リアルロボット

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リアルロボット(Real robot)とは、アニメゲームなどに登場する、架空のロボットの分類のひとつで、リアリティを重視したロボットの総称。対義的な言葉として「スーパーロボット」がある。

概要[編集]

ロボットアニメのクロスオーバー作品第4次スーパーロボット大戦』で初めて登場し、同作品では上記のような意味合いを持つロボットを「リアルロボット」、一方でマジンガーZなどのヒーロー的ロボットを「スーパーロボット」と表現している。この言葉自体は、それ以前からアニメ雑誌などで、サンライズ制作作品などに「リアルロボット路線」といった表現で使用されていた。

ここでいうリアルロボットの「リアル」とは、実在しうるという意味ではなく、フィクション世界における実在感(リアリティ)があるという意味である。そのため、現実で研究・使用されている「ロボット」のことはリアルロボットとは呼ばない。

主にマスプロダクション的な兵器・機械がこう呼ばれるが、言葉の性質上、明確な定義があるわけではなく、どのロボットをリアルロボットと呼ぶかは概ね製作者の判断に委ねられる。スーパーロボット大戦シリーズのプロデューサー・寺田貴信は、リアルロボットとスーパーロボットの境目を「説明できるエネルギーで動いているか」であると語ったことがある[1]

なお、命名は『太陽の牙ダグラム』や『装甲騎兵ボトムズ』などの監督を務めた高橋良輔であり、対談で「多分僕が言い出したこと」と語っている[2]

リアルロボットの起源[編集]

SFアニメ作品において、多数の兵器や国家間の戦争を描き、リアルなメカニック設定を行ったアニメとして『宇宙戦艦ヤマト』があった。『宇宙戦艦ヤマト』は、それまでのスーパーロボット物やヒーローメカ物作品のような、主役メカ=主人公そのもの(もしくは主人公以上の物)ではなく、あくまで象徴的な道具として描かれていた。そういった手法をロボットアニメに取り入れ、リアルロボットの先駆けとなった作品が、富野喜幸(現・富野由悠季)の『機動戦士ガンダム』である。同作はロバート・A・ハインラインのSF小説『宇宙の戦士』に登場する強化防護服(パワードスーツ)からヒントを得て、ロボットアニメに新たな解釈をもたらした(機動戦士ガンダム#作品解説の項を参照)。

従来のアニメのロボットは、神秘的かつ絶対的な存在として表現される場合が多かったが、これに対し『機動戦士ガンダム』では、

  • ロボットが「モビルスーツ」という兵器の一種であり、大量生産された工業製品として設定されている。
(従来のスーパーロボットはほぼ一体限りの存在であり、ひとたび破壊されると代替の利かないケースが多い)。
  • 「量産型」「試作品」「新型」「旧式」といった派生型や、消耗部品の交換といった産業的な描写が初めて本格的に登場する。
(断片的な形では『鉄人28号』や『無敵超人ザンボット3』などでも描写されていた)。

主にこの2つの設定・概念が、それまでのロボット作品と決定的に違い、リアルロボットという概念を確立させた。当初、このような設定を持つ作品群を富野自身は「ハード・ロボットもの」と呼んでいたが、高橋の提示した「リアルロボット」の方が語呂も良く、後にヒット作品となるゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』の影響もあり、後者の認識が一般的となる。

ただし、リアルロボットアニメにおいても、主人公以下のメインキャスト陣は「ほぼ一体限りの存在であり、ひとたび破壊されると代替の利かない」高性能専用機に搭乗し、時に「神秘的かつ絶対的な」活躍をするのが、「お約束」とされている。またガンダム以降に製作されたスーパーロボットアニメには「量産型」「試作品」「新型」「旧式」といった派生型や、消耗部品の交換といった産業的な描写」が盛り込まれるようになる一方、リアルロボットアニメにおいてもこれらの描写が重視されない作品も多く、両者の境界は曖昧なものとなった。

主なリアルロボット[編集]

アーマードトルーパー装甲騎兵ボトムズ
リアルロボットのイメージを確立した作品シリーズ。ロボットを徹底的に「消耗品扱いのただの兵器」として描き、修理や補給の描写も行われている。ただし、このシリーズにおいても「ほぼ一体限りの存在であり、ひとたび破壊されると代替の利かない」高性能専用機に登場する主要キャラクター(主に敵役)が複数登場する。
ヴァンツァーフロントミッションシリーズ
火力・装甲が戦車に劣る事により、視界の開けた平地での戦闘では戦車に劣ると言う設定が与えられた、隠密・電撃戦用のメカ。
AGWS(ガングリフォン
装甲歩行砲システム、Armored Walking Gun System の略。日本、アメリカ、ロシア、ドイツなどで開発されたロボット兵器が登場する(二脚の他にも、四脚、六脚で歩行するタイプも登場する)。
可変戦闘機マクロスシリーズ
人型、中間型、戦闘機型に変形可能。名前の通り戦闘機形態がメインの「ロボットに変形できる戦闘機」。他作品の変形ロボットの様な「戦闘機に変形できるロボット」ではない。 なお一部を除き主人公機も量産機だが、パーソナルカラーを施す事で差別化が図られている(性能は変らない)。
コンバットアーマー太陽の牙ダグラム
頭部コックピットが視界を重視したヘリコプター風の透明キャノピーである機体が多かった為、そこを歩兵用の携帯火器で狙撃され倒される事もあった(本編第二話で(車載型だが)対アーマーライフルによって早々撃破されている)。ただし、主人公機ダグラムはスーパーロボットに近いほどの高性能専用機であり、しかも劇中ほとんど整備補修を受けないままで問題なく稼動していた。
タクティカルアーマー(ガサラキ
鬼(のミイラ)の細胞を元に製造された人工筋肉を使用している。これも視界の開けた平地での戦闘では戦車に劣り、市街戦などで本領を発揮する。
VT(鉄騎
Vertical Tankの略。ゲームでの操作には専用のコントローラを必須とすることで、ロボットのリアルな操縦が再現されている。
ヘビーメタル(重戦機エルガイム
主要キャラクターが搭乗する、ほとんどスーパーロボットに近い高性能かつ一品物(少数ながら複数のレプリカも存在する)のA級と、生産性を重視して低性能なB級の二種類が存在する。
モビルスーツガンダムシリーズ
リアルロボットの奔りとなった存在。同シリーズ中には可変型や四脚型も登場する。

脚注[編集]

  1. ^ スパロボOGネットラジオ うますぎWAVE』第151回より。
  2. ^ 『グレートメカニック9』(双葉社ムック)。

関連項目[編集]