B-CLUB (模型雑誌)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。126.250.180.255 (会話) による 2015年2月8日 (日) 03:29個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

B-CLUB』は、1985年10月から1998年2月にかけてバンダイ出版課から発行された模型雑誌。またその誌上で発表された作例等を販売していたガレージキットブランドを指す。

概要

1980年代初頭、アニメ『機動戦士ガンダム』の大ヒットにより、同作品のプラモデルも売れに売れ、ガンプラブームを引き起こした。さらに、リアルロボット路線に乗った作品が数多く発表されたが、ガンプラに迫る売り上げが見られた商品はなかった。タカトクトイスの倒産などブームによる過剰な設備投資の負担に耐えかねて業績を悪化させる企業も少なくなかった。

ホビージャパンなどの模型誌がキャラクタープラモデルをメインに扱う事が定着し、今で言うメディアミックス戦略が積極的に展開された。ガンプラブームのきっかけがホビージャパン誌の別冊、『How to build GUNDAM』なのは業界の共通認識であり、メディアミックス路線はメーカーにも歓迎された。しかし模型誌である以上、キャラクタープラモデルのみに誌面を割くわけにいかず、またプラモデル以外の商品展開も行なうバンダイにとっては新たなメディアが必要とされた。そのような状況下で1985年に創刊されたのが本誌である。なお、雑誌コードは取得しておらず、厳密には定期発行されるムックとなる。

バンダイの出版事業がメディアワークスに移管した後も本誌のみは引き続きバンダイから刊行が続いていた。その後ほどなく廃刊、後継誌としてメディアワークスより『電撃B-Magazine』(現『電撃ホビーマガジン』)が刊行される。

特徴

バンダイ出版課からの刊行ということで、スポンサード番組の情報を積極的に公開すると同時に会員を募り、限定商品を販売するビジネスモデルをスタートさせた。創刊当初からアニメに限らずドラマ、特撮番組なども紹介していた。またバンダイが商品展開していたSD(スーパーデフォルメ)のガシャポンなども記事にされていた。版権元であるという強みから『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダムΖΖ』などの作例がそのまま商品化されることも多く、それらはB-CLUBブランドのガレージキットとして通信販売が行なわれていた。当時プラモデルで商品化されなかったモビルスーツモビルアーマーで人気のものはB-CLUBで立体化されることがよく行なわれていた。またΖガンダム終了後からはΖ-MSV、ΖΖ-MSVをオフィシャルな立場から発表し、商品化されたものも少なくない。なお、B-CLUBのみが発表の場だったわけではなく、当初隔月刊で発行された本誌よりバンダイ発行の『模型情報』や『SDクラブ』などの方が発表の機会は多かった。

主に取り上げられたアニメ、特撮作品

アニメは、ガンダムシリーズや日本サンライズ作品の他に『聖闘士星矢』や『美少女戦士セーラームーンシリーズ』を、特撮作品は『スケバン刑事シリーズ』や『超人機メタルダー』、『平成ゴジラシリーズ』『ゼイラムシリーズ』などを多く取り上げた。また、メディアで取り上げられる機会が少なかった『BLACK OUT』を取り上げた事もある。

また、「大研究」と称してテーマを決めて特集を組み、その枠内でアニメ、特撮、コミック等の作品を取り上げており、「ドリル特集」であれば、ドリルを装備した、アニメ、特撮メカ・キャラを網羅し、現実に存在する「ドリルマシン」ということでトンネル掘削機を取り上げ、そのスペックの解説では「直径14.14m。ガンダムF91の15.2mに1.06m足りないがデナン・ゾンより大きい」「装備電動機出力、約4,650kw。『ZZ』には負けるけれど、たいがいのガンダムには勝っている」など、フィクション作品の設定を例えに用いていた。他の特集でも、同様の例は多数見られる。これらの「大研究」はマイナー作品にも言及する内容の濃さで、「スーパーロボット特集」はのちに、『スーパーロボット大鑑』シリーズ(メディアワークス発行)として書籍化された。

香坂真帆により、特撮作品のキャラクターのファッションをイラストにして紹介する『空想流行通信』という連載も行われていた。香坂の趣味で、本誌で取り上げられる事がなかった『NIGHT HEAD』を取り上げられた。また、編集の意向で『ガメラ 大怪獣空中決戦』などが取り上げられる事が多かった。ちなみに、本誌でかなり取り上げられた『平成ゴジラシリーズ』はこの連載では取り上げられず、雑誌『宇宙船』別冊の誌上で、一度だけ香坂による『平成ゴジラシリーズ』を取り上げた『ニセ空想流行通信』が掲載された。ちなみにこれも空想流行通信単行本化の際に収録されている。

現在と異なり、特撮作品を毎号メインで取り上げる雑誌が少なかったこともあって、当時は『宇宙船』と並んで特撮ファンの情報源であり、投稿による意見交換の場でもあった。

人材発掘

新規クリエイター発掘を目指してB-CLUB主催の新人発掘企画が行なわれていた。また誌面ではオリジナル小説やそれらの立体化企画などさまざまな方面へのアプローチが行なわれていた。B-CLUB誌上からそのままアニメ化、立体化されたものは主にガレージキットだが、漫画家やアニメ関係者の新規開拓も行なわれた。原型師ではこのB-CLUBの活動から一本立ちしていった者もいる。

主なコラム・連載執筆者

他、多数。

価格の変遷

消費税導入以降は税込み価格。

  • VOL.1:980円
  • VOL.2:480円
  • VOL.3~21:650円
  • VOL.22~41:680円
  • VOL.42~59:700円
  • VOL.60~67:750円
  • VOL.68~127:780円
  • VOL.128~137:880円
  • VOL.138~148:900円

関連書籍

B-CLUB COMIC

表紙では「B-CLUB COMIC」となっていたり、奥付では「B-CLUB COMICS」と表記されていたりする。

B-CLUB VISUAL COMIC

B-CLUB FILM COMIC

  • バブルガムクライシス (1988/03/)
  • 機動警察パトレイバー (上) PERFECT MANUAL vol.1
  • 機動警察パトレイバー (下) PERFECT MANUAL vol.2

Comic B-CLUB

  • Comic B-CLUB vol.1 (1988/11/)

B-CLUB SPECIAL

模型ブランドとしてのB-CLUB

必ずしもガンダム系のガレージキットを主力商品としていたわけではなく、設立当初はガレージキット業界全体として複製技術が未成熟でまだ精度を要するロボットもののガレージキットが敬遠されたことから美少女フィギュアのラインナップが多かった。ΖMSVでも百式改の改造パーツといったラインナップが多かった。また、初期のメカ関係ではこれら改造パーツや1/220ベースジャバーといった、廉価で通販でも購入しやすい小型の商品が多かった。

スケバン刑事』のフィギュアはB-CLUBブランドで発売されていたほか、レジン製ガレージキット以外にプリティーアイドルコレクションと銘打たれたソフトビニール製のドールも発売されている。これはバンダイの通常ラインで発売されたラブリーギャルズコレクション(ラインナップとしては『ダーティペア』と『魔法の天使クリィミーマミ ロング・グッドバイ』がある)の後続商品である。

他には放映当時唯一のオフィシャルの商品である簡易インジェクション成型による『スケバン刑事』のヨーヨーや『重戦機エルガイム』のバッシュのバスターランチャーのプラモデルもリリースされていた。

また初期にはフォウ・ムラサメセイラ・マスのヌードフィギュアなどおよそ今では考えられない商品も発売されていた。

その後セーラームーンアップルシードなど人気作品のガレージキットをリリースし、1998年の雑誌廃刊以降も食玩、フィギュア、ガレージキットなど多岐に渡る分野の商品をてがけるブランドとなっている。なお、B-CLUBブランドのガレージキットは近年はポピーが手がけていたが、バンダイナムコグループの再編の一環として、2007年3月1日付けでポピーがプレックスと合併したことに伴い、バンダイホビー事業部へ移管された。

現在、Bクラブブランド以外のガンダム系ガレージキットは、キャラホビでの当日版権のみ版権が許諾されている。そのため、原型を担当するガレージキットメーカーの持ち込みによる企画が殆どといえる。

直営店

1990年前後にはアンテナショップとして渋谷と高田馬場にてB-CLUBショップを営業。高田馬場店にはバンダイメディア事業部直営の映画館エモーションシアター「パール座」が併設され、OVAの上映・トークショー等が行われていた。渋谷店はイエロー・サブマリンとの業務提携によりB-CLUBショップ・イエロー・サブマリンと名称を変更して1997年まで営業を続けた。

関連項目