キクラゲ

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キクラゲ
Auricularia auricula(Bull.) J.Schröt.
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
: 異型担子菌綱 Heterobasidiomycetes
: キクラゲ目 Auriculariales
: キクラゲ科 Auricularaceae
: キクラゲ属 Auricularia Bull. ex Mérat
: キクラゲ A. Auricula (Bull.) J.Schröt.
学名
Auricularia auricula (Bull.) J.Schröt.
和名
キクラゲ
英名
Jew's Ear Fungus
キクラゲ(Jew's ear, (pepeao), raw)
100 gあたりの栄養価
エネルギー 105 kJ (25 kcal)
6.75 g
0.04 g
0.48 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(0%)
0 µg
チアミン (B1)
(7%)
0.081 mg
リボフラビン (B2)
(17%)
0.204 mg
ナイアシン (B3)
(0%)
0.07 mg
パントテン酸 (B5)
(40%)
1.99 mg
ビタミンB6
(7%)
0.088 mg
葉酸 (B9)
(5%)
19 µg
ビタミンB12
(0%)
0 µg
ビタミンC
(1%)
0.6 mg
ビタミンD
(0%)
0 IU
ミネラル
ナトリウム
(1%)
9 mg
カリウム
(1%)
43 mg
カルシウム
(2%)
16 mg
マグネシウム
(7%)
25 mg
リン
(2%)
14 mg
鉄分
(4%)
0.56 mg
亜鉛
(7%)
0.66 mg
マンガン
(5%)
0.101 mg
セレン
(16%)
11.1 µg
他の成分
水分 92.59 g
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)

キクラゲ木耳学名Auricularia auricula-judae )は、キクラゲ目キクラゲ科キクラゲ属のキノコ。春から秋にかけて、広葉樹ニワトコケヤキなどの倒木や枯枝に発生する。主に中国日本韓国などの東アジアで食用とされている。

日本では、従来A. auricula (Hook.) Underw.という学名が用いられていたが、実際には上記の学名が優先権を持つことが判明した[1]

特徴

属名はラテン語の「耳介」に由来する。種小名は「ユダの耳」で、ユダが首を吊った木からこのキノコが生えた、という伝承に基づく(英語でもほぼ同様に「ユダヤ人の耳」という)。

形は不規則で、円盤状、耳状など変化に富む。背面の一部で枯木に付着する。子実体はゼリー質でやや半透明、背面は粗毛で白く、表面は暗褐色で滑らか。乾燥すると小さく縮み、湿ると元に戻る。味はなく、名前の通りクラゲを思わせる歯ごたえが特徴。

アラゲキクラゲが南方系なのに対し、キクラゲは北方系のため、アラゲキクラゲよりも少し低い温度で発生する。

類似のキノコ

キクラゲ科キクラゲ属
シロキクラゲ科シロキクラゲ属

食用

一般にキクラゲと言うとシロキクラゲ科シロキクラゲ属も含んだキクラゲ類の総称で、主に乾燥品として流通している。

黒いキクラゲは中華料理豚骨ラーメンの具としてもおなじみで、主に炒め物酢の物刺身チゲナムルなどに用いられる。精進料理普茶料理でも多用され、それから変化した大分県中津市和菓子巻蒸にも使われている。

シロキクラゲは、主に中華料理のスープの具や、砂糖の汁で煮たデザートの具として使われる。

乾燥品は食べる前に水かぬるま湯で戻し、石突き(根本)部分を切り落とす。中国の市場では、すぐに使えるように水で戻したキクラゲも売られている。

栽培

中国、台湾、日本、ベトナムなどで仲間のアラゲキクラゲなどと共に広く、ほとんどが原木で、一部では菌床で栽培される。害菌抵抗性も高く、原木栽培は比較的容易。生育温度が 18~23℃程度であるため、菌床栽培では種菌接種から蔓延開始までの期間は、害菌に汚染されないための管理は重要。

原木栽培
  • 原木伐採は休眠期(11~3月)に行い、数ヶ月の乾燥の後、種菌を接種する。
  • 排水良好な、直射日光の当らない、散水管理が可能な林地に伏せ込む。
  • 発生は、接種年の 7月下旬頃から始まり、翌年は春から降雨の都度発生する。
  • 3~5年程度継続。
菌床栽培
  • 基材:広葉樹オガクズ
  • 栄養材:ふすま砂糖石膏、過リン酸カルシウム、大豆粉、コメバガス(さとうきび搾りかす)、ライムケーキ(てん菜糖の搾りかす)など。生産地によって異なる。
  • 培地含水率:65%程度に調整
  • 培養期間:1ヶ月程度。
  • 原基形成開始後、10日程度から収穫可能。年間3~6回転。

原木に生えた状態の子実体は軟らかく破れやすいので、収穫は慎重に行う。いったん乾燥させてしまえば丈夫になる。

外部リンク

参考画像

脚注

  1. ^ 今関六也大谷吉雄本郷次雄他・増補改訂新版『山溪カラー名鑑 日本のきのこ』P.534(山と溪谷社、2011)

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