電界放出ディスプレイ

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電界放出ディスプレイ(でんかいほうしゅつディスプレイ、FED:Field Emission Display)とは画像表示デバイスの一つである。

目次

[編集] 原理

基本原理はCRTと同じで、陰極部分から電子を真空中に放出し、蛍光体へぶつけることで発光を得る。CRTとは異なり、FEDは各画素毎に電子放出部を持っている。またCRTは陰電極部分にフィラメントなどの熱陰極を使用しているが、FEDは熱を加えることなく電子を放出することから冷陰極方式ともいわれる。

この冷陰極は電界電子放出を用いておりField Emitter Array(FEA)、あるいはエミッタという。FEAで有名なのは1960年代に米国・Stanford Research InstituteのSpindt氏が開発した回転蒸着法(スピント法)を用いた円錐形状のスピントエミッタである。同じ突起形状でも、円錐やピラミッド形状のSiを用いたFEAは米国海軍研究所の著名研究者でIVMC(International Vacuum Microelectronics Conference)を創設したGray氏が開発したためGrayエミッタ、モールド(鋳型)を用いるピラミッド等の形状を持つエミッタは転写モールドエミッタと呼ばれる。1990年代初頭に、この分野に新規参入してきた研究者や、事情を知らないマスコミなどがSpindtという文字面からスピン→円錐→突起形状という連想で突起型すべてをスピントエミッタと思い込んだが、これは誤用である。最初にFEDを実物サンプルを試作したLETI、その製造試作ベンチャーPixtech社、アライアンスを組んだTI、双葉電子、モトローラ等がスピントエミッタを用いたため、近年までFEDの実物サンプルは大部分スピントエミッタを用いていた。FEDでは、アノードカソードと呼ばれる2枚のガラスの間に画素毎に電極を設置する。カソード側にマイクロディップとゲート電極を置き、マイクロディップとゲート電極の電位差によりマイクロディップ先端から電子が放出する。放出した電子をアノード側の陽極側に引っ張り、アノード側にある蛍光体に電子を衝突させることで発光を得る。

[編集] 現状

FEDは原理的にCRTと同じ特性をもち、アノードとカソード間を数mm以下にできる。この特性と液晶ディスプレイやプラズマディスプレイよりも表示特性が良いことから、薄型表示デバイスの本命と長い間言われつづけてきた。しかし、回転蒸着法エミッタ、即ちスピントエミッタでは先鋭で均一な先端形状を再現性良く作製することが困難であり、エミッタの破壊などの課題があった。しかも、大面積基板へのステッパ使用や超大型真空蒸着装置の必要性のため、低コストで作製することが困難であった。このため、性能、コストの面でのハードルが高く、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイが薄型ディスプレイとして市場に出た2004年現在でも、開発状況は試作品レベルにとどまっている。

高電圧で駆動する必要がある回転蒸着法エミッタに代わり、比較的に低電圧で電子放出が得られるカーボンナノチューブをエミッタとして使用したFEDも現在開発中である。

[編集] 歴史

1990年からアメリカのキャンディセントが開発を始めていた。2000年ソニーがキャンディセントと共同でFED開発を発表。同時にThinCRTという商品名で13インチの試作品を公開した。しかし、やはりコスト面での技術克服が難しく、その後、提携は解消されている。2004年6月にキャンディセントは破産。特許を含め残資産はキヤノンが買収。

2002年双葉電子工業が8インチの試作品を公開。2004年には11インチでVGA表示可能な試作品を公開。主に車載向けに開発中とコメントした。2007年現在では3.0インチから11.5インチ横長サイズの製品が販売されている[1]

日本ではノリタケ伊勢電子日立製作所三菱電機が提携して、カーボンナノチューブを使ったFEDの開発をしている。

サムスン電子はカーボンナノチューブを使ったFEDを2007年を目標に開発中と言われている。

またカソード側の電子放出部を薄膜上の微細スリットから電子を取り出すSEDと呼ばれるFEDの一種をキヤノンと東芝が製品化する予定だが、2008年現在難航している。

[編集] 開発あるいは販売を行っている企業・団体

[編集] 参照

  1. ^ 双葉電子工業

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク