正確には“大滝詠一&FIOLD 7”名義の作品。オリジナル盤のクレジットでは“大滝詠一 / Fiord 7 / NIAGARA FALL OF SOUND ORCHESTRAL”名義になっている。
『B-EACH TIME L-ONG』の対になる作品として発表。しかし、ベスト盤を連続して2枚発売すると言う事態を避けるために当時はお蔵入りとなり、宣伝盤としてリリースされたのみに終わった。本来ならば宣伝盤は一定の貸し出し期間が終了すれば返さなければいけないはずなのだが、どこかから中古市場に流出し、非常に高値で取引される事態となった。
『Sing A LONG VACATION』[注釈 1]に未収録だった「さらばシベリア鉄道」のインスト版(鈴木茂のソロによるギター版)。少し長いバージョンが「FIOLD 7」名義でシングルリリースされていた(カップリングは大浜和史のソロによるオルガン版)。このシングル盤はCBS・ソニーレーベルの洋楽扱いでリリースされ、当初はジャケット裏に「FIOLD 7」を「フィンランドのヘルシンキから約500m北のヒリンサルを活動拠点とするローカルバンド」と設定し、鈴木に「地元のスーパーでアルバイト中に大滝の『さらばシベリア鉄道』を聴き、その哀愁味をおびた北欧調のメロディーが気に入り、さっそく自分達のレパートリーに取り上げた」バンドリーダーの「ウーシコウプンキ・シーゲル」、大浜に「少年時代に聖歌隊で活躍した」ネイティブ・アメリカン系北欧人オルガン奏者の「ハマオ・ズーシカ」という変名とプロフィールを設定した「亀妻義郎」名義の執筆者(おそらく大滝の変名)によるフィクションの解説を掲載予定だったが、CBS・ソニー側から「嘘を載せるのは良くない」と指摘され、掲載を見送った結果、ジャケット裏は発売元の記載のみとなっている。2番部分がエディットされており、フル・ヴァージョンではない(これは、「NIAGARA CD BOOK 2」に収録のヴァージョンでも同じである)。従ってこのフル・ギター・ヴァージョンはCD化されていない(オルガン・ヴァージョンは『NIAGARA CD BOOK 2』に収録)。
RIAS – (3:59)
AURORA – (3:02)
TUNDRA – (3:03)
LAKE SIDE STORY – (4:52)
ギター・ソロによるインスト曲が足りなかったため、『NIAGARA SONG BOOK 2』用のストリングス・アレンジによるこの曲で穴埋めされた。これを大瀧は「アルバムとしてのバランスが悪いものになった」と市販盤で解説している。
『NIAGARA CD BOOK II』(12CD:SRCL 8700~11)の中の一枚、新規リマスター音源。白レーベル。オリジナルのプロモ盤に忠実な内容となっているが、「木の葉のスケッチ」は市販盤収録のバージョンに差し替えられ、「うれしい予感」はレア・トラック集『Niagara Rarities Special (NIAGARA RARE MASTER SERIES Vol.6)』に収録された。