オープン教育リソース

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Open educational resources(オープン教育リソース、OER)は世界的なコミュニティネットワークであり、教育に関する共有財を作ることを目的としている。

オープン教育リソースという用語は、William and Flora Hewlett Foundationより資金援助を受け2002年ユネスコで開催されたフォーラム“Impact of Open Courseware for Higher Education in Developing Countries”で初めて採用された。オープン教育リソースは、教育に関する資料であり自由に誰でも使用することができる。また、いくつかのライセンスの下で再構成・改良・再配布などを行うことができる。オープン教育リソースは以下の内容を含む。

  • 学習する内容 : 学習コース、コースの資料、コンテンツのモジュール、学習の対象・ジャーナルなど。
  • ツール : コンテンツの検索と組織化、コンテンツ、学習管理システム・コンテンツ開発ツールなどを含む、オープン学習コンテンツの作成・伝達・利用・改善をサポートするソフトウェア。
  • リソースの実装 : 学習資料のオープンな公開やデザインの枠組み・地域化などを促進する、知的財産のライセンス。

2007年7月にクロアチアドゥブロヴニクで開催されたiCommons iSummitにおいて、教育関係者はオープン教育のイニシアティブを世界的に示し、またオープンな教育資料をよりよく作成、共有、発展させる方法を探るためにオープン運動に参加した。

2006年9月、Third Annual Open Education Conference (Community、Culture、Content)がアメリカ合衆国ユタ州のローガンにて開催された。最近では2007年9月24日から27日まで開催された。

また、2005年10月24日から12月2日まで、ユネスコのオンラインフォーラム"Open course content for higher education"が開催されていた。

OERとオープンソース[編集]

過去2年に渡り、オープン教育リソース (OER) 運動やオープン教育ライセンス(クリエイティブ・コモンスに類似する)は大きな広がりを見せている。OERに対する多くのプロジェクトは William and Flora Hewlett Foundationによって、もしくは共同コンテンツ制作に対し作業を行っているプロジェクトには Shuttleworth Foundation から財政的援助を受けている。

また、OERを実際に適用する方法について国際的な議論が活発に行われてきており、ユネスコはそれに関して International Institute of Educational Planning(国際教育計画研究所、IIEP)を通して会議を主催した。

2006年の中頃までに、OER と Free / Libre Open Source Softwareには共通する部分があることが明らかになったため、OERとFLOSSにそれぞれ設けられていたIIEPの作業グループが合併することとなり、OECDのキャンペーンに参加していた人が合流することとなった。

OERにおいて活動している多くの人員にいまだ明らかでないのは、OERとFLOSS運動の間には、フリー・オープンといった諸原則を越えた、一層深い関係があることである。このことはFLOSSでは明らかであり、例えばウィキペディアのような例を見ても、どのようにユーザーがアクティブな「リソース」作成者となり、またどうやってそれらリソースが再利用され自由に管理されているか知ることが出来る。その一方で OER では伝統的なリソースの作成方法と役割分担にいまだ視点が向けられている。

今日ではFLOSSコミュニティは、プロプライエタリ・ソフトウェアの制作者とは異なる開発アプローチを用いて良質なソフトウェアを開発していることで知られている。FLOSSはあるボランティアのコミュニティによって制作され、またそのソフトウェアに対するサービスを提供することで利潤を得ている会社に援助されている場合もある。また、ここほんの数年、FLOSSコミュニティはコミュニティにおける制作・サポートのモデルとして、また知識の作成と学習の方法に関して注目を集めている。FLOSSコミュニティは教育環境の設定に適用できる多くの特徴を備えている。例えば、

  1. オープンで包括的なエートス : あらゆる人々が参加でき、無料であり、リリースの締め切りが無く、生涯に渡り参加できる。
  2. 最新のコンテンツ : あらゆる人々によってコンテンツが作成され、編集され、アップデートされる。
  3. 教材は普通多くの著者により作成され、著者以外の人々の寄与を受けることが出来る。
  4. 教材の機能やコミュニティ構造が継続的な開発サイクル内における再交渉・反映の結果であるところにおける頻繁なリリースやアップデート。
  5. 優先的な学習結果やプロセスは、メーリングリストやフォーラム、コメントや更なる教材の再利用を通じて利用可能になる。
  6. 巨大なサポートネットワーク : ほぼ24時間に渡り協力的な方法でコミュニティによるボランティアのサポートを受けることが出来る。
  7. 「ただ乗り」歓迎のパラドックス : より多ければよりよい。
  8. 新しいICTソリューションがコミュニティにより素早く適用される。

教育環境のセッティングに対しFLOSSの方法が有用であることは部分的に明確であるが、その方法をいかにしてマッピングし、転送するか、もしくはFLOSSの方法による新しい教育法のモデルやシナリオを発展させるべきか未だシステム化された方法は提示されていない。欧州連合に資金援助を受けている FLOSSCom プロジェクトは、教育に関する視点からオープンソースの方法論をマッピングするおそらく最初の試みとなることが予想されているが、詳細な研究と作業が未だ残されている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]