらすと村から追い出そうとするが、さつきはサトルが村に居座る事を認めたり、サトルを好意に思っていた。
- サブ
- 和夫が住む村の男。神主の右腕的な感じで手を組み、村人達を仕切っていた。サトルを風来坊呼ばわりしていた。卑怯で嫌な性格しており、和夫の祖父から、心がひん曲がっていると言われていた。山火事の際は食料を持ち去り逃げようとするが、荷物が重すぎて川に転落し、溺死した。
- シゲオ、ユウジ
- 双子の兄弟の少年。シゲオは知性タイプの少年で、双子の兄のユウジは正反対で、行動力のあるタイプの少年。ユウジとシゲオは仲が悪く、シゲオは廃墟化した学校で洋子と3人の仲間の少年と暮らしていたが、ユウジはシゲオとは別行動し、6人の仲間の少年と穴倉で暮らしていた。湖付近の町が大地震の影響で町が陥没した際、シゲオや洋子達は陥没しなかった学校にいた為、助かった。ユウジ達は町が消えた事も知らずに、たまたま隣町に遊びに行っていた為助かった。その為、シゲオはユウジを憎んで嫌っており、ユウジもシゲオ達の事を嫌っていた。ユウジは草むらでの弓矢対決で、ユウジから親分の座を奪い取ろうとした少年と対決した時、弓矢で殺している。崩れ落ちそうな廃墟化した学校は川の氾濫で飲み込まれ崩壊するが、その際、シゲオも巻き込まれ川に落ち溺れたが、洋子からその事を聞かされたユウジは知らんぷりし、助けに行こうとしなかった。しかし万事休すの処、ユウジが駆け付け川に飛び込みシゲオを助けた。その後、シゲオとユウジは和解し、シゲオ達とユウジ達は協力し合って一緒に生きていこうと決めた。
- 洋子
- シゲオ達と廃墟の学校で暮らしていた少女。裏切ったオサムの行方の事が心配で、シゲオと対立するユウジ達のテリトリーに入って、ユウジの仲間が仕掛けた罠に掛かって身動きが取れなくなっていたところを、サトルに助けられた。
- ツネ
- サトルの家族が暮らしていた村の男。父(岩造)母(セイ)と妹がいる。サトルの父とは仲が良く、友情の印としてサトルの父が大事にしていた時計を貰い、宝物にしていた。
サバイバルで使われた道具・グッズ・食料
ワイド版 1巻
- Danger1
- キャンプに来ていたサトルが持っていた初期装備。
- Danger2
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- カメラのフィルム - 火おこしに使われたが一回ですべてを使い切ってしまった。
- 魚 - Danger1の最後で捕らえた魚。
- Danger3
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- 鳥 - 偶々投げたい石が当たり捕らえることが出来た。
- 蛇
- Danger4
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- 魚の開き
- 鳥の干し肉
- 竹で作った弓矢
- 折れ釘で作った釣り針
- 竹で作った釣竿
- パンツのゴムで作ったウキ
- Danger5
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- ノコギリ・金槌・ナタ・食器・なべ - 海に沈んだ家から集めた道具。
- 英語で書かれたサバイバルブック - 燻製の作り方や、シェルターの作り方、投擲武具などについて書かれてあった。
- Danger9
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- 海底で拾ってきたフォーク - 火で炙って傷口の消毒に使われた。
- フグ
- Danger11
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- 崖を利用して作った新しい住居
- Danger12
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- アキコが乗ったボート
- アキコが持ってきたコーヒー
- アキコが持ってきた米
- アキコが持ってきた缶詰 - しばらく食料の主力となる。
- Danger13
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- アキコの古着 - サトルが着ることになるハートの刺繍の入ったセーター。
- Danger15
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- ドラム缶風呂 - ただし、これを作るためにナタが使い物にならなくなった。
ワイド版 2巻
- Danger1
- Danger6
- Danger7
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- 野草 - 体調を崩したアキコのためにサトルがその身を持って毒の有無を確かめ薬草として確保した。
- Danger8
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- イカダ - アキコの死を契機に島を捨てる事になったサトルが作ったもの。
- Danger11
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- 自転車 - 東京へ向かうことを決意したサトルが修理した。
Another story
連載時は物語中盤の出来事とされていたが、世界的な地殻変動による巨大地震という物語全体の背景に対し、本作はその影響をまぬがれた閉鎖的な環境という異質な舞台設定になっているため、リイド社からの刊行時に本編とは別の番外編として扱われるようになっている。
あらすじ(番外編)
サトルが辰野と別れて2週間後、旅の途中に川で溺れている男の子を助けようとしたサトルは自分も溺れ、意識を失ってしまった。目覚めるとそこはとある医院家族の家で、窓の外には地震があったことが嘘のように家々やビルが立ち並び、多くの明かりが灯っていたが、人間の息遣いが聞こえない街であった。
登場人物(番外編)
- ミキ
- 愛川家の長女。少女ながらサトルに危険が及びそうになると一緒に逃げたり、自分が身代わりになるなど優しい性格。
- 学(まなぶ)
- 愛川家の長男でミキの弟。おじいさんを探しに来て誤って川で溺れていた所をサトルに助けられた。
- 愛川家の人々
- 開業医を営む愛川氏とその妻、及び祖母。学の命の恩人のサトルをしばらく家に匿った。医者で市長の診察をしているため比較的豊かな生活をしている。
- 数日前まで祖父も一緒に暮らしていたが、60歳の誕生日を迎えた為、市長の政策により「地方」に追放されてしまっている。
- 浮浪者の男
- 寺のお堂の下に暮らしていた中年男。サトルが治安局に追われて偶然逃げこんだ寺で出会った。名前は不明だが、サトルから「おじさん」と呼ばれていた。当初はサトルが持っていた食券目当てに接したように見えたが、最終的にはサトルと行動を共にし味方となる。治安局に見つかり、サトルと一緒に地熱発電所を動かす為の労働者としてQ地区で強制労働をさせられていた。サトルと一緒に強制労働の場から脱獄をしたり、市長を倒す為に市民達を立ちあがらせて反乱を先導するなどの活躍を見せる。反乱の成功後は、街の住民達にみんなの力で街を作り直していこうと先頭に立ち演説していた。
- パン泥棒の少年
- 腹を空かして、ある男のパンを盗んだ為、追われていた少年。謝って許してもらう様にサトルに説得されるが、食い物泥棒は人殺しより罪が重いと言われる。治安局に捕まるも隙を見て逃亡した。
- 地下街の労働者
- 街の地下街の工事現場で働かされていた5人の男達。ちょっとした事が原因で罪人となり、地下街造りの為の工事現場で労働者として働かされていた。治安局に追われるサトルとミキが地下街に辿り着いた時、サトルとミキを治安局の言う事を無視して匿った。最後は地下街の工事現場が崩落して犠牲となった。
- 市長
- 街を治める人物。元は地熱発電所の所長。地熱発電所と街があった廃墟の跡地に集落が出来た時、街を再建し人々に再び文明的な生活を与えるとして市長になった。しかし、増え続ける人口に食料が追いつけないと言う理由で、老人は働けないからと地方へ追い出したり、よそ者や働かないあるいは働けない者を犯罪者として連衡し、街作りの為に強制労働させたり、独裁的な政治を始める。
- 肥満体で、愛川氏によると食事制限しないと命に関わるとのことだが、好きなものを好きなだけ食べる生活を送っている。
- 市庁を建て、そこに根城に街を治める。自分の銅像も造っている。本人は地震前のような文明人の生活の場を与えた功労者だと自負しているが、市民に厳しい生活を強いているため独裁者として恐れられている。最後は市民の反乱で倒され、市庁も燃やされた。
- 秘書
- 街の市長の右腕的な秘書を勤める男。市長に忠実でいつも市長に寄り添い一緒に行動している。市民の反乱が起きた時、市長と食料を持ち去り、市庁から逃げようとするも、市長に逆らって逃げようとする。最終的には市長と一緒に市民に倒された。
- 治安局
- 市長の部下達。軍服姿の服装をし、棍棒や鞭で武装し、馬にも乗る。市長の命令で、街の見回りや、住民の監視をしたり、強制労働者の見張りなど、秘密警察の様な事をしている。
街の様子など
- 街全体は高い塀によって外の地域とは遮断されており、外の地域は「地方」と呼ばれている。
- 元々はサトルが『サバイバル』本編で見てきた他の地域と同じく廃墟だらけだったが、市長の力により復興した。
- 市長が建てた市庁を根城に街を治めていた。市庁には全市民の名簿が分かる市民台帳から、食料品や医薬品や衣類など、市民の生活に必要な品が、全て保管されていた。最後は市民の反乱により、市庁が襲われ、強奪の末、燃やされた。
- 市民の食事や服は「配給キップ」「衣料キップ」によって交換するという方法で、市長は愛川医院で診察を受けて代金としてこれらのキップで払っている。食べ物が多くないためチョコレート1欠は、ダイヤモンドより貴重とされている。
- 公園の広場には市長が造った市長自身の銅像がある。
- 郊外に地震の被害の影響を受けずに済んだ地熱発電所があり、街の電気はその地熱発電から賄われている。地熱発電を動かす為、それぞれの地区で強制労働者が働かされていた。
ルールなど
- 生き残った人々が集まって街となったが、人口増加に伴い貴重な食料を賄うため厳しいルールができあがった。また、治安局(警察のようなもの)と呼ばれる人間たちが市民を取り締まっており、人々は怯えている。
- この街では殺人よりも食べ物泥棒が重罪で、捕まると死刑や強制労働などの重い罰が与えられる。強制労働になるとと地熱発電を動かす為のある工事現場に連れていかれ辛い仕事を課せられる。
- 街の市民だと証明する身分証がいる。身分証を持ってない者は街に居る事を認められない。
- 夜の外出や犬、猫などを買うことなどが禁止されている。また薬品の数も限られているため、診察許可証がない者に対して診察を行うのは規則違反となっている。
- 毎月15日になると60歳の誕生日を迎えたものは「地方」に出されることになっている。
〜少年Sの記録〜
『サバイバル〜少年Sの記録〜』のタイトルで、マンガボックスにて2015年4月から連載中。原作はさいとう・たかを、作画は宮川輝[1]。
主人公の鈴木サトルがハイキング中に遭難した時点でスマートフォンや携行食を所持しているなど、連載開始当時の現実を反映したアレンジが施されている。
単行本
- 少年サンデー・コミックス(小学館) - 全22巻。現在は絶版。
- 文庫版 - 2001年6月 - 10月、リイド社から発売。
- 日本壊滅 (ISBN 4845821362)
- 寒波襲来 (ISBN 4845821370)
- 東京全滅 (ISBN 4845821389)
- 飢餓都市 (ISBN 4845821397)
- 富士噴火 (ISBN 4845821400)
- 炎天地獄 (ISBN 4845821419)
- 猛獣来襲 (ISBN 4845821427)
- 疫病流行 (ISBN 4845821435)
- 地殻異変 (ISBN 4845821443)
- 地球転生 (ISBN 4845821451)
- Another story (ISBN 4845821524)
- ワイド版 - 本編全6巻、Another Story(全1巻)