ガシャポン
ガシャポン(GASHAPON)は、バンダイが製造販売しているカプセルトイの一種であり、同社の商標および商品名。
概要
カプセルトイは他にも様々な会社が製造販売しており、ガチャポン・ガチャ・ガチャガチャなどの通称で呼ばれているが、「ガシャポン」はバンダイが商標登録を行い(日本国、商標登録第1756991号ほか)使用している名称である。そのためかグループ会社のバンダイナムコエンターテインメントも、一般的によく使われるゲームのいわゆるガチャ(アイテム課金)のことを「ガシャ」と呼称している。なお「ガチャ」及び「ガチャンコステーション」は株式会社タカラトミーアーツが登録(第4106448ほか・4763676号(こちらは権利消滅))している。
バンダイのカプセルトイ市場参入当初から「ガシャポン」だったのではなく、商標登録以前には「SDガンダムワールド ガチャポン戦士」等、バンダイの商品でも「ガチャポン」表記例が見られた。
バンダイのガシャポンに限らず、他社製のガチャポンを含めたカプセルトイは、駄菓子屋やコンビニエンスストア、スーパーマーケット、レンタルビデオ店、アミューズメント施設、地下鉄の一部路線内通路などに設置されており、場所によっては一箇所に複数台の販売機器が置かれている場合が多く、2000年代以降になるとカプセルトイ専門店も登場している。また、多くのキャラクター版権を持っているバンダイは、映画館で上映される作品と連動する発売タイトルをリリースし、劇場(映画館)に置かれたカプセル筐体で先行販売されることもある。東京スカイツリーやガンダムベース東京[1]などのランドマークや、ちゃおスタイルショップ、戦国甲冑を取り扱うグッズショップ専売タイトルなども存在する。
コンビニエンスストア・セブン-イレブンの店頭でベンダー機を使用せず、中の見えない色つきカプセルに商品を封入し手売り販売をする方法として「ガチャボックス」を2001年に開始(なお、ガチャボックス自体は玩具メーカー5社が共同で行っている販売方法で、バンダイ特有の販売形式ではない)。その後バンダイはガチャボックスリリースを2007年で終了し、2013年から「カプセルポン!」という擬似ベンダー機の様な厚紙製の専用の箱を使い、カプセルベンダーと同じ商品タイトルをコンビニエンスストアで手売り販売する形式を開始。カプセルベンダー筐体数の制限があり人気商品タイトルが行き渡らない地方への商品提供を、コンビニ流通に乗せるという方法も開始している。
歴史
バンダイがカプセルトイ市場へ参入したのは、アメリカで誕生したカプセルトイ(カプセル自動販売機)が日本に初輸入された1965年から12年後の1977年(昭和52年)である[2]。
同様の販売形態を持つ物として、バンダイが1988年に投入したトレーディングカード用の「カードダス」カード自動販売機も存在する。
2006年にはバンダイがエポック社のカプセル及びカード自動販売機について、特許権侵害で提訴した。その後2007年に特許の侵害が認められて、製造・販売の禁止と損害額の支払いが命じられている。2008年5月8日にエポック社の上告が棄却されて、バンダイ側の勝訴が確定している。
2008年には、カプセル誤飲事件を受け、カプセル自体に「穴を複数あける」「注意を促す刻印をカプセルに施す」「直径31.8 mm以下のカプセルを使用しない」などの基準見直しと共に、環境資源も考慮した「⌀50カラーカプセル」を多用しはじめた。
上記の様に環境的配慮を含めたカプセル自体の開発にも以後取り組むようになり、カプセルの上下がつながって構成されているものなどを2012年頃から各サイズ導入し始める。
そして2014年、烈車戦隊トッキュウジャーの「トッキュウレッシャー」発売に合わせ、長さ約10 cmの筒型カプセル「ガシャポンカン」を新規格として採用。ジュース缶を連想させる特殊な形状は、烈車のみならずデータカードダスやなりきりグッズ、人型のフィギュアなども分解せずに梱包できることも想定しているという。そのカプセルの形状ゆえにカプセルベンダー以外の運用も可能なため、コンビニ店頭での販売もでき販路の拡大に寄与している。
2021年1月には500円硬貨投入が可能で最高額2,500円(500円4枚、100円5枚迄)を上限としたカプセルトイ自販機『プレミアムガシャポン』を発表。カプセル径も従来の最大75 mmから最大80 mmとなる[3]。
2022年2月には最大A4サイズの平面商材が販売可能なガシャポンステーション専用オプションケース『フラットガシャポン』を導入[4]。
封入されている玩具の変遷
カプセルトイの封入されている玩具は、かつてはカプセルトイ草創期のメーカーである日商貿易やコスモスなどの製品にみられたような幼稚園から小学校の子供を対象とした物が主であり、バンダイの製品もキン肉マン消しゴム(キン消し)、SDガンダム消しゴム(ガン消し)などが作られていた。主として使われる素材はダイキャスト → プラスチック → 塩ビ / PVC(同じ“塩ビ”でも最低3度の素材変更が確認出来る)の推移で変わっているが、その時代の低コスト素材を使っているという台所事情も現している。
バンダイのガシャポン自体を現在の知名度に上げた代表的な商品にガシャポンHGシリーズがある。1994年のウルトラマンを皮切りに販売が開始され、造形・彩色が話題となり、子供のみならず大人も巻き込みヒットした。その後、ガンダムや仮面ライダーシリーズをはじめ、ドラゴンボール(無印・Z・GT・改)、スーパーロボット、ゴジラ、(正確にはHGシリーズではないが)セーラームーン、ポケットモンスターなど数々のシリーズを展開する大ヒット商品となった。また、俗にいうオタク向け商品なども増えていく。後にブランド名をHGIFやHGCORE、DGシリーズなどに変更し継続されていったが、2010年代以降から現在はリアルフィギュアシリーズのリリースは停滞気味になっている。
現在の主なシリーズ商品
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過去の主なシリーズ商品
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シリーズものではなく、(結果として)単作なものでシリーズ展開予定だったものや、カプセルを使わないもの等、試験的に発売したタイトルが存在する(例:HGワールドなど)。
脚注
注釈
- ^ 交通系ICカードなどに対応したキャッシュレス筐体。2020年6月から専用タイトルが発売されている
- ^ namcoアミューズメント施設に設置された筐体のみで回せる。最強ジャンプ誌に付属したコードを使用して可能になる場合もある
- ^ 専用ゲーム筐体に併設されたゲーム用データを内蔵した駒。SDガンダムのみが発売。
- ^ 主に東京ガリバー松戸店をメインにバンプレストのアミューズメントスポットに特製大型ベンダー機を設置(地方巡業)させていた。
- ^ セブン-イレブン専売手売カプセル
- ^ コンビニセブンイレブンや量販店での販売。価格帯は不規定
- ^ 数か月期間不定期リリース
- ^ 専用ゲーム筐体。ゲーム内で勝利するなどすると特別なゲームチップ封入ガシャポンが回せるようになる
出典
- ^ gundambase_tのツイート(1023477264497827840) 2022年6月20日閲覧。
- ^ 出典:『電撃オンライン - 今年はガシャポン40周年。販売機、カプセル、商品の進化の軌跡がココに!』
- ^ 最高2500円のカプセルトイも バンダイが新型自販機で「プレミアムガシャポン」展開 第1弾は「鬼滅の刃」 itmedia news 2021年1月14日
- ^ バンダイ「ガシャポン」は、今年で45周年 ガシャポンなのに丸くない!? ガシャポン初の平面マシン登場 『フラットガシャポン』2 月第 3 週より順次、全国約 1,500 店舗に導入開始 PR TIMES 2022年2月1日