クリエイティブ・コモンズ
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| 創立者 | ローレンス・レッシグ |
|---|---|
| 団体種類 | 非営利団体 |
| 設立 | 2001年 |
| 所在地 | カリフォルニア州サンフランシスコ |
| 主眼 | 合理的な著作権利用の拡大 |
| 活動手段 | クリエイティブ・コモンズ・ライセンス |
| ウェブサイト | http://creativecommons.org/ |
クリエイティブ・コモンズ (Creative Commons、以下「CC」) とは、ウェブ上で行われているプロジェクト、またそれを実施する非営利団体で、法的手段を利用して出版物の創造、流通、検索の便宜をはかるものである。利用される法的手段にはパブリックドメインやオープンコンテントによるライセンスがある。また、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスというライセンスも定義している。
目次 |
[編集] 概要
情報を共有しようとすると、知的所有権法や著作権法が障害になる場合があるが、この運動の基本的なねらいは、そのような法的問題を回避することにある。
これを達成するために同プロジェクトは、著作権者が作品のリリースにあたって無料で利用できるようなライセンスのプロトタイプを作成、提供し、作品がウェブ上で公開される際に検索や機械処理をしやすいようなRDF(XML)によるメタデータのフォーマットを提案している。
著作権を全て留保する"All Rights Reserved"と、いわゆるパブリックドメインである"No Rights Reserved"の中間の"Some Rights Reserved"が、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスが規定する領域である。
発起人は、ローレンス・レッシグを始め、知的所有権問題、インターネット法などの専門家を多く含む。
ライセンス(Licence)は文書、動画、音楽、写真など多様な作品を前提としている。ただし、ソフトウェアについては既にGPLなどが存在することから特に対象としていない、としている。
ネットワーク上でのリソースの流通に寄与する活動が認められ、2004年アルス・エレクトロニカ賞を受賞した。
[編集] ライセンス
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスでは以下の4項目についてそれぞれ採否を選択する。 (詳細は外部リンク先記事を参照)
- 表示(Attribution)
- その作品の利用に関しての著作者の表示を求めるか
- 非営利(Noncommercial)
- 非営利目的に限ってその作品の利用を認めるか
- 改変禁止(改変の禁止)(No Derivative Works)
- その作品をそのままの形でのみ利用を認めるか
- 継承(同様に共有)(Share Alike)
- その作品につけられたライセンスを継承することを求めるか
以上のうち、改変禁止と継承は同時に採用できない。また、すべてを採用しないことはできず、2.0以降のバージョンでは、表示を採用することが必須条件となる。従って、実際にあり得る組み合わせは次の通りである。
- 表示(CC BY)
- 表示-改変禁止(CC BY-ND)
- 表示-継承(CC BY-SA)
- 表示-非営利(CC BY-NC)
- 表示-非営利-改変禁止(CC BY-NC-ND)
- 表示-非営利-継承(CC BY-NC-SA)
2.0未満のバージョンでは次が加わる。
- 改変禁止
- 継承
- 非営利
- 非営利-改変禁止
- 非営利-継承
なお、これらの訳語は、2006年11月29日にクリエイティブ・コモンズ・ジャパンによって変更されたもので、それ以前は、「表示」は「帰属」、「改変禁止」は「派生禁止」、「継承」は「同一条件許諾」と訳されていた。[1]
[編集] 使い方
[編集] CCで作品を発表する
[編集] CCの作品を引用する
すべてのCCライセンスに適用される通則は、次の通りである。
- 著作権表示:CCの文面かURIかライセンス標識、および(原作者が放棄していないかぎり)すべての著作権を表示する。
- 統合:統合する別の原作がCCである必要はない。
- コピーガードを咬ませてはならない。
- 免責事項を維持する。
- 将来の新CCライセンスでの認可を、甘受する。
この他、GFDLのように、ウェブに公開する必要はない。例えば、CCの紙面で発表した論文をウェブに置かねばならない義務はない。
次に、それぞれのライセンスで必要とされる作業を述べる。
- (帰属の)表示(BY)
- 次の項目を、任意の合理的な方法で提供する[1]。直近とそのひとつ前の原作の(1)著作者名[2]、(2)後援団体名[3]、(3)作品名、(4)URI[3]。(5)謝辞[4][3]。
- 非営利(NC)
- NCを含むCCライセンス作品は、営利以外の目的に限って引用できる。
- 改変禁止(ND)
- NDを含むCCライセンス作品を著作権法の定める狭義の引用の範疇を超えて引用する際は、一切の改変をせず、一言一句変えずに引用する。
- 継承(SA)
- CC BY-SA等、原作と同じライセンスの下で無断利用されることを甘受する[5]。また、その旨表示する。
なお、日本国内の作品であれば著作権法の定める狭義の引用の範疇であれば、あるいは米国[6]やイスラエル国内の作品であればフェアユースの範疇であれば、以上の作業は必要ない(出所の明示等、著作権法の定める作業は必要)。
[編集] 活動の経緯
クリエイティブ・コモンズは2001年に設立された。翌2002年12月、プロジェクトの最初の成果として4つの選択肢を複合して11種類のライセンスを発表した。
日本、フィンランド、ブラジルなどで既に同様の活動が始まっている。
2004年3月、クリエイティブ・コモンズはバージョン2を発表した。 同時にクリエイティブ・コモンズのライセンスと他のライセンスとの混合の試みも始められている。 2007年2月にはバージョン3が発表された。このバージョン3においてはUSライセンスからの総括的な分離、著作者人格権の扱いと言語の問題などの改善が行われた。[2]
[編集] クリエイティブ・コモンズ・ジャパン
2003年6月にはクリエイティブ・コモンズ・ジャパンが発足。これは上記のライセンスを日本の法体系に即したものにすることを目的としたインターナショナル・コモンズ(iコモンズ)の一環である。同時にクリエイティブ・コモンズ・ジャパンもiコモンズの一環として日本語版を発表した。
2007年7月25日、NPO法人化。現在の代表は中山信弘・東京大学名誉教授。
2008年6月18日の知的財産推進計画改訂においては、クリエイティブ・コモンズの取組促進が明記された。
[編集] 受容と利用
クリエイティブ・コモンズのプロジェクトとしての目的は、提供するライセンスを利用する著作権者が増え、それによって様々なコンテンツの利用が促進されることにある。
英語圏ではクリエイティブコモンズで提供しているライセンスを利用した比較的大きなプロジェクトが幾つか存在しており、コンテンツの公開を行っている。例えば次のようなものがそれにあたる。
- マサチューセッツ工科大学(MIT) のオープンコースウェア
- OYEZ - 最高裁判所の口頭弁論のオーディオファイル
- Openphoto.net/flickr - 写真のアーカイブ
また、イギリスのBBCは所有する作品をクリエイティブコモンズのライセンスを利用してウェブ上で公開、P2Pソフトなどを使ったファイル交換にも利用できるようにする予定であることを発表した。
他に、commoncontent.org には同ライセンスを利用しているサイトや作品のディレクトリがある。
日本ではアメリカにおけるライセンスの発表と共にネット上で紹介が行われ、クリエイティブ・コモンズ・ジャパンが発足してからは研究者による論考も出て来たが、日本の法律に即した日本語のライセンスがまだ開発中であることもあってか、必ずしも大掛かりなプロジェクト、コンテント・アーカイブなどは存在していない。
また、最近になって日本では、ライセンス利用者の比較的多くを占めると言われるブログ系のページで、他のサイトなどから転載した画像などがページ上に掲載されていることがあり、にも関わらずページ全体をクリエイティブ・コモンズのライセンスでリリースしていることが指摘され、議論を呼んだ。
日本語版ウィキニュースが、記事をクリエイティブコモンズ-表示-2.5で提供しているほか、2009年6月からは、ウィキペディアなどその他のウィキメディア・プロジェクトでも、クリエイティブ・コモンズ 表示-継承ライセンス 3.0が採用されている。
[編集] 関連記事
[編集] 脚注
- ^ GFDLのように、複製物の各々に物理的に添付せずともよい。
- ^ GFDLのように5人表示する必要はない。
- ^ a b c 明示されている場合は必須
- ^ 最初の原作者から翻案に寄せられたもの。
- ^ CC BY-SAをCC BY-NC-SAとする等、ライセンスを厳しくすることは可。逆に、CC BY-NC-SAをCC BY-SAにする等、緩めるのは不可。
- ^ 米国連邦政府 (1976), “107. Limitations on exclusive rights: Fair use”, An Act for the general revision of the Copyright Law, title 17 of the United States Code, and for other purposes 2009-05-24 閲覧。
[編集] 外部リンク
[編集] 情報サイト
紹介、リンク集、および英文資料の和訳などが提供されているサイト(又はサイトの一部)を以下に挙げる
- Mat creative commons日本語情報
- 結城浩 「クリエイティブ・コモンズ 関連文書の日本語訳」
- (2003年1月からのウェブログの和訳などもある。)
- 神崎正英 「クリエイティブ・コモンズのメタデータ」
[編集] 案内記事
既に挙げたものの他に、以下の文章はクリエイティブ・コモンズについての入門、紹介文章として頻繁に言及される。
- 荒川靖弘 「クリエイティブコモンズについて」 2003年1月
- 長野弘子 「共有することから生まれた「クリエイティブ・コモンズ」~デジタル時代にふさわしい著作権のかたちとは?~」『OCS NEWS』 2003年1月
- 先田千映・白田秀彰・神崎正英「著作権を自分でコントロールするための新しいツール: クリエイティブコモンズとは」『iNTERNET magazine』 2003年4月
- かみむら けいすけ「クリエイティブ・コモンズ---知のイノベーションを守るために」 CNET.com 2003年7月18日
- 中川譲「クリエイティブコモンズ」『Web担当者Forum』インプレスR&D 2007年2月1日
[編集] 論考など
- 金子義亮 Net著作権宣言。1998年3月
- 金子義亮 My Rule Your Game -著作権を考えよう!!- 1998年3月
- Karl-Friedrich Lenz (2003)「著作権とCreative Commons 実施権」 2003年7月
- ヴァーチャルネット法律娘真紀奈17歳 (2003)「自由利用マークとCreative Commonsと」2003年3月
- 結城浩 (2003)「クリエイティブ・コモンズのライセンスをWeblogツールで使うことの危険性」 2003年4月
- 澁川修一 (2003) 「Creative Commons-ユーザが積極的に「共有」するためのライセンス 」2003年6月12日
- 土屋大洋 (2003)「クリエイティブ・コモンズに気をつけろ」 日本経済新聞 2003年9月18日(リンク切れ、Internet Archiveで閲覧可能。[3])
- 八田真行 (2003)「クリエイティヴ・コモンズに関する悲観的な見解 「オープンソース的著作物」は可能か」 2003年9月29日 japan.linux.com(リンク切れ、Internet Archiveで閲覧可能。[4])

